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2024-10-07
第214回国会(臨時会) 衆議院 本会議 第3号 発言No.33全文を見る日本維新の会の馬場伸幸です。
教育無償化を実現する会との統一会派を代表し、質問をいたします。
元日の震災から復興へ懸命に立ち上がろうとしていた石川県能登地方が、先月下旬、線状降水帯による記録的豪雨に見舞われました。お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表し、御遺族と被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。また、被災地で救助、復旧等に力を尽くされている全ての皆様に深く敬意を表します。
私たちは、震災直後から続けている被災地へのサポート体制を強化し、更にきめ細かく支援をお届けしてまいります。
さて、総理は、総裁選直前の八月に上梓した「保守政治家 わが政策、わが天命」の中で、大臣就任時に答弁について、検討するという文言は認めず、検討して、いつまでに成案を得ると改めていたとしています。ならば、私が政策課題の実現目標を伺った際には真摯にお答えいただくよう、まずもって強く求め、質問に入ります。
総理になる前の自民党総裁の立場で、次期衆議院選挙を十月二十七日投開票の日程で行うというおきて破りの表明をし、明後日、解散される運びとなっています。国会で正式に選出される前に総理の伝家の宝刀を抜くとは、国会軽視、思い上がりも甚だしいと指弾せざるを得ません。
僅か半月余り前の総裁選の討論会で、総理は、解散の時期について、国民が判断する材料を提供するのは政府の責任であり、新しい総理の責任、本当のやり取りは予算委員会だ、世界情勢がどうなるか分からないのに、すぐ解散するという言い方はしないと明言していました。事実上、総理を選ぶ総裁選での言葉は国民に対する公約にほかなりませんが、舌の根も乾かぬうちに手のひら返しの解散を宣言する変節ぶりには、開いた口が塞がりません。
無論、常在戦場です。私たちは受けて立ちますが、解散前にやると約束した予算委員会さえも開かず、敵前逃亡のそしりは逃れ得ません。
総理に伺います。
元々、憲法七条に基づく解散については、時の政権に有利になるため憲法の趣旨に反すると否定的な見解を示していたのに、なぜ豹変したのですか。党執行部に押し切られて解散を決断したならば、党内野党として筋を通してきた総理も、最高権力を手にした途端に、党利党略で持論を曲げてしまうという本性が露呈したと受け止めなければいけません。これでは先が思いやられます。これに反論できますか。
このような有様で、自民党の裏金問題で地に落ちた国民の政治への信頼を取り戻せるとお考えでしょうか。就任記者会見で自ら、納得と共感内閣だと命名されましたが、国民に納得と共感が得られるとお思いでしょうか。
会期延長してでも予算委員会を開くことが不可欠です。能登半島の豪雨災害に対応するための令和六年度補正予算編成も無視するのでしょうか。
総裁選中、世界情勢が不透明なことも解散しない理由に挙げていましたが、先週、イランがイスラエルにミサイル攻撃し、第五次中東戦争の萌芽が現れました。国際情勢は一層混沌とし、日本がエネルギー危機に見舞われる可能性があります。現在の国際情勢下で、衆議院議員不在の政治空白をつくっていいのでしょうか。
総理の臆面もない公約破りを目の当たりにすれば、さきの総裁選は、自民党挙げての壮大な茶番だったと断じざるを得ません。総理の変節は、本質は変わらない、変えられない自民党政権の実態そのものではないでしょうか。
以上、敵前逃亡することなく、真摯にお答えください。
前国会で私は自民党総裁との間で文書を交わし、いわゆる政策活動費の十年後の公開で合意をしました。しかしながら、それは、結党当初から身を切る改革を掲げ、政治と金についてどの党よりも厳しいルールを自らに課してきた我が党として、改革姿勢が後退したのではないかという疑念を抱かせる結果を招いてしまいました。
前国会において自民党に、政治と金の問題を一掃する完全なる改革、政策活動費の即時廃止を迫らなかったことは、結果的に私たちの誤りでした。提案した政策は法案が成立しなくても実践するという政治姿勢を貫き続けている維新の党是から、今すぐの実践にちゅうちょがあったことも含め、真摯に反省をしています。
そこで、前国会閉会後、いま一度、改革政党の原点に立ち返り、政策活動費の支出は今後一切行わないことをルールとして定め、実践に移しています。さらには、これを法律による共通ルールとするため、今国会に、政策活動費や企業・団体献金の禁止、議員定数の削減等をうたった政治資金規正法及び公職選挙法の改正案を提出しました。
一方で、自民党は、裏金問題について、再発防止と政治不信を払拭するための法改正だけでなく、実態解明と当事者の処分も実施すると明言してきました。しかしながら、これらは今も、うやむやのままです。残された課題を今国会でやり切ることは立法府の使命です。しかし、総理がその議論する機会さえ奪わんとして、解散・総選挙に突き進んでいます。このことには断固たる抗議をいたします。
その上で、政治と金の問題に関して、総理にお伺いをいたします。
まず、派閥のパーティー収入不記載に端を発した裏金問題についてです。
政治倫理審査会については、衆参両院議員計七十二人がいまだに出席を拒んでいます。当然、出席を促すお考えでしょうか。
来る総選挙で、石破総理は昨日、相当程度の非公認が生じると宣言をされました。しかしながら、国民感情からすれば、裏金、脱税に関与した全員を非公認とするべきではないでしょうか。総裁選の公約どおり、総裁自らお一人お一人に聞き取りを行って判断するのですか。
前国会で明らかになったのは、長年の金権体質がしみついた自民党が構造的な機能不全に陥っているという事実です。この組織的問題に対して、幾ら首をすげ替えても対症療法にしかなり得ません。
私たちは既に、率先垂範して、旧文書通信交通滞在費の領収書公開を自主的に行ってきました。政治資金収支報告書の会計責任者は国会議員本人とし、責任の所在も明確にいたしました。さらに、先ほど述べたように、今後は政策活動費も完全に廃止をいたします。
総理は、過去に、政策活動費の廃止も一つの方向性だと述べておられますが、私たちの取組と比べると、いささか踏み込みが甘くないですか。自民党も、政治不信を一掃するために、私たちに倣って、廃止する方針を明確にすべきではないでしょうか。
さらに、私たちは、この問題を追及するに当たり、自ら身を正すことが必要と考え、過去の政策活動費の検証を行うチームを設置することに決めました。私たちの調査では、総理は、自民党幹事長職にあった平成二十四年九月から平成二十六年八月にかけ、計七十二回、総額十七億五千五十万円を政策活動費として受け取っています。私たちと同様に、これらの内訳も全て自主的に調査、説明してはいかがでしょうか。
金権体質を根本的に浄化するには、企業・団体献金の禁止は不可欠です。日本の財政を圧迫している社会保障の抜本改革は、献金を橋渡しにした自民党と企業、団体の癒着によって立ち往生しています。例えば、岸田前総理は日本医師会政治連盟から年間一千四百万円もの献金を受け取っており、これが癒着となれ合いを生み出し、医療制度改革を停滞させる要因になっているとの指摘は絶えません。
我々は、企業、団体へのパーティー券販売も含め、企業や業界団体からは一切お金を受け取りません。既得権の温床となる企業・団体献金は直ちに禁止すべきと考えますが、総理の決意を伺います。
一切のしがらみを排した構造改革を成し遂げるには、政治家自らが身分や特権を手放すことで覚悟を示さねばなりません。
私たちには、大阪府市で議員定数の削減を行い、議員歳費も削減した実績があります。国会では身を切る改革で、月々の歳費の二割、ボーナス三割を自主的にカットし、国内外の被災地や戦災地に寄附をしているほか、形骸化した特別委員会や委員長ポストの廃止に取り組んでいます。
民主党政権下の平成二十四年から果たされていない国民との約束が、国会議員定数の大幅な削減です。自民党は、この問題をいつまで引き延ばすのでしょうか。私たちが四日に提出した、比例代表選出議員の定数を二割削減する公選法改正案を可及的速やかに可決するべきではないでしょうか。議席削減に向けた総理の覚悟をお示しください。
旧文通費については、根本的に政府・与党の姿勢を問いたださなければなりません。
自民党との合意文書では、旧文通費の使途公開と残金返納を義務づける立法措置を行うこととなっています。これは公党同士の約束です。無論、総理はこの合意を生きているとお考えでしょう。
しかし、総理は、総裁選勝利後の先月二十九日のテレビ番組で、何が使途として認められるのか与野党で合意すれば公開すると発言されましたが、まず公開することを実践してから使途を決めるのが筋ではないでしょうか。私たちは、旧文通費の領収書を一枚残らず自主的に公開をしています。与野党の合意がなくても、総理自身、私たち同様に、自主的に領収書を公開するお考えはありますか。
岸田前総理が導入を決めた子ども・子育て支援金は、少子化対策を掲げながらも現役世代の手取りを減らし、また、防衛財源とするための法人税、所得税、たばこ税の増税は、身を切る改革なくして負担を国民に押しつける暴政そのものです。
自民党の茂木前幹事長が総裁選でゼロ増税を打ち出し、いずれも実施せずに財源は確保できると喝破されました。政策決定時に党幹事長であった方の発言には重いものがあります。この意見を受け入れ、社会保険料増額や増税を一旦凍結し、予算の精査や事業の見直しをやり直すべきではないでしょうか。お答えください。
社会保障制度は、国民の安心と幸せに直結する国民の関心事です。しかし、総理は就任会見で見直しに着手するとしただけで、ほとんど関心がないと断じざるを得ません。私たちは既に、高齢者医療制度の窓口負担の適正化、診療報酬の見直しなど、医療維新として具体的な医療制度改革案を提示しているところです。
総理は、年々増大する社会保障費を具体的にどのように抑制していくお考えでしょうか。社会保険料を下げることで現役世代の負担を軽減し、世代間格差を解消することこそ政府が解決すべき課題だと考えますが、総理の見解を求めます。
医療分野のDXは、医療費の適正化や診療報酬と薬価の見直し、電子カルテの標準化など、聖域とされてきた社会保険制度の中核にメスを入れることになります。しかし、その入口であるマイナ保険証に対する国民の忌避感が強く、十二月の健康保険証とマイナンバーカード一体化への円滑な移行が危惧されます。ここでつまずいているようでは、医療DXの実現など絵に描いた餅にすぎません。
不人気の大きな理由は、制度設計上、マイナ保険証を使用するメリットが余りにも少ないからです。問答無用でマイナ保険証を持たせることが目的化し、搭載される医療情報が極めて限定されている現行の制度設計は、医療DXのプラットフォームとして嘆かわしい状況です。
総理に質問をいたします。
マイナ保険証への移行は予定どおり実施されますか。マイナ保険証への移行と並行し、電子カルテ情報を共有できるよう、現行二百床以下の医療機関、診療所の半数が紙のカルテを用いている状況を打開するなど、国民の受診、治療や健康維持に資する制度を構築することが不可欠ではないでしょうか。お答えください。
本年は五年に一度の年金財政検証の年でありましたが、年金制度の経年劣化は火を見るよりも明らかです。人口減少が加速する今、年金は、現役世代の安心感よりも、むしろ負担感を増しているとも思われますが、どうお考えでしょうか。
そもそも、財政検証の考え方自体が昭和のモデルを前提としており、時勢を反映していないと言わざるを得ません。例えば、年金の所得代替率のベースは専業主婦世帯を想定しています。年金の保険料を納めている現役世代の多くが共稼ぎや未婚世帯であり、将来の見通しは個人単位の比較で示すべきであります。
現代社会に通用しない昭和のモデルにメスを入れ、時代に合う年金、医療の仕組みを再構築すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
財政検証では、合計特殊出生率の長期的な値も一・三六に設定されており、昨年の合計特殊出生率が一・二〇だったことを踏まえれば、異常に高い水準になっています。また、全人口に占める外国人の比率が一一%になるとされていることにも疑義があります。外国人比率一一%を実現するなら、日本社会の在り方そのものが大きく姿を変えることは容易に想像できます。このような変化に対し、そもそも、国民的なコンセンサスが取れているとお考えでしょうか。そうでなければ、なぜこのような空想的な比率を採用したのでしょうか。
年金の財政検証は粉飾と言わざるを得ず、将来世代への負担の先送りにつながると考えます。これらの前提を見直すべきではないでしょうか。総理に答弁を求めます。
総理は、地方創生の交付金を当初予算ベースで倍増させる方針を示されました。
総理に伺います。
初代の地方創生担当大臣を二年間務め、地方の問題に力を注がれてきましたが、これまでにどのような成果があったとお考えでしょうか。
首都圏一都三県への転入者と転出者の差は、地方創生がスタートした平成二十六年よりも拡大しています。男性より女性の流入の方が多い傾向も、この十年、変わっていません。東京一極集中の流れを反転させるような効果はなかったと思いますが、これまでの取組のどこに問題があったと認識されていますか。
地方創生推進交付金事業をめぐっては、過去に行政評価レビューで、重要業績評価指標、いわゆるKPIの設定や効果検証の方法などについて、外部有識者から事業全体の抜本的な改善を勧告された経緯があります。やり方によっては、ばらまきの道具になり、総理が師と仰ぐ田中角栄流の利益誘導政治に戻りかねません。今まで地方創生推進交付金がどのように使われ、いかなる効果をもたらしてきたか、まず徹底的に検証するべきではないですか。
地域を活性化するには、大学、雇用、金融機関などが集中する極が必要です。これを日本全国に分散させ、極を中心に経済成長を目指す多極分散の発想が不可欠と考えますが、所見を求めます。
消費税を始めとした国税を地方に抜本的に税源移譲することで、国の関与を減らし、主体的な自治体経営を可能とすることも肝要と考えますが、見解を求めます。
長引く物価高は、国民の日常生活を苦しめ、その影響は深刻度を増しています。今月値上げされた食品は、ペットボトル入りの飲料やハム、ソーセージなど二千九百品目余りにも上り、今年に入って最も多くなったと伝えられています。
