岸田文雄
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2024年以降(第216~213回国会)の発言数: 2928
※ 会議の議長だった場合の発言を除く
岸田文雄君による発言要約一覧
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2024-04-26
第213回国会(常会) 参議院 本会議 第15号 発言No.9会議全体を見る- 岸田文雄君は再生産可能な農業の実現が農業の持続的発展に必要であると述べ、予算確保と農業構造の転換を進めると説明した。
- 食料安全保障の確保のため、国内生産の拡大や担い手の育成、スマート技術の導入を行い、フードバンク支援にも取り組むことを強調した。
- これらの施策を総合的に実行し、食料安全保障を強化していく意向を示した。
藤木眞也議員の御質問にお答えいたします。
再生産可能な農業の構築に向けた施策と予算の確保についてお尋ねがありました。
農業の持続的発展のためには、議員御指摘の再生産可能な農業の実現が必要です。このため、需要に対応した農業構造への転換等による食料安全保障の確保を図る中、担い手の経営発展を後押しし、担い手とそれ以外の多様な農業者による農地の適正管理等を通じた望ましい農業構造の実現を進め、生産性の向上等を図りながら農地等の農業基盤を確保することで、収益力を高めてまいります。さらに、人件費等の恒常的なコストに配慮した合理的な価格形成の仕組みについて、法制化も視野に検討を進めてまいります。そして、こうした施策を体系的に実行するために必要な予算をしっかりと措置してまいります。
食料安全保障の確保についてお尋ねがありました。
基本法の改正案において、基本理念として新たに位置付けた食料安全保障の確保を実現していくため、輸入依存度の高い麦、大豆等の国内生産の拡大を進め、需要に対応した農業構造への転換を後押しします。また、担い手の育成、確保を図りつつ、スマート技術の導入による生産性の向上、市場拡大に向けた輸出の更なる促進等を行います。あわせて、食品アクセス問題に対応し、フードバンクや子供食堂等への未利用食品の提供体制づくりの支援等を進めてまいります。
こうした取組を総合的に進め、平時からの食料安全保障を確かなものにしてまいります。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。
〔国務大臣坂本哲志君登壇、拍手〕
2024-04-26
第213回国会(常会) 参議院 本会議 第15号 発言No.13会議全体を見る- 岸田文雄君は、自民党の政治不信に対し謝罪し、ガバナンス強化や信頼回復への取り組みを表明した。
- 農村人口の減少に対して、農業と地域コミュニティーを支える施策を盛り込んだ基本法の改正案を提出し、農政を再構築する意向を示した。
- 農村振興や食料自給率向上のために、農地保全や地域資源活用の施策を推進し、農業の持続的発展に向けた直接支払制度の見直しも考慮している。
横沢高徳議員の御質問にお答えいたします。
政治不信についてお尋ねがありました。
御指摘の各事案については、それぞれの事案に応じてけじめを付けておりますが、自民党の派閥の収支報告書をめぐる問題等により深刻な政治不信を招いていることについては、自民党総裁として改めておわびを申し上げます。
御指摘の各事案は、それぞれ内容、背景を異にするものであり、その原因等について一概にお答えすることは困難ですが、我々国会議員は、その責任を自覚し、国民に疑念を持たれないよう常に襟を正していかなければなりません。
自民党としても、ガバナンスコードを改訂するなどし、党のガバナンス強化を進めているところであり、疑念を持たれた場合に丁寧に説明責任を尽くすことを含め、厳正なコンプライアンス対応等により、国民からの信頼回復、信頼確保に努めてまいります。
農村地域の現状に対する認識についてお尋ねがありました。
日本全体の人口が減少する中、農村人口は急速に減少し、農業を支える地域コミュニティーの機能も低下していることは大変重要な問題です。
このため、食料・農業・農村基本法の改正案では、基本理念である農村の振興において地域社会の維持を位置付けた上で、そのための施策として、農地保全に資する共同活動、地域資源を活用した事業の創出による関係人口の増加等を盛り込みました。これらに基づき、農村地域の維持、そして活性化を図ってまいります。
農政の抜本的見直しについてお尋ねがありました。
今回の基本法の見直しは、我が国の農業が食料等の世界的な需給変動、環境問題、国内の急激な人口減少と担い手不足といった国内外の深刻な社会課題に直面する中、これらの社会課題に官民連携で正面から取り組み、課題克服を地域の成長へとつなげていくべく農政を再構築するものです。
具体的には、食料安全保障の抜本的な強化、環境と調和の取れた農業、食品産業への転換、人口減少下における農業生産の維持発展と農村の地域コミュニティーの維持等により、生産現場の皆さんの所得の向上、農村地域の関係人口の増加等に取り組んでまいります。
基本法改正案提出の背景と現行法の下の政策の検証、評価を行う意向についてお尋ねがありました。
基本法の改正案は、先ほど申し上げたとおり、現下の国内外の社会課題に対応し、農政を再構築するために提出したものです。改正案の提出に至るまで、食料・農業・農村政策審議会において、基本法制定以降二十五年間の情勢の変化や現行政策の課題について集中的な議論を行うとともに、地方意見交換会や国民からの意見募集など幅広く御意見を伺っており、十分な議論、検証、評価、行ったものと考えております。
新たな基本法の下、我が国の社会課題を正面から捉え、引き続き、現場の声を十分にお聞きしながら、課題克服を地域の成長へとつなげていくべく新たな農政を展開してまいります。
種子の重要性についてお尋ねがありました。
種子は、肥料、飼料などと並んで農業生産に欠かせない重要な農業資材です。
基本法の改正案においては、種子を含む農業資材について、農業資材の安定的な供給を確保することを新たに明記したところであり、安定供給に向けた取組、後押ししてまいります。
食料自給率についてお尋ねがありました。
食料自給率については、自給率の高い米の消費の減少等による低下が想定より大きく、輸入に依存する小麦、大豆の国内生産拡大等による上昇を上回ってきたところ、これが目標未達の主因と分析をしています。こうした消費傾向はしばらく継続すると見込まれますが、食料安全保障の観点から、麦、大豆等の輸入依存度の高い品目を始め、国内生産の増大を基本とした取組を進めることが重要であると考えています。
また、基本法の改正案においては、食料自給率の目標に関し、食料自給率の向上が図られるよう、農業者等の関係者が取り組むべき課題を明らかにして定める旨明記をしているところであり、基本計画の策定に当たり、食料自給率を含め、食料安全保障の確保に関する事項について適切な目標を設定するべく議論を進めてまいります。
直接支払の是非についてお尋ねがありました。
農業者への直接支払については、現在、農地等の保全管理を行うための多面的機能支払、中山間地域の農業生産条件の不利を補正するための中山間地域等直接支払など、我が国の農業の課題と政策目的に応じた直接支払政策を講じているところです。
新しい基本法の下、直接支払制度を含め、必要な農業政策をしっかりと、しっかり講じ、農業の持続的発展を後押ししてまいります。
