福森和歌子です。よろしくお願いいたします。
立憲民主党、福森和歌子です。改めまして、質問の場を与えていただいたこと、大変ありがたく思います。ありがとうございます。限られた時間でございますので、早速質問に入らせていただきたいと思います。
まず初めに、私は、女性活躍推進施策を進めていく上で実は一番考えなくてはいけないのは、選択的夫婦別姓を導入しないがゆえの経済的損失があるのではないかということでございます。これについてお聞きしたいと思っております。
そう申し上げるのも、私は、一九九六年、選択的夫婦別姓法案が出されたときに、別姓で婚姻したいと望みました。そして、法案が通るのを待ちました。しかし、法案は通らず、婚姻は今の法律の下でいたして、社会人としてのキャリアを私は旧姓使用で通してまいりました。この間、様々な不自由、不便を私自身、キャリアを積んでくる上で感じました。
例えば、今回私は初めて当選をさせていただきました。大変ありがたいことです。しかし、大臣、御存じでしょうか。当選証書というのは、戸籍名でいただくんですね。私は、いただいた瞬間、自分の今まで使ってきた旧姓のキャリアの名前ではなかったのでちょっとびっくり、愕然としました。後で聞けば、申請を出せば括弧で旧姓も書いてくださるということですが、申請の時間もなく、確認されることもなく、ああ違うんだなとがっかりした、その記憶が今も鮮明でございます。実際、その当選証書、こちらが戸籍名であることによって、私の選挙のときの名前あるいは旧姓と照らし合わせる手間が増えますし、それは、これまでのキャリアでも感じてきたことでございます。
私は、自身の経験から、選択的夫婦別姓を導入しないがゆえに、実は、経済的な不利益、経済的な損失というのは多いと確信しております。石破総理は、選択的夫婦別姓法案については、様々な観点から検討しなくてはいけないとおっしゃいました。実際、厚生労働、福祉という視点では様々検討されていると思いますが、私は、この経済的な損失、経済的な視点ということでも、一層検討を深めるべきではないかと考えております。
今申し上げた私自身の経験からも、選択的夫婦別姓を導入しないがゆえの経済的損失、マイナス効果は非常に大きいと感じます。
少なくとも、実際、経団連の方々もレポートされておられましたけれども、研究等実績を継承できずキャリアが途絶えてしまう、これは大きな損失だと思います。また、名字をやはり大事にしたい、そんな中で旧姓を使えない企業もあるということで婚姻をしない、それがひいては、私は、少子化につながっているという側面もございます。そういう大きなことがある。
あるいは、細かいことですけれども、金融機関で一々戸籍と通称を照合していただかなきゃいけない、そういった時間、手間のロス。あるいは企業人事でも同じことが起きている。そういったことの二度手間、これも積み重ねるとかなりのロスと思います。あるいは海外でもそうですね、パスポートの話も出てきているところです。
そして、私が一番キャリアを積んできて不自由だったのが、自分の、資格を取得してそれの証明書、あるいは大学の卒業証明書が必要なときに、これは旧姓、結婚する前に取っている場合、卒業している場合、一々戸籍を取り寄せて、私が結婚して姓が変わったことを証明するその書類を提出しないと、証明書一通もいただけない。そうすると、どういうことが起きるかというと、私は三重県でございますから、頼んでですけれども、戸籍抄本を取り寄せる、一回一回費用がかかる。そんなことでございます。
今申し上げた戸籍の問題ですけれども、例えば、例えばです、経済的な損失というのはありますかと事前に調べたり聞いたりしたら、特に数量的データがないということだったので、私、例えばで、令和五年の女性の雇用者、二千七百九十三万人です。配偶者のある方は五七・九%でした。そのうち、旧姓を使っている人というのはどのぐらいおるんやろうなと。これはデータがなかったので、遡って、平成二十八年、内閣府が委託調査をしているデータを調べたところ、そこでは一〇%。パートの方とかいろいろな方を含んでいらっしゃいますから、そういうことでした。
それを計算すると、旧姓使用をしておると推測される女性の雇用者が百六十二万人。例えば、こういう人が転職をしたいと考える、あるいは、会社の中で何らか、さっき言った資格や卒業証明が必要になったら、戸籍抄本というのは一回四百五十円ですから、郵送費とかを除いても七億三千万近くの費用がかかるわけです。
私は、婚姻においては夫の姓になる人が九五%、これはいろいろなところでも言われていますけれども、ということは、実に女性の多くがこの経済的なデメリットを、キャリアを積んでいく上で、経済産業省も推し進めておられる女性活躍というところでもデメリットがあると考えており、改善していくべきであろうと考えております。特に所信にはなかったものですから、ここで大臣の御意見をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。