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2024-12-11
第216回国会(臨時会) 衆議院 予算委員会 第4号 発言No.153全文を見る日本維新の会の三木圭恵でございます。
今日は予算委員会で質問する機会を与えていただいて、ありがとうございます。
予算委員会の委員派遣で、十一月十九日に能登半島の方に視察に行ってまいりました。
まず初めに、今年一月一日に起きた能登半島地震、そして九月二十一日から二十三日にかけて起きた能登豪雨災害においてお亡くなりになられた方の御冥福をお祈りするとともに、いまだ被害に苦しんでいる被災者の皆様に心からのお見舞いを申し上げます。
目にする光景というのは、今パネルの方でもお写真を提示させていただいておりますけれども、いまだ倒壊したまま手つかずの家屋であったり、地震と豪雨で岸壁が崩れて、土のうが積み上げられてはいるものの、災害の爪痕が生々しく、被災者の方々の心情を思いますと、一刻も早い復旧や、今後どのように能登半島を支援していくのか、しっかりとしたビジョンを示すことが、希望を持って明るい未来を描けるようなしっかりとしたビジョンを描けるようなことが大切なのかなというふうに感じてまいりました。
その中で、様々な要望をいただきました。農業に携わる方の御生活を心配する声もございまして、農地の中に土砂が流れ込んでいると、その撤去にやはり五年から六年はかかってしまって、農地を回復して生産をして、収入が上がっていくまでにやはり五年から六年ぐらいかかるだろう、そういったときの手当てとして、農地の土砂を撤去をする、それをなりわいにするような支援事業というものを行っていただけないだろうかという要望をいただきましたが、総理、これはいかがでしょうか。
2024-12-11
第216回国会(臨時会) 衆議院 予算委員会 第4号 発言No.155全文を見る総理の前向きな御答弁、本当にありがとうございます。
直営施工方式なんですけれども、これは総務省の方が、農業分野における災害復旧の迅速化に関する行政評価・監視ということで、結果報告の方を令和三年十二月に出しているんですね。
本調査で対象とした三十四市町村のうち、災害復旧事業における直営施工方式の活用実績があったのは三市町村のみということになっておりまして、今私が要望として挙げたことも、こういった直営施工方式というものを県や市が御存じないということが一番大きな原因になっているんじゃないかなと思うんです。でも、やはりこういった方式を利用して農業を復活させる、そういった取組ということも非常に大切だと思いますので。
その中で、総務省が評価をしているんですけれども、市町村の職員が不足して、制度を活用するノウハウもない状況のため、災害時に市町村が単独で直営施工方式を実施することは困難である状況がうかがわれた、実態を把握して、JA等が積極的に関与できるよう、受託作業費などの見直しの検討も必要であると。JAとかがいろいろな作業をする、手続をする中において、やはり補助のお金が少ないので難しくなってくるというようなことも報告されております。
やはりこれは、被災をする前の段階から、全国の市町村に、こういった方式があるんだ、災害になった場合に、農地をこうやって回復させて、農業に携わる方々の生活を支えることができるんだということを広く周知していく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
2024-12-10
第216回国会(臨時会) 衆議院 予算委員会 第3号 発言No.193全文を見る立憲民主党の近藤和也です。
少し空気を変えます。
改めまして、能登半島地震から十一か月がたちました。そして、豪雨から二か月半がたちました。復旧復興に当たっていただきました関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。
一月、二月、三月、そして九月、十月のあの惨状から見れば、よくぞここまで復旧してくれた、こういう見方は当然できます。仮設住宅も随分できてきました。家に戻れる方も増えました。一方で、十二月三十一日のあの風景から見れば、まだ悲惨だと言わざるを得ませんし、例えば海岸沿いのおうちだとか田んぼだとか、港湾はかなり修理は入ってきていただいていますけれども、小さなところはほとんどまだ直されていません。ですから、片方から見れば、よくぞここまでたどり着いた、片方から見れば、まだまだだという双方があるということを是非とも皆様には受け止めていただきたいというふうに思います。
そして、その上で、総理、十月の五日、珠洲市の大谷、そして輪島市の中心街、中心地、行かれましたよね。あの豪雨の二週間後です。なぜ、あの泥だらけのぐじゃぐじゃな状況を見て選挙したんですか。それは、私は今問い詰めたいわけではありません。あのときの能登の多くの方々の思いは、何だ、自分たちは二番目、三番目でいいのかと、置いていかれたような気持ちだったんです。悔しかったんです。怒っていました。私は今でも怒っていますけれども、総理には、この気持ちを、心のスポンジがあるとすれば、あのときの悔し涙や怒りをしっかりと吸収をした上で、これからの能登の復旧復興に当たっていただきたいと思います。
次の質問に入らせていただきます。
まず、石破内閣の災害の復旧復興に対しての基本姿勢から伺います。
これは、四月の九日の時点で出された財政制度分科会での資料です。被災地の多くが人口減少局面にある中、将来の需要減少や、維持管理コストも念頭に置きながら、集約的な町づくりやインフラ整備の在り方も含めて、十分な検討が必要ではないか。これは、要は人口減少地域に投資したって無駄だというふうに受け取れかねない資料なんです。
この右側の囲みを見ていただきたいです。こちらは、土地区画整理事業、東日本大震災の復旧復興の事業でゼロ%だとか四一%だとか、パーセンテージの低かった、成果の低かったものをわざわざ取り上げています。ちなみに、全部で六十五事業あるんです。一〇〇%達成されているものは十事業あるんですよ。九〇%以上のものは更に八事業あるんですよ。わざわざ最も悪い四つだけ取り上げて、無駄な投資はしないようにということを言っているんです。
このことについて、この精神を受け継がれていたら困るということで、総理、見解をお願いをいたします。総理、これは総理の、石破内閣の姿勢ですから。
2024-12-10
第216回国会(臨時会) 衆議院 予算委員会 第3号 発言No.10全文を見るありがとうございました。
時間の関係上、個別のそれぞれの予算項目について一つ一つ緊要性を確認するということは私の質疑ではできませんけれども、恐らくこれからの質疑の中で他の質問者がいろいろお聞きになると思いますので、そこは丁寧に説得力ある説明をいただきたいと思っています。
今朝の理事会でも、やはり野党の皆さんの方からは、修正案の用意もあるといったような御発言もあります。そういったところがまさに修正案の中身となるというようなことを想定ができますから、そこはしっかり、理解できるように是非御説明の方をお願いしたいと思っています。
それから、能登半島の復旧復興について質疑を移りたいと思います。