一方、農業所得の補償については、過去の戸別所得補償制度を見ても、農地の集積、集約化が進まず、生産性の向上が阻害されるおそれがあるなどの問題があると承知をしております。
水田活用直接支払交付金についてお尋ねがありました。
食料安全保障の強化のためには、主食用米の需要が減少を続ける中、輸入に依存する麦、大豆の生産拡大が必要であり、これらの生産が定着した水田は、本格的な畑地転換により麦、大豆の収量増大を図ることが農業所得の向上の観点からも重要です。
他方、気候風土等から本格的な畑地化に適さない水田等については、稲と麦、大豆の輪作体系を確立し、農業所得の向上を図ること、これが有効です。
こうした農地利用に関する各産地の主体的な判断に応じて、産地が本格的な畑地転換を行う場合には排水対策等の基盤整備や畑作物生産の安定化を支援する一方で、水田機能を維持する場合には水田活用の直接支払交付金により支援することとしており、御指摘の見直しによる水田機能の維持を確認しているものであります。
引き続き、現場に混乱等が生じないよう、丁寧な説明を行いながら支援を進めてまいります。
農村の衰退についてお尋ねがありました。
農村のこの人口減少は、以前は都市への人口流出が主要因だったものの、近年は、高齢化が進む農業者を中心に出生数の減少及び死亡者数の増加に伴う自然減が主要因となっています。
国内の人口が減少を続ける中で、農業従事者を含め農村人口の減少も避け難い状況にありますが、こうした中にあっても農業を下支えする農村コミュニティーの基盤が維持されるよう、農村地域の活性化を図ってまいります。
農村振興施策についてお尋ねがありました。
農村については、現行の基本法の基本理念において、食料その他の農産物の供給の機能及び多面的機能が適切かつ十分に発揮されるようその振興を図る、こうした旨明記されているところです。
その上で、今回の改正案において、基本理念に農村の振興は地域社会が維持されるよう行う旨、これを追記し、この基本理念を実現する施策として、農地の保全に資する共同活動の促進、地域の資源を活用した事業活動の促進、農村への滞在機会を提供する事業活動の促進、これらを体系立てて位置付けたところであり、これらに基づく農村の振興施策を効果的に展開をしてまいります。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。
〔国務大臣坂本哲志君登壇、拍手〕
2024-04-26
第213回国会(常会) 参議院 本会議 第15号 発言No.17会議全体を見る- 岸田文雄君は、国内農業生産の増大と食料安全保障の確保について、現行法の方針を維持しつつ、輸入の多様化や備蓄の重要性を強調した。
- 農産物輸出促進策に関しては、市場縮小を踏まえ、輸出先ニーズに応じた体制強化を進める必要性を述べた。
- 質問の残余については、関係大臣が答弁することを伝えた。
河野義博議員の御質問にお答えいたします。
国内の農業生産の増大についてお尋ねがありました。
現行の食料・農業・農村基本法において国内の農業生産の増大を図ることを基本とする方針を明示しているところ、今回の改正に当たっても、その方針に変わりはありません。
その上で、食料安全保障をめぐっては、輸入リスクが増大していることも課題となる中、輸入相手国の多様化等による安定的な輸入と備蓄の確保を適切に行うことが重要であり、改正案にこの点を盛り込んだところです。
今後、こうした規定に基づき、国内の農業生産の増大を後押ししつつ、輸入と備蓄を適切に組み合わせながら食料安全保障の確保を図ってまいります。
農産物の輸出促進策についてお尋ねがありました。
国内市場の縮小が見込まれる中、農産物輸出の取組は、食料安全保障を確保し、農業の持続的発展を図る上で不可欠です。
こうした考えの下、基本法改正案では農産物の輸出の促進に関する規定を設けたところであり、これに基づき、輸出先の具体的なニーズや規制に対応した輸出産地の育成、品目別輸出促進団体によるオールジャパンでのプロモーション体制の強化、輸出先の多様化に向けた情報発信の強化、こうした取組を進めてまいります。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。
〔国務大臣坂本哲志君登壇、拍手〕
2024-04-26
第213回国会(常会) 参議院 本会議 第15号 発言No.21会議全体を見る- 岸田文雄君は、農業の未来像や食料自給率向上の必要性を強調し、国内生産の拡大や生産性向上に向けた取り組みを進める意向を示した。
- 若手農業者との交流や農地バンクの活用促進を通じて、農業従事者の魅力を高める必要があると述べた。
- 農産物の輸出を加速し、食料安全保障の強化に向けた施策も進めることを報告し、国民への情報提供を重要視している。
松野明美議員の御質問にお答えいたします。
現行の基本理念の実現と農業の未来像についてお尋ねがありました。
食料・農業・農村基本法の制定以降、農地の集積、集約や基盤整備の推進など、食料の安定供給の確保、農業の持続的な発展等の基本理念の実現に向けた施策を展開してまいりました。その結果、人口減少に伴い国内市場は縮小し、農業の担い手が減少する中にあっても、農業総産出額は九兆円前後を保っているところです。
一方、現下の課題として、世界の食料供給が不安定化する中、輸入に依存する農産物の国内生産の拡大が急務となり、また農村人口の継続的な減少が見込まれる中、少ない農業者でも食料を安定供給できる体制の確保も重要となっています。
こうした課題を踏まえ、需要に応じた生産を基本にスマート技術等による生産性の向上などを図るとともに、ブランド化による付加価値向上、輸出を含めた販路拡大等の取組を支援していくことにより、農業所得の向上が図られ、農業に携わる皆さんが夢と希望、自信を持って活動できる農業を実現してまいります。
食料自給率についてお尋ねがありました。
我が国では、国内で自給可能な米の消費の急速な減少、輸入依存度の高い飼料を多く使用する畜産物の消費の増加など消費面での変化が進み、これが食料自給率の減少要因となっています。
こうした食料消費の傾向はしばらく継続すると見込まれますが、食料安全保障の確保の観点から、麦、大豆等の輸入依存度の高い品目の国産転換といった食料自給率の向上に資する取組を更に推進することが重要であると考えています。
作物の多収化についてお尋ねがありました。
食料安全保障の確保に向け、農業の生産性向上が重要な政策課題となる中、多収性品種の開発とその普及は極めて重要なものであると認識をしています。
食料・農業・農村基本法の改正案に関する衆議院の修正として、多収化等に資する新品種の育成及び導入の促進が追記されたところであり、国として、農研機構を活用しつつ、自治体と連携をして多収性に優れた品種の開発、普及、また研究人材の育成、これらを進めてまいります。
農業従事者の減少の理由及び農業の魅力を高める方策についてお尋ねがありました。
我が国人口が減少する中、基幹的農業従事者はこの二十年で百四万人減少しましたが、その七割以上である七十七万人を米の生産者が占めています。このように、機械化が進む中で多数の高齢の米生産者のリタイア等により農業者が全体として減少したものと考えておりますが、法人経営体の増加などを背景に農業総産出額は九兆円前後を保っています。
