原因については様々あると思います。
まず、一番の価格暴落のきっかけになったのはやはりコロナだったですね。コロナになって、もう屠畜もできない。屠畜もできなくて、流通どころじゃない、売るどころじゃない。屠畜さえもできない状況まで追い込まれました。そして、コロナ禍で非常に宅食が増えてしまった。外食をしなくなった。それで、家で食べるとなると、やはり家計を考えますから、高い肉を買うよりも、ちょっと、和牛よりも、外食で食べるよりも、国産のやつよりも輸入牛肉を買おうか、それがやはり定着してしまった。
そして、コロナ明け、インバウンドで大いに期待をしておったんですが、インバウンドは、来る割には余り食べてくれていないという現状があります。
そして、これはもう自戒的に申し上げますが、非常に、六十万、七十万、下手すれば八十万のときに増頭奨励をいたしました。これは、現場の方々から、こんなに値段がいいんだから増頭したいんだ、増頭させてくれと、現場からの熱い希望もありました。そして、増頭すれば当然入れ物が要るわけですから、畜産クラスター事業によって畜舎の増設もされました。借入れの形によって違いますけれども、大体の人は五年目ぐらいから借金払いが始まります。それがちょうど重なった人もいるわけですよ、今の安値のこのタイミングにですね。いろいろなものが複合的に、一気に重なった結果、今の苦しい状況になっている。
私のところも、選挙後に、畜産共進会というのがありまして、共進会の予選の現場に行きました、高千穂というところですが。大体これぐらいの頭数が来るなというのが分かっているんですが、本当に少ないんですよ。共進会に出そうという意欲さえも減退しているんだなと。
そして、高齢者の方々を中心に、やはりやめてしまう人が増えています。
そして、餌代も高い。配合飼料価格安定制度でいえば、これまでは一年の平均に対して補給金を払うという仕組みでした。それを二年六か月に延長することによって制度改正はしましたが、今それも、四半期ごとにだんだんずれてきますから、これも、配合飼料価格安定制度の補給金も今出ない状態に実はなっております、これは私の一番の今悩みの種なんですけれども。様々な状況が重なって、今こういう状況になっています。
ただ、幸い、この間、宮崎で行われた児湯郡での家畜の競りは、大体五十九万円ぐらいまで平均で戻りました。去勢は六十万まで戻りました。でも、これはまだ、年末の特別な需要期に向けてのことでありますので、決して楽観できる状態ではないと思っています。
ですから、輸出も含めて国内需要を喚起するために百七十億補正で取りましたけれども、それに加えて、やはり海外にもマーケットを設けていって、やはり農業政策の肝は出口ですから、出口政策についてしっかり検討してまいりたいと考えております。