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2024-10-07
第214回国会(臨時会) 衆議院 本会議 第3号 発言No.33全文を見る日本維新の会の馬場伸幸です。
教育無償化を実現する会との統一会派を代表し、質問をいたします。
元日の震災から復興へ懸命に立ち上がろうとしていた石川県能登地方が、先月下旬、線状降水帯による記録的豪雨に見舞われました。お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表し、御遺族と被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。また、被災地で救助、復旧等に力を尽くされている全ての皆様に深く敬意を表します。
私たちは、震災直後から続けている被災地へのサポート体制を強化し、更にきめ細かく支援をお届けしてまいります。
さて、総理は、総裁選直前の八月に上梓した「保守政治家 わが政策、わが天命」の中で、大臣就任時に答弁について、検討するという文言は認めず、検討して、いつまでに成案を得ると改めていたとしています。ならば、私が政策課題の実現目標を伺った際には真摯にお答えいただくよう、まずもって強く求め、質問に入ります。
総理になる前の自民党総裁の立場で、次期衆議院選挙を十月二十七日投開票の日程で行うというおきて破りの表明をし、明後日、解散される運びとなっています。国会で正式に選出される前に総理の伝家の宝刀を抜くとは、国会軽視、思い上がりも甚だしいと指弾せざるを得ません。
僅か半月余り前の総裁選の討論会で、総理は、解散の時期について、国民が判断する材料を提供するのは政府の責任であり、新しい総理の責任、本当のやり取りは予算委員会だ、世界情勢がどうなるか分からないのに、すぐ解散するという言い方はしないと明言していました。事実上、総理を選ぶ総裁選での言葉は国民に対する公約にほかなりませんが、舌の根も乾かぬうちに手のひら返しの解散を宣言する変節ぶりには、開いた口が塞がりません。
無論、常在戦場です。私たちは受けて立ちますが、解散前にやると約束した予算委員会さえも開かず、敵前逃亡のそしりは逃れ得ません。
総理に伺います。
元々、憲法七条に基づく解散については、時の政権に有利になるため憲法の趣旨に反すると否定的な見解を示していたのに、なぜ豹変したのですか。党執行部に押し切られて解散を決断したならば、党内野党として筋を通してきた総理も、最高権力を手にした途端に、党利党略で持論を曲げてしまうという本性が露呈したと受け止めなければいけません。これでは先が思いやられます。これに反論できますか。
このような有様で、自民党の裏金問題で地に落ちた国民の政治への信頼を取り戻せるとお考えでしょうか。就任記者会見で自ら、納得と共感内閣だと命名されましたが、国民に納得と共感が得られるとお思いでしょうか。
会期延長してでも予算委員会を開くことが不可欠です。能登半島の豪雨災害に対応するための令和六年度補正予算編成も無視するのでしょうか。
総裁選中、世界情勢が不透明なことも解散しない理由に挙げていましたが、先週、イランがイスラエルにミサイル攻撃し、第五次中東戦争の萌芽が現れました。国際情勢は一層混沌とし、日本がエネルギー危機に見舞われる可能性があります。現在の国際情勢下で、衆議院議員不在の政治空白をつくっていいのでしょうか。
総理の臆面もない公約破りを目の当たりにすれば、さきの総裁選は、自民党挙げての壮大な茶番だったと断じざるを得ません。総理の変節は、本質は変わらない、変えられない自民党政権の実態そのものではないでしょうか。
以上、敵前逃亡することなく、真摯にお答えください。
前国会で私は自民党総裁との間で文書を交わし、いわゆる政策活動費の十年後の公開で合意をしました。しかしながら、それは、結党当初から身を切る改革を掲げ、政治と金についてどの党よりも厳しいルールを自らに課してきた我が党として、改革姿勢が後退したのではないかという疑念を抱かせる結果を招いてしまいました。
前国会において自民党に、政治と金の問題を一掃する完全なる改革、政策活動費の即時廃止を迫らなかったことは、結果的に私たちの誤りでした。提案した政策は法案が成立しなくても実践するという政治姿勢を貫き続けている維新の党是から、今すぐの実践にちゅうちょがあったことも含め、真摯に反省をしています。
そこで、前国会閉会後、いま一度、改革政党の原点に立ち返り、政策活動費の支出は今後一切行わないことをルールとして定め、実践に移しています。さらには、これを法律による共通ルールとするため、今国会に、政策活動費や企業・団体献金の禁止、議員定数の削減等をうたった政治資金規正法及び公職選挙法の改正案を提出しました。
一方で、自民党は、裏金問題について、再発防止と政治不信を払拭するための法改正だけでなく、実態解明と当事者の処分も実施すると明言してきました。しかしながら、これらは今も、うやむやのままです。残された課題を今国会でやり切ることは立法府の使命です。しかし、総理がその議論する機会さえ奪わんとして、解散・総選挙に突き進んでいます。このことには断固たる抗議をいたします。
その上で、政治と金の問題に関して、総理にお伺いをいたします。
まず、派閥のパーティー収入不記載に端を発した裏金問題についてです。
政治倫理審査会については、衆参両院議員計七十二人がいまだに出席を拒んでいます。当然、出席を促すお考えでしょうか。
