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2024-12-05
第216回国会(臨時会) 衆議院 予算委員会 第1号 発言No.167全文を見る立憲民主党の神谷裕でございます。
本日、この予算委員会で質疑の場に立たせていただきますことを、まずもって感謝を申し上げたい、このように思います。
石破総理がおっしゃっているように、地方は、今、本当に大事な時期だと思います。
そして、私は農政について今日は伺おうと思っておりますけれども、地方の基幹産業は、間違いなく一次産業、農業、林業、漁業ということになっております。地方創生二・〇というお話もございますが、それ以上に、いかにして農林水産省予算、こういったものをしっかりとつけていくか、私はそのことの方が重要なように思っているところでございます。
そしてまた、今日は、先ほどの岡本さんと同様に、この間の石破総理の発言、総裁選からこっちに至っての様々な農政に関する発言について、私もただしていかなきゃいけないなと思っているところでございます。
総理も御案内のとおり、一次産業、農業の皆さん方は、なかなか政策の変更に簡単に対応できるということにはなりません。右だから右、左だから左、そういうことにはならない。北海道にあっては、一年に一作、雪の中、雪がない時期にどうやって使うか、そういった農業をさせていただいているわけです。ですから、石破農政というのか、石破総理の御発言一つ一つが農業者にとって非常に重要だ、そして関心がある、だからこそ、今日はしっかりとその真意を含めてお伺いができればと思うところでございます。どうか真摯な御答弁をお願いをしたい、このように思います。
実は、今申し上げたとおり、石破総理の総裁選からこっちからの、直接支払いであるとか、あるいは米政策であるとか、そういった発言が実はかなり揺れ動いております。総裁選のときには、直接支払いであるとか、こういったことについて極めて前向きな発言をされていたように私には理解をされました。そして、先般の特別国会、ここにおいては一気にブレーキをかけたというようなイメージでございます。そしてまた、先般、おとといですか、昨日もそうでございますけれども、代表質問になりますと、またちょっとトーンが変わってきた。今度は、論議をする、あるいは議論をする、検討する、様々な言葉が飛び交っているところでございます。
そういった意味において、先ほど申し上げたように、農業者の皆さんにとっては、一体どういう方向で進むんだろうか、やはり悩ましいんじゃないかなと私には思えるところでございます。
十二月の二日でございますけれども、石破総理は、所信に対する石川議員の質問にお答えになって、米政策については、海外も含め市場を開拓し、需要に応じた政策を進めていくことが重要である、そして、今後、新たな基本計画の策定や、令和九年度に向けた水田政策の在り方の検討の中で、米政策や農業者への直接支払いの在り方についても議論を深めていく、このように御答弁をいただいております。
その真意をやはりしっかり確認をしたいと思うのでございますけれども、総理のこのお考えは、九月二十八日、このときに総裁選で総理は勝たれているんですけれども、日本農業新聞に見るように、石破氏は選挙戦で、米の増産にかじを切り、輸出を拡大すべきだと訴えた、生産拡大に伴う米価下落には直接所得補償で対応するとし、水田転作などに充てている約三千五百億円を財源とする考えを表明ということであったと承知しております。
農業者に自由に増産をしてもらい、米価下落に対しては直接所得補償で対応するという従来の考え方からはこの答弁は全く変わっているんですけれども、この考え方は転換するということでよろしいんでしょうか。
2024-12-05
第216回国会(臨時会) 衆議院 予算委員会 第1号 発言No.120全文を見る現在のところ、共同声明を出す予定はございません。
私どもは、日銀と密接な連携を取っていくことは大事なことだと思っております。しかし、それは主従関係にあるわけでも何でもございませんので、連携は取りつつも、共同声明を出すということについて、具体的な考えはございませんし、そのつもりはございません。
政府として、適切な為替水準とは何かということは、それは考えていかねばなりません。しかし、そのことについて余り軽々な発言を取るべきだとも思っておりませんので、そこは御理解を賜りたいと思っております。
食料自給率が三八%というのは、私は政務次官も副大臣も大臣もやりましたが、やはりこれは独立主権国家として正しい在り方だとは思っておりませんし、二月の予算委員会で私、当時の岸田総理に質問いたしましたが、安全保障という以上、それは、消費者の選択によって数字が大きく変わる自給率という概念も一つの考え方かもしれないが、人間が生存に必要なカロリーとはどれぐらいであり、それをどのように満たしていくべきかということについて、もう一度きちんと見直すということも選択肢としてあり得るのだろうと思います。
そこは江藤農林大臣の下で、あるいは皆様方との議論をいただきながら、主権独立国家としての自給率というよりも、自給力とは、やはり耕地面積であり、そしてまた農業者の人口の持続的な継続ということであり、いろいろな農業インフラ、そういうものから総合的に判断をしていくべきものだと思っております。
そのために必要な予算というのが何であるか。やはり世界の中で、国家予算を使って農地を減らし、農業生産を減らしているという国はございませんので、私どもとして、もう一度そこはよく議論したいと思っております。
2024-12-05
第216回国会(臨時会) 衆議院 予算委員会 第1号 発言No.119全文を見る総理からも御答弁いただきたいんですが、政府と日銀の共同声明。金融政策の手段は日銀です。ただ、目標を定めるのは、共同声明で、政府も関与することはできる。これを見直すお考えがあるのかどうかというのが一点。