十一月の十九日に、まさにこの予算委員会の理事メンバーで、能登半島の地震、豪雨の被災地である石川県の視察をしてまいりました。被災現場を視察するとともに、仮設住宅で避難住民の皆様と意見交換をして、そして切実な要望の声を伺ってまいりました。
やはり、今回の能登半島の地震、豪雨、この大きな特徴といたしましては、本当に、お正月という大変なときに地震が起きてしまったということ、そして、それからまだ九か月余りしかたっていない中で、その被災地に集中豪雨、これが起きてしまった、いわば二重の災害であります。更につけ加えれば、やはり奥能登ですから、そういう意味では、大変な人口減少や、あるいは少子高齢化、そして過疎化の状況にある、なかなか道路などのインフラも整っていない。そういう中での復旧復興、厳しい条件がたくさんあるというふうに考えております。
ですから、そういう意味で、今までの自然災害と比較をしても手厚い、そして迅速な復旧復興を是非お願いしたいと思います。
そして我々、石川県の馳浩知事とも意見交換をいたしまして、十一項目にわたる要望が寄せられました。そして私からも、馳知事には、この十一項目の中で、全てといえば全てだとは思いますけれども、これから補正予算の審議に当たって、最優先課題、是非とも補正予算でやってもらいたい課題は何ですかという質問をいたしました。
そのときにお答えがあったのは、宅地や農地の堆積土砂撤去、これを是非盛り込んでもらいたいと。それはある意味当然だと思います。土砂を撤去しなければ、いわば何もできないということであります。逆に言えば、土砂撤去さえまだ十分に実現できていないということですから、これは必ず、早急にやっていただきたいというふうに思っています。
そして、能登半島の復旧復興ですけれども、一部、やはり野党の皆さんやあるいはメディアの方々から言われているのは、なぜ今まで予備費で対応して、補正予算の編成が遅れてしまったのかといったようなことが言われております。
ただ、私が思いますに、七回の予備費ということでやってまいりました。ですから、緊急に、とにかく早くやらなければいけないからこそ予備費で対応したということは、これは一定の理解を示します。ただ他方で、やはり財政民主主義の原則もありますから、早急に補正予算を編成をして、そしてそこでしっかり手当てをしていくべきだったのではないかといった思いは私もあります。
ただ、衆議院の解散・総選挙があったとか、いろいろな事情もあります。その上で、今回この補正予算の編成ということになったわけですから、逆に言えば、このタイミングで必ずしっかりやっていかなければいけないということだと思います。
るる申し上げましたけれども、この補正予算案における能登半島の復旧復興について、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
2024-12-10
第216回国会(臨時会) 衆議院 予算委員会 第3号 発言No.7全文を見る最初に規模ありきということではございません。
補正予算を組むからには、補正予算にふさわしい緊要性というものが必要であって、その一つは何かというと、まさしくデフレ型の経済、コストカット型の経済から、付加価値をつけていく形の経済に変えていくということにおいて、この補正予算の持つ意味は大きいということが一つ。
もう一つは、地方創生二・〇ということでありますが、地方創生というものをもう一度、リスタートというんですかね、もう一回再起動させたいと思っております。それは来年度の当初からでは駄目で、この補正予算からその勢いをつけていくということが必要だというふうに判断をいたしました。これが二番目。
三番目は、やはり能登半島震災というものを念頭に置かねばならない。もちろん、予備費で対応をずっと切れ間なくしてまいりました。しかしながら、本格的な能登の復旧復興のためには、やはり補正予算という形で、予備費では対応できないものをやっていかねばならないと考えております。
一つはデフレの経済からの脱却。もう一つは地方創生の再起動。そして、能登半島の復興復旧を本格的なものにする、予備費では足りない。そういうようなことを積み上げたものでございまして、規模ありきということでは全くございません。
2024-12-10
第216回国会(臨時会) 衆議院 環境委員会 第1号 発言No.6全文を見る環境大臣及び原子力防災を担当する内閣府特命担当大臣の浅尾慶一郎です。
第二百十六回国会における衆議院環境委員会の御審議に先立ち、環境政策及び原子力防災に関する私の考えを申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願いいたします。
まず、令和六年能登半島地震及び令和六年奥能登豪雨によりお亡くなりになられた皆様に心から御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。
環境省では、発生直後から現地に職員を派遣し、し尿や生活ごみの処理、家屋等の公費解体、災害廃棄物の処理、浄化槽の復旧や、ペットに関する支援を行ってまいりました。引き続き、能登半島の豊かな自然資源を生かしたツーリズムと地域づくりの推進を含め、被災地域の早期の復旧と創造的復興に向けて、きめ細かい支援に全力で取り組んでまいります。
東日本大震災、原発事故からの復興再生について申し上げます。
ふるさとに戻りたいという御意向のある住民の方々の帰還に向けて、特定帰還居住区域における除染等を着実に実施してまいります。
また、国としての約束かつ責務である福島県内除去土壌等の県外最終処分の実現に向けて、今年度中に再生利用等の基準策定を目指すとともに、再生利用先の創出に向けて、政府一体となった体制整備に向けた取組を進めます。
さらに、住民の不安解消や風評払拭を図るため、引き続き、放射線管理やALPS処理水に係る海域モニタリング等を実施しつつ、未来志向の取組も推進してまいります。
循環経済、サーキュラーエコノミーへの移行に向けた取組について申し上げます。
本年八月に閣議決定された第五次循環型社会形成推進基本計画では、循環経済への移行は、国家戦略として取り組むべき重要な政策課題と位置づけています。さきの通常国会で成立した再資源化事業等高度化法の円滑な施行を進めるとともに、太陽光パネルのリサイクルに関する制度的検討等を進めてまいります。あわせて、持続可能で強靱な廃棄物処理体制を構築すべく、災害廃棄物対策の体制整備、一般廃棄物処理施設や浄化槽の整備等を進めてまいります。
気候変動対策について申し上げます。
二〇五〇年温室効果ガス排出実質ゼロ、いわゆるネットゼロに向け、次期削減目標を来年二月までに国連に提出することが求められており、その裏づけとなる地球温暖化対策計画の見直しを行います。
削減目標の実現に向け、地方公共団体と連携し、脱炭素先行地域の実現や重点対策の全国実施等を通じて、地域と共生し裨益する再生可能エネルギーの導入を進めつつ、産業振興や防衛力強化等を図ることで、地方創生にも貢献してまいります。さらに、住宅、建築物の脱炭素化、商用車等の電動化等の支援や、人工光合成等の新たな技術の社会実装の促進、脱炭素につながる個人の取組を促す国民運動、デコ活を通じ、脱炭素型の製品等の需要を喚起し、豊かな暮らしとGXの推進に取り組んでまいります。
自然再興、ネイチャーポジティブの達成に向けた取組について申し上げます。
