自民党の中谷真一でございます。
まず冒頭、この度、私どもの事務所において不記載の問題がございました。これは速やかに修正をいたしましてというところであります。これは単純ミスでございまして、国民の皆様に疑念を持たれることがあってはなりませんので、これはしっかりと、今後、再発防止、二度とこのようなことがないように努めてまいりたいということを申し上げたいというふうに思います。本当におわびを申し上げたいと思います。
それでは、この度、質問の機会をいただきましたことに心から感謝申し上げます。委員長始め、また理事の皆様、そして委員の皆様に心から感謝を申し上げるところでございます。
それでは、早速質問に移らせていただきます。
まずは、総理がおっしゃっておられますアジア版NATOについて質問をしたいというふうに思います。
このアジア版NATOでありますが、まず、今、世界中がどのようになっているかという状況認識について確認をしたいというふうに思います。
今、ロシア、ウクライナの戦争は継続中であります。千日を超えてというところであります。さらに、北朝鮮がこれに参加をしてきております。さらには、イスラエル、パレスチナ、これは中東で戦争が起きていますが、これにヒズボラ、これはレバノンですね、さらにイラン、こういったところが参画をしてきているということであります。燃え広がってきているということであります。第三次世界大戦が始まっていると言う有識者もおられるというところであります。
私は、我々の東アジアも例外ではないというふうに考えています。これは皆様とほぼほぼ共通認識だと思いますが、東アジアにおいて、我が国の安全保障において最も脅威になっているのは、やはり中国であります。
中国は急速に軍事力を伸ばしています。さらに、力による現状変更を試みています。東シナ海、さらには南シナ海で行っています。さらに、毎日のように領海侵犯、領空侵犯を繰り返しているわけでありまして、力による現状変更を許してはいけないということで、海上保安庁、そして陸海空自衛隊の皆さんに頑張っていただいているという状況にございます。
ここでまたさらに大きな出来事がございました。それは、まさに日本が同盟を結ぶ米国でありますが、トランプ大統領の再登板であります。
トランプ大統領についてはいろいろな評価がありますけれども、私は、東アジア、日本の安全保障を考えた場合に、歓迎するという立場であります。
これはなぜかと申し上げますと、前回トランプ大統領が就任されたときはオバマ大統領から引き継いだわけでありますが、このときは、ニクソン政権、ニクソン大統領のときからオバマ大統領まで続けていた対中融和政策を変えて、そして中国が行っている力による現状変更を許さないということで、まさにそれに対抗するというふうな政治姿勢に変えた、米国の政策を変えたのはまさにトランプ大統領でありました。それを引き継いだのがバイデン政権であったというところであります。
トランプ大統領が今回の選挙戦を通じておっしゃっているのは、ロシア、ウクライナの戦争を終わらせると言っています。それは、これまでウクライナに対して支援してきた、この支援について制限をしていくということを言っています。さらには、ウクライナのNATO加入については、これを認めないということによってロシアと交渉していくことになろうかというふうに思います。そして、ヨーロッパでの戦争を終わらせて、ヨーロッパに割いていたアメリカの力を東アジアに集中するとも言っているわけであります。
そうしますと何が起きるかというと、米中の摩擦が激化していくことになります。
そこで、地図を持ってまいりました。この下の白い地図を見ていただきたいんですが、アメリカを青に塗っています、中国を赤に塗っています、そして日本を緑、そして台湾を黄色に塗っていますけれども。
この地図を見ますと、米中が摩擦を起こしたときにどこがホットゾーンになっていくかということでありますが、これは、八十年前、日本とアメリカが太平洋戦争を戦ったときと大体同じ地域がホットゾーンになってきます。これは地政学的にそうであります。そう考えますと、やはり、インドからASEAN、そしてオーストラリアを含むオセアニア、そして太平洋、これは大洋州を含みますけれども、ここがホットゾーンになってくるということになります。
中国は太平洋に出なければアメリカとは勝負にならないわけでありまして、そう考えますと、日本列島と台湾がまさに中国が太平洋に出ようとするのを防ぐか、邪魔するかのように存在しているということでありまして、台湾に侵攻するのではないかと言われているのはそういった理由でありまして、これを取ることによって太平洋への道が開けるということであります。このホットゾーンがここの地域だということを申し上げました。
そこで、米ソ冷戦期を振り返ってみたいんです。
米ソ冷戦期はどうであったかということでありますが、この上の地図を見ていただきたいというふうに思います。当時、米ソ冷戦期にNATOが作った地図でありますけれども、これは、青い方は、アメリカを含むまさにNATO諸国を青色で塗っています。赤色の方は、ソ連とそしてワルシャワ条約機構を赤色で塗っています。
これが西と東に分かれて対立構造をつくっていったというところでありますけれども。この評価については様々ございますが、この二つの固まりが対峙することによって最終的には戦争を回避したということでありまして、そういった評価もできるというところであります。
これは、舞台を変えて、今度は東アジア、このアジアでこういった形になっていくのではないかという予測がされているところであります。
そうなっていきますと、まさに総理がおっしゃっているような、NATOのようなものを形成していく。これは軍事同盟というよりは、やはりネットワークを形成していく必要があるというふうに考えているところであります。そう考えますと、それをやろうとすると、アジアはそこまで成熟していないとか、中国を刺激するんじゃないかというようなこともありますが、やはり、やっていかなければいけないというふうに思っています。
これは、少なくとも中国はもう始めています。この五月から、調べたんですが、今年の五月からだけでも九回、いわゆる軍事共同訓練をASEANの諸国と行っています。特に自分の自国に近いところですね、ラオス、カンボジア、タイ、ベトナム、こういった国々とバイで共同訓練を行っております。
こういったことを考えますと、私たちの日本も、東アジアにおいて価値観の近い国々とはそういったことをしていかなければいけないのではないかというふうに思うわけであります。今、まさにヨーロッパの国々とはACSA等々結んでおりますけれども、そうではなくて、やはりアジアの国々と結ぶ必要があるというふうに思っています。さらには、共同訓練、こういったものもやっていかなければいけないというふうに思っています。
そして、これは軍事だけではなくて、まさに経済的にも結びついていかなきゃいけないというふうに思っておりまして、それは、ODAを使って、そしてAZEC、アジアのゼロエミッションとかですね、こういったものに協力していくとか、宇宙を共同で開発していくとか、こういったことを行っていく必要があるというふうに思っています。
とにかく、ネットワークをつくって、東アジアの安定をつくっていくのはやはり日本だというふうに思っているところでありまして、総理のアジア版NATOに関しての考え方をお聞きしたいと思います。