ありがとうございます。引き続き検討中ということで、ちょっとまた次回も聞きますので、是非こ家庁の中でもしっかりと検討をしてください。
さあ、何でこの問題に私こだわるかというと、職員の採用のときに、そのやっぱり質に影響すると思っているんですね。
資料八枚目。これ、令和二年に財務省で小学校の教員不足について議論、分析された資料です。そこには、採用試験の競争率が三倍を切ると優秀な教員の割合が一気に低くなり、二倍を切ると教員全体の質に問題が出てくると言われています。早稲田大学の田中教授です。
じゃ、今、保育士は一人の採用枠に何人応募があるのかというと、保育士は一人の採用枠に〇・三人しか来ないんですよ。二人来ないね、三人来ないねじゃないんです。もう計算上〇・三人ということで、超保育士不足ですね。これは保育の質にも大きく影響します。
僕も何人も保育士、面接をしました。何のために面接をするかというと、適性を見るんですよね。一緒に仕事ができそうか、チームを組んでいけそうか、何か特技があって、それをチーム全体で共有できそうか。しかし、保育士のこの状況は違います。ああ、適性がちょっとないかもな、ちょっと今の保育園に合わないなと思っても、保育士がいなければ、シフトに足りなければ、たとえお会いして、ううんと思っても、お願いします、来てくださいとなるんです。だって、保育士がいないと違反になるんですもん、保育できないんですもん。
この二倍を切ると教員全体の質に問題が出てくるというのはそういうところにもあると思います。チーム全体の士気が下がってストレスがたまって、思いのある人が嫌になって辞めていく。僕、何人もそういう人を見てきました。その中では、処遇改善というのも本当に引き続き大切だと思っています。
ちょっと時間上、要望だけさせていただこうと思うんですけれども、一〇・七%、抜本的だとは思います。本当に頑張ってくださった歴史を考えればすごいことです。ただ、物価も上がっていますし、この保育士不足が悪化しないよう、しっかりと今後もよろしくお願いしたいと思います。
ちょっと一問飛ばしまして、この支給の方法に関して僕は工夫をすることが大切だと思っています。資料九枚目ですね。保育園のこの公定価格という考え方を少し変えていく必要があるのかなと思います。
誰でも通園制度が始まって、全ての子供が保育所につながる試みが始まりました。保育は個人の給付なんですけれども、現場の実態に即していません。
具体的に言うと、ほぼ保育園は、固定の経費プラス子供の人数に応じて、保育単価に応じてなだらかに上がっていきます。一人増えたら一人分ねと増えていきます。今は逆に少子化が急激に進んでいますから、子供が減ることもあります。しかし、このとき、子供が一人減ったからといって、職員、必要な職員が減るわけではありません。
十ページ目。例えば、配置基準三対一、子供三に対して保育士一という、ゼロ歳児の場合ですね、子供三人だったら保育士一人必要です。ただ、四人のときも、四人のときは二人必要なんですよね、三人に一人なので。で、五人でも六人でも保育士は二人必要です。子供四人いるときには一人では見れません。つまり、経費というのは階段状になっていくんですよね。今日お配りした資料のグラフでは赤い線で示しました。
逆に、年度最初に六人子供が来ました、でも子供が途中で二人引っ越しちゃいました、兄弟が生まれてほかの保育園に行きました、六人が四人になりました。十一ページ目を御覧ください。その場合は、子供四人分の給付に減ってしまいます。先生は相変わらず二人要るんです。その場合は、保育所に入るお金、つまり保育士さんへのお給料に資する原資が減っていくか園の持ち出しということになって、処遇に影響をしています。
資料の十二ページ目、シミュレーションをちょっとしてみたんですけれども、最初定員がいっぱいの保育所でも、子供がどんどん減っていくと、子供がすごい減っても、実は保育士、必要な保育士は全く変わらないという場合が間々あるんですよね。でも、施設に入るお金がだんだん減ってしまう。このギャップがあるので、施設は、持ち出しになったり、持ち出すのが嫌な場合は、あらかじめちょっとストックしておこうかな、保育士さんに回さずにちょっと園の中でプールしておこうかなとか、とにかく保育士さんの処遇にマイナスの方向に働きます。
朝九時から大体夕方四時ぐらいまでというのはクラスごとに保育をするんですよ。なので、子供を全部まとめて保育するわけではないので、クラスごとに保育をしていますので、保育士さんの数というのはお昼の間は基本的には変わりません。
それに関して、実態に合わせていこうということで、資料十三枚目。この公定価格の考え方もしっかりと現状に即したものにしていくことがやはり現場の声に沿った形なのかなというふうに思っています。元々、この最低基準というこの数字の三対一とか四対一とか五対一というのは、昔は最低基準と言われていました。その保育所、子供一人減ったから、保育士さんは、じゃ、〇・三人要りませんよねとはなりません。保育士さんは要るままです。
これ、保育士自体の将来の見通し、やっぱり、将来保育士どんどん要らなくなるよなだと、保育士希望する人も減ってしまいます。その辺も含めて、しっかりと今後、制度設計変えていくことが、僕は、この処遇改善とともにこの保育の現状を変えていく、更に言えば、有効求人倍率がいい方向に向かっていくための一個の方法かなと思っていますので、ちょっとこの方法なんかも新しく検討をしてもらえませんかということで、ちょっとコメントをいただければと思います。