二〇三〇年までに陸、海の三〇%以上を保全する目標、いわゆるサーティー・バイ・サーティー目標の実現を目指し、さきの通常国会で成立した地域生物多様性増進法の円滑な施行を進め、自然共生サイトの認定を促進します。また、国立公園の魅力向上及び利用促進に取り組むとともに、オーバーツーリズム対策を実施し、自然の保護と利用の好循環を実現します。
環境外交について申し上げます。
先月開催されたCOP29に私も出席して合意に向けて力を尽くし、気候変動に対する国際協力を定めるパリ協定第六条の完全運用化等を決定することができました。COPの成果を踏まえ、全ての国に温室効果ガスの着実な削減を呼びかけるとともに、二国間クレジット制度、JCMのプロジェクトを拡大、加速させ、各国で質の高い炭素市場の構築とアジア・ゼロエミッション共同体構想の実現等に貢献してまいります。また、プラスチック汚染に関する条約交渉等、国際的なルール作りに貢献してまいります。
次に、環境省の原点である、人の命と環境を守る基盤的な取組について申し上げます。
水俣病を始めとする公害健康被害対策や、石綿健康被害の救済、子供の健康に影響を与える環境要因を解明するエコチル調査に引き続き真摯に取り組みます。有機フッ素化合物、PFASの対策を推進し、特に飲み水を経由した健康リスクを低減する観点から、国民の安全、安心を確保してまいります。また、熊類による人身被害等を防ぐため、鳥獣保護管理法の改正の検討を進めます。このほか、ニホンジカ、イノシシ等の鳥獣保護管理対策、ヒアリ等の外来種対策、希少種保全、動物愛護管理等にも取り組んでまいります。
原子力防災等について申し上げます。
東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓をしっかりと胸に刻み、今後も安全神話にとらわれることなく、内閣府特命担当大臣として、関係自治体等と一体となり、各地域での防災訓練等を通じて、地域防災計画、避難計画の継続的な充実強化等を図り、原子力災害対応の実効性向上に取り組んでまいります。
また、原子力規制委員会が、独立性の高い三条委員会として、科学的、技術的見地から公正中立な立場で規制を進められるよう、環境大臣として、予算及び体制面でサポートします。
以上、環境大臣及び原子力防災担当の内閣府特命担当大臣として、当面の取組の一端を申し上げました。
近藤委員長を始め理事、委員各位におかれましては、今後とも、環境行政及び原子力防災の一層の推進のため、御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
2024-12-10
第216回国会(臨時会) 参議院 環境委員会 第1号 発言No.7全文を見る環境大臣及び原子力防災を担当する内閣府特命担当大臣の浅尾慶一郎です。
第二百十六回国会における参議院環境委員会の御審議に先立ち、環境政策及び原子力防災に関する私の考えを申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願いいたします。
まず、令和六年能登半島地震及び令和六年奥能登豪雨によりお亡くなりになられた皆様に心から御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。
環境省では、地震の発生直後から現地に職員を派遣し、し尿や生活ごみの処理、家屋等の公費解体、災害廃棄物の処理、浄化槽の復旧や、ペットに関する支援等を行ってまいりました。引き続き、能登半島の豊かな自然資源を生かしたツーリズムと地域づくりの推進を含め、被災地域の早期の復旧と創造的復興に向けて、きめ細かい支援に全力で取り組んでまいります。
東日本大震災、原発事故からの復興再生の推進について申し上げます。
ふるさとに戻りたいという御意向のある住民の方々の帰還に向けて、特定帰還居住区域における除染等を着実に実施してまいります。また、国としての約束かつ責務である福島県内除去土壌等の県外最終処分の実現に向けて、今年度中に再生利用等の基準策定を目指すとともに、再生利用先の創出に向けて、政府一体となった体制整備に向けた取組を進めます。さらに、住民不安解消や風評払拭を図るため、引き続き、放射線健康管理やALPS処理水に係る海域モニタリング等を実施しつつ、未来志向の取組を推進してまいります。
循環経済、サーキュラーエコノミーへの移行に向けた取組について申し上げます。
本年八月に閣議決定された第五次循環型社会形成推進基本計画では、循環経済への移行は国家戦略として取り組むべき重要な政策課題と位置付けています。さきの通常国会で成立した再資源化事業等高度化法の円滑な施行を進めるとともに、太陽光パネルのリサイクルに関する制度的検討等を進めてまいります。あわせて、持続可能で強靱な廃棄物処理体制を構築すべく、災害廃棄物対策の体制整備、一般廃棄物処理施設や浄化槽の整備等を進めてまいります。
気候変動対策について申し上げます。
二〇五〇年温室効果ガス排出実質ゼロ、いわゆるネットゼロに向け、次期削減目標を来年二月までに国連に提出することが求められており、その裏付けとなる地球温暖化対策計画の見直しを行います。
削減目標に向け、地方公共団体と連携し、脱炭素先行地域の実現や重点対策の全国実施等を通じて、地域と共生し裨益する再生可能エネルギーの導入を進めつつ、産業振興や防災力強化等を図ることで、地方創生にも貢献してまいります。さらに、住宅、建築物の脱炭素化、商用車等の電動化等の支援や、人工光合成等の新たな技術の社会実装の促進、脱炭素につながる個人の取組を促す国民運動、デコ活を通じ、脱炭素型の製品等の需要を喚起し、豊かな暮らしづくりとGXの推進に取り組んでまいります。
自然再興、ネイチャーポジティブの達成に向けた取組について申し上げます。
二〇三〇年までに陸、海の三〇%以上を保全する目標、いわゆるサーティー・バイ・サーティー目標の実現を目指し、さきの通常国会で成立した地域生物多様性増進法の円滑な施行を進め、自然共生サイトの認定を促進します。また、国立公園の魅力向上及び利用促進に取り組むとともに、オーバーツーリズム対策を実施し、自然の保護と利用の好循環を実現します。
環境外交について申し上げます。
先月開催されたCOP29に私も出席して合意に向けて力を尽くし、気候変動に対する国際協力を定めるパリ協定第六条の完全運用化等を決定することができました。COPの成果を踏まえ、全ての国に温室効果ガスの着実な削減を呼びかけるとともに、二国間クレジット制度、JCMのプロジェクトを拡大、加速させ、各国で質の高い炭素市場の構築と、アジア・ゼロエミッション共同体構想の実現等に貢献してまいります。また、プラスチック汚染に関する条約交渉等、国際的なルール作りに貢献してまいります。
次に、環境省の原点である人の命と環境を守る基盤的な取組について申し上げます。
水俣病を始めとする公害健康被害対策や石綿健康被害の救済、子供の健康に影響を与える環境要因を解明するエコチル調査に引き続き真摯に取り組みます。有機フッ素化合物、PFASの対策を推進し、特に飲み水を経由した健康リスクを低減する観点から、国民の安全、安心を確保してまいります。また、熊類による人身被害等を防ぐため、鳥獣保護管理法の改正の検討を進めます。このほか、ニホンジカやイノシシ等の鳥獣保護管理対策、ヒアリ等の外来種対策、希少種保全、動物愛護管理等に取り組んでまいります。
