国民民主党・新緑風会の榛葉賀津也でございます。
質疑に入る前に、この委員会の運営について一言意見を申し上げたいと思います。
我が国は民主主義ですから、民主主義国家の一番の基本は多数決だと思います。しかし、それだけでは駄目で、つまりは、数がある与党が多数決によって何でも恣意的に議論をし、予算、法案、条約を通すことができるので、この国会には様々なルールがあります。つまりは、そのルールは、野党の審議をしっかりと守る。野党の声は国民の声ですから、野党が少数ですけれども議席を持っているのは、野党に対する支持をしている国民がいるということなんですね。
例えば、予算、条約は、衆議院さえ通ってしまえば三十日で自然成立です。これは、政府・与党からしたら、参議院がこんな楽な審議はなくなると思いますが、先人が与野党を超えて、参議院の予算委員会は片道方式で、どんなに長い答弁をしても時間を稼ぐことはできない、大変厄介だと思います。条約もそうです。衆議院で条約通ったと思っても、参議院は外交防衛ですから、常に外務大臣がこの委員会にいなければならない。
与党からすれば、こんな面倒くさい厄介なルールはないと思いますけれども、だからこそ、先人が、ルールを守って野党の声をしっかり聞けという形で、参議院の良識がこういうルールを苦しくても作ったんだろうと思いますし、法案というものは、先に入ったものから先に出す、その鉄則を守らないと、次から次へとなし崩し的に法案が通りますから、先に審議に入ったものは必ずそれを通してからでないと次の法案に入らない。そして、趣旨説明と、質疑、採決は必ず分けると。慎重審議をして、しっかりやりなさいと。
しかし、今日は、大臣所信を聞いたにもかかわらず、所信に対する質疑をやらずにこの給与法。我々は賛成です。賛成の法案であっても、しっかりとルールを守らないと、野党の審議、野党の在り方が問われると思います。先入り先出しが崩れたばかりか、今日、趣旨説明を聞いて、すぐ審議に入って、この後、討論、採決です。
そして、昨日の理事会が終わったのは十七時。質疑通告はその後です。多くの役所の皆さんやハウスの皆さんが深夜まで残業をして、今日の委員会の準備をし、答弁を作りました。委員部の皆さんや防衛省の先任部員も、最終で帰れればラッキーだと言っていましたね。こんなブラック霞が関をやめなければならないといっているのに、立法府がこんなことをやったら駄目だと思います。
今、衆議院では与党が過半数足りません。だからこそ、参議院がなし崩し的な審議をせずに、しっかりとやらなければならないと私は先輩方から教わってまいりました。是非、こういう国会運営、委員会運営のないように、与党の皆さんはこれでオーケーだと思います。しかし、野党側がしっかりやらなければ駄目だと思いますので、是非そのことは申し上げたいと思います。
それでは、法案の審議に入りたいと思いますが、我が党はこの法案には大賛成でございます。
その前に、外務大臣、御就任おめでとう、防衛大臣、御就任おめでとうございます。総理大臣も官房長官も外務大臣も党の政調会長も全て防衛大臣経験者というのは大変心強く思っておりますので、しっかりと我が国の防衛とその国防予算の確保にお願いをしたいと思いますが。
今、私は、この国の国防の最も重要問題はこの募集人員の減少と充足率の低下だと思うんですね。最後はやっぱり人ですから、人をしっかり確保することがとても大事だと思うんですが、今日の読売新聞一面に、自衛官処遇改善へ新組織という記事がありました。自衛官の処遇改善のポイントということで、サイバー専門部隊の隊員に特殊作戦手当を支給、その他、航空管制業務を行う自衛官や航空機の整備員への手当を新設するとか、航空機の乗組員への手当や災害派遣手当も引き上げるということ、そして、駐屯地や基地での生活する一般曹候補生らを対象に新たな給付金を新設するというふうなことが書いてありましたが、この報道は、大臣、おおむね事実なんでしょうか。