来る総選挙で、石破総理は昨日、相当程度の非公認が生じると宣言をされました。しかしながら、国民感情からすれば、裏金、脱税に関与した全員を非公認とするべきではないでしょうか。総裁選の公約どおり、総裁自らお一人お一人に聞き取りを行って判断するのですか。
前国会で明らかになったのは、長年の金権体質がしみついた自民党が構造的な機能不全に陥っているという事実です。この組織的問題に対して、幾ら首をすげ替えても対症療法にしかなり得ません。
私たちは既に、率先垂範して、旧文書通信交通滞在費の領収書公開を自主的に行ってきました。政治資金収支報告書の会計責任者は国会議員本人とし、責任の所在も明確にいたしました。さらに、先ほど述べたように、今後は政策活動費も完全に廃止をいたします。
総理は、過去に、政策活動費の廃止も一つの方向性だと述べておられますが、私たちの取組と比べると、いささか踏み込みが甘くないですか。自民党も、政治不信を一掃するために、私たちに倣って、廃止する方針を明確にすべきではないでしょうか。
さらに、私たちは、この問題を追及するに当たり、自ら身を正すことが必要と考え、過去の政策活動費の検証を行うチームを設置することに決めました。私たちの調査では、総理は、自民党幹事長職にあった平成二十四年九月から平成二十六年八月にかけ、計七十二回、総額十七億五千五十万円を政策活動費として受け取っています。私たちと同様に、これらの内訳も全て自主的に調査、説明してはいかがでしょうか。
金権体質を根本的に浄化するには、企業・団体献金の禁止は不可欠です。日本の財政を圧迫している社会保障の抜本改革は、献金を橋渡しにした自民党と企業、団体の癒着によって立ち往生しています。例えば、岸田前総理は日本医師会政治連盟から年間一千四百万円もの献金を受け取っており、これが癒着となれ合いを生み出し、医療制度改革を停滞させる要因になっているとの指摘は絶えません。
我々は、企業、団体へのパーティー券販売も含め、企業や業界団体からは一切お金を受け取りません。既得権の温床となる企業・団体献金は直ちに禁止すべきと考えますが、総理の決意を伺います。
一切のしがらみを排した構造改革を成し遂げるには、政治家自らが身分や特権を手放すことで覚悟を示さねばなりません。
私たちには、大阪府市で議員定数の削減を行い、議員歳費も削減した実績があります。国会では身を切る改革で、月々の歳費の二割、ボーナス三割を自主的にカットし、国内外の被災地や戦災地に寄附をしているほか、形骸化した特別委員会や委員長ポストの廃止に取り組んでいます。
民主党政権下の平成二十四年から果たされていない国民との約束が、国会議員定数の大幅な削減です。自民党は、この問題をいつまで引き延ばすのでしょうか。私たちが四日に提出した、比例代表選出議員の定数を二割削減する公選法改正案を可及的速やかに可決するべきではないでしょうか。議席削減に向けた総理の覚悟をお示しください。
旧文通費については、根本的に政府・与党の姿勢を問いたださなければなりません。
自民党との合意文書では、旧文通費の使途公開と残金返納を義務づける立法措置を行うこととなっています。これは公党同士の約束です。無論、総理はこの合意を生きているとお考えでしょう。
しかし、総理は、総裁選勝利後の先月二十九日のテレビ番組で、何が使途として認められるのか与野党で合意すれば公開すると発言されましたが、まず公開することを実践してから使途を決めるのが筋ではないでしょうか。私たちは、旧文通費の領収書を一枚残らず自主的に公開をしています。与野党の合意がなくても、総理自身、私たち同様に、自主的に領収書を公開するお考えはありますか。
岸田前総理が導入を決めた子ども・子育て支援金は、少子化対策を掲げながらも現役世代の手取りを減らし、また、防衛財源とするための法人税、所得税、たばこ税の増税は、身を切る改革なくして負担を国民に押しつける暴政そのものです。
自民党の茂木前幹事長が総裁選でゼロ増税を打ち出し、いずれも実施せずに財源は確保できると喝破されました。政策決定時に党幹事長であった方の発言には重いものがあります。この意見を受け入れ、社会保険料増額や増税を一旦凍結し、予算の精査や事業の見直しをやり直すべきではないでしょうか。お答えください。
社会保障制度は、国民の安心と幸せに直結する国民の関心事です。しかし、総理は就任会見で見直しに着手するとしただけで、ほとんど関心がないと断じざるを得ません。私たちは既に、高齢者医療制度の窓口負担の適正化、診療報酬の見直しなど、医療維新として具体的な医療制度改革案を提示しているところです。
総理は、年々増大する社会保障費を具体的にどのように抑制していくお考えでしょうか。社会保険料を下げることで現役世代の負担を軽減し、世代間格差を解消することこそ政府が解決すべき課題だと考えますが、総理の見解を求めます。
医療分野のDXは、医療費の適正化や診療報酬と薬価の見直し、電子カルテの標準化など、聖域とされてきた社会保険制度の中核にメスを入れることになります。しかし、その入口であるマイナ保険証に対する国民の忌避感が強く、十二月の健康保険証とマイナンバーカード一体化への円滑な移行が危惧されます。ここでつまずいているようでは、医療DXの実現など絵に描いた餅にすぎません。
不人気の大きな理由は、制度設計上、マイナ保険証を使用するメリットが余りにも少ないからです。問答無用でマイナ保険証を持たせることが目的化し、搭載される医療情報が極めて限定されている現行の制度設計は、医療DXのプラットフォームとして嘆かわしい状況です。