原子力防災等について申し上げます。
東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓をしっかりと胸に刻み、今後も安全神話にとらわれることなく、内閣府特命担当大臣として、関係自治体等と一体となり、各地域での防災訓練等を通じて、地域防災計画、避難計画の継続的な充実強化等を図り、原子力災害対応の実効性向上に取り組んでまいります。
また、原子力規制委員会が独立性の高い三条委員会として科学的、技術的見地から公正中立な立場で規制を進められるよう、環境大臣として予算及び体制面でサポートします。
以上、環境大臣及び原子力防災担当の内閣府特命担当大臣として、当面の取組の一端を申し上げました。
青山委員長を始め理事、委員各位におかれましては、今後とも、環境行政及び原子力防災の一層の推進のため、御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
2024-12-10
第216回国会(臨時会) 参議院 経済産業委員会 第1号 発言No.7全文を見る第二百十六回国会における経済産業委員会の御審議に先立ち、経済産業行政を取り巻く諸課題及び取組につきまして、経済産業大臣、原子力経済被害担当大臣、GX実行推進担当大臣、産業競争力担当大臣、原子力損害賠償・廃炉等支援機構担当の内閣府特命担当大臣として申し上げます。
今、我が国を取り巻く情勢は、大きな転換点を迎えています。人口減少、三十年以上続くデフレ経済、地政学リスクの高まりや企業の国際競争力の低下、相次ぐ自然災害など、課題が山積しています。経済産業行政も、こうした国内外の課題にしっかりと目を向け、変化に対応し、我が国の経済活力を取り戻していく必要があります。
産業政策に目を転じれば、他国同様、我が国においても、ここ数年、DX、GXなどの成長分野での国内投資を積極的に支援してきました。
こうした政策の効果もあり、日本経済に明るい兆しが現れている一方、足下の物価高を背景に消費は力強さを欠いています。全国的に賃上げは進んでいますが、地域や業態によって上昇幅にばらつきも存在します。
長きにわたるコストカット型経済から賃上げと投資が牽引する成長型経済への転換を確実なものとするため、物価高に負けない持続的な賃上げを実現し、これを更なる消費と投資へつなげていかねばなりません。
しかし、中小企業・小規模事業者からは、業績の改善が伴わないのに人手を確保するための賃上げを迫られる厳しい状況に置かれているとの声を聞いております。
また、総理から最低賃金を引き上げていくための対応策を策定するよう指示をいただいています。事業者がもうけを生み出し、賃上げの原資を確保できるようにする必要があり、そのためには、円滑かつ迅速な価格転嫁が極めて重要です。
このため、取引適正化に向けた取組を強化します。毎年三月と九月の価格交渉促進月間における取組に加えて、取引実態に関する情報収集体制の強化やパートナーシップ構築宣言の更なる拡大と実効性強化に取り組みます。また、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させるため、公正取引委員会と下請法の改正を検討していきます。
さらに、企業の稼ぐ力を根本的に強化するため、中小企業の生産性向上や省力化投資を支援するとともに、地域経済を牽引する中堅企業や、売上高百億円を目指す中小企業の成長投資も支援してまいります。
我が国の将来の稼ぐ力を生み出す産業の育成も進めてまいります。
官民が連携して行う大型投資による経済効果は、実際に投資を行う大企業にとどまりません。地元の中小企業を始め、その地域に眠る投資意欲を覚醒させ、地方創生の起爆剤となる効果があります。
世界市場の大きな成長が見込まれるAI、半導体分野については、今後二〇三〇年度までに十兆円以上の公的支援を行います。これによって、十年間で五十兆円を超える官民投資を実現し、約百六十兆円の経済波及効果を目指します。
イノベーションの促進も積極的に支援します。量子分野では、世界最高水準の研究開発拠点をつくるための大規模投資を行います。宇宙分野では、衛星、ロケットの打ち上げや、そこから得られるデータの利活用を加速する技術開発支援を行います。バイオ、ヘルスケア分野では、バイオ医薬品の国内製造拠点の整備や、医療機器の研究開発等を促進してまいります。
日本を、成長を加速させるイノベーションを生み出すスタートアップの事業化や海外展開も支援していきます。
成長を後押しする支援策とともに、足下の物価高が続く状況の中で、エネルギー価格の高騰に苦しむ方々への支援に取り組みます。
電気・ガス料金については、電力使用量が多い一月から三月の使用分について支援を行います。燃料油価格の激変緩和事業については、今月から、出口に向けて段階的に対応してまいります。
こうした支援はいつまでも続けるべきではなく、あわせて、エネルギー構造の転換も進めます。脱炭素電源を確保していくことに加え、工場、事業所に対する省エネ設備の導入支援や省エネ診断の強化、家庭における高効率給湯器の購入支援等を通じて、企業や家庭での省エネを進めるとともに、クリーンエネルギー自動車の導入も支援をします。
GXの実現は、エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素を一体的に目指す取組です。エネルギーは国民生活や経済成長の基盤であり、DXやGXの進展によって電力需要の増加が見込まれる中で、脱炭素電源の確保は国力を左右します。そのため、再エネや原子力などの脱炭素電源投資の拡大に取り組んでいきます。
再エネの導入、活用に向け、ペロブスカイト太陽電池や洋上風力のサプライチェーンの構築、地熱、水素等の取組を進めます。原子力については、安全性の確保を大前提に、地元の理解を得ながら、再稼働を進めるとともに、次世代革新炉の開発、建設の具体化、バックエンド事業の加速化などに取り組んでまいります。
現在、GX二〇四〇ビジョンの策定と次期エネルギー基本計画の改定について一体的な検討を進めております。年内に案をまとめ、今後の我が国のGX政策、エネルギー政策の方針をしっかりと示してまいります。
加えて、GXの推進に当たっては、アジアの同志国との連携も深めてまいります。私も参加しました第二回AZEC首脳会合において、日本のリーダーシップの下、今後十年のためのアクションプランが合意をされました。本合意に基づき、各国の事情に沿った多様な道筋の下で、手を携えながら、ルール形成を含む政策協調とプロジェクトの実施を進めてまいります。
我が国を取り巻く国際環境は刻一刻と変化しています。WTOや経済連携協定を通じたルールベースの国際経済秩序を維持強化していく方針の下、米国のトランプ新政権を始め、重要な同志国や隣国等とも密に対話を重ねていきます。
経済安全保障確保の重要性も高まっています。技術革新への投資、需要側の取組も含めたサプライチェーンの強靱化といった政策により、我が国の製品や技術の更なる優位性確保や、我が国が必要とする重要物資の確保に万全を期することが重要です。ガリウムなどのレアメタルの確保、銅の上流権益確保など、先手を打った支援を行います。
