野田佳彦
2024年以降(第216~213回国会)の発言数: 108
※ 会議の議長だった場合の発言を除く
野田佳彦君による発言要約一覧
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2024-12-05
第216回国会(臨時会) 衆議院 予算委員会 第1号 発言No.71会議全体を見る- 野田(佳)君は、自民党の法案の大綱に企業・団体献金が含まれていないことを問題視し、総理の指示が無視されていると指摘した。
- 企業・団体献金の議論を年内にまとめる必要があり、時間を区切らない姿勢に疑問を呈した。
- 第三者機関に判断を委ねることについても反対し、政治改革特別委員会での討論を促した。
じゃ、その共通認識を持つためにも、企業・団体献金をやはり議論の俎上にのせるために、自民党の法案の大綱が出てきましたけれども、企業・団体献金は全く入っていませんよね。これはおかしいじゃないですか。
そもそも政治改革本部で十一月に総理が指示したときには、企業・団体献金の在り方について検討するようにと指示を出していますよね。指示を出しているのに、その痕跡がない法案の大綱が、要綱が出てきました。
しかも、指示を出したときも、私は指示の出し方がおかしいと思うんですが、年内決着とさっき言っていましたけれども、この問題については何か時間の区切りをつけないと言っているんですよ。最初からこの問題に向き合おうという気がないんじゃないですか。
だから、今、報道によりますと、企業・団体献金については、第三者機関の判断に委ねるために、来年以降に結論を出そうというような動きになっている。来年以降というのは、じゃ、誰が責任を持つんですか。お互いに、私が党のトップである間、総理が総理の間に決めなかったら意味がないんじゃないですか。
しかも、第三者機関に何で判断を委ねるんですか。これだけ議論してきて、我々も法案を提出してきたんですよ。第三者機関の専門家に委ねるんじゃなくて、政治改革特別委員会を開くんだったら、専門家の意見が聞きたいんだったら、参考人でいいんじゃないですか。
何で来年まで延ばすんですか。年内に企業・団体献金の問題も含めて決着をつけようじゃありませんか。
2024-10-07
第214回国会(臨時会) 衆議院 本会議 第3号 発言No.18会議全体を見る- 野田佳彦君は、石破内閣総理大臣の所信表明に対する質問を行い、総理の健康管理を願うと共に、誠意ある答弁を求めた。
- 対ロシア外交の総括や自衛官の処遇改善、能登の復旧復興に関して意見を述べ、特定非常災害指定を提案した。
- また、解散総選挙のタイミングや裏金問題、世襲制限、アベノミクスについても質問し、政治改革の重要性を強調した。
立憲民主党の野田佳彦です。
会派を代表して、石破内閣総理大臣の所信表明演説に対する質問を行います。
まずは、石破総理、第百二代内閣総理大臣御就任おめでとうございます。重たい重たい職責です。体調管理に万全を期して邁進されることをお祈り申し上げます。
その上で申し上げます。
今日は、通告に従い、自分の言葉で質問をいたします。総理も、記者会見で、自分の言葉で語りたいとお話をされていました。御自身の言葉で御答弁をいただきたいと思います。各大臣にも、政治姿勢などをお伺いいたします。所管外だからと逃げることのないようにお願いをいたします。納得と共感の内閣らしく、誠意ある答弁を求めます。
まずは、総理、評価する点から取り上げたいと思います。
二〇一六年以来続いてきた対ロシア経済協力担当大臣を廃止するという決断をされたこと、私は評価をいたします。予算委員会で前総理にこの問題を質問しましたが、なかなか御決断をいただけなかったんですが、遅きに失したとはいいながらも、この決断は私は妥当な判断だと思います。
二〇一四年にロシアがクリミアを併合いたしました。その後、国際社会は制裁を加えました。日本もその一員となりましたが、二〇一六年から日本は独自の動きをし始めます。ロシアに対して八項目の経済協力を申し出、そのための担当大臣を経済産業大臣が兼ねることとなりました。北方四島の共同開発まで協議するようになりました。経済協力を通じて、領土問題での進展を期待していたんだろうと思います。
ところが、協力をしてもなかなか進展せず、二〇一八年には、シンガポール合意、すなわち、四島返還論から二島返還論へとかじを切って交渉することになります。二十七回も会談を重ね、個人的な信頼関係を築いてきたはずだったにもかかわらず、ロシアは、二〇二〇年に憲法を改正し、領土の割譲を禁止することになりました。経済協力をし、発射台まで低くして交渉しても、結局、石ころ一つ返ってこなかったんです。
安倍政権下の対ロシア外交をどのように総括しておられますか。お答えください。
二点目は、自衛官の処遇改善のための関係閣僚会議を設置したこと、これも評価をしたいと思います。
