おはようございます。立憲民主・社民・無所属の塩村でございます。
質問をさせていただきたいと思います。
まず冒頭に、先ほど広田委員の方からもありました核禁条約のオブザーバー参加なんですが、私、被爆二世でございまして、私の方からも重ねて大臣の方にお願いを申し上げたいと冒頭お伝えさせていただきたいというふうに思います。
それでは、通告に従いまして質疑を行わせていただきます。
まず、資料の一を御覧ください。これは、今年の夏に私がフィリピンを視察したときの写真になります。視察の目的自体は慰霊祭の出席、そして遺骨のことだったんですが、そのほかについてもたくさんの気付きが現地でありました。
資料の一の一を御覧ください。
左側の写真がルソン島のインファンタの写真、川を挟んで右側がゼネラル・ナカール市になります。そして右側の写真なんですが、ミンダナオ島のダバオ市と、そしてリゾート島でありますサマール島を結ぶ海上の写真になります。左の写真は、洪水で多数の女性や子供、そして高齢者の死者を出しましたアゴス川なんですね、その川の名前は。JICAや国際研究法人土木研究所などでも取り上げられているような災害が発生した、そういう川になります。
被害状況カルテというものがありまして、読ませていただきましたところ、犠牲者のほとんどは子供と高齢者であり、直接的な土砂災害、洪水災害とともに、土砂災害により主要道路の多くが通行止めになり、また強風のために海や空からの救援、救助が不可能となりまして、被害が拡大、そして食料、水、医薬品が不足、電力の供給、通信インフラ施設にも多大な被害が生じたとのことなんですね。人口六万人程度なんですが、八割以上、五万人以上が救援物資を求めたと書いてあるんですね。つまり、ほとんどの市民が被害を受けたという災害を生む川になります。
遺骨の視察の後、地元の市民団体や協同組合の方が是非見ていただきたいというふうに実は誇らしげに連れてきたのが写真の場所、アゴス川なんですね。なぜかというと、これ、その人たちは全くもって何の意図もなかったとは思うんですけれども、中国のODAで洪水対策の護岸工事、これ私が立っている側の方のインファンタ側はもう既に完成をして、これから対岸のゼネラル・ナカール市が始まるということだったんです。
ちょっと補足をしておきますと、インファンタは、戦前、戦後すぐまではインファンタとゼネラル・ナカールは同じインファンタという町で、戦後にゼネラル・ナカールという町が分割して半分にアゴス川を隔ててなったというところなんですね。
そのゼネラル・ナカールという名前も、どうしてゼネラル・ナカールなのというふうに市で聞いたところ、これまた、ちょっと私申し訳ない気持ちになったんですが、ナカール将軍という方が戦中、日本軍に徹底抗戦をして、みんなの命を守り、そしてその将軍は日本によって処刑をされたというような名前、彼をたたえてインファンタは分割されてゼネラル・ナカール市ができたというふうに説明を受けまして、それもちょっとびっくりしたというところもあるということになります。
そして、このゼネラル側の護岸工事がもう間もなく始まっていくということで、たくさんの重機が反対側の対岸に入っているような状況でございました。
これ、調査室に調べていただいたんですが、これ恐らくカリワダムプロジェクトというもので、総額は、結構額は大きいですね、二百五十四億円、中国のODAということになるということなんですね、恐らくなんですが。護岸工事だけではなくてダム全体のプロジェクトという形になるので少し額が大きく見えているということもあると思いますが、調べていただいたのでお伝えをしておきたいというふうに思います。
そして、①の右側の写真なんですが、これミンダナオ島のダバオなんですね。これ、ミレーン駐日大使の御厚意によりまして、数時間ではあったんですが、ダバオの湾の洋上視察を行わせていただきました。そのときに、大規模な橋梁の工事が行われておりまして、橋を見に行ったわけではなくて島に行くというのが目的だったので、大きな橋架かっていますねというふうに何の気なしに私が聞いたときに、船に同乗した方から言われたのが、中国の支援で建設されているんですよ、これから行きやすくなりますというふうに答えられてしまって、私は、ああ、そうですかというふうに答えるほかありませんでしたが、これも調査室に調べていただきましたら、中国のODAで約四百億円で今工事が進んでいるとのことでした。
前置きが長くなってしまったんですが、中国はアジア諸国におきまして大規模な、とても目立つインフラODAを行いまして、テレビをつければ海洋上でフィリピンと中国がばしばしと戦っているというか、火花を散らしているというニュースは毎日のように私もフィリピンにいて見ていたんですが、町で、まあ暮らすじゃないけれども、過ごしていると、こうしたODAはおおむね住民の方たちから歓迎されているというふうに私は感じました。
今お伝えしたように、インファンタ、ゼネラル・ナカール、そしてダバオというふうに工事がどんどんと進んでいるのを見て、私はやっぱり正直、日本の国会議員としては危機感を抱かざるを得ませんでした。
そこでお伺いしたいんですが、アジア地域における中国のODA、どのように評価しているのか、分析しているのか、端的にお伺いさせていただいてもよろしいでしょうか。