それは、今農政を預かる江藤大臣からお答えいただくべきものであって、私が自分の私見を申し述べることは適当だとは思いませんが、今年の二月二十六日に、私はその席に座って、岸田総理とこの議論はいたしました。日本で多分一番自給率が高かった時期というのはいつだろうねということを考えると、裁判官が本当に配給された食料だけで餓死しちゃったなんという、そういう時期がありましたね。あの頃が自給率が一番高かったはずなのですよ、それは。餓死者が何千人、何万人と出る、どこの国とは申しませんが、そういう国も自給率は高いのですね。それをもってして幸せとは言わない。
世の中において、私は、農林水産副大臣、当時は総括政務次官といっていましたが、日本のWTOにおける立場を世界に分かってもらおうというので、あちらこちらへ参りました。そのときに自給率の議論になりました。あるアフリカの国が、自給率が低い同士、WTOで一緒に闘おうということを私は申し上げたんです、いや、それは違う、自給率が低い理由が全く違うのだと。我がアフリカの、とある国ですが、お金がないのだ、だから土地改良もできない、品種改良もできない、かんがい排水もできない、だから泣く泣く海外から食料を買わねばならぬのだ、だから自給率が低いのだ、日本は違うだろう、そんな理由で自給率が低いわけではないだろう、自給率が低い理由が全く違う国同士が何でWTOで一緒にやれるんだといって、私はかなり叱責を受けた覚えがございます。
自給率というのは何なんだろうということはもう一回よく考えていかねばならないし、委員がおっしゃるように、私はそれを意味がない数字だと言うつもりはございません。ただ、それが、私は、農地がどれぐらい適正に維持されるか、農業者の人口構成がどれほどサステーナブルか、農業技術がどれだけ伝承されるかというのは数字になってきちんと表れるものであって、その結果が自給率というものになって表れるのだというふうに考えております。
その国が、本当に危機においても食料がちゃんと自給できる。と同時に、かつては米穀通帳というのがあった。ところが、今はないわけですよ。では、先ほど来マイナンバーカードの議論がありますが、いざというときに、買占めとかそういうことで食料の価格が高騰することがないようにどうやって供給体制を整えていくかということも併せて食料安全保障というのは議論されるべきだと思っております。
委員の御意見は、よく真摯に承ってまいります。