立憲民主党、神津たけしです。
私は、立憲民主党・無所属を代表して、ただいま議題となりました岸田内閣不信任決議案に賛成の立場から討論いたします。
自民党におけるパーティー収入裏金事件により、国民の内閣に対する信頼は完全に失墜いたしました。リクルート事件の反省の下、派閥を解消するとしていた自民党はどこに行ってしまったのでしょうか。金の力で動く政治は変えるべきではないでしょうか。
松野官房長官、西村経産大臣を始め、安倍派の所属議員の大半が裏金を受領し、岸田総理の岸田派でもパーティー収入の過少記載が明るみになっています。裏金づくりは、政治資金規正法違反であり、脱税行為にもなり得ます。異次元のキックバックは、国民の感覚とはかけ離れているのではないでしょうか。岸田総理、パーティーを当面の間自粛する程度では、国民は到底納得できません。
今、この議場に、脱税した議員や前回の選挙戦で汚れたお金によって当選した議員がいるのであれば、その方は自らの出処進退を判断すべきときではないでしょうか。
近年の選挙戦では、与党が勝たないと何も進まない、予算が配分されないと演説で言う方が非常に多い。官僚の皆さんは、高い意識の下、予算配分を公平公正な観点から行っています。ただ、今回のことで、なぜそんなことを言うのか、私は理解することができました。自民党が勝たないと予算が地元に配分されない、何も進まないを合い言葉に、業界団体や企業から金集めを行っていたのだと理解いたしました。
権力を盾に皆さんが行っている金権政治について、国民に胸を張って説明できるのでしょうか。違法な裏金の力で、安倍派を中心に、自民は日本の政治を牛耳ってきました。予算配分は金次第、政策も金次第の自民党政治。岸田政権は内閣総辞職すべきです。
岸田総理は、政権発足当初、新しい資本主義で所得倍増を実現すると掲げていました。しかし、新しい資本主義で国民所得は倍増したのでしょうか。国民所得が倍増する気配はみじんもないというのが、今の国民の実感です。物価高以上に賃金が上昇したのは、ごく一部の企業のみです。物価高の中で、生活必需品や食料の値段が跳ね上がり、買い控えをせざるを得ないという方に寄り添えていますか。
国民生活が苦しい中での防衛増税、差し迫る脅威に対応していく意義や必要性は私たちも同意します。しかし、国民が物価高で苦しんでいる中、国民は増税、自民は脱税では、国民が納得しません。岸田総理、うなずいてお答えください。防衛増税は撤回でいいですよね。
今回の問題は、パーティー券を買ってくれるような業界団体や大企業ばかりを優遇し、誰のために政治が行われるべきかを忘れてしまったことを理由として起きているのではないでしょうか。
そもそも、利益を追求する企業が、なぜ特定の政党に寄附をするのか。それは、献金をした大企業や業界団体に都合のよい政策を自民党が押し込むからではないでしょうか。
この三十年以上、法人税減税が行われています。全体的な歳入を見れば、法人税の減収分は消費増税で賄ってきました。すなわち、大企業や業界団体の負担を減らし、国民負担を増やしてきた。業界団体や大企業迎合の政治を行ってきたツケを国民に支払わせているのは明確ではないでしょうか。
自民党に近しい団体や業界を優遇し、国民を忘れ、政策を金で売り買いするような金まみれの金権政治は、もうやめるべきではないでしょうか。
自民党の志の高い先生方をもってすれば、今回の不信任案をまさか否決するなんてことはないと思いますが、万が一否決されたときのことを想定し、あらかじめ聞いておきますので、岸田総理、その場でうなずいてお答えください。
あしたにも行うとされている内閣改造人事では、新任はもちろん、続投の大臣、副大臣、政務官も含め、パーティー券収入が不記載の人は一人もいないと断言できますか。もう一回読みます。あしたにも行われると言われている内閣改造人事では、新任はもちろん、続投の大臣、副大臣、政務官も含め、パーティー券収入が不記載の方は一人もいないと断言できますか。お答えいただけないのは残念です。
キックバックの不記載だけではなく、そもそもパーティー収入を派閥に納めず、議員側にプールするようなケースも含め、徹底調査してから人事をされますか。お答えいただけないようですので伝えておきますが、きちんと調査しないと、内閣改造から三日後に大臣辞任となったリクルート事件の竹下総理と同じような状態になりかねませんので、御注意ください。
内閣改造時には安倍派を外すということが報道されていますが、安倍派だけを悪者にして責任を取らせても、問題は解決しません。今回の問題は、安倍派だけの問題ではありません。自民党の問題です。岸田派も、パーティー券収入の不記載があることが明らかになりました。その全容を調査、公開し、不記載をしていた時期の派閥のトップとして責任を取られますか。
岸田政権においては、既に十一名の大臣、副大臣、政務官、首相秘書官が不祥事により辞任をしました。これ以上、政務三役を交代させても、根本的な問題の解決にならないのは明らかです。根本的な問題の解決には、任命権者である岸田総理が、金権政治の責任を取り、内閣総辞職をすべきではないでしょうか。
昨日の松野官房長官不信任案は、自民党により否決されました。それなのに、松野官房長官を早ければあしたにも更迭すると報道されています。支離滅裂です。不信任案を否決した理由は何なのでしょうか。そして、更迭する理由は何なのでしょうか。もし、不信任案を否決した松野長官を更迭するのであれば、総理は国民に対し真摯に説明をすべきです。
今臨時国会の冒頭、総理はこうおっしゃられました。今、我々は再び歴史の転換点に立っています、この国会が百年後に大きなうねりを生み出した、そのように後世から評価されるよう、共に挑戦しようじゃありませんか。私も今、同じ気持ちを持っています。百年後も後世から評価されるよう、金で動く政治はやめましょう。
予算配分は金次第、政策も金次第。マネー、マネー、マネー。自民党の先生方に問いたいのは、地獄の沙汰も金次第のような政治が国民のためになるのでしょうか。岸田総理の口癖でもある、あしたは今日よりもよくなると信じている国民のためになるのでしょうか。
政治家になったときの志を思い出し、少しでも今回の事件に対し反省をしているのであれば、まずは、第一歩のけじめとして、自らの覚悟で賛成票を投じていただくことをお願いし、賛成討論といたします。
応援ありがとうございました。