そして、今、赤澤大臣からは、エネルギーの自給率を高める方策について御説明があったと思います。確かに、エネルギーについては、GX移行債ですか、こういったものを発行して自給率を上げようとしています。二十兆円も新たな国債を発行して、様々な事業で企業を後押ししているわけですね。
他方で、もう一つ、貿易赤字の要因である食料品、これについては、食料自給率が三八%なのに、エネルギーのような大胆な予算をつくって自給率を高めようとしていないのではないですか。その部分について、エネルギー同様、もっと大幅に予算を増やすべきだと思います。
食料自給率を高めるための予算大幅増額、そして前段の共同声明の見直し、二点について総理の見解をお願いします。
2024-12-05
第216回国会(臨時会) 衆議院 予算委員会 第1号 発言No.28全文を見る実は、このサイバーの問題、私ども、大変深刻に受け止めております。
例えば、ロシアがウクライナに侵略をするとき、私どもは、こんな時代にロシアがウクライナに侵略するはずがないと思っていた中で、なぜかアメリカやイギリスは、確実に、いつ侵略をする、こういう情報をつかんでいました。後から見たらこれが正しかった。この情報はどこからもたらされたか。実はサイバーでの情報収集と報告を受けております。
また、今の戦争は、初めからミサイルや攻撃機が来るんじゃないんです。それに先立ってサイバーでの様々な攻撃がある。これを受けて、実はその後に武力行使があります。確実にサイバーでの予兆を探知しないと、相手の攻撃、相手の武力行使を未然に防げない。この分野の能力を大変高めることは重要です。
そして、サイバーの分野の情報を進めるということになると、憲法二十一条、ここにも配慮する必要があります。非常に難しい法整備となりますが、私は、是非これを一日も早くしっかり進めていただきたい、そのように思っています。
もう質問時間があと僅かとなりましたから、最後の締めくくりにさせていただきますが、私どもは、やはり今回は熟議の国会です。少数与党として、これから補正予算もあります。その先の本予算もあります。また、各法案もあります。この法案の審議に当たっては、私どももしっかり案を作ってまいります。そして、それを野党の各党とも協議をし、取り入れられるところはしっかり取り入れ、だけれども、やはり難しいところは、ここは考えが違う、最終的に、これは国会の場で、公開の場で議論をして、そしていいものを作っていく、この姿勢を貫いていきたいと思います。
そして、何よりも、賃金を上げる、所得を上げる、全ての世代、そして年金世代の皆さんにもしっかりと手を差し伸べる、これが最大の私たちの仕事だと思っています。
そして、石破総理にお願いしたいことがあります。
私は、長い間、石破総理をずっと見てまいりました。国民の皆さんの人気がある姿も見てまいりました。なぜ石破総理が人気なのか。私は、人の話をよく聞く、そして、じっくり相手と向き合う。さらに、ちょっとオタクなところもある。何か身近な存在、この人だったら私たちの意見を聞いてくれる、この人だったら同じ目線、近くにいるおじさんとよく似ている。これが実は、私は国民の皆さんから親しまれる石破さんの姿だと思います。ですが、総理、今総理になって約二か月がたちます。残念ながら、そのよさが出ていないと思います。
私がお願いしたいのは、原点の石破茂に戻って、SPの方が怒るかもしれないけれども、地方に行って、車座でじっくり話を聞いて、酒を酌み交わして、お叱りをしっかり受けて、そして、それを腹にずっと据えて、この国の形をしっかり考えていく。
チャーチルは、難しい問題に直面したとき、チャーチルの伝説映画で見たら、一人で地下鉄に乗る。そして、そこにいる地下鉄の人からいろいろな声を聞いた、お叱りもいただいた、でも、それで私は大きな決断ができたと。
今やるべきことは、この国会の議論も必要です、役所の意見を聞くことも大事でしょう。ですが、石破茂本来の、地方を回って、車座でいろいろな声を聞いて、その思いを共有して、是非いい日本の政治にしていただきたいと思います。
質問を終わります。
2024-10-09
第214回国会(臨時会) 衆議院 議院運営委員会 第4号 発言No.6全文を見る私は、日本共産党を代表して、第二百十四回国会の会期を十一月十五日まで三十七日間延長する動議に賛成の意見表明を行います。
賛成の理由の第一は、国会として喫緊の課題に対応するためです。
能登半島の地震と豪雨災害で大きな被害を受けている被災者に対して従来の枠を超えた支援策を直ちに行うために、今国会での補正予算の編成が必要です。
また、旧優生保護法に対する最高裁の違憲判決を受けた謝罪決議と被害者補償法を踏まえて、当事者の皆さんの声を聞き、真摯な反省の下に検証を行い、優生思想根絶の対策に取り組むことは、今国会の重要な責務です。
第二は、腐敗政治の全容解明は今国会の最重要課題だからです。
石破総理は、政治資金問題で失われた政治への信頼を取り戻すと言いますが、裏金を誰が、いつから、何のために始めたのか、その真相究明は全く棚上げです。石破派、麻生派の裏金疑惑や堀井学前衆議院議員による裏金を原資にした香典配りなど、新たな問題が出てきています。
石破総理は、新しい事実が出てくれば再調査すると言ってきました。今国会で徹底解明を行うべきです。裏金議員の政治倫理審査会出席は不可欠です。そして、金権腐敗の大本にある企業・団体献金の禁止と政策活動費の廃止を今国会で実現すべきです。
また、牧原法務大臣を始め石破内閣の閣僚の十二人が統一協会と関わりがあることも明らかになりました。反社会的団体である統一協会と自民党の癒着の徹底解明も欠かすことはできません。