今後、若い世代がより魅力ある職業として農業を捉えられるよう、若手農業者との交流イベント等による農業のやりがいなど、生のこの魅力の発信のほか、スマート化による生産性向上や付加価値向上等により農業所得の向上を図ってまいります。
農地バンクの活用と企業の農業参入についてお尋ねがありました。
農地バンクの活用促進に向けては、農地バンクに貸し付けた農地について、農家負担を伴わずに大区画化等を行うとともに、固定資産税の軽減等を措置しています。こうしたインセンティブによる農地バンクの一層の活用を通じて農地の集積、集約化、加速化してまいります。
また、株式会社等の農業参入については、平成二十一年のリース方式の下での完全自由化後、それ以前と比べて約五倍のペースで進んでおり、今後も制度の適切な運用等を通じて地域と調和した農業参入、農業生産を後押ししてまいります。
農地所有適格法人の経営基盤強化の措置についてお尋ねがありました。
農地を取得、所有できる農地所有適格法人については、経営面での農業者の主体性確保のために議決権割合等の要件を定めているところ、食料安定供給と農業経営の発展に資するものとして、食品事業者等からの出資を通じて経営基盤の強化を図るための農地制度の改正法案を提出したものです。
法案の成立を見れば、まずはしっかり運用することが重要であり、今後の業種拡大は、議員御指摘のイノベーションにつなげる観点や農業現場の懸念等を踏まえ、丁寧に検討していくことが必要であると考えております。
スマート農業の社会実装の加速化についてお尋ねがありました。
スマート農業技術は、人口減少下においても生産性の高い食料供給体制を確立するために重要なものであると考えております。その際、スマート農機等の導入コストが高く、また、それを扱える人材が不足しているなどの課題、明らかになっています。
このため、今国会に生産性向上のためのスマート農業の振興などを進めるための関連法案を提出しており、これに基づく税制、金融等の支援を講ずるとともに、人材の育成も図りながら、スマート農業の社会実装の加速化に取り組んでまいります。
基本法に農福連携を位置付けた意義についてお尋ねがありました。
今後、農村地域では人口減少、高齢化が急激に進行することが見込まれる中、農福連携の推進は、障害者を始め多様な人々の社会参画を実現すると同時に、これを通じた地域農業の振興が期待されるところです。
今後、新しい基本法に基づき、農と福をつなぐ専門人材の育成等の取組に加えて、地域ぐるみの取組に向けた地域協議会の活動の拡大を後押しするとともに、障害者のみならず、社会に支援が必要、社会的に支援が必要な者の社会参画を促進し、政府一体となって農福連携を一層推進し、地域農業の振興を図ってまいります。
農産物の輸出についてお尋ねがありました。
リンゴの輸出は、日本産の味、色などの品質が評価され、春節の贈答需要などを捉えて拡大してきました。また、米の輸出については、日本産の味の良さのPRなどを実施し、海外におけるおにぎりやレストランなどの需要開拓、進めてきたところです。
これらのほかにも、カンショ、緑茶など、輸出先のニーズを捉えて輸出額が増加している品目は多数あり、農林水産物・食品の輸出目標である二〇三〇年五兆円に向けて取組を加速してまいります。
具体的には、輸出先国のマーケットニーズや規制に対応した輸出産地の形成、輸出の際に鮮度を維持する冷蔵保管技術など新たな技術の活用促進、これらを図ってまいります。
食料の不測時への対応等についてお尋ねがありました。
食料安全保障に関する周知広報については、我が国の食料安全保障リスクの高まりや対策の必要性などについて、国民への正確で分かりやすい情報提供を丁寧に行ってまいります。
また、食料供給困難事態対策法案に関し、罰則は、食料供給が大幅に減少する事態において、生産、流通など食料供給に関わる事業者の供給力を把握するために必要最小限の措置として設けるものです。
不測時の対策を実効的に行うため、事業者との協力関係の構築、国内生産基盤の強化、また安定的な輸入の確保など、これらの取組を平時から進めてまいります。
2024-04-26
第213回国会(常会) 参議院 本会議 第15号 発言No.24会議全体を見る- 岸田文雄君は、菅野志桜里氏に関する香港での裁判について、政府が情報収集を行い、言論の自由を尊重する考えを示した。
- 食料・農業・農村基本法の見直しは、食料安全保障の強化を目的とし、慎重に議論が進められていると報告。
- 改正案には、食料自給率の向上や農業所得の向上に関する規定が盛り込まれており、予算措置にも取り組む姿勢を示した。
舟山康江議員の御質問にお答えいたします。
まず、香港での裁判において菅野志桜里氏が共謀者として名指しされたことについてお尋ねがありました。
関連の裁判は現在継続中であり、政府としては、引き続き在外公館等を通じて情報収集を行うとともに、今後の進展を注視し、菅野志桜里氏に対する対応が我が国主権の侵害に当たるか否かも含め、状況の具体的な詳細について精査しながら、更なる対応ぶりについて適切に検討していく考えであります。
その上で、我が国の民主主義の根幹を構成する言論の自由、とりわけ国の代表たる国会議員の表現の自由は尊重されるべきであり、政府として既に香港当局に対し関心表明を行ってきているほか、我が国として、国会議員の言論の自由が保護されるよう毅然として対応していく所存です。
なお、我が国は、中国及び香港との間でそれぞれ刑事共助に関する条約又は協定を締結しており、先方から刑事共助の請求がある場合には、刑事共助の請求を受ける側が拒否できる事由があるかを含め、条約の規定に基づき個別具体的に検討の上、対応することとなります。
食料・農業・農村基本法の見直しに関する議論の進め方についてお尋ねがありました。
基本法の見直しは、ウクライナ情勢に見られるサプライチェーンの混乱や気候変動による世界的な不作の頻発など、世界の食料供給が不安定となり、我が国食料安全保障の強化が待ったなしの課題であるとの認識に基づくものです。
こうした危機感とスピード感を持ちつつ、食料・農業・農村政策審議会における集中的議論、地方意見交換会や国民からの意見募集など、幅広く意見を伺い、十分な議論を経て国会に改正案を提出したものであると考えております。
改正法案の作成プロセスについてお尋ねがありました。
食料・農業・農村政策審議会における中間取りまとめに対して、地方意見交換会等において、資材の安定供給や適正な価格形成の必要性など、多くの貴重な御意見をいただきました。そして、それらのこの御意見の内容については、農林水産省において精査したところ、中間取りまとめの中で整理されていると認められたところです。
そしてその上で、最終答申の取りまとめを行ったわけでありますが、最終答申の取りまとめや様々な御意見を踏まえた改正案の作成プロセスについては問題はないものであると認識をしております。
改正案に食料自給率向上を明記することについてお尋ねがありました。
御指摘の食料自給率については、改正案第十七条第三項において、基本計画の記載事項として、食料自給率の目標に関し、食料自給率の向上が図られるよう農業者等の関係者が取り組むべき課題を明らかにして定める、こうした旨明記をされています。
基本計画の策定に当たっては、食料自給率を含め食料安全保障の確保に関する事項について、国内外の食料需給の動向等を踏まえつつ、適切な目標を設定するべく議論を進めてまいります。
基本法への所得の明記についてお尋ねがありました。