政府は、物価高対策として電気やガス料金への補助やガソリン価格を抑えるための補助を実施していますが、ばらまき志向のびほう策にすぎません。総理が改めて意思表示をした低所得者向けの給付金も、高齢者に偏重し、本当に必要な人に届く施策ではありません。私たちは、国民が何よりも求めていることは、消費税や社会保険料の負担軽減と、それに伴う可処分所得の増加だと考えています。
総理に伺います。
事業者支援を中心とするばらまき路線から脱却し、全ての国民に直接還元されるような形での支援に転換すべきではないでしょうか。消費税を八%に引き下げ、軽減税率を廃止するとともに、社会保険料を軽減することが、より実効性のある物価対策になり得ると考えますが、いかがでしょうか。お答えください。
自民党政権は、長らく、業界団体や霞が関との堅牢な鉄のトライアングルを築き、旧態依然とした規制と昭和の古い価値観を温存することで、我が国の成長を阻んできました。電波オークションの導入や農地の企業所有解禁といった岩盤規制の改革を断行しなければ、イノベーションも新しい産業も生まれず、日本経済は停滞から抜け出せません。
失われた三十年の元凶の象徴と言える事例が、ライドシェア解禁に対する政府の対応です。
今年四月、日本版ライドシェアなるものが導入されましたが、実態は、運行管理はタクシー事業者にしか認められず、時間や地域も限定され、名ばかりライドシェアと言わざるを得ません。権益を固守する政官業が、へ理屈と恣意的なデータを駆使し、できない理由を取り繕い、業界外からの新規参入をブロックしているからです。全面解禁による市場規模は一兆円を優に超えるとされているにもかかわらずです。また、来るべき大阪・関西万博の成功に向けても、ライドシェアの更なる解禁が切望をされています。
総理は自著「保守政治家」の中で、あらゆる改革について、既得権益を壊すために不人気な政策であっても断固としてやり抜かなくては日本の将来に禍根を残すことになると訴えていますが、所信表明では規制改革のキの字にも触れずじまいでした。
総理に伺います。
業界団体と役所の既得権益を守ることで、国民の利便性がないがしろにされていいのでしょうか。規制改革に本腰を入れて取り組む覚悟はないのでしょうか。移動の足の不足という社会課題を解決するためにも、大胆な規制改革によって新たな市場の創出や新しい働き方への転換を促すためにも、新規参入が可能なライドシェアの全面解禁を実現してしかるべきではないでしょうか。お答えください。
インフラ整備についても伺います。
石破総理は、リニア新幹線について、開業すれば東海道新幹線に輸送余力が生じると積極的なコメントをされ、高速交通インフラに強い関心があると拝察いたします。
翻って、東京と大阪をつなぐ北陸新幹線の整備事業では、空白となっている敦賀以西のルートについて、国土交通省は、当初想定した建設費が二倍以上の五兆円超まで膨らむと試算し、難工事のリスクから工期も最長約二十八年と当初の十五年から大幅に延びると見込んでいます。
総理に伺います。
現行の計画ルートの工事条件が不測の事態で大きく悪化した場合、より合理的、現実的なルートへの変更も検討する可能性はありますか。対象ルートが収支採算性や投資効果など着工五条件がクリアできないなら、五条件自体を見直すという声も与党から漏れ聞こえてきています。まさかゴールポストを強引に移動させるようなことはないと思いますが、所見を求めます。
国際情勢が流動化する中、核を持つ中国、北朝鮮、ロシアを隣に抱える日本の安全環境は日を追うごとに厳しさを増しています。力による台湾統一の野心を持つ中国の人民解放軍は、八月以降、日本周辺での威圧活動を先鋭化させています。情報収集機が領空侵犯したほか、測量艦が領海侵入し、空母が初めて接続水域を航行しました。日本が米国と安全保障面で連携を強化していることへの反発であることは間違いがありません。
総理に質問します。
日本有事に直結する台湾有事は、総理の総裁任期中の二〇二七年までに起きるとの観測が強まっています。御自身が戦時の宰相になり得る蓋然性が高いわけですが、その覚悟はありますか。その日を視野に、国家国民を守り抜くための万全な防衛体制をどのように、そしていかなるタイムスケジュールで敷いていくお考えでしょうか。
総理は、自著「保守政治家」で、台湾有事、即日本有事になる可能性は相当低いと指摘しています。理由は、中国が台湾を攻撃しても、日本を攻撃すれば同盟国の米国を敵に回すことになるからだそうです。
そのような政府最高指導者の甘い認識は、中国、そして日本国民への誤ったメッセージになりかねないのではないでしょうか。対中抑止力や国民の国防意識をそぐことになるとも懸念しますが、所見を求めます。
海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」が先月二十五日、海自艦艇として台湾海峡を初めて通過しました。欧米の軍艦は、台湾海峡はどの国にも属さない国際水域として自由に航行していましたが、日本はこれまで、中国との間で緊張が高まることを避けるため、海自艦艇による航行を控えていました。指示をした岸田前総理の決断は、日本周辺で傍若無人に振る舞う中国を牽制する上で意義があり、対中抑止力に資するものとして評価をいたします。
今後も海自艦艇の台湾海峡航行を継続して行っていくべきだと考えますが、見解を伺います。また、これに限らず、中国、北朝鮮、ロシアの脅威に対して、日本は毅然とした行動や対抗措置を取っていくお考えはあるでしょうか。
総理は、自民党総裁選での政策集で、党是の憲法改正について、国会での議論を促進し、総理在任中の国会発議を実現すると掲げました。岸田前総理は、総裁任期中の憲法改正実現を重ねて公言されていましたが、結局果たせずに終わりました。与野党五会派で合意形成されつつある緊急事態条項創設や、防衛力の抜本的強化と表裏一体にある九条への自衛隊の明記などを軸に、改正案の取りまとめ作業に直ちに入るべきです。
総理にお尋ねいたします。
前総理が憲法改正を実現できなかった最大の要因は、自民党が常々、予算や重要法案の審議優先などをできない理由の口実として野党第一党と談合し、都合よく先送りし続けているからだと考えます。つまり、やる気がないだけで、成否は総理・総裁の決断次第です。このような現状を打開する覚悟はあるでしょうか。
総理が発議をするとした総理在任中とは、現総裁任期の三年以内にということでしょうか。総理在任中というなら、場合によっては発議の目標期限が総裁任期最長三期連続、すなわち九年先までずるずると先延ばしができます。三年以内に発議をするとはっきり言ってください。自民党総裁として答弁を求めます。
日本維新の会は改革政党です。結局は従来型の自民党手法そのものから抜け出ることのできない石破内閣に対して、もう一つの選択肢を示していきます。
先月、私は日本維新の会の外交ミッションとしてインドを訪れましたが、昭和四十年代の日本のように、国中にあふれる活気に驚きました。現地の人々が皆、暮らしがよくなっていく期待でわくわくする笑顔で輝いていたからです。
近く迎える総選挙で、私たちも、国民がわくわくできる社会を実現すべく、日本大改革の道筋を果敢に提案し、全力で戦い抜くことをお誓い申し上げ、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕
2024-10-07
第214回国会(臨時会) 衆議院 本会議 第3号 発言No.6全文を見るただいま議題となりました旧優生保護法に基づく優生手術等の被害者に対する謝罪とその被害の回復に関する決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。
以下、案文の朗読をもちまして趣旨の説明に代えさせていただきます。
旧優生保護法に基づく優生手術等の被害者に対する謝罪とその被害の回復に関する決議案
昭和二十三年制定の旧優生保護法に基づき、あるいはその存在を背景として、多くの方々が、優生上の見地から不良な子孫の出生を防止するという誤った目的の下、特定の疾病や障害を有すること等を理由に生殖を不能にする手術や放射線の照射あるいは人工妊娠中絶を受けることを強いられて、子を生み育てるか否かについて自ら意思決定をする機会を奪われ、これにより耐え難い苦痛と苦難を受けてきた。
特定疾病等を理由に生殖を不能にする手術や放射線の照射を受けることを強いられたことに関しては、平成三十一年に「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律」が制定されたが、同法はこれを強いられた方々に対してその被った苦痛を慰謝するものであり、国に損害賠償責任があることを前提とするものではなかった。また、特定疾病等を理由に人工妊娠中絶を受けることを強いられたことに関しては、これまで謝罪も慰謝も行われてこなかった。
しかしながら、去る七月三日の最高裁判所の大法廷判決において、特定疾病等に係る方々を対象者とする生殖を不能にする手術について定めた旧優生保護法の規定は日本国憲法第十三条及び第十四条第一項に違反するものであり、当該規定に係る国会議員の立法行為は違法であると判断され、国の損害賠償責任が認められた。
本院は、この最高裁判所の大法廷判決を真摯に受け止め、特定疾病等に係る方々を差別し、特定疾病等を理由に生殖を不能にする手術を強制してきたことに関し、日本国憲法に違反する規定の立法行為を行い及びこれを執行させるとともに、都道府県優生保護審査会の審査を要件とする生殖を不能にする手術を行う際には身体の拘束や欺罔等の手段を用いることも許される場合がある旨の通知を発出するなどして優生思想に基づく誤った施策を推進させたことについて、悔悟と反省の念を込めて深刻にその責任を認めるとともに、心から深く謝罪する。また、これらの方々が特定疾病等を理由に人工妊娠中絶を受けることを強いられたことについても、心から深く謝罪する。
本院は、被害を受けた方々の名誉と尊厳が重んぜられるようにするとともに、このような事態を二度と繰り返すことのないよう、これらの方々の被害の回復を図るための立法措置を速やかに講じていく。そして、優生思想に基づく偏見と差別を含めておよそ疾病や障害を有する方々に対するあらゆる偏見と差別を根絶し、全ての個人が疾病や障害の有無によって分け隔てられることなく尊厳が尊重される社会を実現すべく、全力を尽くすことをここに決意する。
政府においても、この問題に誠実に対応していく立場にあることを深く自覚し、早期かつ全面的な解決を図るよう万全を期するべきである。
右決議する。
以上であります。
何とぞ議員各位の御賛同をお願い申し上げます。
2024-10-07
第214回国会(臨時会) 衆議院 本会議 第3号 発言No.14全文を見るただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
本案は、旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者等に対する補償金等の支給に関し必要な事項等を定めようとするもので、その主な内容は、次のとおりであります。
第一に、本法律案に特に前文を設け、国会及び政府は、最高裁判所大法廷判決において、旧優生保護法の規定は日本国憲法に違反するものであり、当該規定に係る国会議員の立法行為は違法であると判断されたことを真摯に受け止め、特定疾病等に係る方々を差別し、優生手術等を強制してきたことに関し、深刻にその責任を認め、深く謝罪するとともに、これらの人々が人工妊娠中絶を強いられたことについても深く謝罪し、疾病や障害を有する方々に対する偏見と差別を根絶する決意を新たにしつつ、この法律を制定する旨を規定すること。
第二に、国は、優生手術等を受けた者等及び特定配偶者等に対して補償金を支給すること。
第三に、国は、優生手術等を受けた者及び人工妊娠中絶等を受けた者に対し、一時金を支給すること。
その他、請求の期限及び手続並びに調査、検証等について定めるものであります。
本案は、本日、地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会におきまして、内閣の意見を聴取した後、全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決したものであります。
何とぞ速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
2024-10-07
第214回国会(臨時会) 衆議院 本会議 第3号 発言No.34全文を見る馬場伸幸議員の御質問にお答えをいたします。
今般の解散等についてお尋ねがありました。
内閣は、国政上の重大な局面等において主権者たる国民の意思を確かめる必要があるような場合には、衆議院の解散権を行使することができると考えております。
今回、新内閣の発足に当たり、国民の皆様の意思を確かめる必要があると判断し、解散を行うとの判断をいたしました。この判断は憲法の趣旨にも沿うものだと考えており、変節したとの御指摘は当たりません。
国民の皆様に対して勇気と真心を持って真実を語る姿勢を大切にしつつ、政治の信頼を回復し、能登半島地震、大雨からの復旧復興、緊迫する国際情勢における外交のかじ取りなど、政府として諸課題の解決に全力を尽くしてまいることで、国民の皆様方の納得と共感を得てまいります。
政治資金収支報告書に不記載があった議員の政治倫理審査会への出席、公認の方針等についてお尋ねをいただきました。
政治倫理審査会への出席につきましては、両院の政治倫理審査会規程に基づき判断されるべきものではありますが、国民の皆様の納得を得るための努力がなされているかという観点から、公認の是非を判断するための一要素としたものであります。
公認につきましては、選挙対策本部において、各選挙区の事情、当選の可能性などを踏まえ適切に判断していくこととなりますが、最終的な公認権者は総裁であり、不記載があった議員については、引き続き適切な方法で、地元の理解が得られているかなどを判断してまいります。
政策活動費の廃止についてお尋ねをいただきました。
政策活動費につきましては、将来的な廃止も念頭に、その在り方の検討や透明性の確保に取り組みます。政策活動費の在り方は、我が党のみならず、各党の政治活動の在り方にも関係し得る事柄であることから、共通のルールにのっとって透明性を高めていくことが必要と考えており、今後、各党各会派との真摯な議論も経て、最終的な結論を得てまいる所存であります。
企業・団体献金の禁止についてお尋ねをいただきました。
企業・団体献金につきましては、さきの通常国会において、各党各会派による様々な議論がなされた結果、見直しは行われなかったものと承知をしております。