第三は、国政の重要課題について、予算委員会を始めとして国会で真摯な議論を行うことで、国民に審判を仰ぐ総選挙の争点を明確にするためです。
石破総理がこれまで述べてきた金融所得課税の強化や選択的夫婦別姓、全国一律最低賃金、保険証廃止時期の見直し、原発利用はゼロに近づけていくといった政策は、総理になってから、ことごとくほごにされました。本当のやり取りは予算委員会だと言いながら、手のひら返しで逃げ回る。これでは国民の納得と共感は得られません。
前言を翻す石破総理の政治姿勢をただすとともに、生活苦をもたらした経済失政、日米軍事同盟絶対の政治、気候危機打開、ジェンダー平等といった国政の重要課題について徹底した議論を行うことこそ、総選挙を前にした今国会の最大の責務です。
以上、三十七日間の会期延長を求め、発言を終わります。
2024-10-09
第214回国会(臨時会) 衆議院 議院運営委員会 第4号 発言No.8全文を見る私は、国民民主党を代表して、ただいま提出をされました会期延長に関する申入れについて、賛成の立場から発言をさせていただきます。
賛成の理由の第一は、やはり、現在も被災地の地域で一日も早い復旧復興を願っている国民の皆様がいることを踏まえて、国会の責務として、一日も早い補正予算編成と、そして復旧復興に向けた道筋をつけること、この責任を果たしていくべきと考えるからであります。
二点目は、先ほどから出ております政治資金の問題を始め、現在、政治に対する国民の信頼が著しく損なわれている現状を鑑みて、政治資金規正法の改正や公職選挙法の改正、また、国会内でこれまで累次にわたって議論が進められてきた旧文通費や政策活動費の在り方についてなど、今早急に結論を出すべき課題が山積をしております。
また、物価高の中で、国民生活を向上させ、それを安定化させるためにも、今国会でしっかりとした熟議を行い、その結論を国民に示していくこと、これこそが国民に信を問う本来の筋だろうと思っております。
その立場から、この会期延長には賛成の立場を取るものであります。
2024-10-07
第214回国会(臨時会) 衆議院 本会議 第3号 発言No.44全文を見る玉木雄一郎議員の御質問にお答えを申し上げます。
能登地域の災害への予算面での対応についてお尋ねをいただきました。
今般策定することといたしております経済対策の裏づけとなる補正予算においては、能登地域の災害からの復旧復興にも対応することといたしております。一方で、予備費であれば更に迅速な対応ができること、一般予備費に十分な残額があることを踏まえ、予備費も活用して切れ目なく被災地の支援を行うことにより、能登地域の早期の復旧復興に向けた対応に万全を期してまいる所存であります。
解散についてのお尋ねをいただきました。
内閣は、憲法第六十九条の場合に典型的に表れておりますように、国政上の重大な局面等において主権者たる国民の意思を確かめる必要があるような場合には、衆議院の解散権を行使することができると考えております。その法的根拠としては憲法第七条の規定であり、今般表明した衆議院の解散につきましても、同様に考えております。
衆議院解散権の行使につきましては、その濫用を慎むべきことは言うまでもありませんが、今回、新しい内閣が発足したことに伴い、国民の御意思を確かめる必要があるとの観点から、衆議院の解散を行うとの判断をいたしました。
今般の解散についてのお尋ねであります。
この度、新内閣が発足したため、できる限り早期に国民の皆様方の御判断をいただくことが重要だと考えております。
一方で、総選挙に向けては、国民の皆様方に御判断をいただける材料を真摯に提供することも重要です。引き続き、自分自身の言葉で語り、誠心誠意、国民の皆様方に御判断いただくための材料を提供いたしてまいります。
自民党における旧派閥の政治資金収支報告書の不記載の問題等に関する認識と再調査についてのお尋ねをいただきました。
自民党における旧派閥の政治資金収支報告書の不記載に関する一連の問題につきましては、御指摘があった公職選挙法違反の件も含め、第三者である検察による厳正な捜査が行われ、法と証拠に基づき、刑事事件として取り上げるべきものは立件されてきたものと承知をいたしております。
また、様々な報道等があることを承知しておりますが、自民党における外部の弁護士を交えた聞き取り調査などでは、捜査権がなかったり、書類の保存期間を経過していたりという制約の中でも、可能な限りの事実関係の把握、解明の努力が進められてきたものと認識をしております。
国民の信頼を回復するために今後更に行うべきことにつきましては、これまでの取組の経緯等を踏まえつつ、適切に判断をいたしてまいります。
政治資金収支報告書に不記載があった議員の公認の方針等についてのお尋ねをいただきました。
公認につきましては、昨日、自民党総裁として公表したところでありますが、自民党党則における選挙における非公認よりも重い処分を受けた者などは非公認とし、その他の不記載があった議員についても、比例名簿には登載しないこととするとの方針を示したところであります。
具体的に誰を公認するかにつきましては、選挙対策本部において、各選挙区の事情、当選の可能性などを踏まえ、適切に判断をいたしていくことになります。
このような厳しい姿勢で臨むことにより、ルールを守る自民党を確立いたしてまいります。
アジア版NATOについてのお尋ねをいただきました。
アジア版NATOにつきましては、これまで、私自身、一国会議員としての考え方を累次申し述べてまいりました。これは、一朝一夕で実現するとは思っておりません。一国の総理大臣として、まずは喫緊の外交、安全保障の課題等に取り組んでいく必要があると考えております。
