ありがとうございます。
今、大臣がおっしゃっていただいたとおりだと思います。
しかし、御案内のとおり、この郵政事業ですね、今、日本郵政グループになっておりますけれど、一九九七年の橋本行革、中央省庁等再編に基づいて、当時の郵政省は郵政事業庁、そして日本郵政公社、そして郵政民営化の選挙を受けて、二〇〇七年十月一日に民営化の道を進みました。
ただ、この九七年から二十七年間、いろいろと取り巻く環境が本当に大きく変わりました。一番はやっぱり人口減少ですね。当然、その郵政選挙、二〇〇五年の郵政選挙、大臣もあの郵政選挙を当然御経験をされているというふうに思いますけれど、あのとき、二〇〇五年、もう大分前になりましたけれど、あのときの環境と全く全然変わってきちゃったんですね、もう置かれている状況が。確かに、責務であるのは間違いない、郵便のユニバーサルサービスも、貯金、保険のユニバーサルサービスもそれぞれ法律で義務付けられておりますから、これは間違いなく日本郵政、日本郵便の責務であるのは間違いありません。
しかし、この責務をしっかりと履行していくための、まあ言うなればその経営財源というか、それが本当に枯渇し始めてきているんですね。いや、それは私も当時労働組合の役員をやっているときにこの経営の効率化ということには最大限取り組んでまいりました。しかし、残念ながら、まあこれは経営陣の責任にもあるんですけれど、民営化以降、いろんなことで経営がつまずいたんですね、本当に。
二〇一〇年宅配便事業統合の失敗で一千億円の赤字、債務超過に陥って、当時の郵便事業会社が倒産しかねないという経営の危機を迎えて、これは正社員の一時金を四・三月から三・〇月に引き下げて、社員の処遇を犠牲にして会社を守りました。当然、会社守れなかったら雇用を守ることができませんから、そういう苦渋の決断をやってきた経過にもあります。
その後、オーストラリアのトール社の買収ですね、六千二百億円もの巨大な買収を行って、その後、のれん代が四千億円のしかかって、一兆円以上、帳簿上は一兆円以上使ったにもかかわらず、結局失敗をいたしました。
そして、今回、去年の六月にヤマト運輸との、今日も新聞報じられておりますけれど、ヤマト運輸との協業をスタートしましたけれど、ヤマト運輸側さんの御都合にもよるところがあるかもしれませんけれど、そういったところの状況も今うまくいっていないような状況です。
言い換えると、このコスト負担、ユニバーサルサービスのコスト負担そのもの、自助努力で今やっております、一円の税金も投入をしていただいておりませんが、さりとて、十月一日に郵便料金の値上げをさせていただいて、国民、利用者の皆さんに御負担をいただいているわけでありますが、残念ながら黒字になるのは来年度だけ、また再来年度赤字に転落していくという経営予想が出されております。
十一月一日に発売しました年賀はがき、去年よりも二五%発行枚数を削減して十億七千万枚という発行数でありますけれど、まあ売れていません。ええ、売れておりません。どの程度の今販売状況かというのは詳細な数字を私は持ち合わせておりませんが、郵便窓口で年賀はがきを売っている皆さんにお聞きをすると、売れていますと聞くと、みんな首を横にして、全く売れていませんという状況です。
要は、もう収益構造が大きく変化していく中で、本当に、私心配しているのは、このままユニバーサルサービスのコストを自助努力でずっと求め続けることになると、もうそれが大きな経営の負担になって、本当に、じゃ、働いている社員の処遇を引き下げてこのユニバーサルサービスを守らなければならないかというような議論になってしまうんじゃないかという、そういう心配もしているところであります。
是非、このユニバーサルサービスのコストを日本郵政、日本郵便に求めるんであれば、やっぱり総務省としてしかるべき、何というんでしょうか、支援というものもやっていただかないと、もう本当に、働いている社員の皆さんは、この日本郵政の将来に向けて相当な不安を持って今仕事をしております。それはそうですよ。もう郵便局の窓口にお客さんは本当に来ません。全くと言っていいほど、都市部を除いて、地方はもう来ませんので、当然、働き方改革もやっていかなければならないと思っていますし、この後の議論にもありますけれど、様々な郵便料金の制度の在り方、郵便のサービスの在り方、いろんなことをトータル的に見直していかなければならない。それは多分、働いている人たちも十分受け止めていると思いますけれど、本当にどこまでやらなければならないのかという、その限界が見えないというのが今の状況だと思います。
その上で、二つ目の質問ですが、同じように大臣所信の中に、地域の重要な生活インフラとしての役割を拡大というふうに明記がされておりますが、この役割を拡大するということはどのようなことを想定されているのか、村上大臣にお伺いをしたいと思います。