基本法の改正案では、基本理念において、農業経営の収益力そのものを高める観点から、新たに生産性の向上と付加価値の向上により農業の持続的な発展を図ることを規定した上で、農業経営の安定、発展を図る施策として、農地の集積、集約、収入保険等のセーフティーネット対策等に加え、スマート技術による生産性向上等を進めるための規定を盛り込んだところです。
農業の持続的な発展を図る上で農業所得の向上が不可欠であることはおのずと明らかであり、基本法上の農業の持続的な発展との基本理念の下、各般の施策により農業所得の向上に取り組んでまいります。
そして、直接支払政策の導入についてお尋ねがありました。
農業の有する多面的機能が適切に発揮されるよう、農地や農業用水等の管理等を適切に行う地域の共同活動に対する直接支払として、多面的機能支払交付金を設置しています。
基本法の改正案でも、農地保全に資する共同活動の促進に必要な施策を講ずる旨明記したところであり、今後とも、我が国の課題と、そして政策目的に対応した直接支払を含めた各般の農業政策により、食料安全保障の確保等を通じた農業の持続的な発展、これを後押ししてまいります。
農林水産予算の増額についてお尋ねがありました。
基本法の改正案が成立を見れば、政府として、食料安全保障の確保等に向けた施策を体系的に進めてまいります。それに合わせ、施策の実行に必要な予算についてしっかりと措置をし、食料安全保障の確保等につながる農業の現場の取組を後押ししてまいりたいと考えております。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。
〔国務大臣坂本哲志君登壇、拍手〕
2024-04-26
第213回国会(常会) 参議院 本会議 第15号 発言No.28会議全体を見る- 岸田文雄君は、食料自給率の低下について、主因は米の消費減少であり、輸入依存のリスクを強調しつつ、国内農業生産の増大を図ると述べた。
- 基本法の改正案では、食料自給率向上の取り組みを明記しつつ、輸入と備蓄の確保が重要であるとし、農業者の所得向上も目指すと説明した。
- 食料安全保障の確保に向け、フードバンク支援や雇用の安定を進める考えを示した。
紙智子議員の御質問にお答えいたします。
基本法制定時の議員修正に関する国会の意思についての認識についてお尋ねがありました。
現行の食料・農業・農村基本法の制定時は、衆議院において、共産党を除く各会派の共同提出で、国民に対する食料の安定供給については国内の農業生産の増大を図ることを基本として行われなければならないこと、そして、食料自給率の目標はその向上を図ることを旨として定めること、政府は基本計画を定めたときは遅滞なく国会に報告することを内容とした修正案が提出され、可決されたものと承知をしております。
こうした国会での修正内容については、政府としてこれまで対応を進めてきたところであり、今回の改正案においても基本的には規定を維持しているところであります。
食料自給率についてお尋ねがありました。
食料自給率については、米の消費の減少等による低下が想定より大きく、輸入に依存する小麦、大豆の国内生産拡大等による上昇を上回ってきたところ、これが目標未達の主因と分析をしています。
また、これまで幾多の農産物貿易交渉を重ねる中にあって、我が国の農業生産に重大な支障を招くことがないよう、必要な関税等の措置を確保してきたところです。実際、この二十年間の自給率の低下はFTA等による影響は大きくなく、また、国の政策としても自給率の向上に取り組んできたところであり、アメリカの圧力と政府の経済財政政策が自給率低下を招いたとの御指摘は当たらないと考えております。
食料自給率と国内の農業生産の増大についてお尋ねがありました。
食料自給率については、改正案では、基本計画の記載事項として、食料自給率の向上が図られるよう、農業者等の関係者が取り組むべき課題を明らかにして定める旨明記しており、格下げしているものではありません。また、現行の基本法において、国内の農業生産の増大を図ることを基本とする方針を明示しているところ、今回の改正に当たってもこの方針に変わりはありません。
その上で、食料安全保障をめぐって輸入リスクの増大も課題となる中、安定的な輸入と備蓄の確保を適切に行うことが重要であることから改正案にこの点を盛り込んだところであり、国内の農業生産の増大を後押ししつつ、輸入と備蓄を適切に組み合わせながら食料安全保障の確保を図ってまいります。
担い手の減少と農地の維持についてお尋ねがありました。
これまで、現行基本法に基づき、食料の安定供給において中心的な役割を果たす担い手について、経営規模が大規模か中小規模か、家族経営か法人経営かにかかわらず、その経営の安定、発展を後押ししてきたところです。
この二十年で農地面積は転用などにより約一割減少したものの、法人経営体の増加、生産性の向上などを背景に農業総産出額は九兆円前後を保ってきており、これまでの政策が破綻しているとは考えておりません。
農業所得についてお尋ねがありました。
将来にわたって食料の安定供給を確保するためには、収益性を確保し、農業が持続的に発展していくことが重要です。このため、改正基本法に基づき、生産性の向上や付加価値向上の後押し、適正な価格形成の推進などを基本に、収入保険制度等の経営安定対策を適切に講じながら、農業所得の向上を図ってまいります。
なお、御指摘の農家の収入の統計については、例えば稲作経営の年間収入は、自家消費を目的としたり、農外収入を主と、失礼、農外収入を主としたりしている小規模農家を含めた平均値であり、農業で生計を立てていく水田作経営体の所得に着目していく必要があると考えております。
ミニマムアクセス米についてお尋ねがありました。
ミニマムアクセス米については、我が国の国産米の保護措置を含む全体のパッケージであるガット・ウルグアイ・ラウンド合意を受けて、ミニマムアクセス米が国産米の需給に悪影響を与えないよう国家貿易で管理をしているところであります。これに伴う財政負担は売買差損や管理経費の増により増加していますが、財政負担をできる限り削減するために、新たな仕向け先の開拓や管理経費等の削減に努めつつ、この枠組みを維持してまいります。
他方、農業者の所得向上に向けては、改正基本法に基づき、生産性向上や付加価値向上の後押し、適正な価格形成の推進などを基本に、収入保険制度等の経営安定対策を適切に講じながら、しっかりと取り組んでまいります。
直接支払についてお尋ねがありました。
農業者への直接支払については、現在、農地等の保全管理のための多面的機能支払、中山間地域の農業生産条件の不利を補正するための中山間地域等直接支払など、我が国農業の課題と政策目的に応じた直接支払制度を講じているところです。
新しい基本法の下、直接支払制度と併せて、生産性向上や付加価値向上の後押し、また合理的な価格形成の推進、収入保険制度等の経営安定対策を適切に講ずることにより、農業者の所得の向上を図ってまいります。
担い手政策についてお尋ねがありました。
我が国農業の持続的発展に向け、新規就農者の確保や経営継承の実現は極めて重要な課題であり、現場の実態を踏まえながら、その推進を図ってきたところです。
具体的には、新規就農施策について、支援対象者が就農後の早い段階で所得を得られるよう、令和四年度から新たに機械導入等の初期投資への支援や就農後の技術サポートを含む総合的な支援施策を追加するなど、施策の改善等を行ってまいりました。
