立憲民主党の野間健です。
本日は、江藤大臣が御就任されて初めての質疑ということで、改めて、大臣の御就任おめでとうございます。
ここ数年の農林水産大臣、鹿児島、長野が入りましたけれども、熊本、鹿児島、そして宮崎と、南九州に集中して農林水産大臣が出ております。これは、私は、偶然ということではなくて、やはり、今日の質疑のテーマですけれども、我が国の一大畜産地帯を抱える南九州が今非常な危機的な状況に陥っている。これを、やはり現場を知る、現地を知る議員の先生方が責任を持ってこれにきちっと取り組む、対処する、そういう一つの使命がある。そういう中で南九州からずっと出ているのではないかということを私は思っているところであります。
十月の初め頃、大臣もしょっちゅう地元の子牛の競り市に行かれているということですけれども、私も地元の競り市に参りまして、こんなことを繁殖農家の方から聞きました。
この人は、ちょっと離れた地域の、かなり大規模にやっている、繁殖、肥育もやっている友人が、生産者がいると。その人に何度か電話をしているんだけれども、何回電話しても出ない。どうしたのかなと思って、そこはちょっと離れたところですけれども、行ってみたそうなんですね、その農場に。普通であれば、畜舎に行けば、牛の鳴き声があり、いろいろな人が餌をやっている、そういう騒々しいところになるわけですけれども、行ってみたら、しいんとして、牛の鳴き声も聞こえない、人もいない。どうしたんだろうと思って畜舎の中に入っていったら、本当に痛ましいことなんですけれども、牛の骨がそこに散乱していたというんですね。
その人はすぐ分かって、ああ、そうだったんだと。この生産者の人は億単位の借金を、畜舎を造ったり、機械を導入してやっていた。そしてまた、何よりも毎月の餌代が一千万とかそれぐらいかかっているところだったので、これに耐え切れずにこの人は出ていってしまったんだなと。
ただ、この生産者の人の気持ちを考えれば、自分が本当に手塩にかけて育てた牛を置いていって出ていってしまうというのは、もう本当に身をちぎられる、胸の張り裂ける思いでこういう行動を取ったと思うんですね。これは、その一か所のみならず、何か所かで私はそういう話を聞きました。
なぜここまで、これはもう限界を超えていますね。そんな状況に今なっていることはもう大臣も恐らく御存じのことと思いますけれども、なぜこうなってしまったのか、どういうふうに大臣はお考えになっておられますか。