日本維新の会の三木圭恵でございます。
令和六年度補正予算案関連三法案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、提案者を代表して、趣旨弁明を行います。
第一、令和六年度補正予算の編成替えを求める理由。
令和六年度補正予算案には次のとおり問題点があることから、政府は撤回すべきであり、これらの問題点及び次の編成替えの概要を踏まえ、予算を改めて編成すべきである。
一、歳出規模の水膨れ。
我が国財政においては、コロナ禍以前まで、補正予算の規模が十兆円を超えたのは僅か四度のみであるが、コロナ禍で補正予算の規模は膨張し、四年連続で十兆円を超えることとなっている。日銀が算出した本年の第二・四半期のGDPギャップは金額にすると年四兆円程度、総務省が算出した本年十月のコアCPIは前年比二・三%であり、三十九兆円規模にもなる経済対策が必要な状況ではない。政府はデフレに後戻りさせないとの考え方を示しているが、このような理屈づけを続けていては、いつまでも政府支出の削減は不可能である。
危機的な財政状況の中、平時からはなおかけ離れた額の予備費、圧縮が十分に進まない基金とともに、補正予算規模についても財政規律が劣化していると言わざるを得ず、歳出削減を進める必要がある。
二、能登の複合災害に対する復興支援の不足。
自民党の政策は、多く集めて一部の層へ配ることが特徴であり、めり張りのある予算計上ができていないとの声も根強い。一部の業界団体や特定の層に細かく支援の厚塗りを繰り返し、支援が必要な層に行き渡らない事態があるとも度々指摘されている。
今般の補正予算においても能登半島への支援が含まれているものの、半島という地理的特性や震災と豪雨の複合災害が能登地域に甚大な被害をもたらしたことを鑑み、迅速かつより踏み込んだ生活再建支援を行うことが必要である。
三、現役世代、子育て世代支援の不徹底。
能登半島支援と同様に、現役世代や子育て世代に関する支援も十分ではない。今般の補正予算には、低所得世帯に対する追加二万円の支援など、貧困家庭への支援も含まれてはいるが、貧困により子供の可能性を奪わないようにするためには、抜本的な発想の転換が求められる。
必要なのは、所得制限のない教育の無償化である。政府の高等学校等就学支援金制度では九百十万円と所得制限があるが、この金額は東京の子育て世帯の平均収入以下である。進学に係る資金面の不安を取り除くことが、真の子育て支援と言える。
第二、編成替えの概要。
一、徹底した歳出削減による補正予算規模の縮小。
補正予算の財源は、徹底した歳出削減と行政改革で賄うべきである。具体的には、基金の余剰金の国庫返納、不要な国有資産の売却、既存事業の見直しを行い、また、能登復興支援を補正予算に組み込むことから過大となることが予想される予備費の減額、行政機構の改革、税収の伸び等を組み合わせて確保することで、新規の国債発行を行わないように努めなければならない。加えて、補正予算には緊要性が求められることを踏まえ、基金事業に予算計上を行わないなど補正予算制度自体の改革にも取り組み、コロナ禍以降に膨張した補正予算規模を平時の規模まで圧縮すべきである。
二、能登復興予算の拡充。
被災地における生活の再建を加速するため、石川県能登地域六市町、七尾市、輪島市、珠洲市、志賀町、穴水町、能登町の被災高齢者世帯等に対する住宅再建等の支援のための地域福祉推進支援臨時特例給付金の適用を拡大し、加えて、能登半島地震復興基金の積み増しを行うべきである。
三、高校までの授業料無償化。
親の所得格差が子供の教育格差に直接的に影響している現状を鑑み、家庭の経済状況にかかわらずひとしく質の高い教育を受けることができるよう、幼児教育から高等教育まで教育の全課程において無償化を実施し、教育の多様性の確保及び選択肢の拡大に積極的に取り組むべきである。特に、親の所得格差や地方自治体による教育政策格差の影響を強く受けている高等学校においては、地方自治体で既に先行事例もできつつあることから、早急に国による無償化を進めなければならない。
そこで、物価高騰の影響を直接受ける子育て世帯を重点的に支援し、なおかつ高校授業料が無償化した家計状況を国民に実感いただくため、年度末までの四か月分という時間的期限を設け、就学支援金の引上げによって高校授業料を実質無償化するべきである。
以上、御説明申し上げました。
御賛同よろしくお願い申し上げます。