引き続き、現場の実態をよく踏まえながら、効果的な施策の展開に努めてまいります。
そして、一人一人の食料安全保障の確保等についてお尋ねがありました。
十分な食料を入手できない方々が足下で増えている現状に対応することは重要な課題であると認識をしております。このため、改正案において、新たに食料の円滑な入手の確保を位置付けたところであり、フードバンクや子供食堂等への未利用食品の提供体制づくりの支援、全国的な政府備蓄米の無償供与等の取組を進めてまいります。
また、非正規雇用労働者の雇用の安定や処遇改善に向けてリスキリングや正規化支援を進めるとともに、最低賃金の引上げや同一労働同一賃金の遵守の徹底、これらの施策に取り組んでまいります。
2024-04-18
第213回国会(常会) 衆議院 本会議 第22号 発言No.7会議全体を見る- 岸田文雄君は、4月8日から14日までの米国公式訪問の成果を報告し、日米同盟の重要性を強調した。
- 日米首脳会談では、安全保障協力、経済関係、宇宙協力などに関する5つの成果を確認し、共同声明を発表した。
- 訪問中に、米国との草の根交流の重要性を再確認し、日本企業の貢献についても伝えた。
私は、四月八日から十四日まで、バイデン大統領からの招待を受け、日本の総理大臣として約九年ぶりに国賓待遇で米国を公式訪問いたしました。その概要を報告いたします。
米国は、自由、民主主義といった価値や法の支配などの原則を共有する、日本にとって唯一の同盟国です。日米同盟は、我が国の安全と繁栄の礎であり、また、国際社会の平和と安定の基盤の一つです。
国際社会が複雑かつ多様な課題に直面し、また、我が国を取り巻く安全保障環境がこれまでになく厳しさを増す中で、日米同盟の重要性は一層高まっています。
四月十日に実施した日米首脳会談では、バイデン大統領との間で、日米両国が深い信頼と重層的な友好関係で結ばれていること、そして、かつてなく強固な友好、信頼関係に基づくグローバルなパートナーとなっていることを確認しました。より具体的には、大きく五つの成果があったと考えております。
第一に、安全保障協力については、私から、防衛力の強化に取り組んでいることを説明し、バイデン大統領から改めて強い支持を得ました。また、日米同盟の抑止力、対処力の一層の強化が急務であることを再確認し、米軍と自衛隊との相互運用性強化など、安全保障、防衛協力を拡大、深化していくことで一致をいたしました。
第二に、地域情勢について、力又は威圧による一方的な現状変更の試みは、世界のいかなる場所であれ、断じて容認できず、同盟国、同志国と連携し、毅然と対応していくことを再確認いたしました。また、その上で、中国をめぐる諸課題への対応、北朝鮮の核・ミサイル開発や拉致問題、ロシアによるウクライナ侵略、中東情勢等につき率直に意見を交わし、引き続き緊密に連携していくことを確認いたしました。
なお、史上初の開催となった十一日の日米比首脳会談では、法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋の実現の観点から、極めて有益な成果を得ることができました。
第三に、日米経済関係について、日米両国が世界の経済成長を共に牽引していくこと、また、そのためにも双方向の投資の促進が重要であるとの認識で一致をいたしました。その上で、先端技術分野での競争力を維持強化し、経済的威圧、非市場的政策、慣行や、過剰生産の問題に適切に対応しつつ、サプライチェーンの脆弱性を克服し、持続可能で包摂的な経済成長を牽引していくための連携の必要性を確認いたしました。加えて、脱炭素化、AI、スタートアップ等についても協力を進めることで一致をいたしました。
第四に、宇宙分野での協力を一層推進していくことでも一致をいたしました。与圧ローバーによる月面探査の実施取決めの署名を歓迎するとともに、アルテミス計画の将来のミッションで、日本人宇宙飛行士が米国人以外で初めて月面に着陸するという共通の目標を発表いたしました。
最後に、この揺るぎない日米関係を一層強化するべく、人的交流を更に促進していくことを再確認しました。
これらの点を含め、今回の訪米の成果として、「未来のためのグローバル・パートナー」と題する共同声明をバイデン大統領とともに発表しました。ここに記された指針を踏まえ、日米は、不退転の決意で、国際社会の平和と繁栄の礎である法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を何としても維持強化してまいります。
首脳会談に続き、十一日には、米国連邦議会上下両院合同会議において、「未来に向けて 我々のグローバル・パートナーシップ」と題した演説を行いました。世界が歴史的にも大きな転換点を迎える中で、日米がグローバルなパートナーとしていかなる未来を次世代に残そうとするのか、そのために両国がなすべきことは何なのかという未来志向のメッセージを、米国連邦議員のみならず、広く米国国民、そして世界にしっかりと伝えることができたと考えております。
また、今回は、日本企業による大型投資が行われているノースカロライナ州を訪問しました。日本企業が投資や雇用創出を通じて米国経済に大きく貢献していることを発信するとともに、米国の地域社会における日米間の幅広い分野における草の根交流の重要性などについても、改めてハイライトすることができたと考えております。
内閣総理大臣の発言(米国公式訪問に関する報告)に対する質疑
2024-04-18
第213回国会(常会) 衆議院 本会議 第22号 発言No.25会議全体を見る- 岸田文雄君は、イスラエル・パレスチナ情勢に対し、国際法に従った行動を求める姿勢を強調し、外交努力を続ける意向を示した。
- 国会のデジタル化については各党間での議論を呼び掛け、サイバー防御の強化を急務と認識していると述べた。
- 宇宙分野では人材育成を重要課題とし、取り組みを強化する方針を発表した。
まず、ただいまの玉木雄一郎議員の御質問にお答えさせていただく前に、先ほど、源馬謙太郎議員の御質問の中で、イスラエル・パレスチナ情勢への対応についてお尋ねがあった部分の答弁につきまして補足させていただきます。
先ほど、その答弁において、まず、ハマス等におけるテロ攻撃を受けたイスラエルは、こうしたテロ攻撃に対し、国際法に従って自国及び自国民を守る権利を有しています。しかしながら、同時に、全ての行動は国際人道法を含む国際法に従って行われなければならず、政府は、これまで、イスラエルに対しても、一般市民の保護や国際人道法を含む国際法に従った対応等を要請してきております。
ここまでは先ほど答弁したとおりでありますが、その後の部分に、こうした点に関する法の支配に基づく我が国の立場は一貫しており、ダブルスタンダードであるとの指摘は当たりません。こうした一貫した立場について、これまでも国際社会に対して説明してきており、今回の会談でもバイデン大統領に直接説明をいたしました。このように答弁を訂正させていただき、その後は、引き続き、関係国、国際機関とともに、全ての当事者に対し、事態の鎮静化等に向けた外交努力を粘り強く積極的に続けてまいります。先ほど答弁したとおりのこの最後の部分につなげさせていただきたいと存じます。訂正して補足をさせていただきます。
そして、その上で、玉木雄一郎議員の御質問にお答えいたします。
本会議におけるタブレットの利用についてお尋ねがありました。
