そもそも国会でこうやって特別委員会まで設置しているのは、原発事故を含む世界的な複合災害だからです。その特殊性に鑑みれば、他の行政レビューのやり方と全く同様のやり方になじむのかという問題提起をさせていただき、次の質問に入らせていただきます。
福島県における女性支援についてお伺いします。
復興政策を十三年間見てまいりましたが、女性支援に関する政策は依然脆弱であると感じています。
一方で、現在の被災地の課題というものは、女性に関係する分野に顕著に現れております。例えば、女性の人口流出は被災地において深刻な課題となっており、福島県では、二〇一一年に震災の影響により大幅な転出超過となり、現在もその傾向は継続しています。特に若年女性の転出については、二〇二一年と二〇二二年に全国ワーストワンを二度記録するなど、深刻です。また、女性は男性の約二倍も流出しています。
また、政府の発表した男女賃金格差都道府県ランキングでは、福島県は東北地方で一位の賃金格差であります。加えて、人口における女性比率も福島では低下しています。毎日新聞の調査によれば、東京電力福島第一原発周辺の福島県七町村の居住人口の男女比は、女性の割合は四二%で、三二%の自治体もあるなど全国的に見ても突出して低い自治体が集中しています。
被災地を女性にとって生きにくい地域にしてはなりません。むしろ生きやすい、女性が自分で学んだことを生かして、自分が好きなこと、選択した職業で仕事をしたり活躍したり、自分自身の人生を健康で幸せに生き生きと暮らしていける地域にしなければなりません。
こうした課題は全国的なものであり、実際に内閣府男女共同参画局などが課題解決のために取り組んでいるところではありますが、課題先進地域である福島県について、特に復興庁として主体的に女性支援を促進していくべきではないでしょうか。そのためには、全ての政策において意思決定層に女性が存在することを実現しなければなりません。福島民報社主催の福島県女性会議の取組など、民間も努力しています。大きな流れになるように政府も取り組んでいただきたいと思います。
具体的には、全ての復興政策に女性の観点を入れていただきたい。グローバルでは、上川陽子前外務大臣の提唱で、WPS、女性の平和・安全保障に災害分野も認識されるようになりました。私も総理補佐官として、WAW!二〇二二総指揮官として、WPS、女性と災害のパネルを設置し、被災地福島県の女性の発表が世界の女性参加者から高い評価を受けました。
来年のWPS二十五周年には東京会議が開かれます。これを契機に、復興庁は、外務省と連携して福島県を始めとした被災地では女性支援に重きを置いているという姿勢を海外に発信して、災害と女性の分野で世界を牽引し、日本の強みとしていくべきと考えます。
また、グローバルな研究施設を目指すF―REIでは、現在、女性の監事は一人のみです。残念です。今後はより一層女性の研究者や意思決定者を増やしていくべきです。復興政策における様々な場面で意思決定者に占める女性の数について数値目標を定めるなど、積極的に推し進めていくのはどうでしょうか。鈴木復興副大臣の見解を伺います。