総理に質問をいたします。
マイナ保険証への移行は予定どおり実施されますか。マイナ保険証への移行と並行し、電子カルテ情報を共有できるよう、現行二百床以下の医療機関、診療所の半数が紙のカルテを用いている状況を打開するなど、国民の受診、治療や健康維持に資する制度を構築することが不可欠ではないでしょうか。お答えください。
本年は五年に一度の年金財政検証の年でありましたが、年金制度の経年劣化は火を見るよりも明らかです。人口減少が加速する今、年金は、現役世代の安心感よりも、むしろ負担感を増しているとも思われますが、どうお考えでしょうか。
そもそも、財政検証の考え方自体が昭和のモデルを前提としており、時勢を反映していないと言わざるを得ません。例えば、年金の所得代替率のベースは専業主婦世帯を想定しています。年金の保険料を納めている現役世代の多くが共稼ぎや未婚世帯であり、将来の見通しは個人単位の比較で示すべきであります。
現代社会に通用しない昭和のモデルにメスを入れ、時代に合う年金、医療の仕組みを再構築すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
財政検証では、合計特殊出生率の長期的な値も一・三六に設定されており、昨年の合計特殊出生率が一・二〇だったことを踏まえれば、異常に高い水準になっています。また、全人口に占める外国人の比率が一一%になるとされていることにも疑義があります。外国人比率一一%を実現するなら、日本社会の在り方そのものが大きく姿を変えることは容易に想像できます。このような変化に対し、そもそも、国民的なコンセンサスが取れているとお考えでしょうか。そうでなければ、なぜこのような空想的な比率を採用したのでしょうか。
年金の財政検証は粉飾と言わざるを得ず、将来世代への負担の先送りにつながると考えます。これらの前提を見直すべきではないでしょうか。総理に答弁を求めます。
総理は、地方創生の交付金を当初予算ベースで倍増させる方針を示されました。
総理に伺います。
初代の地方創生担当大臣を二年間務め、地方の問題に力を注がれてきましたが、これまでにどのような成果があったとお考えでしょうか。
首都圏一都三県への転入者と転出者の差は、地方創生がスタートした平成二十六年よりも拡大しています。男性より女性の流入の方が多い傾向も、この十年、変わっていません。東京一極集中の流れを反転させるような効果はなかったと思いますが、これまでの取組のどこに問題があったと認識されていますか。
地方創生推進交付金事業をめぐっては、過去に行政評価レビューで、重要業績評価指標、いわゆるKPIの設定や効果検証の方法などについて、外部有識者から事業全体の抜本的な改善を勧告された経緯があります。やり方によっては、ばらまきの道具になり、総理が師と仰ぐ田中角栄流の利益誘導政治に戻りかねません。今まで地方創生推進交付金がどのように使われ、いかなる効果をもたらしてきたか、まず徹底的に検証するべきではないですか。
地域を活性化するには、大学、雇用、金融機関などが集中する極が必要です。これを日本全国に分散させ、極を中心に経済成長を目指す多極分散の発想が不可欠と考えますが、所見を求めます。
消費税を始めとした国税を地方に抜本的に税源移譲することで、国の関与を減らし、主体的な自治体経営を可能とすることも肝要と考えますが、見解を求めます。
長引く物価高は、国民の日常生活を苦しめ、その影響は深刻度を増しています。今月値上げされた食品は、ペットボトル入りの飲料やハム、ソーセージなど二千九百品目余りにも上り、今年に入って最も多くなったと伝えられています。
政府は、物価高対策として電気やガス料金への補助やガソリン価格を抑えるための補助を実施していますが、ばらまき志向のびほう策にすぎません。総理が改めて意思表示をした低所得者向けの給付金も、高齢者に偏重し、本当に必要な人に届く施策ではありません。私たちは、国民が何よりも求めていることは、消費税や社会保険料の負担軽減と、それに伴う可処分所得の増加だと考えています。
総理に伺います。
事業者支援を中心とするばらまき路線から脱却し、全ての国民に直接還元されるような形での支援に転換すべきではないでしょうか。消費税を八%に引き下げ、軽減税率を廃止するとともに、社会保険料を軽減することが、より実効性のある物価対策になり得ると考えますが、いかがでしょうか。お答えください。
自民党政権は、長らく、業界団体や霞が関との堅牢な鉄のトライアングルを築き、旧態依然とした規制と昭和の古い価値観を温存することで、我が国の成長を阻んできました。電波オークションの導入や農地の企業所有解禁といった岩盤規制の改革を断行しなければ、イノベーションも新しい産業も生まれず、日本経済は停滞から抜け出せません。
失われた三十年の元凶の象徴と言える事例が、ライドシェア解禁に対する政府の対応です。
今年四月、日本版ライドシェアなるものが導入されましたが、実態は、運行管理はタクシー事業者にしか認められず、時間や地域も限定され、名ばかりライドシェアと言わざるを得ません。権益を固守する政官業が、へ理屈と恣意的なデータを駆使し、できない理由を取り繕い、業界外からの新規参入をブロックしているからです。全面解禁による市場規模は一兆円を優に超えるとされているにもかかわらずです。また、来るべき大阪・関西万博の成功に向けても、ライドシェアの更なる解禁が切望をされています。