また、政治団体の収入につきましては、多様な考え方の多くの出し手による様々な収入を確保することが政策立案における中立性やバランスの確保において重要と認識をいたしており、企業・団体献金のみを禁止することによる影響につきましても十分に議論する必要があると考えております。
議員定数についてのお尋ねをいただきました。
議員定数の削減につきましては、議員立法により、平成二十五年に衆議院の定数五議席、平成二十八年に衆議院の定数十議席の削減が実現をいたしたところであります。
その上で、議員定数の在り方につきましては、民主主義の根幹に関わる重要な問題であり、各党各会派で御議論いただくべき事柄であると考えております。
調査研究広報滞在費についてお尋ねをいただきました。
調査研究広報滞在費、いわゆる旧文通費については、我が党の岸田前総裁と議員との間において、衆参議長の下に置かれる協議の場において前向きに議論を行い、使途公開と残金返納を義務づける立法措置を講ずることについて文書で合意が交わされたものと認識をいたしております。私も自民党総裁として、その合意を引き継いでまいります。
なお、旧文通費の使途公開や残金返納につきましては、現在、衆参両院の議院運営委員会による有識者へのヒアリングが進められておるところと承知をしておることから、領収書の自主的な公開の要否については、当該議論の状況も踏まえて判断をいたしてまいります。
子育て支援財源及び防衛増税についてお尋ねをいただきました。
少子化とその結果生ずる人口減少は、国の根幹に関わる課題、いわば静かな有事であります。このため、こども未来戦略を着実に実施し、子育て支援に全力を挙げます。
支援金制度は今月から拡充されております児童手当などの加速化プランの実施に必要なものであり、これを導入しても、歳出改革等により、社会保険料の上昇を確実に抑制いたします。あわせて、物価上昇を上回る賃金上昇の定着に向けた取組を進め、現役世代の所得を増やしてまいります。
他方、激変する安全保障環境において日本を守り抜くためには、国家安全保障戦略等に基づき、我が国自身の防衛力を抜本的に強化すべきことは論をまちません。
そのための財源確保に当たっては、行財政改革の努力を最大限に行った上で、それでも足りない約四分の一につきまして、今を生きる我々の将来世代への責任として、税制措置での御協力をお願いすることといたしております。
今後、与党の税制調査会等の場で議論が行われていくものと承知をいたしておりますが、政府・与党で緊密に連携し、適切に対応いたしてまいります。
社会保障制度についてのお尋ねをいただきました。
社会保障制度は、様々な境遇にある国民の方々に安心を提供するセーフティーネットです。
政府としては、高齢者を含め全ての世代の方がその状況に応じて支え合い、必要な給付が受けられる全世代型社会保障の構築に取り組んでまいります。
その際、高齢化などにより社会保障の給付が増加する中、多様な関係者を含めた国民的な議論の場を設けることを念頭に、昨年末に策定した改革工程に基づき、医療DXによる効率化、質の向上や医療の提供体制の改革などを進め、歳出改革を含む歳出の最適化により、社会保険料の上昇を抑制してまいります。
マイナ保険証及び電子カルテについてのお尋ねをいただきました。
現行の健康保険証の新規発行終了につきましては、法に定められたスケジュールにより進めていきますが、マイナ保険証が利用できない方も確実に保険診療が受けられるよう、資格確認書の活用も図ってまいります。さらに、資格確認書でも保険診療が受けられることなど、高齢者の方にも伝わるよう周知を徹底し、不安の払拭に向け、丁寧に進めてまいります。
また、国が小規模な医療機関でも導入しやすい電子カルテを開発し普及させるなど、医療の質の向上と医療機関の負担軽減につながる医療DXを推進してまいります。
年金制度の在り方についてお尋ねをいただきました。
本年七月に公表した令和六年財政検証では、近年の女性や高齢者の労働参加の進展等により、前回の検証に比べ、将来の給付水準の改善が確認をされました。加えて、今回は新たに個人単位でも推計を行い、若年世代において年金額が増加する傾向にあることが確認されました。
今後は、こうした結果も踏まえ、さらに、被用者保険の適用拡大などを通じた働き方に中立な制度の構築や、所得保障、再分配機能の強化を図る観点からの基礎年金水準の確保といった観点から、年末に向けて制度見直しの議論を進めてまいります。
年金の財政検証についてお尋ねがありました。
公的年金の財政検証におきましては、出生率等の前提について、これまでの実績に基づきながら専門家による検討を経た上で幅広い複数のケースを設定しており、適切なものと考えております。
今後、今回の財政検証の結果も踏まえ、次期年金制度改正に向け、丁寧に議論を進めてまいります。
地方創生についてお尋ねがありました。
私が十年前に初代地方創生担当大臣として地方創生推進交付金の創設などに取り組んで以降、交付金などを活用し、住民の方々が気持ちを一つにして地方創生の取組に頑張っておられる姿が全国各地で見られるようになったことは、大きな成果であると考えております。
一方、東京一極集中の流れは止まっておらず、地方において産官学金労言の地域の多様な関係者の知恵が十分に引き出されてきたか、国においてこれを十分に後押ししてこられたかにつきましては、改善の余地が多分にあると考えております。
これまでの成果と反省を生かし、地方創生二・〇を再起動させるべく、新しい地方経済・生活環境創生本部を創設し、今後十年間集中的に取り組む基本構想を策定します。
御指摘の多極分散も含め、地方六団体と更に連携を密にし、例えば、地方創生の交付金を当初予算ベースで倍増することを目指し、好事例の普遍化、地方の成長の根幹である農林水産業の活性化、観光産業や文化芸術分野の更なる振興策、半導体等のサプライチェーンの国内立地策などについて検討を行い、成案を得ます。
国から地方への税源移譲についてのお尋ねを頂戴いたしました。
地方創生を推進するためには、その基盤となる地方税の充実確保は不可欠であり、これまでも、個人住民税における三兆円の税源移譲、消費税率引上げに際しての地方消費税の拡充等に着実に取り組んできたところであります。
今後も、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築に取り組むとともに、地方税の充実確保に努めてまいります。
物価高対策と消費税減税、社会保険料の軽減についてのお尋ねをいただきました。
物価上昇を上回って賃金が上昇するといった成長と分配の好循環が確実に回り出すまでの間、足下で物価高に苦しむ方々への支援が必要です。当面の対応として、物価高の影響を特に受ける低所得者世帯向けの給付金や、地域の実情に応じたきめ細かい対応のための重点支援地方交付金を始め、総合的な対応を図ります。
消費税につきましては、急速な高齢化等に伴い社会保障給付費が大きく増加する中で、全ての世代が広く公平に分かち合う観点から、社会保障の財源として位置づけられており、その税率を引き下げることは考えておりません。
社会保険制度につきましては、相互扶助の考え方を基盤としつつ、所得に応じた保険料負担としています。可処分所得向上のために幅広く保険料の減免を行うことは、給付と負担の関係が不明確となり、財源をどうするのかという観点からも、慎重な検討が必要なものと考えております。
規制改革に対するお尋ねをいただきました。
人口減少、少子高齢化等の課題を克服して地方の活性化につなげるため、また、賃上げと投資が牽引する成長型経済を実現するため、利用者目線を徹底し、必要となる規制・制度改革に取り組んでまいります。
地域交通は地方創生の基盤です。全国での交通空白の解消に向け、骨太方針に従い、日本版ライドシェア等の施策の実施効果を検証しつつ、地域交通の担い手や移動の足の確保の取組を強力に進めてまいります。
北陸新幹線の延伸についてのお尋ねを頂戴いたしました。
北陸新幹線敦賀―新大阪間につきましては、平成二十八年度に与党のプロジェクトチームにおいて小浜・京都ルートとすることが決定されており、まずは、詳細な駅位置、ルートを絞り込んだ上で、着工五条件の検討を深め、一日も早い全線開業を目指してまいります。
いわゆる台湾有事に関する私の認識についてお尋ねをいただきました。
台湾有事という仮定の御質問に関し、私の認識を含め、政府としてお答えをすることは差し控えますが、その上で申し上げれば、台湾海峡の平和と安定は、我が国の安全保障はもとより、国際社会全体の安定にとっても重要であり、台湾をめぐる問題が対話により平和的に解決することを期待するというのが、我が方の従来からの一貫した立場であります。この点、これまでも日米やG7で台湾海峡の平和と安定の重要性について一致をしております。
また、あくまで一般論として申し上げれば、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、我が国及び我が国国民の安全と繁栄を確保するため、政府として、いかなる事態に対しても対応できるよう、平素からの体制の整備を進め、万全を期していくことは当然のことであります。
今後の自衛隊の運用及び我が国周辺の安全保障環境を踏まえた措置についてお尋ねを頂戴いたしました。
最近、我が国周辺海空域におきまして、ロシアや中国により短期間に領空侵犯等が立て続けに起きておることについて、政府として強い危機感を有しておるところであります。
自衛隊の運用に関するお尋ねにつきましてはお答えを差し控えますが、我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、我が国の領土、領海、領空を守り抜くため、冷静かつ毅然と対応いたしてまいります。
憲法改正についてお尋ねをいただきました。
内閣総理大臣の立場からは、憲法改正についての国会における具体的な議論の進め方等について直接申し上げることは差し控えますが、自民党総裁としてあえて申し上げれば、憲法改正は立党以来の自民党の党是であります。
発議は自民党総裁の一存で決することができるものではございませんが、総裁在任中に国会への発議を実現していただくべく、今後、憲法審査会において、与野党の枠を超え、建設的な議論を行い、国民的な議論を積極的に深めていただくことを期待いたしております。
以上であります。
2024-10-07
第214回国会(臨時会) 衆議院 本会議 第3号 発言No.36全文を見る公明党の石井啓一です。
私は、公明党を代表して、石破総理の所信表明演説に対し、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
冒頭、能登地域の豪雨災害でお亡くなりになった方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災された方々に衷心よりお見舞いを申し上げます。
苦境が重なる中、生活再建に奮闘されている被災地の皆様にお応えするためにも、新内閣は被災者支援、復旧復興に総力を挙げなければなりません。公明党も、政府の取組を全力で支えてまいります。
去る九月三十日、自民党と公明党は新たな政権合意を結び、不断の政治改革を始め、物価高対策や経済成長、子育て、教育、若者支援、女性活躍、防災、減災、国際社会の平和と安定など、重点的に取り組む政策を確認いたしました。これらの政策を着実に実行し、失われた政治の信頼を取り戻すとともに、持続可能で活力ある日本へ、未来を開く改革を前に進めることが、新内閣に課された責務であります。
公明党は、どこまでも一人の声を大切に、自民党と力を合わせて、国民生活を守り、豊かにする政策の実現に邁進をしてまいります。
以下、具体的に質問をいたします。
政治の信頼回復は、現下の最重要課題であります。
公明党は、さきの通常国会で成立をいたしました改正政治資金規正法の実効性を担保するため、政治資金を監督する第三者委員会について国会閉会後も議論を積み重ね、去る四日、中間取りまとめを発表いたしました。現行の政治資金適正化委員会を改組し、政治的中立性を保つ三条委員会として仮称政治資金監督委員会を設置し、収支報告書に不記載や虚偽記入の疑いがある場合の調査権限を持たせることなどが主な内容であります。今後、与野党協議を重ね、改正政治資金規正法が施行される令和八年一月一日を目指して同委員会を立ち上げたい。
さらに、政党から政治家個人へ渡される政策活動費については、自民党総裁選において複数の候補者が廃止を訴えておりました。この際、政策活動費について、廃止を含め、もう一段の改革を実行すべきであります。
あわせて、調査研究広報滞在費の使途の明確化、使途の公開、未使用分の国庫返納について、来年の通常国会までに法改正を行うべきと考えます。
自民党総裁でもある総理に、政治改革の取組を伺います。
食品価格の高騰が家計を圧迫しており、物価高対策として具体的な取組を求めます。
第一に、物価高の影響が大きい低所得世帯や低所得の子育て世帯、賃上げの恩恵が及ばない年金生活者に迅速な給付を行うこと。第二に、電気・ガス料金、燃料油価格の負担軽減策を続けること。第三に、重点支援地方交付金を追加で措置し、地域の実情に応じたきめ細かな支援を行うこと。特に、国や地方自治体との取引が多い福祉事業者など、価格転嫁が難しい事業者への支援を検討すべきであります。
物価高対策について、総理の答弁を求めます。
今年度、中小企業の賃上げ率は三・六二%という高水準を記録しました。物価高の克服へ、来年以降も賃上げを持続させなければなりません。
一方で、多くの中小企業からは、人手不足や原材料のコスト増などが重く、賃上げの原資確保は難しいとの悲痛な声が寄せられております。
政府は労務費を含めた適切な価格転嫁に取り組んでおりますが、六月の調査では、価格交渉が行われたのは五九・四%、コスト全体の価格転嫁率は四六・一%という状況であります。また、四社に一社が買いたたき行為を受けた経験があると答えております。
対等な価格交渉を進めるには、そもそも下請という呼称自体を変えるべきとの指摘もあります。買いたたきや、交渉もないままでの一方的な価格据置行為の禁止などと併せた下請法の改正を行うべきであります。
中小企業の持続的な賃上げに向けた取組について、総理に伺います。
公明党は、大学等の教育費の負担軽減を目指して、令和六年度は多子世帯や理工農系の中間層へ、令和七年度は多子世帯へ所得制限なく支援を拡充いたします。これにとどまることなく、給付型奨学金と授業料等の減免による修学支援新制度の更なる拡充を行うべきであります。
高等学校等については、授業料支援の所得制限を撤廃し、国公私立を問わず実質無償化するとともに、経済状況が厳しい家庭への授業料以外の教育費を支援する高校生等奨学給付金も拡充が必要です。