国会での議論の在り方は国会においてお決めいただくべきものであり、議員御指摘の点も含めて、各党各会派においてしっかりと議論をいただければと思っております。
その上で申し上げれば、国会におけるデジタル化については既に検討が始まっていると承知をしており、引き続き、政府としても、国会におけるデジタル化の取組にしっかりと対応をしてまいります。
グローバルパートナーとしての活動と憲法との関係についてお尋ねがありました。
今回発出した日米首脳共同声明及び米国議会における私の演説において言及したグローバルパートナーといった表現は、日米両国が、両国間や地域にとどまらず、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を共に維持強化していくという両国の不退転の決意を示すものであり、軍事面のみを念頭に置いたものではありません。また、この表現や、御指摘の米国との緊密な連携の強化といった表現は、これまでの日米の役割分担や責任分担を変えるものではなく、我が国が、外交、安全保障上の政策は、我が国の憲法、法律にのっとり、かつ、我が国の国益に基づいて行っていくものであります。
その上で、日米それぞれの指揮統制の枠組みを向上させることなど、今回の首脳会談で一致した安全保障、防衛協力については、現行憲法の範囲内で議論を進めていくものであり、憲法改正を要するものとは考えておりません。
日米地位協定の見直しについてお尋ねがありました。
日米地位協定について様々な意見があることは承知しておりますが、政府としては、これまで、手当てすべき事項の性格に応じて、環境補足協定や軍属補足協定の締結等も含め、効果的かつ機敏に対応できる最も適切な取組を通じて、一つ一つの具体的な問題に対処してきているところであり、引き続き、そのような取組を積み上げることにより対応していく考えであります。
能動的サイバー防御についてお尋ねがありました。
我が国のサイバー対応能力を向上させることは、現在の安全保障環境に鑑みると、ますます急を要する重要な課題であると認識をしております。
国家安全保障戦略においても、NISCを発展的に改組し、サイバー安全保障分野の政策を一元的に総合調整する新たな組織を設置し、能動的サイバー防御を含むサイバー安全保障分野における新たな取組の実現のために、法制度の整備、運用の強化を図る、こうしたことをうたっております。本年度は、その第一段階として、サイバーセキュリティー対策の強化のために、NISCの予算や人員の大幅な増員、そして増額を行ったところです。
能動的サイバー防御の実現に向けた法案については、現行法令との関係等を含め、様々な角度から検討を要する事項が多岐にわたっておりますが、可能な限り早期に法案をお示しできるよう、検討を加速してまいります。
政務三役や審議会委員に対する適性評価についてお尋ねがありました。
本法案第十一条第一項各号に掲げる者である国務大臣、副大臣、政務官などについては、内閣総理大臣がその任命に当たり必要な考慮を行っていることなどから、本法案の適性評価の対象外としています。この点については、本法案よりも機微度が高い情報を対象としている特定秘密保護法でも同様であることを踏まえたものであります。
また、お尋ねのあった審議会の委員、これは何を指すのかは存じ上げませんが、いわゆる審議会の委員に当たっては、重要経済安保情報の取扱いの業務を行うことが見込まれる場合には、本法案における適性評価を受けることとなります。
香港での裁判について、菅野志桜里氏が共謀者として名指しされたことについてお尋ねがありました。
他国、地域における我が国国民の行動への制限については、それが我が国の主権の侵害に当たるかも含め、個別具体的に状況を見る必要がありますが、一般論として申し上げれば、我が国の民主主義の根幹を構成する言論の自由、とりわけ国の代表たる国会議員の表現の自由は尊重されるべきである、これは当然のことであります。
二〇二〇年六月に国家安全維持法が制定されて以降の香港をめぐる情勢については、我が国として重大な懸念を強めており、これまでも、様々な機会に中国側に直接伝達をしてきています。御指摘の事案についても、香港当局に対して関心表明を行っています。
いずれにせよ、我が国としては、我が国の国会議員の言論の自由が保護されるよう、毅然と対応していく所存であります。
ガザに関する米国下院議員の発言についてお尋ねがありました。
御指摘のティム・ウォルバーグ米連邦下院議員の発言は、適切ではないと考えております。
同時に、同議員がその後、声明を発出し、冷戦時代に幼少時代を過ごした身として、核兵器の使用を訴えることは決してないとして、自身の発言について釈明をしていることにも留意をしております。
いずれにせよ、我が国は唯一の戦争被爆国として、核兵器による広島、長崎の惨禍は決して繰り返してはならないとの信念の下、核兵器のない世界の実現に向けて、米国とも協力しながら、現実的かつ実践的な取組を積み重ねてまいります。
日米共通のジェット練習機に係る作業部会についてお尋ねがありました。
日米首脳会談では、日米共通のジェット練習機の共同開発、生産の機会を追求することも含め、将来の戦闘機パイロットの教育について検討する作業部会の設置について一致をいたしました。
作業部会においては、AIや先進的なシミュレーターの活用も含め、次世代機であるGCAPの運用にも資する効率的な教育等について検討していく考えであり、GCAPとの関係で矛盾するものではないと考えております。
USスチール買収及び対外的な投資の規制に関するお尋ねがありました。
今回の日米首脳会談では、日米経済関係について様々な議論を行いましたが、外交上のやり取りの詳細についてはお答えを差し控えます。
その上で申し上げれば、日本としては、本案件が法に基づき適正に手続が進められると考えています。日本は、現在、米国にとって最大の投資国であり、今後も、両国にとってウィン・ウィンな流れを確実なものにしていきたいと考えております。
対外的な投資については、我が国では、外為法において、制裁対象者に対する資金移転やロシア向け対外直接投資を禁止しているほか、北朝鮮向け支払いを原則禁止しています。また、武器の製造等に係る対外直接投資について、事前審査の対象としております。引き続き、経済安全保障の観点も踏まえつつ、こうした規制も活用しながら適切に対処してまいります。
宇宙分野を担う人材育成についてお尋ねがありました。
アルテミス計画の実現に向けた取組が加速する中、宇宙分野における人材育成は、今後の我が国の宇宙分野の更なる発展のために重要な課題です。
このため、政府では、令和五年六月に策定した宇宙基本計画に基づき、将来の宇宙分野の発展を支える次世代人材の育成のため、国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」での大学生や高専生などの実験参加や、JAXAと大学の人材交流による大学院教育への支援など、人材育成への支援を強化するとともに、拡大する宇宙人材の需要に応えるため、他産業の人材による宇宙分野への流入及び宇宙分野内での人材の流動化促進などにも取り組んでおり、引き続き、宇宙活動を支える人材育成に戦略的に取り組んでまいります。
2024-04-18
第213回国会(常会) 衆議院 本会議 第22号 発言No.10会議全体を見る- 岸田文雄君は、豊後水道で発生した地震について即時に被害状況の把握や情報提供を指示し、軽傷者や断水の報告を受けていると述べた。