総理は自著「保守政治家」の中で、あらゆる改革について、既得権益を壊すために不人気な政策であっても断固としてやり抜かなくては日本の将来に禍根を残すことになると訴えていますが、所信表明では規制改革のキの字にも触れずじまいでした。
総理に伺います。
業界団体と役所の既得権益を守ることで、国民の利便性がないがしろにされていいのでしょうか。規制改革に本腰を入れて取り組む覚悟はないのでしょうか。移動の足の不足という社会課題を解決するためにも、大胆な規制改革によって新たな市場の創出や新しい働き方への転換を促すためにも、新規参入が可能なライドシェアの全面解禁を実現してしかるべきではないでしょうか。お答えください。
インフラ整備についても伺います。
石破総理は、リニア新幹線について、開業すれば東海道新幹線に輸送余力が生じると積極的なコメントをされ、高速交通インフラに強い関心があると拝察いたします。
翻って、東京と大阪をつなぐ北陸新幹線の整備事業では、空白となっている敦賀以西のルートについて、国土交通省は、当初想定した建設費が二倍以上の五兆円超まで膨らむと試算し、難工事のリスクから工期も最長約二十八年と当初の十五年から大幅に延びると見込んでいます。
総理に伺います。
現行の計画ルートの工事条件が不測の事態で大きく悪化した場合、より合理的、現実的なルートへの変更も検討する可能性はありますか。対象ルートが収支採算性や投資効果など着工五条件がクリアできないなら、五条件自体を見直すという声も与党から漏れ聞こえてきています。まさかゴールポストを強引に移動させるようなことはないと思いますが、所見を求めます。
国際情勢が流動化する中、核を持つ中国、北朝鮮、ロシアを隣に抱える日本の安全環境は日を追うごとに厳しさを増しています。力による台湾統一の野心を持つ中国の人民解放軍は、八月以降、日本周辺での威圧活動を先鋭化させています。情報収集機が領空侵犯したほか、測量艦が領海侵入し、空母が初めて接続水域を航行しました。日本が米国と安全保障面で連携を強化していることへの反発であることは間違いがありません。
総理に質問します。
日本有事に直結する台湾有事は、総理の総裁任期中の二〇二七年までに起きるとの観測が強まっています。御自身が戦時の宰相になり得る蓋然性が高いわけですが、その覚悟はありますか。その日を視野に、国家国民を守り抜くための万全な防衛体制をどのように、そしていかなるタイムスケジュールで敷いていくお考えでしょうか。
総理は、自著「保守政治家」で、台湾有事、即日本有事になる可能性は相当低いと指摘しています。理由は、中国が台湾を攻撃しても、日本を攻撃すれば同盟国の米国を敵に回すことになるからだそうです。
そのような政府最高指導者の甘い認識は、中国、そして日本国民への誤ったメッセージになりかねないのではないでしょうか。対中抑止力や国民の国防意識をそぐことになるとも懸念しますが、所見を求めます。
海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」が先月二十五日、海自艦艇として台湾海峡を初めて通過しました。欧米の軍艦は、台湾海峡はどの国にも属さない国際水域として自由に航行していましたが、日本はこれまで、中国との間で緊張が高まることを避けるため、海自艦艇による航行を控えていました。指示をした岸田前総理の決断は、日本周辺で傍若無人に振る舞う中国を牽制する上で意義があり、対中抑止力に資するものとして評価をいたします。
今後も海自艦艇の台湾海峡航行を継続して行っていくべきだと考えますが、見解を伺います。また、これに限らず、中国、北朝鮮、ロシアの脅威に対して、日本は毅然とした行動や対抗措置を取っていくお考えはあるでしょうか。
総理は、自民党総裁選での政策集で、党是の憲法改正について、国会での議論を促進し、総理在任中の国会発議を実現すると掲げました。岸田前総理は、総裁任期中の憲法改正実現を重ねて公言されていましたが、結局果たせずに終わりました。与野党五会派で合意形成されつつある緊急事態条項創設や、防衛力の抜本的強化と表裏一体にある九条への自衛隊の明記などを軸に、改正案の取りまとめ作業に直ちに入るべきです。
総理にお尋ねいたします。
前総理が憲法改正を実現できなかった最大の要因は、自民党が常々、予算や重要法案の審議優先などをできない理由の口実として野党第一党と談合し、都合よく先送りし続けているからだと考えます。つまり、やる気がないだけで、成否は総理・総裁の決断次第です。このような現状を打開する覚悟はあるでしょうか。
総理が発議をするとした総理在任中とは、現総裁任期の三年以内にということでしょうか。総理在任中というなら、場合によっては発議の目標期限が総裁任期最長三期連続、すなわち九年先までずるずると先延ばしができます。三年以内に発議をするとはっきり言ってください。自民党総裁として答弁を求めます。
日本維新の会は改革政党です。結局は従来型の自民党手法そのものから抜け出ることのできない石破内閣に対して、もう一つの選択肢を示していきます。
先月、私は日本維新の会の外交ミッションとしてインドを訪れましたが、昭和四十年代の日本のように、国中にあふれる活気に驚きました。現地の人々が皆、暮らしがよくなっていく期待でわくわくする笑顔で輝いていたからです。
近く迎える総選挙で、私たちも、国民がわくわくできる社会を実現すべく、日本大改革の道筋を果敢に提案し、全力で戦い抜くことをお誓い申し上げ、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕
