ありがとうございます。
今おっしゃられたコスト削減以外のメリットは、今まさに医療現場で多くの人が欲しいと思っていること。私も救急医として、目の前に搬送されてくる患者さん、例えばお話しできない患者さんだと正確な情報が取れない。もしそれが、この医療DXのおかげで、ふだんの飲んでいるお薬、その方の家族歴、いろいろなことが分かれば、より正確な診断がつく。これは、私自身にとっても一刻も早く導入していただきたいもの、そうだと思っております。
あと、金額の推計、これはなかなか難しいことも私も容易に想像できます。ただ、やはり、どの程度の効果が見込めるのかということを知ることは、それから、今からしようとしている投資が妥当なものなのか、それを考える上では物すごく重要なところだと思うんですよね。なので、できる限り推計していく必要はあるかと思っております。
例えば、厚生労働省のホームページには、平成二十七年の研究報告にはなりますが、残薬が年間八千七百億円と推計されているような研究結果も掲載されております。これは、検査の重複と合わせると相当な額になると思うんですよね。しかも、これらは医療を受ける側にとってはほぼ、マイナスのない費用だと思っております。
これらのお金というのは、本当は、より価値のある医療、具体的にはがんの手術であったり、救命救急であったり、本当に価値のある医療に投資されて、それらを担う医療者が、是非そういう医療を担いたい、外科医が増える、救急医が増える、そういうふうに持っていきたいと思いますし、そうすれば、国民も、いつでもがんの手術、救命救急、本当に必要な医療を受けられるようになりますので、大きな意味があると思っております。
そして、医療だけではない。本来は、今、社会保険料で苦しんでいる多くの人々、その一人一人、そして企業のお財布にそれを戻すということもとても大切なことだと思っております。これから少しずつ、医療DXにおいて削減できる無駄な医療コスト、これを知っていくことも大事だと私は信じております。
次に、医療DXの前提となります電子カルテの普及についてお伺いしたいと思っております。
医療DXを実現するためには、電子カルテはもうスタートラインです。紙のカルテではデータは取れないはずなんですよね。そして、今あるデータとしては、二〇二二年の時点では、電子カルテの普及率は病院では五七・二%、一般診療所では四九・九%となっているようです。ちょっと、直近のデータは私も取れませんでした。ただ、政府の目標としては、二〇三〇年にほぼ全ての医療機関、一〇〇%とされているようです。
ただ、この数値、達成できそうでしょうか。現場の声としては、電子カルテを導入したくてもできないという声はいっぱいあるんですよね。例えば費用の問題もそうですし、あと、デジタルに関する知識や技術がなくて導入する自信がない、そういう院長先生の声もいっぱい聞いております。でも、医療DXのためには必須です。成し遂げなければいけないと思っています。
ですので、大臣にお伺いしたいです。
電子カルテの普及の障壁となっていることは何なのか、そして、それをクリアするための改善策はあるのか、それを教えてください。