日本維新の会の池下卓です。会派を代表して、政治改革に関する考え方について発言をいたします。
我が党が本委員会に臨むに際して最も重要視しているテーマは、政策活動費の完全廃止と企業・団体献金の完全禁止です。これを今国会中に何としてでも成し遂げたいと考えております。
政策活動費に関し、与野党協議で示された自民党案は、この期に及んでまだ不透明な政治資金を温存したいという意図が感じられ、残念な気持ちです。自民党は政策活動費を全て廃止と言いますが、実際は括弧書きの注釈で抜け穴をつけ、さらには公開方法工夫支出という新たなブラックボックスをつくる内容となっております。
政治資金規正法の第一条では、政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするとして、政治活動の国民への公開を求めています。そうであれば、たとえ第三者機関での監査を受けるといえども、公開しなければ国民からの信頼を得るに足りません。領収書上に会合の参加者や議論内容などの秘匿すべき情報は記載しないにもかかわらず、あたかも領収書の公開が機密情報の公開に直結するような主張は国民の理解を得られるものではありません。
我が党と立憲、国民、共産、参政、保守、社民の七会派は、渡し切りの方法による経費の支出を抜け穴なく禁止する政治資金規正法改正案を提出いたしました。今の自民党の姿勢とは一線を引き、政治と金の関係を真に透明化することを目指す会派に対しては本委員会での建設的な議論を通じて歩み寄りを模索したいという具合に考えております。
企業・団体献金の論点は、政策がゆがめられているか否かであります。自民党はゆがめられていないと強弁をしていますが、石破総理も認めるとおり、営利団体である企業が利益を考慮せずに寄附を行うことはありません。また、莫大な献金を受け取る側は、その見返りを与えたくなるのが人心だと考えます。
自民党の政党支部への献金企業の半分以上が国又は地方公共団体と直接若しくは間接的な取引があるというメディアの報道もあります。少なくとも外形的には何らかの利益を求めて寄附を行い、取引の中で政治が利益を与えている構図があり、国民の政治不信を招くものであります。
石破総理は、そういうような牽連性を持って政策を判断したことはなく決めつけであると主張していますが、企業は利益を生まない投資などできないのですから、本当に配慮していないならば企業・団体献金が今のように大量に自民党に流れ込むことはないでしょう。現実には自民党が企業・団体献金を重視し、多くの企業、団体が競うように献金を行っており、政策がゆがめられているのは疑いのない事実だと考えます。
第三者機関について、監査対象と利害関係のない真の第三者による政治資金の使途の適正性のチェックをする監査であれば、設置について賛成であります。しかし、現状は、自民党が主張する公開方法工夫支出の監査を行う、政策活動費のための隠れみののようにも見えます。設置場所は立法府と行政府双方の案がありますが、立法府であれば、両院の議運等が連携して中立の専門家を推薦し、各議院の議長が各議院の承認を得て任命することで第三者と専門性を担保するなどの工夫が必要だと思います。一方で、行政府に設置する場合は、会計検査院の検査をベースとしながら政治家の人事権による圧力を防ぐ仕組みを組み込むことが肝要と考えます。
最後に、世襲による弊害を取り除くため、国会議員に係る公職の候補者が配偶者や三親等内の親族を自らの国会議員関係政治団体の代表とできなくなる改正案を立憲、有志、参政、保守、社民の各会派とともに提出いたしました。広く御賛同賜ることを望みます。
以上、意見として申し述べます。御清聴ありがとうございました。