2024-10-07
第214回国会(臨時会) 衆議院 本会議 第3号 発言No.19全文を見る野田代表から、冒頭、大変ありがたいお言葉をいただきました。厚く御礼を申し上げます。
野田佳彦議員の御質問にお答えをいたします。
安倍政権下の対ロシア外交についてお尋ねがございました。
安倍政権におきましては、幅広い分野で日ロ関係全体を国益に資するよう発展させるべく、平和条約交渉を粘り強く進めたものと承知をいたしております。
その後、ロシアによるウクライナ侵略を受け、我が国は、従来の対ロ外交を大きく転換をいたしました。引き続き、何が我が国の国益に資するかという観点から、適切に対応をいたします。
自衛官の処遇改善についてお尋ねをいただきました。
防衛力の最大の基盤は自衛官であります。防衛力を発揮するためには、装備だけではなく、人的基盤を強化することが不可欠であります。自衛官が定員割れとなっている状態を放置することは大きな問題であります。
この待ったなしの課題に対し、私を長とする関係閣僚会議を早期に立ち上げ、早急に検討し、成果を得てまいります。
能登半島の災害への予算面での対応についてお尋ねをいただきました。
今般策定することといたしております経済対策の裏づけとなる補正予算においては、能登地域の災害からの復旧復興にも対応することといたしております。その一方で、予備費であれば更に迅速な対応ができること、一般予備費に十分な残額があることを踏まえ、予備費を活用して切れ目なく被災地の支援を行うことにより、能登地域の早期の復旧復興に向けた対応に万全を期してまいります。
二重災害で苦しむ能登半島、その被災地における選挙準備についてのお尋ねをいただきました。
被災地におきましては、総務省から必要な助言を行いながら、既に、投票所の確保など選挙の執行に向けた準備を進めていただいております。
先般も、選挙事務に精通したアドバイザーを被災地に派遣をし、被災地の状況把握及び選挙の執行に向けた助言等を実施したところであり、引き続き、県選挙管理委員会とも緊密に連携し、被災地における選挙の実施に万全を期してまいります。
衆議院の解散についてお尋ねをいただきました。
内閣は、憲法第六十九条の場合に典型的に表れておりますように、国政上の重大な局面等において主権者たる国民の意思を確かめる必要があるような場合には、衆議院の解散権を行使することができると考えております。その法的根拠といたしましては、憲法第七条の規定であり、今般表明した衆議院の解散についても、同様に考えております。
衆議院解散権の行使について、その濫用を慎むべきことは言うまでもありませんが、今回、新しい内閣が発足したことに伴い、国民の意思を確かめる必要があるとの観点から、衆議院の解散を行うとの判断をいたしました。
今般の解散についてのお尋ねがありました。
九月三十日の私の発言は、あくまで、内閣総理大臣に選出されれば、諸条件が整えばという二つの前提を置いた上で総選挙の日程について申し上げたものであり、天皇の国事行為に踏み込んだとの御指摘は当たりません。
自民党における旧派閥の政治資金収支報告書の不記載の問題に関する再調査についてお尋ねをいただきました。
自民党における旧派閥の政治資金収支報告書の不記載に関する一連の問題につきましては、第三者である検察による厳正な捜査が行われ、法と証拠に基づき、刑事事件として取り上げるべきものは立件されてきたものと承知をいたしております。また、自民党における外部の弁護士を交えた聞き取り調査や当事者自身による会見等での説明など、様々な関係者による事実関係の把握、解明の努力が進められてきたところであります。国民の信頼を回復するために今後更に行うべきことにつきましては、これまでの取組の経緯等を踏まえつつ、適切に判断をいたします。
私が代表を務めておりました水月会の政治資金収支報告書についてのお尋ねをいただきました。
お尋ねにつきましては、政治資金パーティーのパーティー券を複数の議員から購入いただき、支払い額の合計が二十万円を超えていた政治団体について、水月会の事務局側での確認漏れがあり、当該団体のパーティー券の支払い総額の記載に誤りが生じたものであります。
なお、収支報告書には、政治資金パーティーの収入総額に加えて、その内訳としてパーティー券の支払い額が二十万円を超えたものの支払い額も記載することとされているところ、この度の記載の誤りがあったのは内訳の金額であり、収入総額の誤りは確認されておりません。
水月会自体は既に解散をしておりますが、訂正可能な過去の収支報告書につきましては、既に訂正手続を行ったところであります。
政治資金収支報告書に不記載があった議員の公認の方針等についてお尋ねがありました。
お尋ねにつきましては、昨日自民党総裁として公表した方針に基づき公認に向けた手続を進めているところであり、現時点において公認となる方が誰かは具体的に確定はいたしておりません。
自民党による処分についてお尋ねをいただきました。
今般の一連の収支報告書の不記載の問題に係る自民党の処分については、外部の有識者を含めた党紀委員会において議論を行い、公平に判断されたものと認識しており、また、処分の後も、党として政治資金規正法の改正を含む再発防止策に取り組んできたところであり、御指摘のように甘い処分で幕引きを図ろうとしたものとは認識をいたしておりません。
政治資金規正法の改正についてのお尋ねであります。
