会長、ありがとうございます。
公明党の浜地雅一でございます。
我々公明党としましては、これまでこの憲法審査会を含めて我が公明党の憲法議論を引っ張ってこられました北側副代表が引退をされまして、今回、私どもはオブザーバーという立場ではございますが、私はオブザーバーとして幹事会に参加をさせていただきます。
甚だまだ力不足でございますけれども、しっかりと公明党の中でも議論を深め、これまでの伝統を承継しつつ、新しい憲法観も公明党でつくっていきたい、そのように決意をまず述べさせていただきたいと思っております。
私は議員になって約十二年でございまして、その半分以上、この憲法審査会に所属をさせていただきました。当時はなかなかこの審査会の開催がなかったわけでございますけれども、特に、森英介会長になられ、そしてまた、コロナ又はウクライナの有事ということで、やはり社会の事象が変わってきたという中において、毎週この憲法審査会が開催をされることを大変喜ばしく思っております。
そして、今回は少数与党と我々はなったわけでございますが、今回は会長が野党の枝野会長に替わられたわけでありますけれども、今日もしっかりと定例日に開催をいただいたことは、十二年前、私が国会に来たときに比べ、本当に前進をしているなというふうに実感をするところでございます。
公明党の憲法に関する考え方は、加憲、いわゆる加える憲法という考え方であります。では、一切今までの条文を動かさず何か加えなければならないのかというと、そうではなく、当然、現在の憲法の基本でございます国民主権、そして基本的人権の尊重、そして平和主義というものを変えない、これは普遍の原理である。その上で、様々な社会の事象に合わせながら、検討すべきものがあればしっかりと検討し、加えていこうというのが我々の憲法観であります。
ですので、コロナでなかなか国会機能が維持できなくなるのではないか、また、災害、そしてウクライナで起きました有事等で、国会の機能が果たせなくなるのではないかという社会の事象を我々は目の当たりにしました。
私は、やはり、憲法五十六条一項の「出席」の概念、これを我が衆議院の審査会で一定の決議をしたことも評価をしたいと思っております。ただ、これについては、参考人のオンライン出席にとどまっておりますので、本当の意味でのスタートは、本会議につきましてもオンライン出席ができるような体制を整えていくことを我々憲法審査会でも進めていかなければいけないと思っております。
その上で、選挙困難事態における国会機能維持、特に、国会議員の任期延長を含む議論を進めるべきであろうと思っております。
前回の衆議院選挙のときに、私は九州比例区なんですが、ある大分県のところで挨拶回りをしましたら、我が党の党員、支持者ではない方だったんですけれども、挨拶をしましたら、前衆議院議員の浜地雅一ですと名のりました。何で前衆議院議員なんですかと。衆議院は、解散中は実は身分を失っておりまして、私はただの人でございますと話しましたら、その方が、じゃ、もし、ここで地震が起きたり何か起きたときには、国会に戻られて、また議論されるんですよねというふうに、実は一般の方が言われたわけでございます。
ああ、なるほど、今の東日本大震災やウクライナの状況を見て、国民の皆様方の中にも、国会議員の解散中の権能であるとか、又は任期満了後の選挙中の権能については、やはり意識が高いんだなということを実感をいたしました。
ですので、そういった観点でいいますと、各会派からもお話がありますとおり、選挙困難事態における国会機能維持の条項につきましては、かなりの論点整理が進められておりまして、もう条文案に近いものが進められております。これを私は速やかに行うべきであろう、そのように改めて皆様方に申し上げたいというふうに思っております。
ただ、やはり、もう一つの論点としましては、中身も大事でございますが、国民投票法としての環境整備ということについても議論をすべきだと思っております。特に、令和三年国民投票法改正の検討事項についての議論を進めるべきであろう、そのように思っております。
特に、広報協議会の在り方であります。広報活動の全般についての賛否の平等が法定をされているのが国民投票広報協議会でありますので、まずは、ここの機能を充実させること、これがどういったものがあるのかということを議論をすべきだと思っています。
この中において、これは可能かどうか分かりませんが、この国民投票法、また、制定当時には想定をされていなかった、インターネットを用いた国民への情報提供や実施、そして、偽情報、誤情報を排除するための何らかの役割をこの広報協議会にも持たせられるかどうかについても議論をすることが大事であろう、そのように思っております。
今述べましたとおり、国会議員の任期延長を始めとする国会機能維持としての緊急事態への対応、そして、やはり、国民投票を行っていくためには、いま一度、広報協議会を含めた議論の集積がまず最優先の課題であろう、そのように公明党会派としては思っております。
最後に、その優先課題があった上で、別の論点を述べますと、公明党は以前、環境権というものを提案したことがございます。これにつきましては、よく、どうなっているんですかということを聞かれるんですけれども。
私は、去年、COP28に政府の一員として行かせていただきましたが、気候変動や温暖化に対する国際社会の動きというものは大変激しいものがあるというふうに感じました。ですので、いま一度、この環境権というものを、まずは国会議員の任期延長、そして国民投票法の検討を行った上でございますけれども、行うべきであろうと思っております。
ここで、一つ最後に申し上げたいのが、実はこの環境権につきましては、「国民は」で始まる主語、いわゆる国民の主観的権利やプログラム規定として捉えますと、実は、訴訟が乱発したというのがポルトガルで行った事例だというふうに聞いております。
我が党の現在の代表であります斉藤現代表が憲法調査会の幹事のときに海外視察をしたときに、この環境権、どのような書きぶりがいいかということになりましたけれども、ポルトガルでは、元々国の責務として書いていたものを国民の権利として書いた後に訴訟が乱発をしたということであります。
したがいまして、これも議論になったからでありますけれども、こういった環境権等につきましては、国民の主観的な権利ということではなく、「国は」で始まる、国に対する責務を課すような規定でなければならないというふうに思っております。
繰り返しますけれども、これもまずは国会機能維持というのが大きなテーマでございますので、それをしっかりと皆様方の同意を得ながら、仕上げてから、この問題も取り組んでいきたい、そのように思っております。
私からは以上でございます。ありがとうございます。