同盟国、同志国間のネットワークを有機的、重層的に構築し、抑止力を強化する観点から検討し、対応いたしてまいりますが、具体的な態様につきまして予断を持ってお答えすることは差し控えてまいります。
日米地位協定改正及び国外犯処罰規定の整備についてのお尋ねをいただきました。
日米地位協定に関しましても、これまで、私自身の一国会議員としての考えを累次述べてまいりましたが、これも一朝一夕で実現するとは思っておりません。一国の総理大臣として、まずは喫緊の安全保障上の課題に取り組んでいく必要があると考えております。
日米同盟の抑止力、対処力を強化するとともに、その強靱性、持続性を高めていくとの観点から、検討し対応いたしてまいります。
自衛隊の国外犯処罰規定につきましては、海外における自衛隊の活動が一層増加、多様化していることを踏まえ、その過失行為に係る処罰規定の在り方について検討を進め、成果を得たいと考えております。
東京と平壌における連絡事務所についてお尋ねがございました。
我が国の北朝鮮に対する基本方針は、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化を実現するというものであります。
とりわけ、拉致被害者やその御家族も御高齢となる中で、時間的制約のある拉致問題は、ひとときもゆるがせにできない人道問題であるとともに、その本質は国家主権の侵害であり、政権の最重要課題であります。
御質問の点も含め、今後の対応について具体的にお答えをすることは差し控えますが、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現するとともに、北朝鮮との諸問題を解決するため、私自身の強い決意の下、総力を挙げて取り組んでまいります。
基礎控除等の引上げ及び年少扶養控除の復活についてお尋ねをいただきました。
基礎控除等の引上げは、何年も物価上昇や構造的賃上げが継続的に持続する局面においては検討課題となり得るものでありますが、我が国経済は、現時点では、デフレを脱却できるかどうかの瀬戸際にいるものと認識をいたしております。物価高の影響を特に受ける低所得者世帯向け給付金などにより、足下で物価高に苦しむ方々への支援をきめ細かく行うとともに、物価上昇を上回って賃金が上昇するといった成長と分配の好循環を実現していくことが重要であると考えております。
年少扶養控除の復活につきましては、児童手当の抜本的拡充など、主として歳出面で前例のない規模で子供、子育て政策の強化を図っておるところであり、検討課題とはいたしておりません。
教育、科学技術予算と奨学金の返済免除についてお尋ねを頂戴いたしました。
人的資源への最大限の投資を行い、あらゆる人が最適な教育を受けられる社会を実現するとともに、科学技術、イノベーションを推進し、日本経済の活性化と成長を加速させるため、必要な教育、科学技術予算を措置してまいります。
一方で、教育国債につきましては、安定財源の確保や財政の信認確保の観点から、慎重に検討する必要があると考えております。
奨学金の返還免除につきましては、教職の高度化を図る観点から、教師について、令和七年度より教職大学院修了者等に限り免除することといたしておりますが、他の分野については、返還を完了した方との公平性や職業間の公平性等の観点から、慎重な検討が必要であると考えております。
燃料油及び電気・ガス料金に係る補助等についてお尋ねをいただきました。
燃料油の激変緩和対策につきましては、年内に限って支援を継続することとされ、岸田前総理は、経済対策の策定と併せて、骨太二〇二四を踏まえ、早期の段階的終了に着手すべく取り組むと表明しております。
電気・ガス料金につきましては、酷暑乗り切り緊急支援として、八月から十月の使用分に限って支援を実施しており、十月末で終了することといたしております。
エネルギーコストを含めた物価高対策につきましては、状況を丁寧に見極めながら、低所得世帯向けの給付金や重点支援地方交付金を含め、今後、経済対策について議論していく中で、総合的に検討いたしてまいります。
御指摘の揮発油税の減税につきましては、ガソリン等の流通現場や国民生活に混乱を与えないようにするといった実務面の課題、地球温暖化対策の観点や厳しい財政事情等を踏まえる必要があり、税率を引き下げることは考えておりません。
また、再エネ賦課金につきましては、カーボンニュートラルを実現する観点から、国民負担を抑制しつつ、再エネの最大限の導入を図ることが政府の基本方針として重要であります。引き続き、この方針に沿って、制度を着実に運用してまいります。
原子力発電所の利用に対する私の考え方についてお尋ねをいただきました。
AI時代の電力需要増加が見込まれる中、脱炭素化を進めながらエネルギー自給率を抜本的に高めるため、省エネルギーの徹底、再生可能エネルギーの拡大とともに、安全性の確保を大前提とした原子力発電の利活用も必要であります。
省エネや再エネの最大限の追求により、将来、結果として起こり得るとしても、原発のウェートを減らすことが目的ではなく、使える技術は全てを使い、可能性を最大限に引き出しながら、日本経済をエネルギー制約から守り抜くという私の考えは、一貫しておるものでございます。
消費税率の引下げについてのお尋ねをいただきました。
消費税につきましては、急速な高齢化等に伴い社会保障給付費が大きく増加する中で、全ての世代が広く公平に分かち合う観点から、社会保障の財源として位置づけられており、その税率を引き下げることは考えておりません。
一方で、今後、経済対策を早急に策定し、足下で物価高に苦しむ方々に対しての支援を行うとともに、成長分野に官民挙げての思い切った投資を行い、賃上げと投資が牽引する成長型経済の実現を図ってまいります。
尊厳死の法制化についてお尋ねを頂戴いたしました。