警察予備隊創設以来、実員が定員に達したことはありません。特に最近では、任期制自衛官は募集計画の半分しか人員を確保することができませんでした。どんなに防衛費を増強し、装備を充実させても、それを取り扱う人が集まらなかったらば、絵に描いた餅であります。
自衛官の待遇改善は急務であります。給料は安い、隊舎、官舎は貧弱、そして定年は早い。私の父も、再就職、再々就職で本当に苦労いたしました。
お伺いをいたします。総理は関係閣僚会議において自衛官の処遇改善策をいつまでに取りまとめるのか、お答えをいただきたいと思います。
次に、能登の復旧復興についてお尋ねをいたします。
私は、九月十二日、そして、おととい十月五日と、被災地の視察を行いました。近藤和也議員の御案内の下に、被災者の皆さんともたくさん交流をさせていただきました。そして、声を聞かせていただきました。
くしくも、総理も十月五日は被災地を視察されていました。激甚災害の指定をしたことは、これは私は評価をしたいと思いますが、加えて、特定非常災害、この指定も是非、一歩加えて検討していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
私は、あの被災地に行って確信をしたことがあるんですね。ずっと予備費で対応してまいりましたけれども、改めて補正予算を作らなければいけない、これは確信に変わりました。
災害は予見し難いことですから、最初は予備費で支出をするということも、これはよくあることです。しかし、能登の場合は、一月一日の大きな地震の後、最初は予備費の対応をしましたが、それが、二回、三回、四回、五回、六回、小刻みに六千六百億円を支出する形でずっと続いてきています。
でも、阪神・淡路大震災のときも、東日本大震災のときも、熊本地震のときも、最初は予備費でも、ほどなく、一か月ほどで補正予算を閣議決定し、補正予算を成立させています。なぜ、その形を取らないんでしょうか。
今回も、大きな雨によって大きな被害が出ています。二重被災によってがっかりしている人がたくさんいらっしゃいます。そういう皆さんのほのかな希望は何なのかというと、事業や生活の見通しを立てられるかどうか、この一点だと私は思いました。
例えば、雇用調整助成金、年内で期限が切れますね。来年まで延長されるかどうかというのは決定的に大事なことであります。事業主にとっては、事業再生に向けて、働いている皆さんにもうちょっと待ってくれと言うことができるんです。働いている人も、能登で働き続けることができるかもしれないと思うことができるんです。その見通しをつけられるかどうかは、予備費ではありません。補正予算であります。
能登半島被災地の一日も早い復旧復興のために、一日も早く補正予算を編成し、成立させるべきと考えますが、いかがでしょうか。
九月二十日の大雨で、輪島市だけで六十二か所の土砂災害がありました。約四十か所の道路が通行止めになっています。
この環境の中でポスターを貼るための公営掲示板を設置する、大変なことです。投票箱をまさに開票所に持っていく作業も、これも大変です。投票所が避難所になっているところもあるんです。職員の皆さんも被災者です。復旧復興のための仕事も非常にハードでありますけれども、それに加えて選挙実務が加わります。住民の皆さんの声は、こんなときに選挙じゃないでしょうという声でありました。たくさんの声を聞きました。
総理、二重被災で苦しむ被災地で果たして選挙準備ができるとお考えなのでしょうか。お答えをいただきたいと思います。
その解散・総選挙についてお尋ねをいたします。
総理はずっと、今解散すれば勝てるとばかりに解散することは憲法の趣旨に反するというお考えを何度もこれまで披露してこられました。記憶に新しいところでは、自民党の総裁選挙のさなかも、すぐに解散しようという候補者に対して、予算委員会を開いて与野党で議論をし、そして判断材料を整えてから信を問うべきだと諭すように言っていたじゃありませんか。
ところが、総理に就任したら、戦後最短で解散・総選挙を行おうとしている。この心変わりは、なぜなんでしょうか。
先月二十九日、民放のテレビ番組で私との討論において、早期に解散しても七条解散ではないなどと主張しておられましたが、今度の解散は明らかに七条解散ではないですか。私には理解できません。改めて詳しい説明を求めます。
日本国憲法第七条では、天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために国事に関する行為を行うと定めています。ところが、総理は、就任前の九月三十日、記者会見で解散・総選挙の日程を確定的に明らかにいたしました。内閣総理大臣就任前の一国会議員であった者が、事もあろうに、憲法第七条に定められた衆議院の解散や総選挙の公示といった天皇の国事行為に踏み込んだ発言をしたことは、私は断じて許せないと思っています。総理にはあの軽はずみな発言を反省していただきたいと思いますが、総理は反省しておられますか。