また、AZECを含め、成長著しいグローバルサウス諸国での日本企業と現地企業等が連携を促進するプロジェクトを創出し、日本経済に裨益するルール作りにつなげていきます。
ロシアによるウクライナ侵略が続く中、現地企業や中東欧諸国などの第三国と連携し、日本企業の強みを生かした復興支援に引き続き取り組んでまいります。
国民の安心、安全を守る災害対応も重要です。能登半島地震の発災から間もなく一年がたとうとしている中、九月に発生した豪雨によって復旧復興の途上にある地域が再び大きな被害を受けました。
このことによって復興に歩み始めていた方々の思いが絶たれることがあってはなりません。今般の補正予算案に盛り込んだ支援施策等も通じて、復旧復興に全力を尽くしてまいります。
私が副大臣時代においても取り組んでいました福島復興と東京電力福島第一原子力発電所の安全かつ着実な廃炉は、引き続き経済産業省の最重要課題です。ALPS処理水の処分が完了するまで政府として全責任を持って取り組む方針の下、一部の国、地域による日本産水産物に対する輸入規制の撤廃に向けた働きかけを行うとともに、安全性の確保、風評対策、なりわい継続支援に全力で取り組みます。
また、先日成功した燃料デブリの試験的取り出しは、より本格的な廃炉作業を迎える中で重要な一歩です。今後も安全確保に万全を期しながら作業を進めていくことが重要です。着実な廃炉の進展に向け、燃料デブリの取り出しなどに関する研究開発支援を行います。
あわせて、帰還困難区域の避難指示解除に向けた取組や、事業、なりわいの再建、福島イノベーション・コースト構想、新産業創出、交流人口、関係人口の拡大、芸術文化を通じた新たな魅力づくり等を通じ、被災地の復興を着実に推進します。
最後に、大阪・関西万博について申し上げます。
開幕まで残り僅か四か月となりました。会場に集められた日本の最先端の技術が新たな産業を生み出し、さらに、地方創生につながる機会となるよう取り組んでいきます。
私も会場となる夢洲を視察し、開幕に向けて着々と準備が進んでいることを確認しました。万博を成功に導くため、国内外を巻き込んだ機運醸成や着実な会場整備、安全確保対策等、引き続き万全の準備を進めてまいります。
以上申し述べましたとおり、経済産業行政は多くの課題に直面しております。先般の選挙で示された国民の皆様の声を踏まえ、各党の御意見に丁寧に耳を傾けながら、経済産業大臣として全身全霊で職務に取り組んでまいります。
牧山委員長を始め理事、委員各位の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
2024-12-10
第216回国会(臨時会) 参議院 国土交通委員会 第1号 発言No.7全文を見る第二百十六回国会における御審議に当たり、国土交通行政の諸課題について、私の考えを申し述べます。
本年は、元日の能登半島地震、その被災地を襲った九月の豪雨災害を始め、各地で大規模な災害が相次ぎました。改めて、こうした災害により亡くなられた方々の御冥福を心からお祈りするとともに、被災された全ての方々にお見舞いを申し上げます。
被災地の復旧復興、被災者の方々の生活やなりわいの再建が一日でも早く進み、ふるさとでの安心した暮らしを取り戻せるよう、引き続き国土交通省を挙げて全力で取り組んでまいります。
激甚化、頻発化する豪雨や台風、切迫する南海トラフ地震などの自然災害から国民の生命、財産を守ることは、国土交通省の極めて重要な使命です。私も、能登や東北の現場を視察する中で、改めて被害の甚大さを確認し、災害への備えや早期の復旧復興の必要性を痛感いたしました。
こうした教訓を踏まえ、被災自治体を支援し、応急対応を迅速に進めるためのテックフォース等の機能強化、被害を防止、軽減するためのインフラの整備や適切な維持管理など、今後も、国土交通省の現場力、総合力を生かし、防災・減災、国土強靱化を強力に推進してまいります。
また、本年一月二日には、羽田空港において航空機の衝突事故が発生し、被災地への支援に向かう海上保安庁職員五名が亡くなりました。改めて心より御冥福をお祈り申し上げます。
航空分野に限らず、輸送の安全確保は、国土交通省、そして交通事業者にとっても極めて重要な使命です。事業者や施設管理者などにおける安全管理体制をしっかり確保すること等により、万全を期してまいります。
このような安全、安心の確保は、日常生活を送る上で必要不可欠なものですが、同時に、豊かさを実感して、将来に希望が持てることも重要です。地域を支える基幹産業を活性化し、我が国の成長力を高めるべく、戦略的な社会資本整備や地域間のネットワーク強化、持続可能な物流、建設業の実現を始めとする、各分野における担い手の確保、生産性の向上に取り組んでまいります。
あわせて、各地域がその特徴を生かしつつ、持続可能な社会をつくり上げていくため、地方創生二・〇の旗の下、二地域居住の促進、観光地の高付加価値化、移動の足の確保などを進めることで、地方への人の流れを拡大するとともに、地方でのにぎわいづくりや雇用の拡大を促してまいります。
こうした日常生活を支える経済活動や、多様な暮らし、働き方を実現する地方創生の基盤となるインフラ整備を着実に進めてまいります。
国土交通行政は、国民の命と暮らしを守り、我が国の経済や地域の生活、なりわいに直結しています。私自身、国土交通大臣として、現場の声によく耳を傾け、国民の皆様のニーズにしっかり応えられるよう、全力で任務に取り組んでまいる所存です。
続いて、国土交通行政において重点的に取り組む三本の柱について申し上げます。
一つ目は、国民の安全、安心の確保です。
激甚化、頻発化する自然災害、深刻な状況にあるインフラの老朽化、災害時の人流、物流機能の確保など、山積する課題への対応は待ったなしです。東日本大震災や能登半島地震等の被災地の復旧復興を着実に進めるとともに、近年の資材価格の高騰の影響等も考慮しながら、必要かつ十分な予算を確保し、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策に基づく対策を重点的かつ集中的に講じてまいります。
インフラの老朽化については、広域、複数、多分野のインフラを群として捉え、施設管理者が連携して対応する地域インフラ群再生戦略マネジメントを進めるなど、予防保全への本格転換を図ってまいります。
また、五か年加速化対策後も、中長期的かつ明確な見通しの下、継続的、安定的に切れ目なくこれまで以上に必要な事業が着実に進められるよう、能登半島地震の経験も踏まえつつ、国土強靱化実施中期計画の検討を最大限加速し、早急に策定できるよう、関係省庁と連携し取り組んでまいります。
災害対応や避難行動の支援強化に向け、次期気象衛星やレーダー等の観測機器の整備、学官連携による技術開発などにより、線状降水帯の予測精度向上を着実に進めるとともに、洪水、高潮の予測の高度化や、分かりやすい防災気象情報の再構築を図ってまいります。
また、地域の防災力向上に向け、地震や火山噴火に係る観測・監視体制の強化、気象台における地域防災支援体制の充実にも取り組んでまいります。
気候変動により水災害が激甚化、頻発化する中でも国民の安全、安心を確保するため、河川整備に係る計画等の見直しを早急に進めるとともに、流域治水の取組を加速化、深化してまいります。また、流域のあらゆる関係者が協働し、流域治水、水利用、流域環境に一体的に取り組む流域総合水管理を推進してまいります。
