まだ私は、日銀、利上げのことについては、ここでは申し上げておりませんでした。もちろん、行き過ぎた円安を是正するということは今総理がおっしゃったことにつながると思いますので、日銀か政府か、その協調かという問題は出てこようかと思いますけれども、私自身が申し上げたのは、今言った日本だけが停滞してきたことと、世界物価が上がる中で円安を加速させたことが物価高の大きな要因である、このことを申し上げた次第であります。
じゃ、私なりに、そういう世界的な物価高そして円安、それがもたらす物価高をどうやったら抑制できるのか。
一つは、世界の物価高を何とかしなきゃいけない。ただ、皆さんここでお分かりいただけるように、世界の物価高を日本単独でできる、そんな甘いものではありません。それは私もよく承知しております。けれども、日本が生きていくために必要な、先ほど言いました石油であったり小麦であったり、そういう輸入物資を日本がやれる範囲で少しでも安くしていく。これは、どこまでできるかは別としまして、政府として努力していくべきだろうと思っています。
その一つが、例えば石油といった化石燃料、これは、御承知のとおり、ウクライナ戦争が始まって一挙に上がりました。もちろん、今は少し落ち着いています。けれども、世界で紛争が起こる、地政学的な紛争が起こったときに、そういう日本が生きていくために必要な戦略物資が大きく値上がりするということは、これまでもずっと経験してきたことであります。
その意味で、私は、実は、二〇二二年の二月二十二日以前、二週間前に、ウクライナ紛争について、まだロシアが侵攻していないときも、私自身は、このままNATOに固執すればロシアがウクライナに攻め込んでしまう、だから、紛争を起こさせないためにも、中立ということを宣言してウクライナ戦争を回避しろということをロシア侵攻前に言っておりました。
ですから、私は今でも言えると思うんですけれども、このウクライナ戦争を本来なら回避すべきと日本が旗振り役をやるべきであった。今でも、起こった後でも、一刻も早い終戦、その旗振り役をやるということは、今言いました日本が必要とする世界物資の価格を下げることにもつながると思っています。
残念なのは、それをやるのは、G7広島サミットでやるべきだったんだ。そこで、一刻も早く終戦という道筋をつけるべく、日本が提案をすべきであった。残念ながら、ウクライナ支援を継続するという余りにも当たり前、かつ、日本からいえば、自分の首を自分で絞めるような、何の戦略性もない結果といいますか、声明に落ち着いたことは非常に残念でなりません。
そういう意味で、今日は岩屋大臣にもあえて問いませんけれども、今言った世界的に日本が生きていく上で必要な物資を少しでも下げるために紛争をなくす、解決する、これも一つの大きな手段だと私は思っております。
もう一点は、トランプ大統領が今度就任されます。気候変動問題、これも御承知のとおり、気候変動問題に対する対応ということで、例えば化石燃料、その中でも天然ガスの上流投資が減っておりまして、そういう意味で、供給面に問題があるということで、やはり価格が上がっております。
私自身、気候変動対策というのは重要だと思っておりますけれども、中長期の目標は共有すべきだと思っておりますが、短期については、わざわざ日本があえて、今言ったように苦しんで、結局、国民を物価高にあえがせるようなことに積極的に私は関わるべきではないと思っております。今言った中長期は目標を共有するにしても、短期については、もう少し長期目標に移行するまでの移行期間の柔軟性をお互いの国々で認め合う、そして日本の現実を見据えた主張を対外的にもやっていく。このことによって、日本が輸入しなければいけない化石燃料、その中でも特に天然ガスが重要でありますので、その天然ガスの世界的な価格を下げる、そのための日本政府としての努力も必要だ、このように思っているところであります。
それと、もう一点あるのは、そもそも化石燃料に依存をしないということが重要でありまして、その意味では、自国産、純国産エネルギー、これに突き進むべきだというふうに思っています。
そういう意味で、海外の資源に依存しないでいい、総理も所信表明の中でフュージョンということで触れておりますけれども、安全性の高い核融合発電への大胆な投資をやりながら、海外の資源に依存しない国産エネルギーへの投資、それに伴う一刻も早い実用化、それを推進していただきたいと思っています。
それは、御承知のとおり、今、米国も英国も、これまでの工程よりも前倒しして、フュージョンエナジーの、核融合の実用化に向けて投資をして、工程を早めようとしています。私は、そういう対応自体も、最終的には、日本が必要とする世界的商品の価格を下げることになるし、日本自体がそれに苦しまなくていいというふうになると思っています。
こういう見解に対する総理の感想をいただきたいと思います。