やはり、目の前の、本当に今日の生活にも苦しんでいる人からしたら、何かにすがりたいという気持ちはすごくあるんだと思うんです。
今、ドイツの話をされましたけれども、私は、この前のアメリカの大統領選挙の結果を見て、ある種、ちょっとかつてのそこに似たような危惧感も感じたところがあるんです。
何かというと、マクロの数字で見ると今のアメリカの経済は絶好調です。しかし、アメリカというのは元々格差が非常に大きい。そういう中であれだけのインフレ率になれば、当然、目の前の暮らしが厳しい人たちの生活は本当に大変な状況になっているはずなんですね。ところが、そういうのってやはりマクロの数字ではなかなか見えてこないんですよ。だから、マクロだけ見ていたら、何で今の政権が、ハリスが負けるのかというような、そういう数字です。
しかし、そういうアメリカの格差社会の中を見てみれば、本当に厳しい人たちがいて、そういう人たちから見たら、セレブが応援しているというのは、それは俺たちの生活と全然違うじゃないかと。その辺の感覚が、特に激戦州と言われるようなところは、元々製造業が中心の州で、また所得の低い人たちが多いところ。そういうところの、余り表の数字に表れないけれども非常に暮らしが厳しいという人たちがトランプ次期大統領を支持した、やはりそういう背景にもあるんじゃないかと思うんです。
ですから、そういった意味で、今の経済状況をどう認識するかということは、やはり今後の国の在り方を考える上で極めて大事なことだと思っています。ですから、その意味で、ちょっと次に、今の日本の経済状況についての認識についてお伺いしたいと思います。
私たち国民民主党は、今の日本経済というのは、物価上昇とそれを超える賃金上昇が実現して、それが持続的に継続していくという経済の好循環ですね、こうした好循環へと進んでいくのか、あるいは再びデフレに逆戻りするのか、その分岐点にあるというふうに思っています。
特に、足下、賃金上昇が物価上昇に追いつかない中で、実質賃金が減る状況が続いています。また、年金支給額は全く物価上昇に追いついていませんから、多くの年金生活者の皆さん方の生活は苦しくなっている。
そういう中で、だんだん消費者の節約志向が強まっておりまして、今、だんだんいろいろなところで値引きセールというのが始まり出しました。
やはり、こういう状況を放置しておきますと、まだ大手ぐらいが値引きしているうちはいいですよ。しかし、みんなそちらにお客さんが行ってしまうと、小さいところも損覚悟で値引きしないと売れないとなる。そうすると、値引きしたら、そこで働いている人たちの給料を上げられない。給料が上がらなければ、結局、消費も盛り上がらない。消費がよくなければ、また値引きしなければいけない。まさに、長い三十年のデフレスパイラルに陥るかもしれない。私は、足下だけ見たら、むしろ今の状況は、このまま放置しておくとデフレスパイラルにまた陥りかねない、そういうリスクが高まっているというふうに思っています。
だから、私たちはこうした考え方に立って、さきに政府の方で決めていただいた経済対策、この中には、私たちは自民党さんと公明党さんと三党協議をさせていただいて、その中で私たちが強く主張して、きちんと、これはやはり、今の状況というのは、好循環に進むか、あるいはデフレに逆戻りするか、その分岐点にある、そういう今の経済状況の認識を三党では確認をしたつもりであります。
ですから、やはりそこの認識というのは非常に、これから私たちが主張する、なぜ私たちが、今は手取りを増やす経済政策を実現しなきゃいけないかというのを言っているのは、やはりそういう今状況にあるからなんです。
こうした経済認識、これは総理も共有しているというふうに考えてよろしいですか。