本年四月から上下水道一体となった体制の下、強靱で持続可能な上下水道システムを構築していくため、耐震化状況の緊急点検結果を踏まえた上下水道施設の耐震化を計画的、集中的に進め、上下水道の災害対応力を強化するとともに、広域連携、官民連携による事業運営基盤の強化、DX等の技術開発を進めてまいります。
輸送の安全確保にも着実に取り組んでいく必要があります。
羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会の中間取りまとめや、運輸安全委員会による今後の事故調査報告を踏まえた航空分野の安全・安心対策にしっかり取り組むとともに、旅客船の安全・安心対策についても、知床遊覧船事故を受けて昨年改正した海上運送法等に基づく対策を着実に実行し、万全を期してまいります。
昨年来相次いで判明した自動車の型式指定申請における不正事案について、実効性のある再発防止策を講じ、自動車の安全、安心の確保を図るほか、改正物流法等に基づき、自動車運送事業の更なる安全性向上に向けた取組を進めてまいります。
また、本年九月に判明した鉄道車両の輪軸組立てにおける不適切事案について、事業改善命令等の発出、外部有識者も交えた安全性の検証などを通じ、鉄道輸送の安全確保に取り組んでまいります。
こうした対応に加え、運輸分野におけるモード横断的な安全対策にも取り組んでまいります。
交通安全については、通学路などにおいて、速度抑制対策と速度規制を組み合わせたゾーン30プラスの導入など面的な対策を推進し、こどもまんなか社会の実現を図るとともに、自賠法に基づき、自動車事故被害者支援や事故防止をより一層充実し、被害者などが安心して生活できる社会、事故のない社会の実現に取り組んでまいります。
誰もが安心して参加し、活躍することが可能な、若者、女性を含む共生社会の実現を図ることが必要です。
公共交通機関、建築物などのバリアフリー化や心のバリアフリーなどのハード、ソフト両面からの着実な取組や、障害を理由とする差別の解消に向けた国土交通分野における取組を推進するとともに、公共交通機関などにおいて、子供、子育てに優しい社会づくりに向けた意識改革に取り組んでまいります。
海上保安能力強化に関する方針に基づき、巡視船等の増強、国内外関係機関との連携を図るとともに、人材の確保、育成、処遇、職場環境の改善など、海上保安能力の一層の強化を進めてまいります。
また、国民保護、総合的な防衛体制の強化等に資する公共インフラの整備にも取り組んでまいります。
経済安全保障の確保のため、船舶の重要機器の供給確保や高度な船舶設計・建造技術の研究開発を進め、国民生活や経済に不可欠な海上輸送の確保を図ってまいります。
また、紅海などにおける船舶への攻撃事案も踏まえ、関係国等と緊密に連携し、船舶の自由かつ安全な航行と安定的な国際物流の確保に取り組んでまいります。
二つ目は、持続的な経済成長の実現です。
地域を支える基幹産業を活性化し、成長力を高めていくことが求められています。
建設業の担い手の確保に向け、現場技能者に適正な賃金を行き渡らせるための制度の具体化や建設キャリアアップシステムの利用拡大により処遇改善を進めるとともに、工期の適正化等による働き方改革やICTを活用した生産性向上を推進してまいります。
トラック運送業の取引環境の適正化や物流の生産性向上を図るため、改正物流法を円滑に施行するとともに、トラック・物流Gメンの機能強化、多重下請構造の適正化、物流拠点の整備、陸海空の新たなモーダルシフトの促進、自動物流道路構想の早期実現等も含め、二〇三〇年度に向けた政府の中長期計画に基づく物流の効率化、商慣行の見直し、荷主、消費者の行動変容を推進してまいります。
また、バス、タクシーやトラック、鉄道の担い手確保や経営力強化に向け、早期の賃上げや人材確保、養成の取組、経営効率化に向けた投資への支援等を推進するとともに、これらの分野における特定技能外国人の受入れに向けた準備を進めてまいります。
旅客運送事業者及び貨物運送事業者におけるドライバー不足の解消に向け、業種の垣根を越えたドライバーの兼業を進めるため、ドライバーシェア推進協議会において実証実験の取組を進めてまいります。
海事分野では、造船、海運の事業基盤や競争力の強化を図るとともに、船員の働き方改革や教育内容の充実、海事人材の確保、内航海運や船舶産業の生産性向上、自動運航船の実現等を進めてまいります。
航空分野では、持続可能かつ利便性の高い航空ネットワークの維持、確保を図るため、グランドハンドリングや保安検査などの空港業務について、人材確保や処遇改善等を進めるとともに、航空脱炭素化の取組を推進してまいります。
我が国の持続的な経済成長のため、国内投資の拡大、生産性向上、災害対応力の強化等に資する社会資本整備が不可欠です。ストック効果の高い社会資本整備を戦略的、計画的に推進してまいります。
その際、近年の資材価格の高騰の影響等を考慮しながら、必要な事業量を確保するとともに、スモールコンセッションやウォーターPPPなどによる民間活力の活用を推進してまいります。
新しい技術も積極的に活用しつつ、高規格道路、整備新幹線、リニア中央新幹線、港湾、空港などの整備により、国土形成計画に掲げるシームレスな拠点連結型国土の構築を進めてまいります。
また、半導体等の戦略分野に関する国家プロジェクトの推進や地域の産業立地促進に必要なインフラの整備について、企業のニーズも踏まえつつ、迅速かつ集中的に推進してまいります。
世界の旺盛なインフラ需要を取り込むため、政府全体のインフラシステム海外展開戦略二〇二五に基づき、質の高いインフラシステムの海外展開も重点的、戦略的に推進してまいります。
二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向け、暮らしや町づくり、運輸、インフラなどにおけるGXの推進に総力を挙げて取り組むことが必要です。
住宅、建築物の省エネ化、グリーンインフラの活用、事業用自動車の電動化を含めた次世代自動車の普及、多様なインフラを活用した再生可能エネルギーの導入促進、カーボンニュートラルポートの形成、道路インフラの省エネ化、ハイブリッドダムの推進、上下水道の施設配置の最適化、下水汚泥資源の肥料利用の拡大などを進めてまいります。
また、改正都市緑地法に基づき、都市の緑地を質、量両面で確保し、都市の脱炭素化等を推進してまいります。
国際海運について、ゼロエミッション船の開発や新燃料に対応したエンジン等の生産設備の整備増強を進めるとともに、温室効果ガスの排出削減に向けた国際ルール作りをリードしてまいります。
サーキュラーエコノミーへの移行を促進するため、港湾を核とした広域的な物流システムによる資源循環ネットワークの形成を図るとともに、洋上風力発電について、案件形成の加速化や基地港湾の計画的整備等を通じ、引き続き導入を促進してまいります。あわせて、藻場、干潟や多様な海洋生物の定着を促す港湾構造物など、ブルーインフラの保全、再生、創出、建設リサイクルの高度化にも取り組んでまいります。
世界水準のデジタル社会の形成に向け、国土交通分野におけるDXを推進していくことが必要です。