- 公式訪米の成果として日米間の未来志向のメッセージを伝え、首脳会談での防衛協力を強化する意見交換を行ったと報告。
- ノースカロライナ州訪問により、日本企業の米国経済への貢献を示し、日米の草の根交流の重要性を再確認したことを強調した。
鷲尾英一郎議員の御質問にお答えいたします。
まず、昨晩発生した豊後水道を震源とする地震についてお尋ねがありました。
お尋ねの地震については、地震発生直後に、私から、早急な被害状況の把握、地方自治体と緊密に連携した災害応急対策、そして国民に対する適時的確な情報提供、この三点を指示いたしました。また、地震発生後直ちに官邸対策室を設置し、被災自治体とも緊密に連絡を取り合いながら、夜間を含めて、被害状況の把握、災害応急対策等に全力を挙げているところです。これまでのところ、軽傷者数名がいるほか、一部の地域で断水が生じている等の報告を受けています。
全ての被災者の方にお見舞いを申し上げます。
また、伊方原子力発電所については、地震後、運転中の三号機の出力が約二%低下したということですが、環境への放射能の影響はなく、原発の安全機能に異常はないと報告を受けております。
政府としては、既に被災自治体へ関係省庁の職員の派遣等を行ったところですが、引き続き、被災自治体とも緊密に連携し、必要な対応を進めてまいります。
そして、今回の公式訪米の意義及び成果についてお尋ねがありました。
私は、世界が歴史的な転換点を迎える中で、日米がグローバルなパートナーとして、いかなる未来を次世代に残そうとするのか、そのために両国がなすべきことは何なのかという未来志向のメッセージを訴えたいとの強い思いを抱いて、今回の訪米に臨みました。
この点、日米首脳会談や連邦議会での演説といった様々な機会を通じ、私のメッセージを日米両国、そして世界にしっかり伝えることができたと手応えを感じております。
そしてまた、今回の訪米では、国賓待遇ということで、大統領夫妻との非公式夕食会、歓迎式典、公式晩さん会など特別な行事も催され、さらには初の日米比首脳会合も開催するなど、バイデン大統領とは合計で約九時間もの時間を共に過ごすこととなりました。
そういった充実した時間を通して、現在の国際情勢の下で日米が取るべき戦略、なすべき施策などについて、率直な意見交換を通じ、首脳レベルでしっかりとすり合わせをすることができました。
日米安全保障協力に関する成果についてお尋ねがありました。
今回の首脳会談においては、私から、国家安全保障戦略に基づき、防衛力の抜本的な強化に取り組んでいることを説明し、バイデン大統領から改めて強い支持を得ました。
バイデン大統領からは、日本の防衛に対する揺るぎないコミットメントが改めて表明され、その上で、私とバイデン大統領は、抑止力、対処力の一層の強化のため、米軍と自衛隊の相互運用性の強化など、安全保障、防衛協力を拡大、深化していくことで一致をいたしました。
このほか、沖縄を始めとする地元の負担軽減の観点から、在日米軍再編を着実に実施していくこと、日米豪、日米韓、日米英など、日米を基軸とした地域のパートナーとの協力や、防衛装備・技術協力における取組などの点が共同声明に盛り込まれました。
AUKUS諸国との連携の今後の方向性についてお尋ねがありました。
近年、日本は、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、同盟国である米国、安全保障面での協力が進む同志国である豪州、英国との間で、平素から緊密な意思疎通を行い、協力を推進してきています。
国際秩序の根幹が揺るぎ、地域の安全保障が一層厳しさを増す中、AUKUSの取組は、インド太平洋の平和と安定に資するものであり、日本は一貫して支持しています。
その上で、先進能力分野に係るAUKUS第二の柱に関する協力については、今後、まずはAUKUS側において具体的な検討が行われることになると承知しておりますが、日本としても、AUKUSのこうした動きも見ながら、今後の協力の在り方について検討していきたいと考えております。
ロシアによるウクライナ侵略に関するやり取りについてお尋ねがありました。
今回の日米首脳会談では、私から、今日のウクライナは明日の東アジアかもしれないとの認識の下、我が国が厳しい対ロ制裁と強力なウクライナ支援を継続していく旨を述べ、G7を始めとする同志国と緊密に連携していくことで、バイデン大統領との間で一致をいたしました。
バイデン大統領との個人的なやり取り及び贈呈品についてお尋ねがありました。
今回の公式訪米では、先ほども述べたとおり、合計九時間もの間、同大統領と過ごすこととなりました。このうち、大統領夫妻との夕食会など個人的な行事においては、家族のこと、趣味、日課などについて話が及んだほか、非公式夕食会が行われたレストランにまつわるバイデン大統領夫妻の思い出話、また、今回日本から持参した桜の苗木の贈呈、そして日米間の歴史的な交流などについて話題となりました。
また、今年一月の能登半島地震に際し、バイデン大統領を始め米国民の方々から温かいお見舞いと支援をいただいたことから、日米の固い友情と復興に向けた我が国の強い決意を象徴するものとして、能登半島の郷土品である輪島塗の若手職人が手がけたボールペン及びコーヒーカップを贈呈することといたしました。私からは、輪島塗の若手職人が、今回のために特別に、百以上の工程を経て、心を込めて制作した品である旨、説明を行いました。
連邦議会における演説についてお尋ねがありました。
国際社会が歴史的な転換点を迎える中にあって、日本と米国が次の世代にどのような社会を残そうとしているのか、そして、そのために日米は何をしなければならないのかといった未来志向のメッセージを、米国議会の超党派、そして広く米国国民、さらには世界に向けて具体的に訴えるものにしたいと思い、演説を行いました。
具体的には、これまでの国際秩序や自由、民主主義が世界中で脅威にさらされ、また新たな挑戦に直面している中で、引き続き、米国のリーダーシップが必要不可欠であるということ、そして、日本も共に責任を果たす用意がある、さらに、日米のグローバルなパートナーシップが今後も未来に向けて継続、進化していく、こういった私の思いについて、多くの米国議員の皆様にしっかりと伝えることができたと感じております。
日米間の人的交流の強化についてお尋ねがありました。
日米関係は、両国の社会の幅広い層における相互交流によって支えられています。これまでも、様々なプログラムを通じて人的交流を促進してきていますが、今後は、米国社会で影響力の高い層や、今後の日米関係を担う青年層における対日理解や知日派形成などにも意を用いてまいります。
また、今回は、ノースカロライナ州で日本人留学生と懇談する機会を得ましたが、政府としては、トップクラスの米国の理系大学院博士課程に留学する方の奨学金を、民間のトップレベルの奨学金を参考に、大幅に拡充することを決定いたしました。
ノースカロライナ州への訪問の理由及び成果についてお尋ねがありました。
今般の訪米では、首都ワシントンDCのみならず、地方都市を訪問することにより、日米関係が全米各地、そして米国社会の幅広く分厚い層により支えられていることを改めて確認し、発信したいと考えておりました。
