今のことを分かりやすく言うと、規模ありきでやって、上回ることが大事だ、こういうふうにおっしゃっているというふうに理解をします。そうでないと、こんなにぴったりいくわけがないんですよ。
じゃ、何でぴったりいくかというと、からくりがありまして、これは会計検査院のペーパーなんですけれども、黄色い部分が令和四年度の補正の数字ですね。黄色いところの枠が、千二百八十五と八十五とあるんですが、これが令和四年の補正の項目です。歳出全体でいうと七千項目あるんですが、補正で追加された項目が、この二つを足して千三百七十項目なんですけれども、千三百七十項目のうち、補正で新たに追加された項目は八十五項目しかないんですよ。ということは、既存の項目にオンしているだけなんですね。千三百七十項目のうち千二百八十五項目、ほとんどが、九割以上が既存の項目に予算がオンしているだけなんですよ。だから、緊要性の問題が出ていますが、簡単にと言ってはいけないけれども、既存の項目にオンするだけですから、積算もできるし、簡単に組めてしまうんです。
各省庁は、夏の要求、九月から概算要求が始まりますが、その中で、毎年毎年、補正を見越して過大な要求をするわけですよ。過大な要求をしておいて、補正になると、余分なものを切り出して補正を編成する。だから、すぐに組めるわけですね。
総理がおっしゃった規模も分かるわけです。総理が、前回を上回る規模にと言えば、それに合わせて伸縮自在で切り出してきて組めてしまうんですよ。ということで、緊要性とはほど遠いということであります。
その証拠に、翌年度繰越率というのがありますが、補正予算は当該年度に原則執行する、執行が終わることが原則なんですが、じゃ、翌年度に繰り越したのはどれだけありますかというと、既存の項目にオンしたもの、千二百八十五項目については一五・一%、歳出全体で見ると一一%ですから、繰越率は高いんですね。さらに、八十五項目、新規については、半分が繰越しなんですね。
ということで、そもそも緊要性がないんじゃないか、規模ありきじゃないかというのがこの検査院の報告からも明らかであります。朝日新聞の社説の中でもこのようなことを言っていまして、最終的に、この予算のうち、分かっているだけでも六千億が不用だ、要らなかったということも出ているわけです。
総理にもう一回伺いますが、規模ありきでこういうことをやっていて、今まさに財政も厳しい中で、能登にお金が必要だと言っている中で、こういう無駄な支出を積み上げていく補正のやり方というのは改めるべきじゃないですか。いかがですか。