次に、裏金問題に移りたいと思います。
組織ぐるみの裏金づくりは、政治資金規正法上の虚偽の記載である。不記載というレベルではありません。脱税の疑いすらあります。国民は、一円たりとも、昨年十月一日からのインボイスによって税逃れはできない体制です。なぜ、自民党の衆参国会議員は脱税まがいのことをやって、何で許されるのか、これが多くの国民の皆さんの感情じゃありませんか。
深い反省と危機感が必要だと思いますが、総理は、新しい事実が出てこない限りは再調査は行わないとずっとおっしゃっております。新しい事実は次々と出てきているんじゃありませんか。麻生派も二〇一七年以前はキックバックを行っていたという報道もありました。また、前総理は裏金を原資として違法なことは行われていないと強弁しておりましたけれども、北海道の堀井学前議員のように、裏金を原資として選挙区に香典を秘書が配っていたということも出てまいりました。全て新しい事実ではありませんか。裏金問題の再調査をするおつもりはありませんか。お尋ねをしたいというふうに思います。
さらには、総理が代表を務めていた石破グループ、水月会、これについてもパーティー収入不記載の問題が報道されています。石破派のパーティー収入不記載問題について、事実関係を含めて御説明をお願いしたいと思います。臭い物に蓋をすることのないように、明快な答弁を求めます。
次に、裏金議員の公認問題についてお尋ねをしたいというふうに思います。
最初は、自民候補として公認するにふさわしいかどうか、よく議論をして、徹底して議論を行って考えていくという趣旨のお話をされていました。公認をしないことを念頭に置いているんだなと思っていましたが、日々トーンダウンをし、そして、その対応も日々変わっていくような、ちぐはぐさを感じています。
裏金議員の公認問題について、総理は昨日、相当程度の非公認が生じると述べられました。公認されないのは、既に重い処分を受けた人、現時点で処分が継続していて、政治倫理審査会で説明責任を果たしていない人、説明責任を十分に果たさず、地元での理解が十分に進んでいないと判断される人。この三条件で、明らかに追加非公認となるのは、高木元国対委員長、萩生田元政調会長、平沢元復興大臣、三ッ林衆議院議員の四人です。
相当程度に非公認が生じるのではなく、大半が公認されるのではないでしょうか。重複立候補するしないは関係なく、公認料を払うわけですよね。公認をして、党としてお墨つきを与えるわけですよね。この公認が本当に国民の理解を得ることができるのかどうか、よくお考えをいただきたいというふうに思います。
そして、連立与党を組んでいらっしゃる公明党の皆さんも、まさか推薦を出すんでしょうか。同じ穴のムジナと見られかねないと思います。その動きというものを私は注視していきたいというふうに思います。
そもそも、このような甘い対応をせざるを得ないのは、自民党の四月の処分がそもそも大甘だったからであります。約八十人もの衆参の国会議員が裏金に関わった。そのうち、裏金五百万円以上が処分の対象でした、三十九人です。重たい処分は五人。選挙の非公認は全くなし。そして、それ以下の役員停止。一番多かったのは、三十九人の処分のうち、戒告であります、十七人。戒告、戒める、告げるという字です。字面は厳しいですが、平たく言えば、こら、駄目よじゃないですか。それでいいんでしょうか。しかも、裏金五百万円未満は処分なしですよ、四十三人。大甘ではありませんか。この大甘を基準にしているから、問題がおかしくなっているんだと思います。
自民党が四月、甘い処分で幕引きを図ろうとしていたときに、総理は声を上げ、異議を唱えることはありませんでした。なぜですか。お答えをいただきたいと思います。
六月には政治資金規正法改正、最後は自民党、公明党だけで成立いたしました。私は、このやり方はおかしいと思っています。普通の法案と違います。政治資金規正法や公職選挙法は、戦う相手とのルールの確認がなければいけないんじゃないですか。私は邪道だと思っています。中身もすかすかです。ざるだらけです。ざる法です。天下のざる法です。天ざると呼んでいます。
私は、もっと抜本的に、政策活動費であるとか企業・団体献金の禁止、不正の温床となるようなものにメスを入れなければ、改革の名に値しないと思います。連座制の導入など政治家本人の責任強化、企業・団体献金の禁止、政策活動費の廃止などを実現するよう、政治資金規正法の再改正をすべきではありませんか。
政策活動費は、自民党幹事長は年間に約十億円も活用をされています。領収書不要の渡し切り費でありますので、使途不明金と言っても過言ではありません。我が党も、かつてはこの政策活動費を使っていたことがあります。でも、前執行部からは全く使っていません。政策活動費の廃止を今私どもはお訴えをしています以上、野田新執行部においても、この政策活動費は使わない意思決定をさせていただきました。