地理空間情報の充実や高度活用、インフラ分野ではi―Construction、建築・都市分野では建築BIM、都市の三次元モデルであるPLATEAU、不動産ID、スマートシティー、交通・物流分野ではMaaS、キャッシュレス化、ドローン、自動倉庫システム等、各分野におけるDXを推進してまいります。
特に、自動運転については、社会実装を加速するため、制度整備とサービスの事業化を強力に推進してまいります。
また、ドローンについて、多数機同時運航を安全に行うための要件などを含めた制度の見直し、事業環境整備を継続的に行い、事業活用を推進してまいります。
国土交通分野における行政手続のデジタル化や、国土交通データプラットフォームやProject LINKS等による行政情報のデータ化、活用も進め、併せてサイバーセキュリティーも確保してまいります。
大阪・関西万博の開催が来年に近づいてまいりました。万博の成功と、万博を契機とした地方への誘客促進などに取り組んでまいります。
また、二〇二七年国際園芸博覧会が、気候変動等の地球規模の課題解決にも貢献するグリーンな国際博覧会となるよう、万全の準備を進めてまいります。
三つ目は、地方創生二・〇の推進です。
観光は地域活性化の切り札です。本年十月までの訪日外国人旅行者数と九月までの消費額は、共に過去最高となっております。
引き続き、地方部での滞在を促進するためのコンテンツ造成や持続可能な観光地域づくり等を推進し、二〇三〇年訪日外国人旅行者数六千万人及び旅行消費額十五兆円を目指してまいります。
また、オーバーツーリズムの未然防止、抑制に向けた取組の支援、観光地、観光産業における人材不足対策等にも取り組んでまいります。
地域交通は地方創生の基盤であり、交通空白は待ったなしの課題です。私を本部長とする国土交通省「交通空白」解消本部の下、全国各地で、公共ライドシェアや日本版ライドシェアなどによる地域の足、観光の足の確保を強力に進めるとともに、多様な関係者との連携、協働、ローカル鉄道の再構築、MaaSや自動運転の社会実装などの交通DX、省力化投資や担い手確保などを通じ、地域交通のリデザインを全面展開してまいります。
さらに、交通空白の解消に向け、自治体や交通事業者等と様々な資源、技術、サービスを持つ企業群から成る官民連携プラットフォームを設置したところであり、幅広く実効性と持続可能性のある取組を全国で推進してまいります。
誰もが安心して暮らせる豊かな住生活を実現していくことが必要です。良質な住宅確保への支援や空き家対策の着実な実施、改正住宅セーフティーネット法の円滑な施行に努めるとともに、マンションの管理や再生の円滑化に取り組んでまいります。
地域の生活機能の誘導や防災指針を軸とした防災・減災対策などを推進し、稼ぐ力のあるコンパクト・プラス・ネットワークの町づくりを進めてまいります。あわせて、地域資源を活用した地方都市の再生等にも取り組んでまいります。
国土形成計画の下、新時代に地域力をつなぐ国土を目指します。
その実現に向け、シームレスな拠点連結型国土の構築を図り、二地域居住等の促進により地方への人の流れを創出、拡大し、地域生活圏の形成を通じた地域課題の解決と地域の魅力の向上などを推進してまいります。
また、北海道について、第九期北海道総合開発計画に基づく、食や観光の一層の強化、ゼロカーボン北海道の実現、デジタル産業の集積促進などの取組や、誘客促進戦略に基づく、ウポポイへの来訪を通じたアイヌ文化の復興、創造等を促進してまいります。
半島、離島、豪雪地帯などの条件不利地域について、その振興を図るとともに、特に半島について、能登半島地震等の教訓を踏まえ、安心して暮らし続けられる災害に強い半島地域を実現してまいります。
土地のサステーナブルな利用、管理の実現を図るため、本年六月に改定した土地基本方針に基づき、施策を着実に推進するとともに、空き家対策と連携した所有者不明土地対策等に取り組み、あわせて、早期の災害復旧や社会資本整備の迅速化等に役立つ地籍調査を進めてまいります。
以上、三本の柱に掲げた各施策について、しっかりと取り組んでまいります。
次に、特定複合観光施設区域、IRの整備に関する事務を担当する国務大臣として、私の考えを申し上げます。
IRの整備推進は、滞在型観光の促進に資するなど、観光立国の実現に向けた重要な施策です。
昨年四月に認定を行った大阪の区域整備計画について、実施状況評価を行うとともに、依存症対策などの弊害防止対策に万全を期すなど、IR整備法に基づく対応を進めてまいります。
以上、私の考えを申し述べました。
委員長、委員各位の格別の御指導をよろしくお願い申し上げます。
2024-12-10
第216回国会(臨時会) 参議院 総務委員会 第1号 発言No.6全文を見る総務大臣を拝命いたしました村上誠一郎であります。
まず、本年に入り、能登半島での地震や大雨を始め、災害が多発し、全国各地で甚大な被害が発生しました。犠牲となられた方々に哀悼の意を表し、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
総務委員会の御審議に先立ち、所信を申し述べます。
我が国の人口が減少に転ずる中、経済、財政など様々な分野で難問が山積する待ったなしの状況であります。
私は、国民生活に密着した分野を預かる総務大臣として、国民や地方を守り、未来をつくるといった内閣の基本方針の下、全力で取り組む所存です。
このような決意の下、当面、特に力を入れて取り組みたい政策の方向性について、一端を申し述べます。
まず、能登半島地震の教訓を踏まえて、国民、住民の安全、安心の確保に向けて取り組みます。
災害時にも情報を確実に届けられる環境を整備するため、携帯電話基地局やケーブルテレビ網などの通信・放送インフラの強靱化、被災地における通信確保と被災状況の把握に官民連携で対応する体制の計画的な整備などを図ります。
5Gの都市、地方での一体的整備や、地方における光ファイバーの整備、データセンターの地方分散や、海底ケーブルの整備、非地上系のネットワークの展開、自動運転の早期導入に向けた通信環境の整備など、先進的なデジタル基盤の整備を進めます。
NTT法を含む通信政策の在り方について、ユニバーサルサービス、公正競争、経済安全保障、国際競争力の四つの観点から、国民の利用者の目線で検討を進めます。
また、社会経済活動における電波利用の飛躍的な拡大を目指し、新たな周波数割当て方式の導入に向けた検討などに取り組みます。
災害情報を共有するLアラートの信頼性の向上、他の防災システムとの連携強化に向け取り組みます。
我が国では、災害が激甚化、頻発化する中、最前線で国民の生命、財産を守る消防の果たす役割はますます増大しています。
消防防災力の充実強化を図るため、緊急消防援助隊や常備消防の体制強化、消防団を中核とした地域防災力の向上や、DX、新技術の研究開発の推進に全力を挙げます。
マイナンバーカードを活用した救急業務の円滑化については、今後、全国の消防本部を対象とした実証事業を実施します。
あわせて、Jアラートの的確な運用や弾道ミサイルを想定した住民避難訓練などにより、国民保護体制の整備に万全を期すとともに、国民への周知促進を図ります。