さらには、学校給食の無償化についても、六月に出た実態調査の結果を踏まえ、少子化対策の観点から、こども家庭庁の下、関係省庁が連携して検討に入るべきであります。
教育負担の軽減について、総理に伺います。
若者がより活躍できる社会へ、単身世帯の増加を含めた取組を強化すべきです。
若者の政治参画を促進するため、被選挙権年齢の十八歳までの引下げ、立候補時の年齢に応じた供託金の見直し、若者議会の設置などを推進すべきです。
また、公明党の青年委員会には、人生の選択肢を増やすためにも可処分所得の向上を進めてほしいとの声が数多く寄せられました。リスキリング支援や、非正規雇用から正社員への転換支援、企業が賃上げしやすい環境整備などを進めるべきです。
若者の政治参画、可処分所得の向上について、総理に伺います。
我が国のジェンダーギャップ指数は百四十六か国中百十八位、中でも政治、経済の分野の格差が大きい状況です。女性の活躍、キャリア継続のためには、性別役割分担意識の根絶や労働時間の短縮など社会構造の変革が必要であり、あらゆる意思決定の場に女性を増やすことは、全ての人が尊厳と誇りを持って活躍できる社会の構築につながります。公明党は、将来的には全議員の五〇%を女性とし、今後十年以内に女性国会議員三〇%を目指す目標を掲げました。
女性の健康支援に向けては、公明党が長年求めてきた女性の健康総合センターが今月開設いたしました。女性の健康問題による労働損失を防ぎ、生涯にわたる健康支援の中核拠点として大いに機能を発揮してもらいたい。
男女間賃金格差の解消や選択的夫婦別姓制度の早期導入も、喫緊の課題です。
女性活躍の課題と今後の取組について、総理に伺います。
大地震に記録的豪雨が重なった能登地方では、復旧復興に向けた一体的な支援が必要です。
私も、三月に続き、十月五日に豪雨の被災地を視察いたしました。
これまでは予備費を活用して機動的に対応してまいりましたが、本格的な復興に向け、中長期的な支援を行う補正予算の編成も今後検討すべきであります。
また、これまでの大規模災害の経験を踏まえ、被災自治体との連携強化を一層進めるため、各府省庁を横断的に統括する司令塔機能の強化が必要です。防災庁を創設し、最先端技術を活用した大規模災害のデータ解析、集積による予測精度の向上や、専門的な防災人材の確保、育成などを進めるべきです。
さらに、自然災害に加え、切迫する南海トラフ地震等の対応に万全を期すため、国土強靱化の更なる取組が急務です。
残り一年となる五か年加速化対策については、近年の資材価格の高騰の影響等を考慮しつつ、必要十分な予算を確保し、着実に推進をいただきたい。五か年対策後も、取組を最大限加速するため、国土強靱化改正法に基づく実施中期計画を今年度内に策定するとともに、次の五か年で二十兆円規模となる予算の確保を強く求めます。
能登半島地震の復興加速に向けた決意と、防災庁の創設を含めた防災・減災、国土強靱化の今後の取組について、総理の答弁を求めます。
これまでの大規模災害時に被災者は、厳しい避難所環境によって不自由な生活を余儀なくされてきました。特にトイレは、断水で使用できなくなるなど、大きな課題となりました。
そのような教訓を踏まえ、公明党はこれまで、TKB、トイレ、キッチン、ベッドの迅速配備や、被災者が尊厳ある生活を営める最低基準を示すスフィア基準の導入など、避難所環境の大幅改善を政府に提言してまいりました。また、トイレにつきましても、備蓄計画を強化し、トイレトレーラーやトイレカーの配備を強く訴えてまいりました。
直ちに全国の避難所の総点検を実施し、必要な資機材の確保や円滑な避難所運営のための支援などを国が前面に立って進めていただきたい。
避難所の環境改善について、総理に伺います。
地域公共交通は、地域住民の移動の足であり、住民、利用者目線に立って再構築を図るとともに、利便性を向上させ、地域活性化につなげていくべきです。
そのためにも、まずは公共交通機関における担い手不足への対応が急務です。事業者の賃上げや働き方改革などを推進し、若者や女性、外国人材を含め、担い手の確保を進めていただきたい。また、キャッシュレス化等のDX化とともに、自動運転やMaaSなど交通分野におけるデジタル技術の導入を強力に推進すべきです。さらに、地域の多様な関係者による連携、協働を促進し、地域公共交通計画のアップデートを進めるため、関係府省庁による支援を促進すべきと考えます。
国土交通大臣の答弁を求めます。
安定した収入の確保と働きがいが実感できる魅力ある農林水産業へ再構築を進め、食料安全保障を強化することが急務です。
私は、地元の埼玉県草加市、八潮市、三郷市で、担い手不足や猛暑による農産物の生育不良に危機感を募らせる生産者の声を伺ってまいりました。食を支える農業や漁業の担い手の減少に加え、気候変動による品質低下などが続けば、食品の安定供給が確保できなくなるおそれがあります。
こうした状況を克服するため、生産性や付加価値を飛躍的に高めるスマート農林水産業と新品種の開発導入を強力に後押しすべきです。また、適正な取引環境の構築に向けて、付加価値や生産コストの上昇分を価格に反映できる環境整備も重要であり、法制化を含め、対策を一層強化すべきです。
所得向上など魅力ある農林水産業への支援について、総理に伺います。
世界は今、戦争による人道危機や核兵器使用リスクの増大など、人間の生命や尊厳を脅かす複合的な危機に直面をしており、国際社会の平和と安定へ、日本の果たす役割はこれまで以上に重要です。
公明党は、人間の安全保障の理念に立脚した地雷除去支援やアジア諸国の海上保安職員の能力向上などを長年推進してまいりましたが、地雷除去支援については、今後のウクライナの支援につながるよう、カンボジアや国連と協力して主導的な取組を推進すべきであります。
また、対話外交が極めて重要な時代だからこそ、欧州諸国を中心に米国やロシアも加盟する欧州安保協力機構、OSCEをモデルにした対話の常設機関をアジアにもつくるべきと考えます。
公明党といたしましても、戦後八十年、被爆八十年の節目を迎える来春をめどに、こうした平和創出の取組を積極的に進めるビジョンを提示したいと考えております。
我が国、そして国際社会の平和に向けた外交政策について、総理の決意を伺います。
結びに一言申し上げます。
来月、結党六十年を迎える公明党は、大衆とともにという不変の立党精神を胸に、政治のはざまに置かれた大衆に光を当て、福祉社会の建設や清潔な政治の実現などを大きく進めてまいりました。また、国会議員と地方議員のネットワークを生かし、現場の課題を的確に把握し、迅速な対応で庶民の生活を守ってまいりました。六十年たった今も、こうした政治姿勢はいささかも変わることはありません。
これからも、庶民の声を代弁し、ひたすら国民の幸福のために働く政党であり続けることをお誓いし、私の代表質問を終わります。
〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕
2024-10-07
第214回国会(臨時会) 衆議院 本会議 第3号 発言No.40全文を見る私は、日本共産党を代表して、石破総理に質問します。
冒頭、石川県能登の豪雨災害で亡くなられた方々に深い哀悼を申し上げ、被災された方々に心からのお見舞いを申し上げます。
二度目の避難に多くの被災者が苦しんでいます。にもかかわらず、避難所での温かく栄養のある食事の提供やプライバシーの確保などで、一月の震災の教訓が生かされておらず、見捨てられたとの声も上がっています。直ちに改善することを強く求めます。浸水した仮設住宅の早期改修や安心できる場所への仮設住宅の建設など、住まいの確保への支援の強化を強く求めます。直ちに補正予算の編成が必要だと考えますが、いかがですか。
旧優生保護法の違憲判決を受け、本日の本会議で謝罪決議と被害補償法を可決しました。引き続き、当事者である障害者の皆さんの声を聞き、真摯な反省の下に検証を行い、優生思想を根絶することは、政府と国会に課せられた重要な責務であります。答弁を求めます。
私は、総理の政治姿勢の基本について、三つの点を質問いたします。
第一は、腐敗政治をなくし、政治に信頼を取り戻すという問題です。
まず問いたいのは、総理自身の言行不一致の問題です。
あなたは、自民党総裁選で、国民に判断してもらえる材料を提供するのは新しい総理の責任だ、本当のやり取りは予算委員会だと繰り返しました。ところが、総理に就任すると、前言を覆し、あさってにも解散を強行するとしています。
解散・総選挙は民主主義の根幹に関わる大問題です。そうした大問題で、数日前の自らの発言を平気で覆す。これでは、総理が今後どんな発言をしようと、国民はそれを信用することができなくなるではありませんか。一国の政治指導者がこういう姿勢を取っていて、どうして政治への信頼が回復するでしょうか。しかとお答えいただきたい。
裏金問題について、九月九日、日本ジャーナリスト会議は、今年度のJCJ大賞にしんぶん赤旗日曜版の裏金スクープを選ぶとともに、その授賞理由の中で、裏金問題を大政治犯罪だと断罪しました。
端的に聞きます。総理はそもそも裏金問題を大政治犯罪だと認識しているのか否か、お答えいただきたい。
しんぶん赤旗日曜版の十月六日号は、総理が代表を務めた石破派が、政治資金パーティーの収入を六年間で計百四十万円分不記載にしていた事実を新たにスクープしました。
総理は、昨年十二月十二日のテレビ番組で、石破派にもキックバックがあったことを認めた上で、出も入りもきちんと載せているとし、政治資金収支報告書の記載に問題はないと強調していましたが、あなたの発言は真っ赤なうそということになるではありませんか。
総理、石破派にも主要五派閥と同じ深刻な裏金疑惑が問われているのであります。総理は、新しい事実が判明したら調査する、勇気と真心を持って真実を語ると言われました。ならば、徹底的な再調査を行い、国民に真実を明らかにすべきではありませんか。
自民党の底知れない腐敗政治の大本には、企業・団体献金があります。パーティー券も含めて企業・団体献金は全面的に禁止し、政党助成金は撤廃すべきです。明確な答弁を求めます。
七月、厚生労働省が発表した国民生活基礎調査で、生活が苦しいと答えた方は五九・六%に上りました。働く人の実質賃金は、この十一年間で年三十三万円も減りました。他方、大企業の内部留保は、同時期に二百兆円以上も膨らみ、五百三十九兆円に達しています。大富豪四十人の資産は七・七兆円から二十九・五兆円へと膨れ上がりました。
これは決して自然現象ではありません。異次元の金融緩和で物価高騰を招き、国民を苦しめているのは誰か。働く人を派遣、パート、アルバイトなど非正規ワーカーに置き換え、使い捨て労働を蔓延させているのは誰か。大企業減税を行い、その穴埋めに消費税大増税を強行したのは誰か。
今日の国民の深刻な生活苦は、全てが自民党の経済失政の結果ではありませんか。総理にはその認識がありますか。あなたは岸田内閣の経済政策を引き継ぐと言いますが、こうした経済失政を引き継ぐおつもりですか。答弁を求めます。
大企業、大金持ち優遇から国民の暮らし最優先に、経済政策の大転換が必要です。三つの点に絞って具体的に提案いたします。
第一は、最低賃金を速やかに全国一律千五百円に引き上げることです。
最賃の大幅引上げのために不可欠なのが中小企業への社会保険料減免など直接支援ですが、総理は所信で一言も触れませんでした。直接支援は必要ないというお考えですか。日本共産党は、大企業の内部留保の増加分に時限的課税を行い、十兆円の税収を中小企業の賃上げ支援に充てる提案を行っていますが、この提案を受け入れる意思はありませんか。答弁を求めます。
第二は、賃上げと一体に、労働時間を短縮し、自由な時間を増やすことです。
日本の労働時間は、ヨーロッパの主要国に比べて年間で三百時間も長く、過労死がいまだに一大社会問題になっています。
こうした中、博報堂の行った若者調査では、今一番欲しいものとの問いに、一位はお金、二位は時間、三位は自由という結果が出ました。あるベビーシッター会社が、子育て中のお母さんを対象に、母の日のプレゼントに何が欲しいかのアンケートを行ったところ、断トツ一位は自分だけの時間でした。多くのお母さんが仕事と家事と育児に追われ、睡眠時間を削らざるを得ない現状にあるのであります。
総理は、自由に使える時間が欲しいという願いが国民の切実な願いであるという認識をお持ちですか。男性は仕事、女性は家事、こういう不平等を正し、ジェンダー平等の日本をつくるためにも、労働時間の短縮が必要だと考えますが、いかがですか。
こうした事態の抜本的打開のために、日本共産党は自由時間拡大推進法を提案しております。一日七時間、週三十五時間労働制に速やかに移行すること、この目標達成のために、政府に中小企業への支援、介護、教育、建設、運輸などの人手不足の分野で特別の対策を義務づけること、残業規制を強め、サービス残業を根絶することなどをパッケージで提案しております。
人間は、ただ働いて、食べて、寝るだけの存在ではありません。働く人が、人間らしい生活を営む収入とともに、余暇や趣味を楽しみ、豊かな教養に親しみ、家族と一緒の時間を大切にし、社会活動に取り組むための自由な時間を持つことができる社会こそ、本当に豊かな社会と言えるのではないでしょうか。総理に我が党の提案への見解を問うものです。
第三は、暮らしを支え、格差を正す、税金と財政の民主的改革です。
空前のもうけを上げている富裕層と大企業に応分の負担を求め、消費税を緊急に五%に減税する、インボイスは廃止する、これこそ物価高騰への最良の特効薬ではありませんか。
高齢者の負担を増やし、給付を減らすのは当たり前という冷酷な政治がまかり通り、高齢者の人権と尊厳が踏みにじられている現実は、本当に異常です。老人福祉法は、「老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として、かつ、豊富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに、生きがいを持てる健全で安らかな生活を保障されるものとする。」と定めています。総理、この基本理念に立って、年金、介護、医療の充実を図ることこそ、政治の使命ではありませんか。
大学の学費値上げが一大社会問題になっています。今でも異常に高い学費を更に値上げなど、とんでもありません。高等教育への公的負担を大幅に増やし、学費値下げに踏み出し、学費ゼロの社会をつくるために、本気で政治の責任を果たすべきではありませんか。答弁を求めます。
日米軍事同盟絶対の政治を続けていいのかが問われています。