いわゆる尊厳死につきましては、国民の生命観や倫理観に関わる問題であり、法律に定めるかどうかも含めて、幅広く国民の間で議論がなされるべきものであると考えております。
政府としては、これまで尊厳死を定める法律案の検討は行ってはおりませんが、人生の最終段階の医療、ケアについて、本人が家族等や医療、ケア関係者と繰り返し話し合うプロセスが重要であると考えており、その普及啓発に取り組んでまいります。
水田活用の直接支払交付金と米に対する直接支払い制度等についてお尋ねを頂戴いたしました。
議員御指摘の交付金要件の見直しは、本交付金が水張りの機能を有する水田を活用した生産を支援するものであることを明確にするものであり、適切なものであると考えております。
輸入に依存する麦、大豆等の生産支援につきましては、主食用米の需要が減少を続ける中、必要なものと考えております。
また、所得を補償する政策は、農業者の創意工夫や日々の努力にブレーキをかけ、また、農地の集積、集約化が進まなくなるおそれがある等の指摘もございます。
新たな食料・農業・農村基本計画を今年度中に策定することといたしており、米政策につきましても、関係者の御意見をよく伺いながら、方向性を示してまいります。
以上であります。
2024-10-07
第214回国会(臨時会) 衆議院 本会議 第3号 発言No.33全文を見る日本維新の会の馬場伸幸です。
教育無償化を実現する会との統一会派を代表し、質問をいたします。
元日の震災から復興へ懸命に立ち上がろうとしていた石川県能登地方が、先月下旬、線状降水帯による記録的豪雨に見舞われました。お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表し、御遺族と被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。また、被災地で救助、復旧等に力を尽くされている全ての皆様に深く敬意を表します。
私たちは、震災直後から続けている被災地へのサポート体制を強化し、更にきめ細かく支援をお届けしてまいります。
さて、総理は、総裁選直前の八月に上梓した「保守政治家 わが政策、わが天命」の中で、大臣就任時に答弁について、検討するという文言は認めず、検討して、いつまでに成案を得ると改めていたとしています。ならば、私が政策課題の実現目標を伺った際には真摯にお答えいただくよう、まずもって強く求め、質問に入ります。
総理になる前の自民党総裁の立場で、次期衆議院選挙を十月二十七日投開票の日程で行うというおきて破りの表明をし、明後日、解散される運びとなっています。国会で正式に選出される前に総理の伝家の宝刀を抜くとは、国会軽視、思い上がりも甚だしいと指弾せざるを得ません。
僅か半月余り前の総裁選の討論会で、総理は、解散の時期について、国民が判断する材料を提供するのは政府の責任であり、新しい総理の責任、本当のやり取りは予算委員会だ、世界情勢がどうなるか分からないのに、すぐ解散するという言い方はしないと明言していました。事実上、総理を選ぶ総裁選での言葉は国民に対する公約にほかなりませんが、舌の根も乾かぬうちに手のひら返しの解散を宣言する変節ぶりには、開いた口が塞がりません。
無論、常在戦場です。私たちは受けて立ちますが、解散前にやると約束した予算委員会さえも開かず、敵前逃亡のそしりは逃れ得ません。
総理に伺います。
元々、憲法七条に基づく解散については、時の政権に有利になるため憲法の趣旨に反すると否定的な見解を示していたのに、なぜ豹変したのですか。党執行部に押し切られて解散を決断したならば、党内野党として筋を通してきた総理も、最高権力を手にした途端に、党利党略で持論を曲げてしまうという本性が露呈したと受け止めなければいけません。これでは先が思いやられます。これに反論できますか。
このような有様で、自民党の裏金問題で地に落ちた国民の政治への信頼を取り戻せるとお考えでしょうか。就任記者会見で自ら、納得と共感内閣だと命名されましたが、国民に納得と共感が得られるとお思いでしょうか。
会期延長してでも予算委員会を開くことが不可欠です。能登半島の豪雨災害に対応するための令和六年度補正予算編成も無視するのでしょうか。
総裁選中、世界情勢が不透明なことも解散しない理由に挙げていましたが、先週、イランがイスラエルにミサイル攻撃し、第五次中東戦争の萌芽が現れました。国際情勢は一層混沌とし、日本がエネルギー危機に見舞われる可能性があります。現在の国際情勢下で、衆議院議員不在の政治空白をつくっていいのでしょうか。
総理の臆面もない公約破りを目の当たりにすれば、さきの総裁選は、自民党挙げての壮大な茶番だったと断じざるを得ません。総理の変節は、本質は変わらない、変えられない自民党政権の実態そのものではないでしょうか。
以上、敵前逃亡することなく、真摯にお答えください。
前国会で私は自民党総裁との間で文書を交わし、いわゆる政策活動費の十年後の公開で合意をしました。しかしながら、それは、結党当初から身を切る改革を掲げ、政治と金についてどの党よりも厳しいルールを自らに課してきた我が党として、改革姿勢が後退したのではないかという疑念を抱かせる結果を招いてしまいました。
前国会において自民党に、政治と金の問題を一掃する完全なる改革、政策活動費の即時廃止を迫らなかったことは、結果的に私たちの誤りでした。提案した政策は法案が成立しなくても実践するという政治姿勢を貫き続けている維新の党是から、今すぐの実践にちゅうちょがあったことも含め、真摯に反省をしています。
そこで、前国会閉会後、いま一度、改革政党の原点に立ち返り、政策活動費の支出は今後一切行わないことをルールとして定め、実践に移しています。さらには、これを法律による共通ルールとするため、今国会に、政策活動費や企業・団体献金の禁止、議員定数の削減等をうたった政治資金規正法及び公職選挙法の改正案を提出しました。
