日本保守党の島田です。
私は、検察官及び下級裁判所の裁判官の俸給、報酬を上げることに関しては特に異論はありませんけれども、今、最高裁判所の判事の俸給、報酬を上げることに関しては、国会が間違ったメッセージを与えるんじゃないかと強く危惧しております。
というのは、言うまでもなく、憲法において最高裁判所は違憲立法審査権を与えられているわけですけれども、これは、三権分立の理念からいっても非常に慎重かつ抑制的に用いなければならない。ところが、今の最高裁は、この点の意識が非常に弱いんじゃないか、また、あえて言えば、勉強も足りないんじゃないかと思っています。
具体的に言うと、昨年、二〇二三年十月二十五日のいわゆる経産省トランスジェンダー判決であります。ここで、この国会において平成十五年に成立した性同一性障害特例法の一部規定、生殖腺を取り除かないと性別変更を認めないという規定が憲法違反だということを十五人一致で決めたわけです。
ちなみに、アメリカの連邦最高裁においては、二〇二〇年に重要なトランスジェンダーに関する判決を出していますけれども、それは、LGBTだという理由で雇用差別をしてはならない、LGBTだからといって解雇してはならないという判決、これは全く当然のことでありますけれども、その判決の中で、トランスジェンダーとトイレ、更衣室の関係等に関しては、これは議会や州において熟議されるべきことであって、最高裁が前のめりに判断を示すべきではないという抑制的司法の立場から、判断はいまだに示していません。ところが、日本の最高裁は、日本の国会を通った法律に関して憲法違反だという判断を下している。
しかも、この問題で一番大事なのは、やはり女性の保護、特に女性専用スペースにおいていかに女性の安全を守るかということですけれども、いわゆるトランスジェンダーを自認する人の中に、オートガイネフィリアと言われる自己女性化性愛症、つまり、生物学的男性であって、自分が女装したり女性の格好をすることに性的快感を覚えるけれども、性的な対象は女性である、こういうタイプの人がいるというのが研究で明らかになっているわけですが、こういう方が女性専用スペースに入るというのは極めて危険である。
ところが、そのオートガイネフィリアに関することを、最高裁の判決、個別意見も含めて、書いているかと思って私は全文読みましたけれども、全く言及がない。国会においてはそういう懸念も含めてきちんと法律を作っているのに、そういう勉強は何もしていない最高裁判事がこの法律は無効だと決めている。これは極めて傲慢でおかしい。
だから、私は今の最高裁判事の給与を上げるということは反対なんですが、大臣の所見を伺いたいと思います。