この間、集団的自衛権の行使容認、長射程ミサイルの配備、GDP比二%への大軍拡、武器輸出の解禁など、憲法九条の下でできないとされてきたことが次々と強行されています。それらの全てで、日米同盟の強化が最大の理由とされています。
日米同盟の四文字を聞くと思考停止に陥ってしまう政治が、今、日本の政界を覆っています。日米同盟のためにといって、日本国憲法を平気でじゅうりんする。日米同盟のためにといって、核兵器禁止条約に背を向け、果ては核共有、米国と核のボタンを押すことを共有するなどという被爆国の首相にあるまじき恥ずべき主張を行う。日米同盟のためにといって、沖縄県民の民意を踏みつけにして辺野古新基地建設を押しつけ、少女への性暴力を隠蔽する。独立国にあるまじきこんな政治を続けていいのかを、私は総理に問いたいのであります。
日本が軍事同盟強化で構えれば、相手も一層の軍事力強化で構え、軍事対軍事の悪循環をひどくします。その先に決して平和は訪れません。日本共産党は、世界を対立するブロックに引き裂く軍事同盟強化に断固反対を貫きます。
世界を見れば、軍事同盟に頼らずに平和をつくる動きがあるではありませんか。ASEANは、域内で年間千五百回もの会合を持つなど、徹底した対話の積み重ねで東南アジアを平和の共同体に変えました。さらに、平和の流れを域外に広げ、ASEAN十か国プラス日本、中国、米国を含む八か国で構成される東アジア・サミットを強化して、東アジアの全体をASEANのような戦争の心配のない地域にする大構想を提唱しています。あれこれの国を敵視するブロック政治を排し、地域の全ての国を包摂した平和の枠組みを発展させようというのがその根本精神であります。
今、日本政府がなすべきは、ASEANと協力して東アジアに平和を構築する、憲法九条を生かした平和外交ではないでしょうか。
総理の答弁を求めて、質問を終わります。
〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕
2024-10-07
第214回国会(臨時会) 衆議院 本会議 第3号 発言No.41全文を見る志位和夫議員の御質問にお答えいたします。
石川県能登の豪雨災害についてお尋ねがありました。
避難所におきましては、温かく栄養のある食事や、プライバシーを守るためのパーティション等を速やかに提供することが重要であると考えており、政府としても発災直後からこれに取り組んでおるところですが、改善が必要な点があれば早急に対応し、避難所の良好な生活環境を確保してまいります。
浸水被害を受けた仮設住宅につきましては、復旧費用の国庫負担などの支援を行うとともに、床上浸水被害を受けるなどした方々から御希望があれば、みなし仮設住宅など、代替となる住宅を提供してまいります。
昨週、策定を指示した総合経済対策と、その裏づけとなる補正予算において、能登の地震や豪雨からの復旧復興にも対応することとなりますが、予備費の活用により、更に迅速な対応が可能となります。一般予備費の残額が六千百十八億円あることから、十月中旬を目途に、追加の予備費措置を講ずることといたします。切れ間なく、迅速に被災地の支援を行ってまいります。
旧優生保護法の対応についてお尋ねがありました。
旧優生保護法に係る新たな補償の仕組みにつきましては、まさに先ほど議員立法として可決をされました。
この法律案において、国は、旧優生保護法に基づく優生手術等が行われた原因及び再発防止措置の検証等を行うこととされており、国会とも御相談しながら、適切に対応いたしてまいります。
また、政府において、原告団等との定期的な協議を行うとともに、当事者の方々から御意見を伺いながら、障害者に対する偏見、差別、優生思想の根絶に向け、政府一丸となって取り組んでまいります。
今般の解散についてのお尋ねがありました。
この度新内閣が発足したため、できる限り早期に国民の皆様方の御判断をいただくことが重要だと考えております。
一方で、総選挙に向けては、国民の皆様方に御判断をいただける材料を真摯に提供することも重要です。引き続き、私が自分自身の言葉で語り、誠心誠意、国民の皆様方に御判断をいただくための材料をお示ししてまいります。
自民党における旧派閥の政治資金収支報告書の不記載の問題に関する認識についてお尋ねを頂戴いたしました。
政治資金が政治資金規正法にのっとって取り扱われるべきことは当然であります。政治資金は民主主義の重要な構成要素であり、その運用に疑義が生じ、国民の信頼が失われれば、民主主義の基盤が揺らぐことにもなりかねません。今回の一連の事態が生じましたことについては、自民党として真摯に反省しなければならない重大な問題と認識しており、改めて国民の皆様方に深くおわびを申し上げます。
私が代表を務めていた水月会の政治資金収支報告書についてお尋ねがありました。
お尋ねにつきましては、政治資金パーティーのパーティー券を複数の議員から購入いただき、支払い額の合計が二十万円を超えていた政治団体について、水月会の事務局側での確認漏れがあり、当該団体のパーティー券の支払い総額の記載に誤りが生じたものであります。
なお、収支報告書には、政治資金パーティーの収入総額に加えて、その内訳として、パーティー券の支払い額が二十万円を超えたものの支払い額も記載することとされているところ、この度記載の誤りがあったのは内訳の金額であり、収入総額の誤りは確認をされておりません。
水月会自体は既に解散をしておりますが、訂正可能な過去の収支報告書につきましては、既に訂正手続を行ったところであります。
企業・団体献金の禁止及び政党助成制度の撤廃についてお尋ねを頂戴いたしました。
企業・団体献金につきましては、さきの通常国会において各党各会派による様々な議論がなされた結果、見直しは行われなかったものと承知をしております。
また、政党助成制度につきましては、政治改革について議論を積み重ねた結果、政党の政治活動の経費を国民全体で御負担していただくこととなったものであり、民主主義の発展に重要な意義を持つものであると認識をしております。
経済政策についてのお尋ねがございました。
大胆な金融緩和を含むアベノミクスは、デフレでない状況をつくり、GDPを高め、雇用の拡大などにもつながりました。こうした成果の上で、岸田内閣の新しい資本主義の取組が、五・一%の賃上げ、名目百兆円超の設備投資などの成果につながったものと認識をいたしております。
非正規雇用労働者の増加につきましては、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方として増加してきた面もある一方で、不本意ながら非正規雇用で働いておられる方々に対して正社員への転換の支援等に取り組んできたところであり、いわゆる不本意非正規雇用労働者の割合は減少してきております。
消費税につきましては、急速な高齢化等に伴い社会保障給付費が大きく増加する中で、全ての世代が広く公平に分かち合う観点から、社会保障の財源として位置づけられておりますため、これが法人税減税を穴埋めしたという御指摘は当たらず、税率を引き下げることは考えておりません。
今後は、岸田内閣が進めてきた取組を着実に引き継ぎ、更に発展、加速をさせてまいります。デフレ脱却を最優先に実現するため、経済あっての財政との考え方に立った経済財政運営を行い、賃上げと投資が牽引する成長型経済を実現しつつ、財政状況の改善を進め、力強く発展する、危機に強靱な経済、財政をつくってまいります。
最低賃金の引上げに向けた方策についてお尋ねを頂戴いたしました。
最低賃金につきましては、適切な価格転嫁と生産性向上支援により最低賃金を着実に引き上げ、二〇二〇年代に全国平均千五百円という高い目標に向かってたゆまぬ努力を続けてまいります。
他方、社会保険料減免などの直接支援につきましては、社会保険料が医療や年金の給付を通じて労働者を支えるための事業主の責任であり、働く人の健康保持や労働生産性の増進を通じ事業主の利益にも資するものであること、また、内部留保の課税につきましては二重課税に当たるとの指摘もあることから、いずれも慎重な検討が必要であると考えております。
ジェンダー平等のための労働時間短縮についてのお尋ねをいただきました。
我が国では依然として家事、育児の多くを女性が担っているという現状があり、その改善に向けましては、社会の意識改革とともに、男性も含めて労働時間の短縮に取り組むことも必要と考えております。
このため、短時間勤務の活用や、生活時間、睡眠時間を確保する勤務間インターバル制度の導入促進を含め、働き方改革を強力に推し進めてまいります。
御党御提案の自由時間拡大推進法についてのお尋ねをいただきました。
付加価値を最大化し、より少ない労働時間でより多くの賃金を得ることができるようにしていくことは、私も重要であると考えております。
他方、御党の御提案につきましては、残業の上限の規制に例外を認めていないなど、具体的な実現の手法や可能性の面で課題が多いと認識をいたしております。
短時間勤務の活用や、生活、睡眠時間を確保する勤務間インターバル制度の導入促進などの働き方改革を強力に推し進めてまいります。
物価高騰対策としての消費税引下げとインボイス制度の廃止についてであります。
物価上昇を上回って賃金が上昇し、設備投資が積極的に行われる、成長と分配の好循環が回り出すまでの間、足下で物価高に苦しむ方々への支援が必要です。当面の対応として、物価高の影響を特に受ける低所得者世帯向けの給付金や、地域の実情に応じたきめ細かい対応のための重点支援地方交付金を始め、総合的な対応を図ります。
消費税につきましては、急速な高齢化等に伴い社会保障給付費が大きく増加する中で、全ての世代が広く公平に分かち合う観点から、社会保障の財源として位置づけられており、その税率を引き下げることは考えておりません。
インボイス制度につきましては、複数税率の下での課税の適正性を確保するために必要な制度であり、廃止することは考えておりません。
インボイス制度に対する御不安、御懸念を抱いておられる方もいらっしゃいます。そのような不安等に対しまして、税負担や事務負担を軽減する二割特例等を周知いたしますとともに、事業者からの御相談に引き続き丁寧に対応いたしてまいります。
年金、介護、医療の充実についてお尋ねをいただきました。
社会保障制度は、様々な境遇にある国民の皆様のためのセーフティーネットであり、年金、介護、医療などの社会保障全般を見直し、国民の皆様に安心していただける制度を確立していく必要があります。
政府としては、全ての世代の方がその状況に応じて支え合い、必要な支援が必要な方に適切に提供される全世代型社会保障の構築に取り組んでまいります。
高等教育費負担の軽減についてお尋ねがありました。
高等教育費につきましては、本年度から、授業料の減額等の対象を多子世帯の中間層等に拡充、令和七年度から、無償化の対象となる多子世帯の所得制限をなくすことといたしており、まずはこうした拡充を着実に実施に移してまいります。その上で、教育の機会均等や少子化対策の観点から、その効果を見定めつつ取り組んでまいります。
日米同盟に関するお尋ねを頂戴いたしました。
日米同盟は、日本外交、安全保障の基軸であり、インド太平洋地域と国際社会の平和と繁栄の基盤です。その上で、日米安全保障、防衛協力について、我が国としての取組は憲法や国際法の範囲内で行われるものであり、平和国家として専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にはならないとの基本方針は、今後もいささかも変わるものではございません。
核共有についても御指摘がありましたが、非核三原則を政策上の方針として堅持をいたしており、これを見直すような考えはございません。
我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向けて、引き続き、現実的かつ実践的な取組を継続、強化していく考えであります。
世界で最も危険と言われる普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければなりません。これは、地元の皆様との共通認識であると存じます。辺野古移設が唯一の解決策であるという方針に基づき、着実に工事を進めていくことが、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、その危険性を除去することにつながると考えております。沖縄の基地負担軽減を図るため、全力で取り組んでまいります。
米軍人等による事件、事故は、地元の皆様方に大きな不安を与えるものであり、あってはならないものと認識をいたしております。今後も、事件、事故防止の徹底を米側に求めてまいります。
地域の平和に向けたASEANとの協力についてお尋ねがありました。
アジアでは、ASEANが地域協力の中心として重要な役割を担っており、米中ロも参加する多層的な地域協力枠組みがございます。
我が国としては、引き続き、こうした枠組みへの積極的な参画及びその強化に取り組み、地域の安全と安定を一層確保するための取組を主導してまいります。
以上であります。
2024-10-04
第214回国会(臨時会) 衆議院 本会議 第2号 発言No.16全文を見るこの度、第百二代内閣総理大臣に就任いたしました。
すべての人に安心と安全を。
私は、日本国内閣総理大臣として、全身全霊を捧げ、日本と日本の未来を守り抜いてまいります。
この決意を申し述べるに当たり、まずは、政治資金問題などをめぐり、国民の政治不信を招いた事態について、深い反省とともに触れねばなりません。
政治資金問題に際し、岸田総理は、自由民主党内の派閥解消や政治資金規正法改正などに取り組まれた後に、所属議員が起こした事態について、組織の長として責任を取るために退任されました。これらは全て、政治改革を前に進めるとの思いを持って決断されたものでした。
また、岸田内閣の三年間は、経済、エネルギー政策、こども政策、安全保障政策、そして外交政策など、幅広い分野において具体的な成果が形になった三年でありました。岸田総理の御尽力に心より敬意を表します。
その思いや実績を基に、私は、政治資金問題などにより失った国民の皆様からの信頼を取り戻し、そして、すべての人に安心と安全をもたらす社会を実現してまいります。
千年単位で見ても類を見ない人口減少、生成AI等の登場による急激なデジタルの進化、約三十年ぶりの物価上昇。我が国は大きな時代の変化に直面しております。この変化に対し、政治は十分に責任を果たしてきたでしょうか。政治資金問題で失われた政治への信頼を取り戻すとともに、これまで以上に、我が国が置かれている状況を国民の皆様に説明し、納得と共感を頂きながら、安全、安心で豊かな日本を再構築する。それが政治の責任です。
