国土強靱化担当大臣、防災を担当する内閣府特命担当大臣として、一言御挨拶を申し上げます。
我が国は世界有数の災害発生国であり、本年も、一月一日に発生した令和六年能登半島地震を始め、相次ぐ大雨や台風など、一連の災害で甚大な被害が発生しました。
これらの災害により亡くなられた方々に哀悼の意を表するとともに、全ての被災者の方々に心からお見舞いを申し上げます。
地震と大雨により度重なる被害を受けた能登の被災地につきましては、大臣就任直後に訪問し、今なお厳しい状況にある被災者の方々のお話を伺ってまいりました。一日も早く、被災前の活気ある町並みを取り戻し、復旧復興を着実に進めていくため、これまで七度にわたり予備費七千億円超を措置したほか、先般決定した総合経済対策に、能登地域の復旧復興に向けた施策を盛り込んでいるところでございます。
引き続き、被災自治体と緊密に連携しながら、被災者支援、復旧復興に全力で取り組んでまいります。
次なる地震、豪雨等の大規模災害を見据え、令和六年能登半島地震を踏まえた災害対応検討ワーキンググループからいただいた報告をしっかり踏まえながら、災害対応を強化してまいります。
事前防災を徹底するべく、令和八年度中の防災庁の設置に向けて、まずは、現在の内閣府防災担当の機能を、予算、人員、この両面において強化してまいります。
南海トラフ地震及び首都直下地震対策については、最新の知見や社会状況の変化を踏まえ、被害想定を見直すとともに、今般の令和六年能登半島地震の経験、教訓も反映した基本計画の見直し等の取組を進めてまいります。
被災者が安心して過ごせるよう、避難所環境の抜本的な改善を進めてまいります。良好な生活環境を確保するとともに、避難所の在り方を見直し、発災後速やかにトイレ、キッチンカー、ベッド、風呂を配備し得る体制を構築します。
また、避難対策の強化のため、個別避難計画の作成を促進するとともに、きめ細やかな被災者支援を行うため、災害ケースマネジメントの普及等にも努めてまいります。
先般決定した総合経済対策においては、避難所環境改善のために先進的な取組を行う地方公共団体について、新地方創生交付金を活用し、資機材の整備等を支援することとしました。また、地域におけるボランティア人材の育成に取り組むとともに、発災時におけるNPO等の自主的な活動を支援するほか、災害時に活用可能なキッチンカーやトイレカーなどを登録するためのデータベースの整備なども進めてまいります。
発災時の効率的な情報共有や被災者支援の充実等のため、防災DXの取組が重要です。本年四月から新総合防災情報システム、SOBO―WEBと呼んでおりますが、これを、この運用を開始したところであり、国、地方自治体、関係機関と幅広く災害情報等の共有を進め、防災デジタルプラットフォームの早期構築を目指します。また、デジタルの活用により、避難所運営など防災業務の効率化を推進します。
災害対応に関する民間企業等の先進技術と地方自治体等のニーズをマッチングする防災×テクノロジー官民連携プラットフォームを通じ、地方自治体の災害対応力の向上や防災関連産業の発展を促進するほか、防災技術等の海外展開支援、仙台防災枠組に基づく国際協力に取り組みます。
このほか、引き続き、今年度施行された改正活火山法に基づき、火山災害対策を推進するとともに、防災推進国民大会等を通じた防災意識の普及啓発に取り組みます。
近年、気候変動に伴い、自然災害が激甚化、頻発化する中、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策により、流域治水対策やインフラの耐震化、老朽化対策、デジタル技術の活用など、百二十三項目の対策について重点的かつ集中的に取組を進めてきており、これまで全国各地で被害を抑制する効果が確実に積み上がっています。
五か年加速化対策については、最終年度となる令和七年度においても対策を着実に推進できるよう、今般の補正予算において、現下の資材価格の高騰等を踏まえた五か年加速化対策関連予算に緊急防災枠を合わせ約一兆七千億円を計上したところであり、対策の所期の目標を達成できるよう取組を進めてまいります。
五か年加速化対策後も、中長期的かつ明確な見通しの下、切れ目なくこれまで以上に必要な事業が着実に進められるよう、令和六年能登半島地震の経験も踏まえつつ、実施中期計画の策定に向けた検討を最大限加速し、早急に策定します。
船舶を活用した医療提供体制の整備については、整備推進計画や発災時の具体的なマニュアルの策定など、関係府省とも連携してしっかりと取り組んでまいります。
人命最優先の防災立国の構築に向け、赤澤大臣とも連携して、大きな使命感と責任感を持って全力で取り組んでまいります。
塩田委員長を始め、理事、委員各位の格別の御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。