法律に落とし込むときには、今、小泉さんのおっしゃった内容ですよ。それはもちろん我々も分かっている。
ただ、そこに行くまでのプロセス、いきさつというのは、ある意味当事者にしか分からないわけで、しかも御健在な当事者ですよ、しかも、非常に見識が高くて御党からも尊敬されている元総裁であったり、多くの方からもしっかりと敬意を払われている細川元総理だったり、そういった方々がしっかり述べているわけですよね。それを全否定する。やはり私はちょっと、今の自民党にとって都合のいい解釈をしようとか、そういった表現をしようとか。
あえて言うと、小泉さんも、答弁席に立つとやはりちょっと歯切れが悪い。
私は、また旧聞に属しますけれども、それこそお父さんは相当歯切れがよかったですよ。私は、多分初めて小泉総理と質疑したのはイラク特措法のときで、そのときをよく覚えていますよ。後ろに今総理になった石破防衛庁長官がいましたけれども。
私は、そのときにこう聞いたんです、では、この法案が通ったら自衛隊が派遣されて、自衛隊員が初めて他国の人を殺す可能性があるんじゃないですか、殺される可能性もあるんじゃないですかと。これは本当は答えちゃいけないんだけれども、小泉総理ははっきりと、殺されるかもしれない、殺すかもしれないと。後ろで石破さんがかぶりを振りながら違う違うとやっていたのを覚えていますけれども、やはり小泉総理というのは、総理になってもあれだけ歯切れがいいんですよ。
小泉さん、まだ総理になっていないでしょう。やはり今のうちはばしばし歯切れよくやって、そして、総理になったとしても歯切れよくやらないと。やはり、私は正直言って、石破総理が残念なのは、支持率を落としたのも選挙で伸びなかったのも歯切れの悪さですよ、この一言に尽きるということを少し述べましたけれども。
そこで、今、小泉さんが、善悪論なんですけれども、私は、これは非常にミスリードだと思っている。完全に、私たちも、二項対立で善か悪かなんということとは思っていないですよ。ただ、今の話で、善か悪かという話になると、国民も、いや、どっちかが丸々悪でどっちかが丸々善じゃないよねということになるんですが。
ただ、これも思い起こしてほしいんですけれども、三十年前の議論というのは、個人献金か企業・団体献金かどっちが悪いかの話じゃなかったんですよ。リクルートとか佐川では、これは完全に買収ですから、裏の献金ですよ、裏の献金。これは悪いかというと、悪いに決まっている。ただ、あのときは、物すごく政治の側が謙虚になって、謙抑になって、たとえ表のお金だろうが国民の疑念を買うんだったらやはりやめようよ、こういう高い次元、高い倫理観での議論だったんですよ。企業・団体献金か個人献金かじゃない、企業献金の、裏はもうアウトだけれども表だって自粛しましょうよ、こういう話だったんですね。だから、今の善悪論というのは、私は非常にミスリードだと思っています。
昨日の江田さんだけれども、私も実は二〇〇二年当選組で、江田さんとは同じときに当選して、私も、たまさか二十二年間、一円も企業献金をもらっていない、政治資金パーティーも開いていない。
なおかつ言うと、私は、十五年ぐらい前に、今出た河野元総裁が「私の履歴書」にこう書いてあったんですよ。では、個人献金が全ていいかというと、それだけでもない。例えば、ある社長さんから百万円をもらって、その社長さんの子供の結婚式に来てくださいと言われたら、貴重な時間を割いても行けなくなると。私は、格好つけついでに言うと、これを読んで感銘を受けましたね。私も、会社の社長さんで、一定以上の額で、そして、その前に、献金をくれる前に陳情を受けた人がいたんです。その人に私は年末に返しに行きましたよ。
私は、そのぐらい国民というのは、政治に対してのいぶかしさとかいかがわしさの九割は金ですよ。女性問題だとかいろいろなものはあるかもしれないけれども、政治に対してみんな何か怪しいなとか思っているのは、みんな金の問題ですよ。
だから、これについて、小泉さんもこれから高い意思を、志を持って進んでいくんだったら、私は、びしっと、やればできるんだから、何か自民党だけやればできないと言っているけれども、今回みんなやればできると言っているんだから、是非実行してほしいと思っております。済みません、ちょっと演説になってしまいました。
では、今度は提出者にお聞きしますけれども、今日も牧島さんが先ほど質問していましたけれども、私は、提案趣旨説明を聞いたときにかなり違和感を感じたのが、ここにこうあります、政党の支出は、政治資金収支報告書において全て最終の支出先を示す形で公開されることとなりますと。本当かよ、これだけ例外を持っていながらと。
では、提出者にお聞きしますけれども、ここにある、示すこの最終の支出先というのは何を意味するんですか、御答弁ください。