そこで、お尋ねをしたいと思います。
政策活動費の廃止については、自民党総裁選において複数の候補が主張していたのですから、すぐにでも与野党で法改正できるはずであります。ところが、公明党との連立合意には盛り込まれていません。なぜですか。お尋ねをいたします。
政治改革の歴史を振り返ってみると、一つには、大きな流れは投票権拡充の歴史だったと思います。婦人参政権の実現、そして、かつては投票日は日曜日一日だけでありましたが、不在者投票を経て、そして期日前投票制度が今実現をされています。在外投票も実現をされました。ハンディを負っている皆さんのために、点字、点訳、公報の点訳であるとか、あるいは立会演説会で手話ボランティアの方にお手伝いをいただいたり、様々なチャレンジが続いています。
これからもその投票権の拡充は進めていかなければなりませんが、私は、これからは、それ以上に力を入れなければいけないのは被選挙権改革だと思っています。
投票権は十八歳まで引き下げられました。被選挙権についても、衆議院は今二十五歳以上、参議院は三十歳、もっと引き下げてもいいんじゃないでしょうか。大学生でも立候補できる、選挙運動ができる、そういう改革をしなければいけないと思います。そして、女性がもっと政治に参画をするためにも、クオータ制の導入なども図っていかなければいけないと考えています。
そして、もう一つ大事なポイントは、政界への人材供給ルートが固定化されていますので、そこに風穴を空けていく必要があります。それは、私は世襲制限だと思います。
もちろん、優秀な世襲の議員もたくさんいらっしゃることはよく存じ上げております。でも、でもです、現象として見ていただきたいんですが、平成、令和と入って、世襲でない自民党出身の内閣総理大臣は、石破総理も含めて、菅元総理以外は全部世襲なんです。ここまで来ると、さすがに偏っていると私は指摘せざるを得ません。
例示して恐縮でございますけれども、例えば、岸田前総理は広島一区選出の衆議院議員でいらっしゃいます。でも、小学校から大学まで、ずっと都内で学ばれていました。安倍元総理におかれましても、小学校から大学まで成蹊で学ばれました。
今、宿舎に住んでいますけれども、宿舎でも多くの子供たちが暮らしています。いずれは広島や山口で衆議院議員になるのかもしれません。覚悟を持った立派な政治家もいっぱいいますが、それ以上に、広島一区や山口に、もっと有為な人材がいるのかもしれません。その人たちが参加することを、私は阻んでおるのではないかと思います。東京で生まれ育った人たちが地方の選挙区で出てくる、でも、それでは、本当に地方の様々な切実な声を国政に反映することができるんでしょうか。できないのではないかと私は思います。
我々は、昨年の臨時国会で、政治団体や政治資金を配偶者や三親等以内の親族が相続できないような法律を提出させていただきました。継続審議となっておりますけれども。
そこで、お尋ねをいたします。総理は、世襲制限についていかがお考えでしょうか。お尋ねをいたします。また、居並ぶ閣僚の中にも複数の世襲の方がいらっしゃいますが、とりわけ百年超の政治家一家の四世である武藤大臣に、世襲制限についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
次に、アベノミクスについてお尋ねをいたします。
総理は従来、アベノミクスに対して批判的な立場をずっと取られてまいりました。金融政策も、利上げの必要性を主張し、そして、正常化を志向していたと思いますが、最近、総理の言動には相当ぶれが出てきています。だからマーケットが荒れています。落ち着かせるためにも、明確にアベノミクスを清算して、そして、日銀と政府によるアコードをもう一回締結をすることが必要ではないでしょうか。方向感をしっかり確認して、マーケットが安定するようにすることが第一歩だと私は思います。
アベノミクスをどのように清算していくお考えなのか、新たな共同声明を取りまとめるお考えはあるのか、総理の御見解をお伺いいたします。
同じことを村上総務大臣にもお尋ねをしたいと思います。
かねてより、金融政策の出口戦略が必要と正論を吐き続けてまいりました。最近でも、株価暴落や円安をアベノミクスの負の遺産と喝破されておりました。アベノミクスをどのように評価しているか、論理的に御説明をいただきたいと思います。
次に、アジア版NATOについてお尋ねをいたします。
日米同盟が日本の外交、安全保障政策の基軸であるという認識は総理も私も同じだというふうに思いますが、総理は、最近の言動が、逆にアメリカも含めて国際社会に不安を与えているのではないでしょうか。