そのために、私は、ルールを守る、日本を守る、国民を守る、地方を守る、若者、女性の機会を守る、これらの五本の柱で、日本の未来を創り、そして、未来を守ります。
国民の皆様からの信頼を取り戻す。そのために、政治家のための政治ではない、国民のための政治を実現してまいります。
政治資金収支報告書への不記載の問題については、まずは、問題を指摘された議員一人一人と改めて向き合い、反省を求め、ルールを守る倫理観の確立に全力を挙げます。
それぞれの政治家が国民一人一人と誠実に向き合い、改正された政治資金規正法を徹底的に遵守し、限りない透明性を持って国民に向けて公開することを確立しなければなりません。国民の皆様方にもう一度政治を信頼していただくため、私自身も説明責任を果たし、更に透明性を高める努力を最大限してまいることを固くお約束を申し上げます。
激変する安全保障環境から日本を守り抜きます。
国連安全保障理事会の常任理事国であるロシアによるウクライナ侵略は未だに続いており、戦火は絶えません。今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない。そのような不安を多くの方々が抱いております。何故ウクライナにおいて抑止力が効かなかったのか、私は強い思いを持っております。中東情勢なども相まって、国際社会は分断と対立が進んでいます。
そうした現状を踏まえ、私は、現実的な国益を踏まえた外交により、日米同盟を基軸に、友好国、同志国を増やし、外交力と防衛力の両輪をバランスよく強化し、我が国の平和、地域の安定を実現します。その際、自由で開かれたインド太平洋というビジョンの下、法の支配に基づく国際秩序を堅持し、地域の安全と安定を一層確保するための取組を主導してまいります。
日米同盟は、日本外交、安全保障の基軸であり、インド太平洋地域と国際社会の平和と繁栄の基盤です。まずは、この同盟の抑止力、対処力を一層強化します。加えて、同志国との連携強化に取り組んでまいります。先日は、早速、バイデン米国大統領に加え、韓国、豪州、G7各国の首脳と電話会談を行いました。
現下の戦略環境の下、日韓が緊密に連携していくことは、双方の利益にとって極めて重要です。日韓間には難しい問題もありますが、来年に国交正常化六十周年を迎えることも見据え、岸田総理が尹大統領との間で築かれた信頼関係を礎に、日韓両国の協力を更に堅固で幅広いものとしていきます。また、日米韓で一層緊密に連携していきます。
中国に対しては、戦略的互恵関係を包括的に推進し、あらゆるレベルでの意思疎通を重ねてまいります。一方、中国は、東シナ海や南シナ海における力による一方的な現状変更の試みを日々強化しております。先月には、幼い日本人の子供が暴漢に襲われ、尊い命を失うという痛ましい事件が起きました。これは断じて看過しがたいことであります。我が国として主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めつつ、諸懸案を含め対話を行い、共通の諸課題については協力する、建設的かつ安定的な関係を日中双方の努力で構築していきます。日中韓の枠組みも前進させます。
拉致被害者やその御家族が高齢となる中で、時間的制約のある拉致問題は、ひとときもゆるがせにできない人道問題、国家主権の侵害であり、政権の最重要課題です。日朝平壌宣言から二十年余り、残された拉致被害者たちの御帰国が実現していないことは痛恨の極みです。日朝平壌宣言の原点に立ち返り、すべての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現するとともに、北朝鮮との諸問題を解決するため、私自身の強い決意の下で、総力を挙げて取り組んでまいります。
対露制裁、対ウクライナ支援は、今後とも強力に推し進めます。日露関係は厳しい状況にありますが、我が国としては、領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持します。
ASEANとの連携強化に引き続き取り組みます。グローバルサウスとの関係強化や、軍縮・不拡散、気候変動など地球規模課題への取組を進めてまいります。また、在外邦人の安全確保に全力を尽くしてまいります。
我が国は、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しています。中国及びロシアによる一連の領空侵犯も発生しました。これは、我が国主権の重大な侵害です。北朝鮮は、核・ミサイル開発を継続し、近年、かつてない頻度で弾道ミサイルの発射を繰り返しているほか、米国を射程に収める長射程ミサイルの開発も追求しています。これは、国連安保理決議違反であり、我が国のみならず、地域、国際社会の平和と安全を脅かすものです。このような中、国家安全保障戦略等に基づき、我が国自身の防衛力を抜本的に強化すべきことは論を俟ちません。
防衛力の最大の基盤は自衛官です。いかに装備品を整備しようとも、防衛力を発揮するためには、人的基盤を強化することが不可欠です。日本の独立と平和を守る自衛官の生活、勤務環境や処遇の改善に向け、総理大臣を長とする関係閣僚会議を設置し、その在り方を早急に検討し成案を得るものといたします。
先の大戦中、沖縄では、国内最大の地上戦が行われ、多くの県民が犠牲になられたこと、戦後二十七年間、米国の施政下に置かれたことなどを、私は決して忘れません。基地負担の軽減にも引き続き取り組みます。在日米軍の円滑な駐留のためには、地元を含む国民の御理解と御協力を得ることが不可欠です。普天間飛行場の一日も早い全面返還を目指し、辺野古への移設工事を進めます。また、未だ全国最下位である一人当たりの県民所得や、子どもの貧困の問題などの課題も存在します。沖縄振興の経済効果は十分に域内に波及しているのだろうか、そして、それが本当に実感していただけるのだろうか。沖縄の皆様の思いに向き合い、沖縄経済を強化すべく支援を継続いたします。
少子化とその結果生ずる人口減少は、国の根幹にかかわる課題、いわば静かな有事です。
今の子育て世代が幸せでなければ、少子化の克服はありません。子育て世帯の意見に十分に耳を傾け、今の子育て世帯に続く若者が増えるような子育て支援に全力を挙げます。こども未来戦略を着実に実施するとともに、社会の意識改革を含め、短時間勤務の活用や生活時間、睡眠時間を確保する勤務間インターバル制度の導入促進など、働き方改革を強力に推し進めます。さらに、少子化の原因を分析し、子育て世帯に寄り添った適切な対策を実施します。
少子化をめぐる状況は地域によって異なります。婚姻率が低い県は人口減少率も高いことは厳然たる事実です。若年世代の人口移動を見ると、この十年間で、全国三十三の道県で男性よりも女性の方が多く転出する状況となっております。若者、女性に選ばれる地方、多様性のある地域分散型社会を作っていかなければなりません。それぞれの地域において、地方創生と表裏一体のものとして若者に選ばれる地域社会の構築に向け、全力で取り組んでまいります。
日本経済のデフレ脱却を確かなものとし、日本経済の未来を創り、日本経済を守り抜きます。
その中で、デフレ脱却を最優先に実現するため、経済あっての財政との考え方に立った経済財政運営を行い、賃上げと投資が牽引する成長型経済を実現しつつ、財政状況の改善を進め、力強く発展する、危機に強靱な経済、財政を作っていきます。
イノベーションを促進すること等による高付加価値創出や生産性の向上、意欲ある高齢者が活躍できる社会を実現し、我が国のGDPの五割超を占める個人消費を回復させ、消費と投資を最大化する成長型経済を実現します。
このため、コストカット型経済から高付加価値創出型経済へ移行しながら、持続可能なエネルギー政策を確立し、イノベーションとスタートアップ支援を強化していきます。また、経済安全保障の観点から、半導体等のサプライチェーンの国内回帰を含む強靱化や技術流出対策等を進めます。あわせて、能動的サイバー防御の導入に向けた検討を更に加速させるなど、サイバーセキュリティーの強化に取り組みます。柔軟な社会保障制度の再構築を実現するとともに、データに基づき財政支出を見直し、ワイズスペンディングを徹底してまいります。
私は、国全体の経済成長のみならず、国民一人当たりのGDPの増加と、満足度、幸福度の向上を優先する経済の実現を目標といたします。そのために、官民で総合的な幸福度、満足度の指標を策定、共有し、一人一人が豊かで幸せな社会の構築を目指します。
日本の経済を守り、国民生活を守り抜きます。
生鮮食品、エネルギーなどの物価高に国民の皆様は直面しておられます。物価上昇を上回る賃金上昇を定着させ、国民の皆様に生活が確かに豊かになったとの思いを持っていただかなければなりません。
日本経済がコストカット型の対応を続けてきた失われた三十年とコロナ禍での苦難の三年間を乗り越え、経済状況は改善し、賃金もようやく上がるようになってきました。しかしながら、国民の皆様に安心して消費をしていただける経済になるまでは道半ばです。
こうした中、賃上げと人手不足緩和の好循環に向けて、一人一人の生産性を上げ、付加価値を上げ、所得を上げ、物価上昇を上回る賃金の増加を実現してまいります。適切な価格転嫁と生産性向上支援により最低賃金を着実に引き上げ、二〇二〇年代に全国平均千五百円という高い目標に向かってたゆまぬ努力を続けます。そのために、政府として、自由に働き方を選択しても不公平にならない職場づくりを目指した個人のリスキリングなど人への投資を強化し、事業者のデジタル環境整備も含め、将来の経済のパイを拡大する施策を集中的に強化いたします。
高付加価値のモノとサービスを、グローバル市場において、適正な価格で売ることのできる経済を実現します。輸出企業の競争力を強化し、中小企業を中心とする高付加価値化、労働分配率の向上、官民挙げての思い切った投資を実現します。
物価上昇を上回って賃金が上昇し、設備投資が積極的に行われるといった成長と分配の好循環が確実に回り出すまでの間、足下で物価高に苦しむ方々への支援が必要です。こうした物価高への対応に加えて、成長分野に官民を挙げての思い切った投資を行い、賃上げと投資が牽引する成長型経済の実現を図るため、経済対策を早急に策定し、その実現に取り組みます。
当面の対応として、物価高の影響を特に受ける低所得者世帯への支援や、地域の実情に応じたきめ細かい対応を行うこと、構造的な対応としてのエネルギーコスト上昇に強い社会の実現など、物価高の克服。新たな地方創生施策の展開、中堅・中小企業の賃上げ環境整備、成長力に資する国内投資促進など、日本経済、地方経済の成長。能登地域をはじめとする自然災害からの復旧復興、防災・減災、国土強靱化の推進、外交、安全保障環境の変化への対応、誰も取り残さない社会の実現など、国民の安心、安全の確保を柱といたします。
エネルギーの安定的な供給と安全の確保は喫緊の課題です。
AI時代の電力需要の激増も踏まえつつ、脱炭素化を進めながらエネルギー自給率を抜本的に高めるため、省エネルギーを徹底し、安全を大前提とした原子力発電の利活用、国内資源の探査と実用化と併せ、我が国が高い潜在力を持つ地熱など再生可能エネルギーの最適なエネルギーミックスを実現し、日本経済をエネルギー制約から守り抜きます。
このため、GXの取組を加速させ、アジア諸国の多様な取組を日本の技術力や金融力で支援し、同時に、アジアの成長力を我が国に取り込んでいきます。
日本経済の活性化と成長を加速させるため、科学技術・イノベーション、宇宙などフロンティアの開拓を推進するとともに、スタートアップ支援策を引き続き強化していきます。政府のスタートアップ育成五か年計画を着実に進め、アジア最大のスタートアップハブを実現します。AIの研究開発、実装がしやすい環境を更に充実し、政府のAI政策の司令塔機能を強化します。
経済活動の基盤である金融資本市場の変革にも取り組みます。貯蓄から投資への流れを着実なものとし、国民の資産形成を後押しする資産運用立国の政策を引き継ぐとともに、産業に思い切った投資が行われる投資大国に向けた施策を講じます。
社会保障制度は、様々な境遇にある国民の方々に安心を提供するセーフティーネットです。将来不安を取り除き、皆が安心して充実して暮らせる、こうした日本を実現することによって未来を守り、次の時代に負担を先送りしない。それが今を生きる我々の責任であります。
医療、年金、子育て、介護など、社会保障全般を見直し、国民の皆様に安心していただける社会保障制度を確立します。その際、今の時代にあった社会保障へと転換し、多様な人生の在り方、多様な人生の選択肢を実現できる柔軟な制度設計を行います。人口減少時代を踏まえ、意欲のある高齢者、女性、障害者などの就労を促進し、誰もが年齢に関わらず能力や個性を最大限生かせる社会を目指します。
子供、女性、高齢者をはじめ、全ての方々が安心して暮らせるよう、犯罪対策を推進し、世界一安全な日本を実現します。
度重なる災害から、国民の生命、身体と財産を守り抜きます。
コロナ禍の最中は、ふるさとに戻ることすらできませんでした。やっと里帰りができるようになり、皆が待ちわびていた家族の団らんが、能登半島では、今年の元日、地震により一瞬にして奪われました。亡くなられた方々に哀悼の誠を捧げるとともに、被災されている方々に心よりお見舞いを申し上げます。その後、さらに、能登半島地震の被災地を豪雨が襲い、河川の氾濫や土砂災害が相次ぎ、多くの尊い人命が失われました。度重なる被災の前の活気ある能登を取り戻すため、復旧と創造的復興に向けた取組を一層加速してまいります。
世界有数の災害発生国であるこの日本において、近年の更なる風水害の頻発化、激甚化に早急に対処できる人命最優先の防災立国を構築しなければなりません。防災・減災、国土強靱化の取組を推進します。事前防災の徹底に向けて、まず、現在の内閣府防災担当の機能を、予算、人員の両面において抜本的に強化するとともに、平時から不断に万全の備えを行うため、専任の大臣を置く防災庁の設置に向けた準備を進めてまいります。
日本では、ひとたび災害が起こると、被災者の方々は避難所で厳しい生活を強いられます。平成二十八年に起きた熊本地震では、直接亡くなられた方々の四倍もの方々が、避難生活の中で健康を崩されるなどして、災害関連死として亡くなられています。
被災して大きな悲しみや不安を抱えている方々に手を差し伸べ、温かい食事、安心できる居住環境を提供することが必要です。災害関連死ゼロを実現すべく、避難所の満たすべき基準を定めたスフィア基準も踏まえつつ避難所の在り方を見直し、発災後速やかにトイレ、キッチンカー、ベッド、風呂を配備しうる、平時からの官民連携体制を構築します。