能登半島地震に係る地方団体間の職員派遣については、これまで短期の職員派遣で延べ十一万五千九百五十九人の職員に応援に入っていただき、中長期の職員派遣で三百十九人の職員が順次派遣されています。
今後も、被災団体の人的ニーズをよくお伺いしながら、必要な支援を行います。
また、被災地の復旧復興に向け、被災団体の財政運営に支障が生じないよう、地方財政措置を講じ、適切に対応します。
さらに、平時から地方団体等の連携を強化し、特別行政相談活動を引き続き取り組みます。
第二に、地域経済の好循環と持続可能な地域社会を実現するための地方行財政基盤の確立と地域経済、社会の活性化を進めます。
人口減少下において地域の担い手不足が深刻化する中で、今後とも地方行財政の在り方を持続可能にするため、現場の具体的な課題を踏まえた対応について検討します。
地方への人の流れの創出、拡大は重要な政策テーマです。
地域おこし協力隊について、隊員数を令和八年度までに一万人へ拡充することを目標に、戦略的な情報発信や隊員等へのサポート体制を強化するとともに、地域活性化起業人について、更なる活躍を推進します。
また、ローカル一万プロジェクトについて、支援件数の拡大や地域ネットワークづくりに取り組み、地域の経済好循環を創出、拡大します。
さらに、特定地域づくり事業協同組合や地域運営組織への支援等を推進するとともに、過疎地域の持続的発展に向けた取組を支援します。
デジタルの力を最大限に活用し、地方団体や地域社会におけるDXを推進するとともに、それを支える人材の確保、育成に取り組みます。
DX推進の基盤となるマイナンバーカードについては、これまでの地方団体の御尽力により、十一月末時点で保有枚数は九千五百三十四万枚を超えました。今後も、マイナンバーカードの取得を希望する国民が円滑に取得できる環境の整備を進めます。
DXによる持続可能な地域社会の実現に向け、AI等のデジタル技術を活用した地域課題解決のための取組を支援し、地方創生の好事例創出や横展開に取り組みます。
令和七年度までの自治体情報システムの標準準拠システムへの移行に必要な経費を確保し、各地方団体における円滑、安全な移行に向けて取り組みます。
これらの取組を支える地方公務員については、優良事例の横展開及び地方財政措置により、人材育成、確保の取組を推進します。また、国家公務員における給与制度の整備を踏まえ、地方公務員給与についても、現下の人事管理上の重点課題に対応するため、適切に見直しを行うよう要請いたします。さらに、部分休業の拡充を内容とする地方公務員育児休業法の改正案を今国会に提出しています。
また、令和六年度補正予算案に関連し、経済対策に必要となる財源を措置することなどを内容とする地方交付税法及び特別会計に関する法律の改正案も今国会に提出しています。
令和七年度の地方財政については、社会保障関係費、人件費の増加や物価高などが見込まれる中、地方団体が様々な行政課題に対応しつつ行政サービスを安定的に提供できるよう、骨太の方針二〇二四を踏まえ、交付団体を始め地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源総額について、令和六年度の地方財政計画の水準を下回らないように、実質的に同水準を確保します。
地方税制については、地方分権推進の基盤となる地方税の充実確保とともに、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築に向け取り組みます。また、納税者の利便性の向上と地方団体課税事務の効率化等を図るため、地方税務手続のデジタル化を進めます。
行政相談において、国、地方共通の相談チャットボットの機能改善を利用者目線で進めるとともに、地方団体、郵便局などと連携し、地域課題の解決を図ります。
第三に、信頼できる情報通信環境の整備を進めます。
インターネット上では、偽・誤情報や誹謗中傷等の権利侵害の情報の流通、拡散が深刻化しています。本年成立した情報流通プラットフォーム対処法の早期施行に向けて取組を進めます。
さらに、利用者のリテラシーの向上や偽・誤情報対策技術の研究開発、国際連携協力なども含めた総合的な対応を進めます。
また、国民の知る権利を満たすなどの社会的役割が期待される放送を持続可能とする観点から、放送の将来像と制度の在り方について更なる検討を進めます。
IoT機器のセキュリティー対策の強化、人材育成や情報分析など、サイバーセキュリティーの対策の強化を進めます。
第四に、国際競争力の強化と国際連携の深化を進めます。
AIにおいては、我が国が国際的ルール作りを主導し、世界初の包括的政策枠組みに合意した広島AIプロセスの成果を踏まえ、賛同国の増加や企業等による国際行動規範への支持拡大を図ります。
研究開発やその成果の社会実装に当たっては、情報通信研究機構を産学官連携の中核とすべく、体制等の強化を進めます。
さらに、情報通信研究機構の保有するAI学習用の良質な日本語データを整備拡充し、国内の事業者等に提供することで、AI開発力の強化を図ります。
安心して生成AIの開発、提供、利用を進められるよう本年策定したガイドラインを、国内外に向け広く普及啓発を図ります。
AI社会を支えるオール光ネットワーク等の次世代情報通信基盤や、宇宙通信、量子暗号通信を始めとした先端技術の社会実装や海外展開を見据えた研究開発、国際標準化を推進します。
我が国から幹部職員を輩出している国際電気通信連合、アジア・太平洋電気通信共同体等の国際機関と緊密に連携します。
我が国の放送番組について、海外に展開するための制作支援や人材育成、適正な対価還元に向けた取引の適正化の促進など、番組の制作、流通環境の整備を強力にします。
安全で強靱なデジタルインフラの構築に関する国際連携を深め、5Gや光ネットワークを始めとするデジタルインフラの海外展開を進めます。
国際郵便に関するルールを定める万国郵便連合において、我が国の目時政彦氏を二期目の国際事務局長の選挙に擁立しています。
引き続き、我が国の主導的な立場を維持強化すべく、目時氏を支援します。
第五に、国の土台となる社会基盤の確保を進めます。
郵政事業については、郵便局のユニバーサルサービスを確保するとともに、地域の重要な生活インフラとしての役割を拡大し、地方を守り、持続可能な地域づくりを推進します。
また、郵便事業の安定的な提供を将来にわたって確保する観点から、郵便料金に係る制度の在り方について検討を進めます。
選挙については、主権者教育の推進や投票環境の整備に今後も努めます。
また、政策評価、行政運営改善調査、行政相談の各機能を連携させ、各府省の政策立案、改善の取組を後押しします。
さらに、行政手続法や行政不服審査法等、基本的な法制度の適正な運用を確保するとともに、独立行政法人のDXの推進、業務改革人材の育成等を通じた行政運営の不断の改善を進めます。
公的統計については、基本計画に基づき、総合的な品質向上、時代の変化等に対応した有用な統計の整備、人材育成、デジタル化の推進など、改革を進めます。
また、各種政策の基盤となる毎月の経常調査や来年の国勢調査などを確実に実施いたします。
以上、所管行政の当面の課題と政策の方向性について申し上げました。
政務、事務方が一丸となって全力で取り組んでまいります。委員長様を始め、理事さん、委員の各位の御指導と御協力をお願いします。
以上であります。