ありがとうございます。どちらももちろん大事だと思っております。
二〇五〇年カーボンニュートラルという数字、ゼロというのは、私の言い方で言えば、その瞬間風速に数字が合えばいいんですよ。だから、それはフローというふうに言ってもいいと思いますね。他方で、一・五度目標というのは、二〇五〇年の瞬間につじつまが合っても、そのプロセスがどうなるかによって全然結果が違う。だから、それは積分値であり、ストックだということですね。
だから、私が申し上げたいのは、フローの議論だけしていても、最後に帳尻が合えばいいだろうじゃなくて、これから二〇五〇年に向かってどういう道筋を行くかによって、一・五度どころか三度になっちゃうこともあるよということを世の中は警鐘を鳴らしている、それがカーボンバジェットという考え方だと私は認識しておるんですね。
だから、大臣、是非これはそういう両方をやはりやっていかないと、人類全体にとって大変厳しい状況になる。一・五度はほぼ無理じゃないかとか、そういう声も聞こえてくるんですが、是非そこは、経産省の資料は、二〇五〇年カーボンニュートラルが結構強調されるので、あえて一・五度は言わないようにしているのがね。でも、やはりそれはよくないです。やはり先進国の一端として、世界の三%のCO2排出かもしれませんが、両方をちゃんとにらんで最適な判断をお願いをしたいというふうに思っています。
そこで、配付資料の一を御覧いただきたいんですが、これは、齋藤大臣のときにも申し上げました。法案が成立をして、私どもも賛成をして、水素社会を目指していこうという中に、水素とちょっと似たような違うようなアンモニアというものもございまして、このアンモニア混焼ということで、JERAの碧南火力の発電所も見させていただきました。
私は、これは大臣にももう一度直接お伝えしたいと思いますが、このアンモニア混焼は、絶対駄目だと言う気はありません、ありません。日本中にたくさんまだ石炭火力がありますが、世界は結構、絶対駄目だと言っているわけですね、御存じのとおり。石炭火力は、二〇三〇年にやめていく国がたくさんあります。つい最近、ロングボトム大使が胸を張って、世界で初めて石炭火力を始めたイギリスが、ついに全ての石炭火力を止めましたと、この間イギリスの大使がおっしゃっていましたけれども。
そういう中で、日本は独自の道を歩み始めておるわけでございまして、これも、先ほどの話で、投資でありますから、事業リスクを取って民間がやるのを私たちは見守るし応援もしたいと思います。
しかし、どこかで判断をしなきゃいけないと思うんですが、私は、JERAさんのこの資料を見ていると、間に合わない心配がすごくするんですね。つまり、実証実験あるいは技術的にはクリアできても経済合理性でクリアできるのかという問題と、じゃ、日本中の石炭火力に実装できるのかということを考えたときに、全然間に合わない可能性が十分あるのではないかというふうに懸念しております。
もちろん中長期では、アジアの石炭火力に売り込めるというビジネスチャンスも期待できますが、日本の、今申し上げたカーボンニュートラルと一・五度目標に、本当にこのプロジェクトが間尺に合うんだろうか、タイムスパンがちょっと違うんじゃないかという危惧をしておるんですが、大臣、どういう御認識でしょうか。