福島の復興なくして東北の復興なし。東北の復興なくして日本の再生はありません。被災者の生活や、産業、生業の再建に全力で取り組んでまいります。一部の国、地域による日本産水産物の輸入停止に対し、岸田政権での取組を活かし、あらゆる機会をとらえて即時撤廃を強く求めるとともに、影響を受ける水産物の国内需要の拡大や新たな輸出先の開拓など、我が国水産業の更なる発展のために、政府として責任を持って支援を行ってまいります。
地方創生の原点に立ち返り、地方を守り抜きます。
十年前に、私は、初代地方創生担当大臣を拝命し、文化庁の京都移転、それまでの補助金とは一線を画する地方創生推進交付金の創設をはじめ、一生懸命に取り組みました。以来、交付金などを活用し、住民の方々が気持ちを一つにして地方創生の取組に頑張っていらっしゃる姿を、全国各地でたくさん見てまいりました。そして、その姿に勇気づけられてまいりました。
竹下総理はかつて、地域が自主性と責任を持って、おのおのの知恵と情熱を生かし、小さな村も大きな町もこぞって、地域づくりをみずから考え、みずから実践していくと述べられました。
産官学金労言、すなわち、産業界、行政機関、大学だけではなく中学校、高等学校も含めた教育機関、金融機関、労働者の皆様、報道機関の皆様。こうした地域の多様なステークホルダーが知恵を出し合い、地域の可能性を最大限に引き出し、都市に住む人も地方に住む人も、すべての人に安心と安全を保障し、希望と幸せを実感する社会。それが地方創生の精神であります。今一度、地方に雇用と所得、そして、都市に安心と安全を生み出します。
地方こそ成長の主役です。地方創生をめぐる、これまでの成果と反省を活かし、地方創生二・〇として再起動させます。
全国各地の取組を一層強力に支援するため、地方創生の交付金を当初予算ベースで倍増することを目指します。少子高齢化や人口減少に対応するため、デジタル田園都市国家構想実現会議を発展させ、新しい地方経済・生活環境創生本部を創設し、今後十年間集中的に取り組む基本構想を策定します。ブロックチェーンなどの新技術やインバウンドの大きな流れなどの効果的な活用も視野に入れ、国民の生活を守りながら、地方創生を実現してまいります。
地方の成長の根幹である農林水産業は、農山漁村の雇用と所得を生み出すとともに、国家の安全保障の一環でもあることから、その持てる力を最大限引き出してまいります。
新たな基本法の下、最初の五年間に計画的かつ集中した施策を講ずることにより、食料安全保障の確保、環境と調和のとれた食料システムの確立、農林水産業の持続的な発展、中山間地域を始めとする農山漁村の振興を図ります。国内の生産基盤の維持の観点も踏まえ、農林水産物の輸出をより一層促進します。持続可能な食品産業への転換を促進し、循環型林業など強い林業づくりや、海洋環境の変化を踏まえた操業形態や養殖業への転換、海業の全国展開など漁業、水産業の活性化に取り組みます。
観光産業の高付加価値化を推進するとともに、文化芸術立国に向けた地域の文化、芸術への支援強化にも取り組みます。地域交通は地方創生の基盤です。全国で、交通空白の解消に向け、移動の足の確保を強力に進めます。
地方創生に終わりはありません。地域づくりは人づくり。人材育成こそ全てです。私が先頭に立って、国、地方、国民が一丸となって地方創生に永続的に取り組む機運を高めてまいります。
二〇二五年大阪・関西万博は、世界と交流を深め、日本の魅力を世界に向けて発信する絶好の機会です。多くの方に御来場いただき、楽しみ、そしてそれぞれの将来に夢と希望を持ってもらう、またとない機会です。成功に向け、関係者と心を合わせて取り組んでまいります。
若者、女性、それぞれの方々の幸せ、そして人権が守られる社会にしていかなければなりません。
人づくりこそ国づくり。この考え方のもと、デジタル技術の活用を前提に、自ら考え、自由に人生を設計することができる能力の育成を目指します。あらゆる人が、最適な教育を受けられる社会を実現します。教職員の処遇見直しを通じた公教育の再生に全力を挙げます。
強靱で持続性のある稼げる日本の再構築のためには、教育やリスキリングなどの人的資源への最大限の投資が不可欠です。人生のあらゆる局面で、何度でも必要な学びが得られる体制を整備します。
意思決定の在り方を劇的に変えていくため、社会のあらゆる組織の意思決定に女性が参画することを官民の目標とし、達成への指針を定め、計画的に取り組みます。男女間の賃金格差の是正は、引き続き喫緊の課題です。多くの女性に社会活動を長く続けてもらえるにはどうすればよいか、国民的議論を主導して制度改革を実現します。
コロナ禍で増加した女性の自殺者数が高止まりし、こども、若者の自殺者数が増加傾向にあることも踏まえ、自殺総合対策を強力に進めます。
憲法改正について、私が総理に在任している間に発議を実現していただくべく、今後、憲法審査会において、与野党の枠を超え、建設的な議論を行い、国民的な議論を積極的に深めていただくことを期待します。
日本にとって、皇位の安定的な継承等は極めて重要なことです。とりわけ、皇族数の確保は喫緊の課題です。国会において、早期に立法府の総意が取りまとめられるよう、積極的な議論が行われることを期待します。
私は、議員になる一年前の昭和六十年、渡辺美智雄代議士の、政治家の仕事は勇気と真心をもって真実を語ることだとの言葉に大きな感銘を受けました。爾来四十年、こうありたいと思い続け、今、この壇上に立っております。
政治を信じていただいている国民の皆様方が決して多くはないことを、私は承知いたしております。しかし、政治は国民を信じているのでしょうか。どうせ分かってはもらえない、そのうち忘れてしまうだろうなどと思ってはいないでしょうか。国民を信じない政治が、国民の皆様に信じてもらえるわけがありません。勇気と真心をもって真実を語り、国民の皆様の納得と共感を得られる政治を実践することにより、政治に対する信頼を取り戻し、日本の未来を創り、日本の未来を守り抜く決意であります。
以上、私の思いを申し述べました。
かつての日本は、今ほど豊かではなかったかもしれません。しかし、もっとお互いを思いやる社会でした。皆に笑顔がありました。いつの間にか、日本は、お互いが足を引っ張ったり、悪口を言い合ったりするような、そういう社会になってしまったのではないでしょうか。私は、もう一度、全ての国民の皆様に笑顔を取り戻したい。
すべての人に安心と安全を。
国民の皆様、並びに、この場に集う全国民を代表される国会議員の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。
2024-10-04
第214回国会(臨時会) 参議院 本会議 第2号 発言No.4全文を見るこの度、第百二代内閣総理大臣に就任いたしました。
すべての人に安心と安全を。
私は、日本国内閣総理大臣として、全身全霊を捧げ、日本と日本の未来を守り抜いてまいります。
この決意を申し上げるに当たり、まずは、政治資金問題などをめぐり、国民の政治不信を招いた事態について、深い反省とともに触れねばなりません。
政治資金問題に際し、岸田総理は、自由民主党内の派閥解消や政治資金規正法改正などに取り組まれた後に、所属議員が起こした事態について、組織の長として責任を取るために退任されました。これらは、全て、政治改革を前に進めるとの思いを持って決断されたものでした。
また、岸田内閣の三年間は、経済、エネルギー政策、こども政策、安全保障政策、そして外交政策など、幅広い分野において、具体的な成果が形になった三年でありました。岸田総理の御尽力に、心より敬意を表します。
その思いや実績を基に、私は、政治資金問題などにより失った国民の皆様方からの信頼を取り戻し、そして、すべての人に安心と安全をもたらす社会を実現してまいります。
千年単位で見ても類を見ない人口減少、生成AI等の登場による急激なデジタルの進化、約三十年ぶりの物価上昇。我が国は大きな時代の変化に直面しています。この変化に対し、政治は十分に責任を果たしてきたでしょうか。
政治資金問題で失われた政治への信頼を取り戻すとともに、これまで以上に、我が国が置かれている状況を国民の皆様方に説明し、納得と共感を頂きながら安全安心で豊かな日本を再構築する。それが政治の責任です。
そのために、私は、ルールを守る、日本を守る、国民を守る、地方を守る、若者・女性の機会を守る、これらの五本の柱で、日本の未来を創り、そして、未来を守ります。
国民の皆様からの信頼を取り戻す。そのために、政治家のための政治ではない、国民のための政治を実現してまいります。
政治資金収支報告書への不記載の問題については、まずは、問題を指摘された議員一人一人と改めて向き合い、反省を求め、ルールを守る倫理観の確立に全力を挙げます。
それぞれの政治家が国民一人一人と誠実に向き合い、改正された政治資金規正法を徹底的に遵守し、限りない透明性を持って国民に向けて公開することを確立せねばなりません。国民の皆様方にもう一度、政治を信頼していただくため、私自身も説明責任を果たし、更に透明性を高める努力を最大限していくことを固くお約束申し上げます。
激変する安全保障環境から日本を守り抜きます。国連安全保障理事会の常任理事国であるロシアによるウクライナ侵略は未だに続いており、戦火は絶えません。今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない。そのような不安を多くの方々が抱いております。何故ウクライナにおいて抑止力が効かなかったのか、私は強い思いを持っております。中東情勢なども相まって、国際社会は分断と対立が進んでいます。
そうした現状を踏まえ、私は、現実的な国益を踏まえた外交により、日米同盟を基軸に、友好国・同志国を増やし、外交力と防衛力の両輪をバランスよく強化し、我が国の平和、地域の安定を実現します。その際、自由で開かれたインド太平洋というビジョンの下、法の支配に基づく国際秩序を堅持し、地域の安全と安定を一層確保するための取組を主導してまいります。
日米同盟は、日本外交・安全保障の基軸であり、インド太平洋地域と国際社会の平和と繁栄の基盤です。まずはこの同盟の抑止力・対処力を一層強化します。加えて、同志国との連携強化に取り組んでまいります。先日は、早速バイデン米国大統領に加え、韓国、豪州、G7各国の首脳と電話会談を行いました。
現下の戦略環境の下、日韓が緊密に連携していくことは、双方の利益にとって極めて重要です。日韓間には難しい問題もありますが、来年に国交正常化六十周年を迎えることも見据え、岸田総理が尹大統領との間で築かれた信頼関係を礎に、日韓両国の協力を更に堅固で幅広いものとしていきます。また、日米韓で一層緊密に連携していきます。
中国に対しては、戦略的互恵関係を包括的に推進し、あらゆるレベルでの意思疎通を重ねてまいります。一方、中国は、東シナ海や南シナ海における力による一方的な現状変更の試みを、日々、強化しております。先月には、幼い日本人の子供が暴漢に襲われ、尊い命を失うという痛ましい事件が起きました。これは断じて看過しがたいことであります。我が国として主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めつつ、諸懸案を含め対話を行い、共通の諸課題については協力する、建設的かつ安定的な関係を日中双方の努力で構築していきます。日中韓の枠組みも前進させます。
拉致被害者やその御家族が高齢となる中で、時間的制約のある拉致問題は、ひとときもゆるがせにできない人道問題、国家主権の侵害であり、政権の最重要課題です。日朝平壌宣言から二十年余り、残された拉致被害者たちの御帰国が実現していないことは痛恨の極みです。
日朝平壌宣言の原点に立ち返り、すべての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現するとともに、北朝鮮との諸問題を解決するため、私自身の強い決意の下で、総力を挙げて取り組んでまいります。
対露制裁、対ウクライナ支援は今後とも強力に推し進めます。日露関係は厳しい状況にありますが、我が国としては、領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持いたします。
ASEANとの連携強化に引き続き取り組みます。グローバルサウスとの関係強化や、軍縮不拡散、気候変動など地球環境、地球規模課題への取組を進めてまいります。また、在外邦人の安全確保に全力を尽くしてまいります。
我が国は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しております。中国及びロシアによる一連の領空侵犯も発生しました。これは、我が国の主権の重大な侵害であります。北朝鮮は、核・ミサイル開発を継続し、近年、かつてない高い頻度で弾道ミサイルの発射を繰り返しておるほか、米国を射程に収める長射程ミサイルの開発も追求しております。これは、国連安保理決議違反であり、我が国のみならず、地域、国際社会の平和と安全を脅かすものです。このような中、国家安全保障戦略等に基づき、我が国自身の防衛力を抜本的に強化すべきことは論を俟ちません。
防衛力の最大の基盤は、自衛官です。いかに装備品を整備しようとも、防衛力を発揮するためには、人的基盤を強化することが不可欠です。日本の独立と平和を守る自衛官の生活・勤務環境や処遇の改善に向け、総理大臣を長とする関係閣僚会議を設置し、その在り方を早急に検討し成案を得るものといたします。
先の大戦中、沖縄では、国内最大の地上戦が行われ、多くの県民が犠牲になられたこと、戦後二十七年間、米国の施政下に置かれたことなどを、私は決して忘れません。基地負担の軽減にも引き続き取り組みます。在日米軍の円滑な駐留のためには、地元を含む国民の御理解と御協力を得ることが不可欠です。普天間飛行場の一日も早い全面返還を目指し、辺野古への移設工事を進めます。また、未だ全国最下位である一人当たりの県民所得や、子どもの貧困の問題などの課題も存在します。沖縄振興の経済効果は十分に域内に波及しているのだろうか、そしてそれが、本当に実感していただけているのだろうか。沖縄の皆様の思いに向き合い、沖縄経済を強化すべく支援を継続いたします。
少子化とその結果生ずる人口減少は、国の根幹にかかわる課題、いわば静かな有事です。
今の子育て世代が幸せでなければ、少子化の克服はありません。子育て世帯の意見に十分に耳を傾け、今の子育て世帯に続く若者が増えるよう、子育て支援に全力を挙げます。こども未来戦略を着実に実施するとともに、社会の意識改革を含め、短時間勤務の活用や生活時間・睡眠時間を確保する勤務間インターバル制度の導入促進など、働き方改革を強力に推し進めます。さらに、少子化の原因を分析し、子育て世代に寄り添った適切な対策を実施します。