一方で、自民党は、裏金問題について、再発防止と政治不信を払拭するための法改正だけでなく、実態解明と当事者の処分も実施すると明言してきました。しかしながら、これらは今も、うやむやのままです。残された課題を今国会でやり切ることは立法府の使命です。しかし、総理がその議論する機会さえ奪わんとして、解散・総選挙に突き進んでいます。このことには断固たる抗議をいたします。
その上で、政治と金の問題に関して、総理にお伺いをいたします。
まず、派閥のパーティー収入不記載に端を発した裏金問題についてです。
政治倫理審査会については、衆参両院議員計七十二人がいまだに出席を拒んでいます。当然、出席を促すお考えでしょうか。
来る総選挙で、石破総理は昨日、相当程度の非公認が生じると宣言をされました。しかしながら、国民感情からすれば、裏金、脱税に関与した全員を非公認とするべきではないでしょうか。総裁選の公約どおり、総裁自らお一人お一人に聞き取りを行って判断するのですか。
前国会で明らかになったのは、長年の金権体質がしみついた自民党が構造的な機能不全に陥っているという事実です。この組織的問題に対して、幾ら首をすげ替えても対症療法にしかなり得ません。
私たちは既に、率先垂範して、旧文書通信交通滞在費の領収書公開を自主的に行ってきました。政治資金収支報告書の会計責任者は国会議員本人とし、責任の所在も明確にいたしました。さらに、先ほど述べたように、今後は政策活動費も完全に廃止をいたします。
総理は、過去に、政策活動費の廃止も一つの方向性だと述べておられますが、私たちの取組と比べると、いささか踏み込みが甘くないですか。自民党も、政治不信を一掃するために、私たちに倣って、廃止する方針を明確にすべきではないでしょうか。
さらに、私たちは、この問題を追及するに当たり、自ら身を正すことが必要と考え、過去の政策活動費の検証を行うチームを設置することに決めました。私たちの調査では、総理は、自民党幹事長職にあった平成二十四年九月から平成二十六年八月にかけ、計七十二回、総額十七億五千五十万円を政策活動費として受け取っています。私たちと同様に、これらの内訳も全て自主的に調査、説明してはいかがでしょうか。
金権体質を根本的に浄化するには、企業・団体献金の禁止は不可欠です。日本の財政を圧迫している社会保障の抜本改革は、献金を橋渡しにした自民党と企業、団体の癒着によって立ち往生しています。例えば、岸田前総理は日本医師会政治連盟から年間一千四百万円もの献金を受け取っており、これが癒着となれ合いを生み出し、医療制度改革を停滞させる要因になっているとの指摘は絶えません。
我々は、企業、団体へのパーティー券販売も含め、企業や業界団体からは一切お金を受け取りません。既得権の温床となる企業・団体献金は直ちに禁止すべきと考えますが、総理の決意を伺います。
一切のしがらみを排した構造改革を成し遂げるには、政治家自らが身分や特権を手放すことで覚悟を示さねばなりません。
私たちには、大阪府市で議員定数の削減を行い、議員歳費も削減した実績があります。国会では身を切る改革で、月々の歳費の二割、ボーナス三割を自主的にカットし、国内外の被災地や戦災地に寄附をしているほか、形骸化した特別委員会や委員長ポストの廃止に取り組んでいます。
民主党政権下の平成二十四年から果たされていない国民との約束が、国会議員定数の大幅な削減です。自民党は、この問題をいつまで引き延ばすのでしょうか。私たちが四日に提出した、比例代表選出議員の定数を二割削減する公選法改正案を可及的速やかに可決するべきではないでしょうか。議席削減に向けた総理の覚悟をお示しください。
旧文通費については、根本的に政府・与党の姿勢を問いたださなければなりません。
自民党との合意文書では、旧文通費の使途公開と残金返納を義務づける立法措置を行うこととなっています。これは公党同士の約束です。無論、総理はこの合意を生きているとお考えでしょう。
しかし、総理は、総裁選勝利後の先月二十九日のテレビ番組で、何が使途として認められるのか与野党で合意すれば公開すると発言されましたが、まず公開することを実践してから使途を決めるのが筋ではないでしょうか。私たちは、旧文通費の領収書を一枚残らず自主的に公開をしています。与野党の合意がなくても、総理自身、私たち同様に、自主的に領収書を公開するお考えはありますか。
岸田前総理が導入を決めた子ども・子育て支援金は、少子化対策を掲げながらも現役世代の手取りを減らし、また、防衛財源とするための法人税、所得税、たばこ税の増税は、身を切る改革なくして負担を国民に押しつける暴政そのものです。
自民党の茂木前幹事長が総裁選でゼロ増税を打ち出し、いずれも実施せずに財源は確保できると喝破されました。政策決定時に党幹事長であった方の発言には重いものがあります。この意見を受け入れ、社会保険料増額や増税を一旦凍結し、予算の精査や事業の見直しをやり直すべきではないでしょうか。お答えください。
社会保障制度は、国民の安心と幸せに直結する国民の関心事です。しかし、総理は就任会見で見直しに着手するとしただけで、ほとんど関心がないと断じざるを得ません。私たちは既に、高齢者医療制度の窓口負担の適正化、診療報酬の見直しなど、医療維新として具体的な医療制度改革案を提示しているところです。
総理は、年々増大する社会保障費を具体的にどのように抑制していくお考えでしょうか。社会保険料を下げることで現役世代の負担を軽減し、世代間格差を解消することこそ政府が解決すべき課題だと考えますが、総理の見解を求めます。
