立憲民主党・無所属の小川淳也です。
私は、野党各党を代表し、今回、国会会期を九日間とすることに断固反対の立場から討論いたします。
まず、石破新総裁に申し上げます。
なぜ、昨日、いまだ内閣総理大臣でないにもかかわらず、衆議院の解散と総選挙の日程を明らかにしたのですか。
この前代未聞、異例中の異例の発言は、国会軽視も甚だしく、三権分立を含め、憲法上の疑義を生じさせかねない異常な発言であり、潔く、そして直ちに、謝罪と撤回を求めるものであります。
石破自民党総裁候補の公約の一丁目一番地は、ルールを守るでした。一体、何のルールを守っているんですか。
加えて、自民党総裁選期間中を通して、国民の判断材料を提供することが新総裁の責任、本当のやり取りは予算委員会である、これはあなた自身の言葉ではありませんか。さらに、一昨年、七条解散は憲法論の観点からすべきではないと発言し、加えて、昨年、解散は政権の延命や党利党略で行われるべきものではない、これも、ほかならぬあなた自身が記した言葉ではありませんか。
まさに、まさに有言不実行、言行不一致。ここに至っては、もはや、うそつきのそしりすら免れないのではありませんか。国民があなたに期待したのは、まさに、外に向かって吐き続けた、党益に反するその正論にあったのではありませんか。
一体、党内で誰に本当の実権が芽生えつつあるんですか。もはや初動から、かいらいになりかけているのではありませんか。石破新総裁に国民が期待したことは、まさに自民党を変えること。しかし、あなたは、既に自民党によって変えられようとしているのではありませんか。
こうなってみると、一連の自民党総裁選そのものが、事極まった裏金問題を目くらまし、煙に巻いて逃げ切るための方便でしかなかったのではありませんか。なかったことにはできませんから。国民は忘れていませんから。今後、裏金に関与した議員を公認するのか否かを含め、国民は、私たちは厳しく見詰めていることをゆめゆめ忘れることがないよう、厳しく指摘しておきます。
石破新総裁、まずは国会で議論しようじゃありませんか。国民に判断材料を提供しようじゃありませんか。総選挙はそれからで十分、いや、そうしてこその国民のための総選挙ではありませんか。
今、国会には課題が山積しています。これまで野党が繰り返し求めてきた四項目。
第一に、令和六年能登半島地震及び能登半島で発災した豪雨災害における被災者支援、復旧復興のために早急に補正予算を編成し、成立させることを求めます。
第二に、所信表明演説に対する代表質問の後、予算委員会で、新任各閣僚の資質を含め、十分な質疑を行うことを求めます。
第三に、政治倫理審査会を再開し、弁明の求めになお応じていない衆議院議員四十三名、参議院議員二十九名、合わせて七十二名が出席をし、弁明することを求めます。
第四に、旧統一教会と自由民主党の組織的な問題について、自由民主党が再調査を行い、国会に報告することを求めます。
加えて、旧優生保護法に関する被害者救済新法を早急に成立させること。公職選挙法のポスター規制等、速やかに法案を提出すること。
これはいずれも今国会で早急に議論するべきことであり、総選挙による政治的空白が直ちに生じていいものではありません。
石破新総裁には、国会論戦から逃げず、日本が直面する課題に正面から向き合い、国民の負託に応えることを強く要求し、国会を九日間で閉じること、これは何もやる気がないのと全く同じですから、断固反対を申し上げ、反対討論といたします。
御清聴、誠にありがとうございました。