さきの通常国会におきまして、政治資金収支報告書の記載に係る政治家の責任の強化、政治資金パーティーのパーティー券の購入者に係る公開基準の引下げ等を内容とする政治資金規正法の一部改正が行われ、収支報告書の不記載の再発防止や政治資金の透明性向上が図られたところであります。
まずは、改正政治資金規正法を徹底的に遵守しますとともに、政治資金に関する独立性の担保された機関の在り方など残された課題の検討を着実に進め、その課題についての結論を得ていくことが重要と考えております。
自民党と公明党との連立合意文書における政策活動費の取扱いについてお尋ねをいただきました。
さきの通常国会において成立した改正政治資金規正法の一部を改正する法律の附則では、政策活動費の使途を十年後に明らかにする、政策活動費を監査する独立性の担保された機関を設置するといった方向性とともに、その具体的な在り方について今後検討を行うことが規定されました。
今回の我が党と公明党との間における連立政権合意書におきましては、このような法律の規定が既にあることを踏まえ、まずは、政策活動費の透明性の確保や、政治資金に関する独立性が確保された機関の設置等に取り組んでいくことを記載することとしたものであります。
国会議員の世襲制限についてのお尋ねがありました。
お尋ねにつきましては、議員の政治活動の在り方と密接に関わる問題であることから、まずは国会において御議論いただくべきものと考えております。
国会議員の世襲に関する問題は、基本的には、政治家として有能かつふさわしい人を国民が広く選べるような仕組みをどのようにつくるかという問題であり、自民党におきましても、公募、予備選挙等の積極的な活用を通じて、有為な人材を広く募集、発掘するよう努めているところであります。
アベノミクスの清算と共同声明の見直しについてお尋ねをいただきました。
アベノミクスは、デフレではない状況をつくり出し、GDPを高め、雇用を拡大し、企業収益の増加傾向にもつながりました。こうした成果の上で、岸田内閣の新しい資本主義の取組が、最低賃金の過去最大の引上げ、名目百兆円超の設備投資などにつながったものと認識をいたしております。私は、デフレからの脱却を確実なものとするべく、こうした岸田内閣の経済政策を引き継ぎ、更に加速をさせ、賃上げと投資が牽引する成長型経済の実現を図ってまいります。
平成二十五年一月の共同声明につきましては、先日、植田日銀総裁と意見交換を行い、政府と日銀は共同声明に沿って引き続き連携を続けていくことを確認いたしており、現時点において共同声明を見直すことは考えておりません。
アジア版NATO及び日米安保条約の改正の実現可能性についてであります。
アジア版NATOを含む日本の安全保障の在り方につきましては、これまで私自身の一国会議員としての考えを累次述べてまいりましたが、一朝一夕で実現するとは当然思っておりません。一国の総理大臣として、まずは喫緊の外交、安全保障上の課題に取り組んでいく必要があると考えております。
日米同盟の抑止力、対処力を強化するとともに、その強靱性、持続性を高めていくとの観点から、また、同盟国、同志国間のネットワークを有機的、重層的に構築し、抑止力を強化する観点から、検討し対応いたしてまいります。
具体的な検討についてお尋ねがありました。
繰り返しになりますが、アジア版NATOについては、一朝一夕で実現するとは考えておりません。一国の総理大臣として、まずは喫緊の外交、安全保障上の課題に取り組んでいく必要があると考えております。
外務大臣や防衛大臣に対し現時点で具体的な指示を出しているわけではありませんが、同盟国、同志国間のネットワークを有機的、重層的に構築し、抑止力を強化する観点から、検討、対応をいたしてまいります。
自由民主党の選挙公約に盛り込むか否かにつきましては、現時点では決まっておりません。
中東情勢が緊迫する中についての対応について、中東外交につきましてのお尋ねを頂戴いたしました。
現下の中東情勢の緊張の高まりは、私自身、深刻に懸念しておるところであります。
我が国は、独自の取組を通じて、これまで中東各国と良好な関係を築いてまいりました。こうした外交資産の土台の上で、関係国とも緊密に連携しつつ、中東の緊張緩和と情勢の安定化に向け、積極的な外交努力を行ってまいります。
東京と平壌における連絡事務所につきましてであります。
我が国の北朝鮮に対する基本方針は、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化を実現するというものです。
とりわけ、拉致被害者やその御家族も御高齢となられる中で、時間的制約のある拉致問題は、ひとときもゆるがせにできない人道問題であるとともに、その本質は国家主権の侵害であり、政権の最重要課題であります。
御質問の点も含め、今後の対応について具体的にお答えをすることは差し控えますが、政府の責任において、最も有効な手だてを講じてまいります。
家族会の方々に電話で就任の御挨拶をした際の具体的な個別の発言につきましては、対外的には言及しないことになっておりますが、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現するとともに、北朝鮮との諸問題を解決するため、私自身の強い決意の下、総力を挙げて取り組んでまいります。
残余の御質問につきましては、関係大臣から答弁をいたさせます。
〔国務大臣武藤容治君登壇〕
2024-10-01
第214回国会(臨時会) 参議院 本会議 第1号 発言No.16全文を見る立憲民主・社民・無所属の吉川沙織です。
