国民民主党の丹野みどりと申します。
質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
近年、高齢者を狙った犯罪が後を絶ちません。といいますのも、言わずもがな、高齢者の方が確実に増えているからであります。我が国における六十五歳以上の高齢者の割合はおよそ三〇%ということで、過去最高の更新が続いております。圧倒的に高齢者が狙われているのが、振り込め詐欺といった特殊詐欺であります。
その理由が二つあると思います。一つは、判断能力の低下や認知症、そして一つは、独り暮らしということです。
まず、判断能力です。物忘れなどについての不安を聞いた調査があります。資料一を御覧ください。
当然ながら、年齢を重ねると認知機能の低下に不安を感じているという調査が出ているわけですけれども、このように、御自身が不安を感じているぐらいですから、犯人もそこを狙ってくるわけですね。そして、実際に、御病気であります認知症の方も増えております。厚生労働省によりますと、二〇二二年の最新の調査から、二〇二五年は認知症の方は四百七十一万六千人と推計されています。
続いて、資料二を御覧ください。
このうち、独り暮らしの高齢者の割合です。調査は五年ごとになるんですけれども、六十五歳以上で独り暮らしをされている方がやはり増えているんですね。独り暮らしのために家族に相談できない、そういった環境が被害に遭いやすい状況を生んでしまっています。
この資料二にはございませんけれども、先ほどの認知症の方、認知症の方であってもお独り暮らしという方もありまして、二〇二五年に百四十七・六万人と推計されています。このように、高齢で認知症でお独り暮らしというケースが本当に多いなというのが、実際に私も政治活動をしている中で実感としてありました。
というのも、私、ポスターを貼ってくださいということで新規開拓をしておりまして、そのときに、ポスターいいよと言われて、貼って帰ってきました。すると、数日後にお電話がありまして、電話の主が息子さんや娘さんなんですね。父や母は認知症で、ポスターいいよと言ったんだけれども、ちょっと困るからもう一回剥がしに来てと言われて、あるあるですよね、後日、剥がしに行きます。すると、お話が、いや、うちの父や母は認知症で、よく分からずにオーケーしちゃったんだけれども、申し訳ないけれども剥がしてねと言われて、剥がすんですね。ふだんは仕事があって、通いで介護をしていて、通常は認知症なんだ、お独り暮らしですという話を聞きます。なので、本当にこういうケースが多いんだなというのを実感いたします。
私の実感もあるんですけれども、実際の数字も御覧ください。資料三と四なんですけれども、特殊詐欺全体が一万六千三百九十八件です。このうち六十五歳以上が六七・七%。やはり圧倒的に高齢者の方が狙われているわけです。
この振り込め詐欺なんですが、お恥ずかしい話、実は私の母も被害に遭いました。私は六歳下の弟がいるんですけれども、この弟に成り済ました男から電話がありまして、母が信じてしまったんですね。職場でまずいことをした、穏便に済ませたいから四百万円下さいということで、慌てた母が四百万円振り込んで、冷静になって気づいて、だまされたと思ったんですけれども、もう遅いんですね。
当時私は、地元の名古屋で、テレビ局でアナウンサー、キャスターをしておりまして、番組で振り込め詐欺に本当に気をつけるようにと皆さんに放送していたのに、まさか自分の母がこういう被害に遭うとは思いませんでした。
特に、一般的に、母は息子に弱いですよね。母は、娘はこうやってコミュニケーションを取るんだけれども、やはり息子さんというのは、鉄砲玉で行ったきり、なかなかお母さんとコミュニケーションを取らないということもありますので、母は自分の息子の声を見抜けなかったと泣きますし、こういったことを息子に報告をして、何をやっているんだと言われてまた泣きますし、なので、被害額以上に、精神的に本当に傷つくんだなということをよくよく感じました。親の心につけ込んだ犯罪。
そして、ちなみに、私の母は認知症でもありませんし、当時独り暮らしでもありませんでしたけれども、こういう被害に遭いました。なので、お伝えしてきたように、こういう状況の高齢者の方はもっともっと被害に遭いやすいと本当に感じます。
そこで、質問でございます。消費者庁の方に伺います。
高齢者を狙った消費者被害について、今までそしてこれから、どういった対策をされているか教えてください。