こうした観点から、経済面その他で日本と深い関係を有するノースカロライナ州を訪問し、日本企業が投資や雇用創出を通じて米国経済に大きく貢献していることを発信するとともに、文化、教育、スポーツなどの幅広い分野の人々とお会いして、日米間の草の根交流の重要性などについても、改めてハイライトする機会にできたと考えております。
2024-04-18
第213回国会(常会) 衆議院 本会議 第22号 発言No.13会議全体を見る- 岸田文雄君は日米共同声明について、法の支配に基づく国際秩序維持への両国の決意を強調した。
- 自衛隊の人員数については安全保障環境を考慮し、効率的な任務遂行への取り組みを示した。
- 政治資金規正法の改正について、自民党としての法案を早期に取りまとめる意向を述べた。
源馬謙太郎議員の御質問にお答えいたします。
日米共同声明に記載した勇気ある措置についてお尋ねがありました。
日米首脳共同声明は、国際社会の平和と繁栄の礎である法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を何としても維持強化していくという日米両国の不退転の決意を表明し、その指針を記したものです。
我が国は、外交、防衛、経済等あらゆる分野において日米連携を強化してきているため、御指摘の勇気ある措置について、その全てを網羅的に挙げることは困難ですが、その中で幾つか例を挙げるとすれば、例えば、今回、バイデン大統領からは、厳しい対ロ制裁を行い、ウクライナ支援を行ったこと、国家安全保障戦略を改定し防衛能力を整備したこと、韓国との関係を改善し、キャンプ・デービッドにおいて歴史的な日米韓首脳会合を実施したこと等に触れつつ、岸田政権におけるこれらの取組について、先見性があり、勇気があることであるとの評価が得られたところであります。
我が国が米国とともにどのように国際秩序を守っていくのかというお尋ねがありました。
今回の首脳会談では、バイデン大統領との個人的な信頼関係を始め、日米両国が、深い信頼と重層的な友好関係で結ばれており、二国間や地域にとどまらず、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を共に維持強化するグローバルなパートナーとなっていることについて確認することができました。
そういった取組を行うに際しては、その手段として、外交、安全保障や経済的な手段も含めたあらゆる手段により、日米で様々な課題に取り組んでいく考えです。軍事的手段に関しては、憲法や国際法、法律にのっとり、かつ、我が国の国益に基づいて行っていく点、これまでと変わりはありません。
自衛官の定数の妥当性についてお尋ねがありました。
自衛官の定数については、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中において、国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、自衛隊の任務遂行に必要な人員数を積み上げたものであります。
自衛隊においては、自衛官の総定数を維持しつつ、既存部隊の見直しや省人化、無人化の推進、部外力の活用等を進め、一層効率的な任務の遂行に取り組んでまいります。
指揮統制に係る認識についてお尋ねがありました。
今回の首脳会談においては、日米同盟の抑止力、対処力の一層の強化が急務であることを再確認し、米軍と自衛隊の相互運用性の強化など、安全保障、防衛協力を拡大、深化していくことで一致をいたしました。
指揮統制については、日米それぞれの枠組みを向上させることとしており、この点、例えば、二〇一五年に策定した日米ガイドラインにおいて、自衛隊及び米軍の活動について、各々の指揮系統を通じて行動すること、また、各々の憲法及びその時々において適用のある国内法令並びに国家安全保障政策の基本的な方針に従って行われること、これが明記をされております。こういった点は日米間の共通認識となっております。
次に、ミサイルの共同開発、生産についてお尋ねがありました。
日米首脳会談において、日米の防衛産業が連携する優先分野を特定するため、新たに、日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議、DICASを開催することで一致をいたしました。
この優先分野の対象については、ミサイルの共同開発及び共同生産が含まれ、防空等のための高度で相互運用可能なミサイルの共同生産を模索するなど、今後、DICASにおいて具体的に検討され、日米2プラス2に進捗が報告される予定です。
本件は、第三国への移転を想定した検討ではありません。
中国との対話についてお尋ねがありました。
委員御指摘のとおり、数多くの課題や懸案がある日中両国間において、対話や意思疎通は重要です。
昨年十一月の日中首脳会談においても、私から我が国の基本的な立場を習近平主席にしっかりと直接伝え、日中関係の大きな方向性を確認するとともに、今後とも、両国の首脳同士で緊密な対話、意思疎通を図ることで一致をいたしました。
中国との間では、外相間の相互訪問について検討していくことや、日中ハイレベル経済対話及び日中ハイレベル人的・文化交流対話等の適切な時期での開催について一致をしております。引き続き、首脳同士を含むあらゆるレベルでの意思疎通を重ね、戦略的互恵関係を包括的に推進するとともに、建設的かつ安定的な日中関係の構築を双方の努力で進めてまいります。
イスラエル・パレスチナ情勢への対応についてお尋ねがありました。
ハマス等によるテロ攻撃を受けたイスラエルは、こうしたテロ攻撃に対し、国際法に従って自国及び自国民を守る権利を有しています。
しかしながら、同時に、全ての行動は国際人道法を含む国際法に従って行われなければならず、政府は、これまで、イスラエルに対しても、一般市民の保護や国際人道法を含む国際法に従った対応等を要請してきております。こうした点に関する我が国の立場は一貫しております。この旨、今回の会談においても、バイデン大統領に直接説明をいたしました。
引き続き、関係国、国際機関とともに、全ての当事者に対し、事態の鎮静化等に向けた外交努力を粘り強く積極的に続けてまいります。
自民党の政治改革案についてお尋ねがありました。
国民の信頼回復のための政治改革については、これまでも、コンプライアンスや責任体制の強化のための党則等の改正など、自民党単独でも対応可能なものは速やかに実行に移してきたところですが、法改正を伴う制度面の改革についても、厳格な責任体制の確立や政治資金の透明性の確保のため、私の指示の下、議員本人の責任の強化、外部監査の強化、デジタル化の推進を内容とする政治資金規正法の改正について、党として制度の詳細を詰め、考え方を整理してきたところです。
今国会での政治資金規正法改正の実現に向けて、既に公明党との協議も開始をしています。与党での議論も経ながら、我が党としての最終的な改正案を責任を持って取りまとめ、今国会での法改正を実現するべく、可能な限り早期にお示しをいたします。
国民年金制度における保険料の納付期間延長についてお尋ねがありました。
先日、四月十六日に、厚生労働省の社会保障審議会年金部会で御議論いただいたのは、次期年金制度改正に関する検討の参考とするために、二〇一九年の前回の制度改正の際と同様の試算を行うというものであり、次期年金制度改正の方向性について、何ら予断を与えるものでもなければ、私の意思が反映されているものでもありません。
いずれにせよ、基礎年金の拠出期間の延長を含め、次期制度改正の内容について、現時点で何ら決まっているものではありません。