医療分野のDXは、医療費の適正化や診療報酬と薬価の見直し、電子カルテの標準化など、聖域とされてきた社会保険制度の中核にメスを入れることになります。しかし、その入口であるマイナ保険証に対する国民の忌避感が強く、十二月の健康保険証とマイナンバーカード一体化への円滑な移行が危惧されます。ここでつまずいているようでは、医療DXの実現など絵に描いた餅にすぎません。
不人気の大きな理由は、制度設計上、マイナ保険証を使用するメリットが余りにも少ないからです。問答無用でマイナ保険証を持たせることが目的化し、搭載される医療情報が極めて限定されている現行の制度設計は、医療DXのプラットフォームとして嘆かわしい状況です。
総理に質問をいたします。
マイナ保険証への移行は予定どおり実施されますか。マイナ保険証への移行と並行し、電子カルテ情報を共有できるよう、現行二百床以下の医療機関、診療所の半数が紙のカルテを用いている状況を打開するなど、国民の受診、治療や健康維持に資する制度を構築することが不可欠ではないでしょうか。お答えください。
本年は五年に一度の年金財政検証の年でありましたが、年金制度の経年劣化は火を見るよりも明らかです。人口減少が加速する今、年金は、現役世代の安心感よりも、むしろ負担感を増しているとも思われますが、どうお考えでしょうか。
そもそも、財政検証の考え方自体が昭和のモデルを前提としており、時勢を反映していないと言わざるを得ません。例えば、年金の所得代替率のベースは専業主婦世帯を想定しています。年金の保険料を納めている現役世代の多くが共稼ぎや未婚世帯であり、将来の見通しは個人単位の比較で示すべきであります。
現代社会に通用しない昭和のモデルにメスを入れ、時代に合う年金、医療の仕組みを再構築すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
財政検証では、合計特殊出生率の長期的な値も一・三六に設定されており、昨年の合計特殊出生率が一・二〇だったことを踏まえれば、異常に高い水準になっています。また、全人口に占める外国人の比率が一一%になるとされていることにも疑義があります。外国人比率一一%を実現するなら、日本社会の在り方そのものが大きく姿を変えることは容易に想像できます。このような変化に対し、そもそも、国民的なコンセンサスが取れているとお考えでしょうか。そうでなければ、なぜこのような空想的な比率を採用したのでしょうか。
年金の財政検証は粉飾と言わざるを得ず、将来世代への負担の先送りにつながると考えます。これらの前提を見直すべきではないでしょうか。総理に答弁を求めます。
総理は、地方創生の交付金を当初予算ベースで倍増させる方針を示されました。
総理に伺います。
初代の地方創生担当大臣を二年間務め、地方の問題に力を注がれてきましたが、これまでにどのような成果があったとお考えでしょうか。
首都圏一都三県への転入者と転出者の差は、地方創生がスタートした平成二十六年よりも拡大しています。男性より女性の流入の方が多い傾向も、この十年、変わっていません。東京一極集中の流れを反転させるような効果はなかったと思いますが、これまでの取組のどこに問題があったと認識されていますか。
地方創生推進交付金事業をめぐっては、過去に行政評価レビューで、重要業績評価指標、いわゆるKPIの設定や効果検証の方法などについて、外部有識者から事業全体の抜本的な改善を勧告された経緯があります。やり方によっては、ばらまきの道具になり、総理が師と仰ぐ田中角栄流の利益誘導政治に戻りかねません。今まで地方創生推進交付金がどのように使われ、いかなる効果をもたらしてきたか、まず徹底的に検証するべきではないですか。
地域を活性化するには、大学、雇用、金融機関などが集中する極が必要です。これを日本全国に分散させ、極を中心に経済成長を目指す多極分散の発想が不可欠と考えますが、所見を求めます。
消費税を始めとした国税を地方に抜本的に税源移譲することで、国の関与を減らし、主体的な自治体経営を可能とすることも肝要と考えますが、見解を求めます。
長引く物価高は、国民の日常生活を苦しめ、その影響は深刻度を増しています。今月値上げされた食品は、ペットボトル入りの飲料やハム、ソーセージなど二千九百品目余りにも上り、今年に入って最も多くなったと伝えられています。
政府は、物価高対策として電気やガス料金への補助やガソリン価格を抑えるための補助を実施していますが、ばらまき志向のびほう策にすぎません。総理が改めて意思表示をした低所得者向けの給付金も、高齢者に偏重し、本当に必要な人に届く施策ではありません。私たちは、国民が何よりも求めていることは、消費税や社会保険料の負担軽減と、それに伴う可処分所得の増加だと考えています。
総理に伺います。
事業者支援を中心とするばらまき路線から脱却し、全ての国民に直接還元されるような形での支援に転換すべきではないでしょうか。消費税を八%に引き下げ、軽減税率を廃止するとともに、社会保険料を軽減することが、より実効性のある物価対策になり得ると考えますが、いかがでしょうか。お答えください。
自民党政権は、長らく、業界団体や霞が関との堅牢な鉄のトライアングルを築き、旧態依然とした規制と昭和の古い価値観を温存することで、我が国の成長を阻んできました。電波オークションの導入や農地の企業所有解禁といった岩盤規制の改革を断行しなければ、イノベーションも新しい産業も生まれず、日本経済は停滞から抜け出せません。
失われた三十年の元凶の象徴と言える事例が、ライドシェア解禁に対する政府の対応です。
今年四月、日本版ライドシェアなるものが導入されましたが、実態は、運行管理はタクシー事業者にしか認められず、時間や地域も限定され、名ばかりライドシェアと言わざるを得ません。権益を固守する政官業が、へ理屈と恣意的なデータを駆使し、できない理由を取り繕い、業界外からの新規参入をブロックしているからです。全面解禁による市場規模は一兆円を優に超えるとされているにもかかわらずです。また、来るべき大阪・関西万博の成功に向けても、ライドシェアの更なる解禁が切望をされています。