私は、今期国会の会期に関する件について、本日から十月九日までの会期とすることに反対の立場から討論を行います。
今ほど議長から御発言がございましたとおり、つい先ほど行われました議院運営委員会におきまして、議院運営委員会を構成する野党各会派理事全てからこの会期に反対の旨の意見表明を行い、採決においても反対の立場でその態度を取っています。
今期国会は、岸田内閣総理大臣が、自由民主党総裁の任期満了を迎えるに当たり、総裁選挙への不出馬を表明し、自民党の総裁が交代するとの状況の中で召集されたものであり、本日、本院としても岸田内閣総辞職の通知を受領し、その旨、今朝九時三十分の議院運営委員会理事会で報告を受けたところです。
一方で、新たに選出された自民党総裁は、昨日の記者会見において、衆議院を解散し、十月二十七日に総選挙を行う意向を表明しています。
確かに、衆議院の解散に関する発言に際しては、内閣総理大臣に選出されればと留保を付していたのかもしれません。しかし、内閣総理大臣の指名については、議院運営委員会において、先ほども申し上げたとおり、つい先ほど決定の上、この本会議でその議事を行っているものであります。
内閣総理大臣の指名の投票が行われ、その結果を受けて内閣総理大臣に任命されるより前に、衆議院の解散について公の場で言及することに違和感を覚えずにいられません。新たに選出された自民党総裁の衆議院解散に関する認識に疑問を呈さざるを得ず、また、手続軽視、国会軽視とのそしりは免れません。
今回のような会見が許されるのであれば、国会において多数の議席を有しているからと、予算や法案の成立前に、国会審議を完全に無視し、それらの成立を前提とした内閣総理大臣による記者会見が開かれることにもなりかねませんが、新たに選出された自民党総裁のこれまでの発言、筋と手続にこだわることだったのではないでしょうか。
加えて、総選挙の期日を十月二十七日にすることありきで、そこまでの国会運営や選挙の管理執行に関する考慮に欠けていることも指摘せざるを得ません。
新たに選出された自民党総裁は、昨日の記者会見において、解散についての発表を急いだ理由に関し、選挙管理委員会の選挙準備の観点以外に理由はないと発言されたようですが、選挙管理委員会の選挙準備について考えるのであれば、むしろ、十月二十七日とした総選挙の期日を見直すことで十分な準備期間を確保できるようにするべきではないでしょうか。
選挙の管理執行に関する業務は自治体にとって相当の負担となります。この夏の災害からの復旧に追われている自治体もありますが、衆議院議員総選挙の執行準備をごく短期間に行うことを求めるがために、そうした復旧復興の動きに遅れが生じるようなことがあってはなりません。
また、総裁選挙への出馬会見においては、前回の衆議院解散について、衆参の本会議の質疑の後、解散に踏み切られたと言及された上で、できれば、これは総理大臣だけでやるものではございませんので、全閣僚出席型の予算委員会というものを一通りやって、この政権は何を考えているのか、何を目指そうとしているのかということが国民の皆様方に示せたその段階で、可能な限り早く信は問いたいと、問うべきだ、私はそのように考えますと明確に発言されています。
しかし、その上で提示された今期国会の会期は十月一日から九日までであり、前回の衆議院解散があった第二百五回国会の会期十一日間をも下回る、たった九日間にすぎません。内閣総理大臣の指名を受けた後、組閣や副大臣・政務官人事を行う日程を考慮すれば、衆参両院で一日半ずつ、合計三日間の代表質問を行うだけで十月九日を迎えることになってしまいます。
昨日の記者会見において、新しい総裁はこうおっしゃっています。衆議院、参議院におきます所信表明、それに伴います質疑というものはきちんと行うというものでございますとの発言もあり、慣習として定着している合計三日間の代表質問を短縮するようなことはよもやお考えになってはいないだろうとも思います。
そうなりますと、今期国会の会期中に予算委員会、どこで開会するんでしょうか。総裁選で発言していた国民に判断材料を示すことは達成できなくなり、明らかなる言行不一致であると言わざるを得ません。
また、国会の会期のほか、予算委員会や党首討論の開会については国会において決定するものだとも発言されているようですが、内閣総理大臣の指名を受けていない段階から国会の判断という常套句を使われるのはいかがなものかと考えます。むしろ、自民党総裁として、これまでの発言との整合性を踏まえて今後の国会対応について検討し、実行いただきたいと考えます。
本年六月二十一日に常会が事実上の閉会を迎えてから三か月以上経過し、八月十四日に岸田内閣総理大臣の自民党総裁選挙への不出馬表明があってからは特に、現に生じている国政の課題への対応は停滞していると言わざるを得ません。一方で、能登地方の豪雨を始めとした頻発する災害などに対しては、迅速な対処が必要です。
また、これまで議院運営委員会理事会で上訴の要否について繰り返し議論を行ってきた旧優生保護法訴訟に対する最高裁判所の違憲判決を受けた対応は必須です。仮に衆議院解散により再び国会が閉会するのであれば、その前に、予算委員会を開いて充実した議論を行うなどにより、山積する課題への対応の道筋を付ける必要があるのではないでしょうか。
さらに、政治不信の大きな原因ともなっている一部自民党議員の政治資金収支報告書への不記載等の問題にも目を向けなければなりません。