少子化をめぐる状況は地域によって異なります。婚姻率が低い県は、人口減少率も高いことは厳然たる事実です。若年世代の人口移動を見ると、この十年間で全国三十三の道県で男性より女性の方が多く転出する状況となっております。若者・女性に選ばれる地方、多様性のある地域分散型社会を作っていかなければなりません。それぞれの地域において、地方創生と表裏一体のものとして若者に選ばれる地域社会の構築に向け、全力で取り組んでまいります。
日本経済のデフレ脱却を確かなものとし、日本経済の未来を創り、日本経済を守り抜きます。その中で、デフレ脱却を最優先に実現するため、経済あっての財政との考え方に立った経済・財政運営を行い、賃上げと投資が牽引する成長型経済を実現しつつ、財政状況の改善を進め、力強く発展する、危機に強靱な経済・財政を作ってまいります。
イノベーションを促進すること等による高付加価値創出や生産性の向上、意欲ある高齢者が活躍できる社会を実現し、我が国GDPの五割超を占める個人消費を回復させ、消費と投資を最大化する成長型経済を実現します。
このため、コストカット型経済から高付加価値創出型経済へ移行しながら、持続可能なエネルギー政策を確立し、イノベーションとスタートアップ支援を強化してまいります。また、経済安全保障の観点から、半導体等のサプライチェーンの国内回帰を含む強靱化や技術流出対策等を進めます。あわせて、能動的サイバー防御の導入に向けた検討を更に加速させるなど、サイバーセキュリティの強化に取り組みます。柔軟な社会保障制度の再構築を実現するとともに、データに基づき財政支出を見直し、ワイズ・スペンディングを徹底してまいります。
私は、国全体の経済成長のみならず、国民一人当たりのGDPの増加と、満足度、幸福度の向上を優先する経済の実現を目標とします。そのために、官民で総合的な幸福度・満足度の指標を策定・共有し、一人一人が豊かで幸せな社会の構築を目指します。
日本の経済を守り、国民生活を守り抜きます。
生鮮食品、エネルギーなどの物価高に国民の皆様は直面しておられます。物価上昇を上回る賃金上昇を定着させ、国民の皆様に生活が確かに豊かになったとの思いを持っていただかなければなりません。
日本経済がコストカット型の対応を続けてきた失われた三十年とコロナ禍での苦難の三年間を乗り越え、経済状況は改善し、賃金もようやく上がるようになってきました。しかしながら、国民の皆様に安心して消費をしていただける経済になるまでは道半ばです。
こうした中、賃上げと人手不足緩和の好循環に向けて、一人一人の生産性を上げ、付加価値を上げ、所得を上げ、物価上昇を上回る賃金の増加を実現してまいります。適切な価格転嫁と生産性向上支援により最低賃金を着実に引き上げ、二〇二〇年代に全国平均千五百円という高い目標に向かってたゆまぬ努力を続けます。そのために、政府として、自由に働き方を選択しても不公平にならない職場づくりを目指した個人のリスキリングなど人への投資を強化し、事業者のデジタル環境整備も含め、将来の経済のパイを拡大する施策を集中的に強化いたします。
高付加価値のモノとサービスを、グローバル市場において、適正な価格で売ることのできる経済を実現します。輸出企業の競争力を強化し、中小企業を中心とする高付加価値化、労働分配率の向上、官民挙げての思い切った投資を実現します。
物価上昇を上回って、賃金が上昇し、設備投資が積極的に行われるといった成長と分配の好循環が確実に回り出すまでの間、足下で物価高に苦しむ方々への支援が必要です。こうした物価高への対応に加えて、成長分野に官民を挙げての思い切った投資を行い、賃上げと投資が牽引する成長型経済の実現を図るため、経済対策を早急に策定し、その実現に取り組みます。当面の対応として、物価高の影響を特に受ける低所得者世帯への支援や、地域の実情に応じたきめ細かい対応を行うこと、構造的な対応としてのエネルギーコスト上昇に強い社会の実現など物価高の克服。新たな地方創生施策の展開、中堅・中小企業の賃上げ環境整備、成長力に資する国内投資促進など日本経済・地方経済の成長。能登地域をはじめとする自然災害からの復旧・復興、防災・減災、国土強靱化の推進、外交・安全保障環境の変化への対応、誰も取り残さない社会の実現など国民の安心・安全の確保を柱とします。
エネルギーの安定的な供給と安全の確保は喫緊の課題です。AI時代の電力需要の激増も踏まえつつ、脱炭素化を進めながらエネルギー自給率を抜本的に高めるため、省エネルギーを徹底し、安全を大前提とした原子力発電の利活用、国内資源の探査と実用化と併せ、我が国が高い潜在力を持つ地熱など再生可能エネルギーの最適なエネルギーミックスを実現し、日本経済をエネルギー制約から守り抜きます。このため、GXの取組を加速させ、アジア諸国の多様な取組を日本の技術力や金融力で支援し、同時に、アジアの成長力を我が国に取り込んでいきます。
日本経済の活性化と成長を加速させるため、科学技術・イノベーション、宇宙などフロンティアの開拓を推進するとともに、スタートアップ支援策を引き続き強化していきます。政府のスタートアップ育成五か年計画を着実に進め、アジア最大のスタートアップハブを実現します。AIの研究開発・実装がしやすい環境を更に充実し、政府のAI政策の司令塔機能を強化します。
経済活動の基盤である金融資本市場の変革にも取り組みます。貯蓄から投資への流れを着実なものとし、国民の資産形成を後押しする資産運用立国の政策を引き継ぐとともに、産業に思い切った投資が行われる投資大国に向けた施策を講じます。
社会保障制度は、様々な境遇にある国民の方々に安心を提供するセーフティネットです。将来不安を取り除き、皆が安心して充実して暮らせる、こうした日本を実現することによって未来を守り、次の時代に負担を先送りしない。それが今を生きる我々の責任であります。
医療・年金・子育て・介護など、社会保障全般を見直し、国民の皆様に安心していただける社会保障制度を確立します。その際、今の時代にあった社会保障へと転換し、多様な人生の在り方、多様な人生の選択肢を実現できる柔軟な制度設計を行います。人口減少時代を踏まえ、意欲のある高齢者、女性、障害者などの就労を促進し、誰もが年齢に関わらず能力や個性を最大限生かせる社会を目指します。
子供、女性、高齢者をはじめ、全ての方々が安心して暮らせるよう犯罪対策を推進し、世界一安全な日本を実現します。
度重なる災害から、国民の生命、身体と財産を守り抜きます。
コロナ禍の最中は、ふるさとに戻ることすらできませんでした。やっと里帰りができるようになり、皆が待ちわびていた家族の団らんが、能登半島では、今年の元日、地震により一瞬にして奪われました。亡くなられた方々に哀悼の誠を捧げるとともに、被災されている方々に心よりお見舞いを申し上げます。その後さらに能登半島地震の被災地を豪雨が襲い、河川の氾濫や土砂災害が相次ぎ、多くの尊い人命が失われました。度重なる被災の前の活気ある能登を取り戻すため、復旧と創造的復興に向けた取組を一層加速してまいります。
全世界有数の災害発生国である、この日本において、近年の更なる風水害の頻発化・激甚化に早急に対処できる人命最優先の防災立国を構築しなければなりません。防災・減災、国土強靱化の取組を推進します。事前防災の徹底に向けて、まず、現在の内閣府防災担当の機能を予算・人員の両面において抜本的に強化するとともに、平時から不断に万全の備えを行うため、専任の大臣を置く防災庁の設置に向けた準備を進めてまいります。
日本では、ひとたび災害が起こると、被災者の方々は避難所で厳しい生活を強いられます。平成二十八年に起きた熊本地震では、直接亡くなられた方々の四倍もの方々が、避難生活の中で健康を崩されるなどして、災害関連死として亡くなられています。被災して大きな悲しみや不安を抱えている方々に手を差し伸べ、温かい食事、安心できる居住環境を提供することが必要です。災害関連死ゼロを実現すべく、避難所の満たすべき基準を定めたスフィア基準も踏まえつつ避難所の在り方を見直し、発災後速やかにトイレ、キッチンカー、ベッド・風呂を配備しうる平時からの官民連携体制を構築します。
福島の復興なくして、東北の復興なし。東北の復興なくして、日本の再生はありません。被災者の生活や、産業・生業の再建に全力で取り組んでまいります。一部の国・地域による日本産水産物の輸入停止に対し、岸田政権での取組を活かし、あらゆる機会をとらえて即時撤廃を強く求めるとともに、影響を受ける水産物の国内需要の拡大や新たな輸出先の開拓など、我が国水産業の更なる発展のために、政府として責任を持って支援を行ってまいります。
地方創生の原点に立ち返り、地方を守り抜きます。十年前に私は初代地方創生担当大臣を拝命し、文化庁の京都移転、それまでの補助金とは一線を画する地方創生推進交付金の創設はじめ、一生懸命取り組んでまいりました。以来、交付金などを活用し、住民の方々が気持ちを一つにして地方創生の取組に頑張っておられる姿を全国各地にたくさん見てまいりました。そして、その姿に勇気づけられてまいりました。
竹下総理はかつて、「地域が自主性と責任を持っておのおのの知恵と情熱を生かし、小さな村も大きな町もこぞって地域づくりをみずから考えみずから実践していく」と述べられました。産官学金労言、すなわち、産業界、行政機関、大学だけではなく中学校・高等学校も含めた教育機関、金融機関、労働者の皆さん、報道機関の皆さん。こうした地域の多様なステークホルダーが知恵を出し合い、地域の可能性を最大限に引き出し、都市に住む人も地方に住む人も、すべての人に安心と安全を保障し、希望と幸せを実感する社会。それが地方創生の精神です。今一度、地方に雇用と所得、そして、都市に安心と安全を生み出します。
地方こそ成長の主役です。地方創生をめぐる、これまでの成果と反省を活かし、地方創生二・〇として再起動させます。
全国各地の取組を一層強力に支援するため、地方創生の交付金を当初予算ベースで倍増することを目指します。
少子高齢化や人口減少に対応するため、デジタル田園都市国家構想実現会議を発展させ、新しい地方経済・生活環境創生本部を創設し、今後十年間集中的に取り組む基本構想を策定します。ブロックチェーンなどの新技術やインバウンドの大きな流れなどの効果的な活用も視野に入れ、国民の生活を守りながら、地方創生を実現してまいります。
地方の成長の根幹である農林水産業は、農山漁村の雇用と所得を生み出すとともに、国家の安全保障の一環でもあることから、その持てる力を最大限引き出してまいります。新たな基本法の下、最初の五年間に計画的かつ集中した施策を講ずることにより、食料安全保障の確保、環境と調和のとれた食料システムの確立、農林水産業の持続的な発展、中山間地域を始めとする農山漁村の振興を図ります。国内の生産基盤の維持の観点も踏まえ、農林水産物の輸出をより一層促進します。持続可能な食品産業への転換を促進し、循環型林業など強い林業づくりや、海洋環境の変化を踏まえた操業形態や養殖業への転換、海業の全国展開など漁業・水産業の活性化に取り組みます。
観光産業の高付加価値化を推進するとともに、文化芸術立国に向けた地域の文化、芸術への支援強化にも取り組みます。地域交通は地方創生の基盤です。全国で交通空白の解消に向け、移動の足の確保を強力に進めます。
地方創生に終わりはありません。地域づくりは人づくり。人材育成こそ全てです。私が先頭に立って、国・地方・国民が一丸となって地方創生に永続的に取り組む機運を高めてまいります。
二〇二五年大阪・関西万博は、世界と交流を深め、日本の魅力を世界に向けて発信する絶好の機会です。多くの方に来場いただき、楽しみ、そしてそれぞれの将来に夢と希望を持ってもらう、またとない機会です。成功に向け関係者と心を合わせ取り組んでまいります。
若者・女性、それぞれの方々の幸せ、そして人権が守られる社会にしていかなければなりません。
人づくりこそ国づくり。この考え方のもと、デジタル技術の活用を前提に、自ら考え、自由に人生を設計することができる能力の育成を目指します。あらゆる人が、最適な教育を受けられる社会を実現します。教職員の処遇見直しを通じた公教育の再生に全力を挙げます。
強靱で持続性のある稼げる日本の再構築のためには、教育やリスキリングなどの人的資源への最大限の投資が不可欠です。人生のあらゆる局面で何度でも必要な学びが得られる体制を整備します。
意思決定の在り方を劇的に変えていくため、社会のあらゆる組織の意思決定に女性が参画することを官民の目標とし、達成への指針を定め、計画的に取り組みます。男女間の賃金格差の是正は、引き続き喫緊の課題です。多くの女性に社会活動を長く続けてもらえるにはどうすればよいか、国民的議論を主導して制度改革を実現します。
コロナ禍で増加した女性の自殺者数が高止まりし、こども・若者の自殺者数が増加傾向にあることを踏まえ、自殺総合対策を強力に進めます。
憲法改正について、私が総理に在任している間に発議を実現していただくべく、今後、憲法審査会において、与野党の枠を超え、建設的な議論を行い、国民的な議論を積極的に深めていただくことを期待します。
日本にとって、皇位の安定的な継承等は極めて重要なことです。とりわけ皇族数の確保は喫緊の課題です。国会において、早期に立法府の総意が取りまとめられるよう、積極的な議論が行われることを期待します。
私は、議員になる一年前の昭和六十年、渡辺美智雄代議士の、政治家の仕事は勇気と真心をもって真実を語る言葉、語ることだとの言葉に大きな感銘を受けました。爾来四十年、こうありたいと思い続け、今、この壇上に立っております。政治を信じていただいている国民の皆様が、決して多くはないことを私は承知をいたしております。しかし、政治は国民を信じているのでしょうか。どうせ分かってはもらえない、そのうち忘れてしまうだろうなどと思ってはいないでしょうか。国民を信じない政治が、国民の皆様方に信じていただけるわけはありません。勇気と真心をもって真実を語り、国民の皆様方の納得と共感を得られる政治を実践することにより、政治に対する信頼を取り戻し、日本の未来を創り、日本の未来を守り抜く決意です。
以上、私の思いを申し述べました。
かつての日本は、今ほど豊かではなかったかもしれません。しかし、もっとお互いを思いやる社会でした。皆に笑顔がありました。いつの間にか、日本はお互いが足を引っ張り合ったり、悪口を言い合ったりするような、そんな社会になってしまったのではないでしょうか。私は、もう一度、全ての国民の皆様へ笑顔を取り戻したい。
すべての人に安心と安全を。
国民の皆様、並びに、この場に集う全国民を代表される国会議員の皆様の御理解と御協力を切にお願い申し上げます。