大臣、ありがとうございました。
豊予海峡ルートにおいては、豊後水道が大変波の荒い海ですので、技術的な面、費用的な面を心配する声もありますけれども、橋においては、本州四国連絡橋、明石海峡大橋などが実現しております。トンネルについても、関門トンネル、青函トンネル、それから東京湾アクアラインなど、技術的にはトンネルや橋の建設は日本の技術は世界一と言ってもいいぐらいだと思っておりますので、是非、豊予海峡ルートの実現に向けた検討をお願いいたします。
下関北九州道路の整備計画も、かつては凍結されておりましたが、二〇一九年に国交省が調査を開始し、現在、その整備に向けた動きが進んでいると承知しております。豊予海峡ルートにつきましても、地元の声を受け止め、まずは国において調査検討を開始していただくことが重要と考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
あわせまして、こちらは答弁を求めませんが、広域交通ネットワークの充実に向けた中九州横断道路の早期の完成、中津日田道路の整備促進、そして本年三月十一日の予算委員会でも取り上げた東九州新幹線の整備計画路線への格上げについても御要望させていただいて、次の質問に移ります。
九州の高速道路は西高東低と言われております。門司から鹿児島を結ぶ九州縦貫自動車道路が平成七年に全線開通しました。一方、東側、小倉、大分、宮崎をつなぐ東九州自動車道は現在まだまだ整備の途中にあります。新幹線についても、西側では令和四年九月に西九州新幹線が開業し、沿線で観光客が増えて活気があふれております。しかしその一方で、東九州新幹線については整備に向けた進展がない状況です。このような状況の中、九州域内の東西格差が拡大することを大変懸念しております。
九州が一体的に発展するためには、こうした東側の縦軸の高速道路や新幹線の整備はもとより、横軸の中九州横断道路や九州中央自動車道の整備を早期に進め、九州各県を結ぶ広域交通ネットワークを形成していくことが大変重要と考えております。
特に九州は、我が国の半導体生産額の四四・六%のシェアを占めるシリコンアイランドでもあります。TSMCの熊本県進出をきっかけとして、周辺地域では半導体関連産業の集積が加速しております。九州が我が国の半導体生産の拠点として経済安全保障の一翼を担い、そしてその地域経済への効果を最大化していく観点から、その企業活動を支える道路ネットワークの整備が肝要であるということは言うまでもありません。
九州は、梅雨どきの風水害に加え、ゲリラ豪雨、近年は線状降水帯の発生により、ここ十年で五回、平成二十四年、二十九年、令和二年、令和五年の水害、そして平成二十八年には熊本地震という災害に見舞われております。被災された皆様方は、住居を失い、行き場を失い、孤立され、救援の手を待ち望まれますが、災害対応の観点からも、水災害の頻発、激甚化、南海トラフ地震の発生が懸念される中で、その災害時に避難や救急救命、復旧活動等を支える命の道として重要な役割を果たしているのが高速道路です。大規模災害時の交通機能の確保という観点からも、ミッシングリンクの解消、そして東九州自動車道を始め四車線化を早期に進めていくことが極めて重要となります。
以上を踏まえまして、九州の一体的な発展、そして切迫する自然災害への備えといった観点から、国においては、以上申し上げた高速道路のミッシングリンクの解消や四車線化等、スピード感を持って十分に対応していただきたいと思いますが、総理の力強い答弁をお願いいたします。