公明党の杉久武でございます。
本日は質問の機会をいただき、大変にありがとうございます。
二年ぶりの財政金融委員会となります。三宅委員長を始め委員会の皆様、また、加藤大臣を始め財務省、金融庁の皆様にはどうぞよろしくお願いを申し上げる次第でございます。
では、通告に従いまして、順次質問をしてまいりたいと思います。
まず、税制全般についてお伺いをさせていただきたいと思います。
私は、現在、公明党の税制調査会の事務局長を務めております。今年の税調の議論では、いわゆる税制における壁が注目をされ、議論されてまいりました。
今日は、現在議論されている個別の課題ではなく、今後一定の時間を掛けて検討すべきではないかと思われる点について、何点か問題提起をさせていただければと思っております。
まず一つ目が、各種の税控除の所得制限が、今回の壁の議論でもそうなんですけれども、壁になっていると、こういう認識を受けていること自体がやはりもう私は時代から遅れているんではないかというふうに思っておりまして、いろいろな税における所得制限というものは一定必要だとは思いますけれども、その在り方についてはやはり丁寧にフェーズアウトしていくような仕組みというものをしっかり日本の税制の中でも取り入れていくべきではないかというふうに考えております。
例えば、今回少し議論にもなっておりましたけれども、特定扶養控除の場合、被扶養者の年収が一定水準を超えると控除額はいきなりゼロになっていくわけであります。私は米国でも公認会計士として仕事をしておりましたが、米国の所得税でも所得制限のある控除は種々たくさんございますけれども、私も実務を離れてもう十年以上たちますので現在のことまでしっかりアップデートはできておりませんけれども、私の記憶ですと、必ずと言っていいほど、一定の所得を超えると徐々に控除額がきれいに逓減をしていってフェーズアウトをするという形を取っていたというふうに記憶をしております。
たしか日本の税制でも、配偶者特別控除のように段階的に、まあ階段状ですけれども、フェーズアウトするような仕組みもありますけれども、これだけデジタル化が進んでくる中で、複雑な計算というのは確かに法執行上課題はあろうかと思いますけれども、今の時代に即した運用に改善をしていくべきではないかというのが一点目の問題提起でございます。
あと、二つ目は、物価上昇局面、今は賃金、物価の、デフレから脱却をして賃金と物価が上がっていく、そういう局面を迎えておりますけれども、そういった中では、やはり各種控除の限度額というものが物価連動して調整されるような仕組みを制度としてビルトインしていくことも検討すべきではないかというふうに思っております。
例えば米国の個人所得税においては、例えばスタンダードディダクション、標準控除、誰でも取れる控除になりますけれども、これは毎年インフレ分を調整するということで法律上、ルール上は明記をされておりまして、毎年十月にIRSから翌年の控除額はこれだけ変更になると、六十個ぐらいの様々な項目についてインフレ調整がされているというのが現状でございます。
こういった海外の事例も参考にしながら、今申し上げた二点ですね、やっぱり様々な税控除というのは、所得制限を付けてもきれいにフェーズアウトをしていくような仕組みの導入、また、物価上昇局面、賃金が上昇する局面においては、やはりこの様々な控除も、米国のようなインフレ調整、こういったものをビルトインしていくことを是非御検討、検証いただきたいと思いますが、財務大臣の御見解を伺いたいと思います。