ハドソン研究所への寄稿、この論文を読むと、日米安保条約の非対称性を改め、米英同盟のように対等なものにする、そして、アジア版NATOや核共有についても触れています。総裁選では、アジア版NATOについて熱っぽく語っておりました。これは日米同盟の抑止力に疑念があると思われかねません。ASEANで参加を希望する国があるんでしょうか。NATOのように集団的自衛権をフルスペックで行使をするということは、これは憲法改正を伴うものであります。
改めて、アジア版NATOや日米安保条約の改定など、いずれも日米同盟を混乱させかねない唐突な発言です。総理にお聞きします。それぞれの実現可能性をどうお考えですか。非現実的ではありませんか。お答えをいただきたいと思います。
アジア版NATOは、これは御自身の持論だとは思いますけれども、具体的な検討を外務大臣や防衛大臣に指示したのでしょうか。自民党の選挙公約に盛り込むのですか。併せてお答えをいただきたいと思います。
アジア版NATOにおいては、米国の核兵器を共同運用する核共有やアジア地域への核兵器の持込みの検討にも言及しています。これでは非核三原則が崩れるのではありませんか。核不拡散の観点からも、核廃絶を目指している広島県御出身の斉藤国交大臣は、このアジア版NATO構想をどのように評価しているのか、また、核共有についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
日米が外交、安保の基軸ではありますけれども、日本独自の外交の必要性も今まさに出てきていると思います。
昨年の十月、パレスチナ・ガザ地区の紛争が始まり、一年となります。戦火はどんどん飛び火し、そしてエスカレーションになり、中東全体が今大きな危機を迎えています。
私は、あるエピソードを思い出します。二〇一二年の九月、国連総会で一般討論演説をやりました。一般討論演説は、一人持ち時間十五分と決まっています。トップバッターはブラジルなんです。国連が発足したとき、誰もトップバッターをやらないときに、ブラジルは手を挙げた。それに敬意を表して、ブラジルからスタートするようになりました。二番目は、ニューヨークですから、ホスト国のアメリカが二番を務めます。三番目以降は国連事務局が希望などを聞きながら総合調整をするんですが、味な調整をよくやるんですよね。
私は、残念ながらランチタイムの時間帯に当たってしまいました。ギャラリーが少ないのでがっかりしていましたが、予想とは違って、たくさんの人が集まってくるんです。中東情勢がきな臭くなっていて、私の前の演説者はイスラエルのネタニヤフだったんですね。ネタニヤフは、熱っぽく演説を行い、降壇してまいりました。握手を求めてまいりました。頑張れよという意味だと思います。私も、お疲れさまでしたと手を握りました。
私は、紛争の平和的解決を十五分間、東シナ海や南シナ海を念頭に演説をいたしました。演説が終わり、壇を降りると、次は、パレスチナ暫定政府のアッバス議長でありました。アッバス議長は、お疲れさまと手を握ってまいりました。私は、頑張ってくださいと手を握りました。
なぜ、イスラエルとパレスチナを続けてやらなかったのか。余りにもエキサイトする瞬間だったんだろうと思います。だから、日本がその役割を担ったんです。私は、極めて政治的意味のある順番だったと思いました。
中東情勢が緊迫する中、独自外交で、より中立的な、主体的な緊張緩和に努めるべきではないでしょうか。総理は、我が国がどのような役割を果たすべきだとお考えでしょうか。
最後に、拉致問題についてお尋ねをいたします。
拉致被害者及び御家族が高齢化をしてまいりました。一刻も早く救出しなければなりません。私もこの問題に懸命に取り組んだことがあります。
最近の一番最後の到達点は、安倍政権下におけるストックホルム合意だと思います。拉致被害者や行方不明者の再調査を含む七項目の合意ができました。実は、その前の二〇一二年の段階で、ハイレベルの交渉をしながら、全く同じ内容の八項目の内容を、合意文書案を野田内閣では作っておりました。懸命な努力の末でありました。でも、ミサイルを飛ばされて御破算になりました。ストックホルム合意も、北に残念ながら破棄されてしまいました。
拉致問題について、総理も熱心に取り組もうとしていると思いますが、東京と平壌に連絡事務所を開設する意義は何なんでしょうか。御説明をいただきたいと思います。
北朝鮮が画策している時間稼ぎや幕引きに加担するとして、家族会は強く反対をしていますが、総理による家族会への電話での伝達で御理解は得られたのでしょうか。お答えをいただきたいと思います。
石破総理なら自民党が変わるかもしれないと思いましたが、やはり確信をしました。疑似政権交代では政治は変わりません。政権交代こそ最大の政治改革であると申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。
〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