総理は自著「保守政治家」の中で、あらゆる改革について、既得権益を壊すために不人気な政策であっても断固としてやり抜かなくては日本の将来に禍根を残すことになると訴えていますが、所信表明では規制改革のキの字にも触れずじまいでした。
総理に伺います。
業界団体と役所の既得権益を守ることで、国民の利便性がないがしろにされていいのでしょうか。規制改革に本腰を入れて取り組む覚悟はないのでしょうか。移動の足の不足という社会課題を解決するためにも、大胆な規制改革によって新たな市場の創出や新しい働き方への転換を促すためにも、新規参入が可能なライドシェアの全面解禁を実現してしかるべきではないでしょうか。お答えください。
インフラ整備についても伺います。
石破総理は、リニア新幹線について、開業すれば東海道新幹線に輸送余力が生じると積極的なコメントをされ、高速交通インフラに強い関心があると拝察いたします。
翻って、東京と大阪をつなぐ北陸新幹線の整備事業では、空白となっている敦賀以西のルートについて、国土交通省は、当初想定した建設費が二倍以上の五兆円超まで膨らむと試算し、難工事のリスクから工期も最長約二十八年と当初の十五年から大幅に延びると見込んでいます。
総理に伺います。
現行の計画ルートの工事条件が不測の事態で大きく悪化した場合、より合理的、現実的なルートへの変更も検討する可能性はありますか。対象ルートが収支採算性や投資効果など着工五条件がクリアできないなら、五条件自体を見直すという声も与党から漏れ聞こえてきています。まさかゴールポストを強引に移動させるようなことはないと思いますが、所見を求めます。
国際情勢が流動化する中、核を持つ中国、北朝鮮、ロシアを隣に抱える日本の安全環境は日を追うごとに厳しさを増しています。力による台湾統一の野心を持つ中国の人民解放軍は、八月以降、日本周辺での威圧活動を先鋭化させています。情報収集機が領空侵犯したほか、測量艦が領海侵入し、空母が初めて接続水域を航行しました。日本が米国と安全保障面で連携を強化していることへの反発であることは間違いがありません。
総理に質問します。
日本有事に直結する台湾有事は、総理の総裁任期中の二〇二七年までに起きるとの観測が強まっています。御自身が戦時の宰相になり得る蓋然性が高いわけですが、その覚悟はありますか。その日を視野に、国家国民を守り抜くための万全な防衛体制をどのように、そしていかなるタイムスケジュールで敷いていくお考えでしょうか。
総理は、自著「保守政治家」で、台湾有事、即日本有事になる可能性は相当低いと指摘しています。理由は、中国が台湾を攻撃しても、日本を攻撃すれば同盟国の米国を敵に回すことになるからだそうです。
そのような政府最高指導者の甘い認識は、中国、そして日本国民への誤ったメッセージになりかねないのではないでしょうか。対中抑止力や国民の国防意識をそぐことになるとも懸念しますが、所見を求めます。
海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」が先月二十五日、海自艦艇として台湾海峡を初めて通過しました。欧米の軍艦は、台湾海峡はどの国にも属さない国際水域として自由に航行していましたが、日本はこれまで、中国との間で緊張が高まることを避けるため、海自艦艇による航行を控えていました。指示をした岸田前総理の決断は、日本周辺で傍若無人に振る舞う中国を牽制する上で意義があり、対中抑止力に資するものとして評価をいたします。
今後も海自艦艇の台湾海峡航行を継続して行っていくべきだと考えますが、見解を伺います。また、これに限らず、中国、北朝鮮、ロシアの脅威に対して、日本は毅然とした行動や対抗措置を取っていくお考えはあるでしょうか。
総理は、自民党総裁選での政策集で、党是の憲法改正について、国会での議論を促進し、総理在任中の国会発議を実現すると掲げました。岸田前総理は、総裁任期中の憲法改正実現を重ねて公言されていましたが、結局果たせずに終わりました。与野党五会派で合意形成されつつある緊急事態条項創設や、防衛力の抜本的強化と表裏一体にある九条への自衛隊の明記などを軸に、改正案の取りまとめ作業に直ちに入るべきです。
総理にお尋ねいたします。
前総理が憲法改正を実現できなかった最大の要因は、自民党が常々、予算や重要法案の審議優先などをできない理由の口実として野党第一党と談合し、都合よく先送りし続けているからだと考えます。つまり、やる気がないだけで、成否は総理・総裁の決断次第です。このような現状を打開する覚悟はあるでしょうか。
総理が発議をするとした総理在任中とは、現総裁任期の三年以内にということでしょうか。総理在任中というなら、場合によっては発議の目標期限が総裁任期最長三期連続、すなわち九年先までずるずると先延ばしができます。三年以内に発議をするとはっきり言ってください。自民党総裁として答弁を求めます。
日本維新の会は改革政党です。結局は従来型の自民党手法そのものから抜け出ることのできない石破内閣に対して、もう一つの選択肢を示していきます。
先月、私は日本維新の会の外交ミッションとしてインドを訪れましたが、昭和四十年代の日本のように、国中にあふれる活気に驚きました。現地の人々が皆、暮らしがよくなっていく期待でわくわくする笑顔で輝いていたからです。
近く迎える総選挙で、私たちも、国民がわくわくできる社会を実現すべく、日本大改革の道筋を果敢に提案し、全力で戦い抜くことをお誓い申し上げ、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