本院の政治倫理審査会においては、去る二月二十一日に参議院政治倫理審査会規程第一条及び第二条の規定に基づき三十二名の議員について審査の申立てが行われた後、三月八日には全会一致をもって審査を行うことが決定されました。しかし、申立てを受けた議員のうち三名からしか弁明の申出がなく、二十九名については出席及び説明が得られないままとなっています。
決してこれは個人をあげつらうものではありません。構造的な問題を明らかにして、二度とこうした事態を起こさせないための政治倫理審査会です。
衆議院においても同様に、四十三名の議員の出席が得られていません。この状態を放置することは、すなわち国会法第百二十四条の三に基づき政治倫理の確立のために設置された政治倫理審査会を無視し、もはや事案に真摯に向き合うつもりがないと言わざるを得ないことであるとは以前から指摘したとおりです。
衆議院においては、委員の申立ては会期の終了又は次の国会の召集によっては消滅しないことが先例に明記されていますが、衆議院解散があれば消滅する取扱いとなっているようです。このままこの問題に向き合うことなく、衆議院解散により事案を消滅させ、うやむやにしてしまっては、構造的な問題は明らかにならず、国民の政治不信に拍車を掛ける結果となりかねません。
新たに選出された自民党総裁が、政治資金について限りない透明性を持って国民に向けて公開をいたしてまいりますと出馬会見において発言し、自民党総裁に当選した際に、ルールを守る自民党を標榜したのは何だったのでしょうか。今期国会の召集を受け、自民党総裁として対象の議員に対し政治倫理審査会への出席を促すことこそ求められます。
こうした状況に鑑みれば、今期国会の会期を十月一日から九日までの九日間とすることは、国会軽視そのもの、かつ国会運営の常道から外れるものでもあり、立法府の立場から見れば到底容認できるものではないということを申し上げて、反対討論といたします。
2024-10-01
第214回国会(臨時会) 衆議院 本会議 第1号 発言No.5全文を見る立憲民主党・無所属の小川淳也です。
私は、野党各党を代表し、今回、国会会期を九日間とすることに断固反対の立場から討論いたします。
まず、石破新総裁に申し上げます。
なぜ、昨日、いまだ内閣総理大臣でないにもかかわらず、衆議院の解散と総選挙の日程を明らかにしたのですか。
この前代未聞、異例中の異例の発言は、国会軽視も甚だしく、三権分立を含め、憲法上の疑義を生じさせかねない異常な発言であり、潔く、そして直ちに、謝罪と撤回を求めるものであります。
石破自民党総裁候補の公約の一丁目一番地は、ルールを守るでした。一体、何のルールを守っているんですか。
加えて、自民党総裁選期間中を通して、国民の判断材料を提供することが新総裁の責任、本当のやり取りは予算委員会である、これはあなた自身の言葉ではありませんか。さらに、一昨年、七条解散は憲法論の観点からすべきではないと発言し、加えて、昨年、解散は政権の延命や党利党略で行われるべきものではない、これも、ほかならぬあなた自身が記した言葉ではありませんか。
まさに、まさに有言不実行、言行不一致。ここに至っては、もはや、うそつきのそしりすら免れないのではありませんか。国民があなたに期待したのは、まさに、外に向かって吐き続けた、党益に反するその正論にあったのではありませんか。
一体、党内で誰に本当の実権が芽生えつつあるんですか。もはや初動から、かいらいになりかけているのではありませんか。石破新総裁に国民が期待したことは、まさに自民党を変えること。しかし、あなたは、既に自民党によって変えられようとしているのではありませんか。
こうなってみると、一連の自民党総裁選そのものが、事極まった裏金問題を目くらまし、煙に巻いて逃げ切るための方便でしかなかったのではありませんか。なかったことにはできませんから。国民は忘れていませんから。今後、裏金に関与した議員を公認するのか否かを含め、国民は、私たちは厳しく見詰めていることをゆめゆめ忘れることがないよう、厳しく指摘しておきます。
石破新総裁、まずは国会で議論しようじゃありませんか。国民に判断材料を提供しようじゃありませんか。総選挙はそれからで十分、いや、そうしてこその国民のための総選挙ではありませんか。
今、国会には課題が山積しています。これまで野党が繰り返し求めてきた四項目。
第一に、令和六年能登半島地震及び能登半島で発災した豪雨災害における被災者支援、復旧復興のために早急に補正予算を編成し、成立させることを求めます。
第二に、所信表明演説に対する代表質問の後、予算委員会で、新任各閣僚の資質を含め、十分な質疑を行うことを求めます。
第三に、政治倫理審査会を再開し、弁明の求めになお応じていない衆議院議員四十三名、参議院議員二十九名、合わせて七十二名が出席をし、弁明することを求めます。
第四に、旧統一教会と自由民主党の組織的な問題について、自由民主党が再調査を行い、国会に報告することを求めます。
加えて、旧優生保護法に関する被害者救済新法を早急に成立させること。公職選挙法のポスター規制等、速やかに法案を提出すること。
これはいずれも今国会で早急に議論するべきことであり、総選挙による政治的空白が直ちに生じていいものではありません。
石破新総裁には、国会論戦から逃げず、日本が直面する課題に正面から向き合い、国民の負託に応えることを強く要求し、国会を九日間で閉じること、これは何もやる気がないのと全く同じですから、断固反対を申し上げ、反対討論といたします。
御清聴、誠にありがとうございました。