石破茂
石破茂君による発言要約一覧
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2024-12-05
第216回国会(臨時会) 衆議院 予算委員会 第1号 発言No.58会議全体を見る- 石破内閣総理大臣は、尹錫悦大統領の努力を評価し、日韓関係改善を支持すべきと述べた。
- 日米間の国益の違いを認識しつつ、日米同盟のメリットを明示する重要性を強調した。
- トランプ大統領については、合理的な判断をする人物として、日本と米国の共同利益を述べていく重要性を示した。
日韓は今、予断を許しません。しかし、韓国がどうなっていくか。国内的には非常な批判あるいは反発があっても、尹錫悦大統領が、いろいろな日韓関係の改善、それが大韓民国の国益だという信念の下に進めてきた。私どもは、そういう尹錫悦大統領の努力というものを損なうようなことがかりそめにもあってはならないのだと思っております。それが一つ。
日米間におきましては、やはり、本会議でも申し上げましたが、国益が違うので、そこは、違うところは違うということをきちんと申し上げていかねばなりません。
日米同盟が、日本のみならず、この地域にとってのみならず、米国にとってもいかなるメリットがあるものかということはきちんとお示しをしていかねばならぬのであって、日本が一方的に守っていただくので、向こうの要求というものは本当にいろいろな事情があったとしても受け入れねばならない、そういうような立場を取る向きもないとは私は言わないが、そうではないのだということだと私は思っております。
トランプ大統領が、ある意味合理的な判断、それは損か得かという功利的な意味ではございませんで、損か得かという判断は、非常に怜悧な判断をする方だと思っております。
そのことをよく認識しながら、私どもとして、日本国の国益と合衆国の国益が両立し、それが世界益になるのだということを臆さず言っていくことは大事なことだと考えております。
2024-12-05
第216回国会(臨時会) 衆議院 予算委員会 第1号 発言No.56会議全体を見る- 石破内閣総理大臣は、非合理的な状況における合理性や抑止力について議論の必要性を強調した。
- 北朝鮮における個人崇拝や日本人が受けた影響を認識する重要性を述べ、厳しい状況を想定した政策立案の必要を述べた。
- 政治や安全保障に関わる者として、様々な議論を行うことが重要と考えていることを伝えた。
その御見解には私は完全に同意をいたします。そういうことなんだろうなと思っています。
先ほどちょっと言い方が間違えていたかもしれませんが、非合理的だと思わせる合理性というのがあるんだろうと思っているのですね。相手が何をやるか分からないということがどれほど恐ろしいかということなのであって、そのときに私たちが持つべき抑止力は何だろうかということを議論したいということを申し上げたところでございます。
恐らく心象風景はそういうものだと思っております。私も北朝鮮に一回だけ行ったことがあるのは、御指摘がありました金日成、建国の父と言われておりますね、それはソ連が送り込んだということが大体定説なのですが。その八十歳の誕生日だということで、拉致問題も顕在化はしていなかった、核実験もしていなかった、ミサイル実験もしていなかった。金丸訪朝、田辺訪朝があったときに、私は自民党の当選二回生でした。見た体験は、多分、野田委員と同じものを見たのだろうと思います。
いかに日本人に我々はいじめられてきたかということ、そして金日成主席がどれほど英雄的であったかということ、そしてどれほど個人崇拝が進んでいるかということ、そういう国が世界の中にあるのだということを我々はよく認識をしなければならないのであって、米兵の後ろでピースサインなんかしている場合ではない。
もちろん、そういう方がおられるのは平和のあかしかもしれないが、我々政治に携わる者、安全保障に携わる者は、最も厳しい状況を想起しながらいろいろな政策を立てていかねばならないのであって、立場は違いますが、委員とそういう議論ができれば本当にありがたいことだと思っております。
2024-12-03
第216回国会(臨時会) 参議院 本会議 第3号 発言No.7会議全体を見る- 内閣総理大臣の石破茂氏は、日本は独立し持続可能な国を目指すべきと述べた。
- 安全保障や人口減少を中心に三つの政策課題に取り組むことの重要性を強調した。
- 経済成長について、賃上げと投資による循環の促進を目指し、公的支援を行うと説明。
- 政治資金の透明性向上や改革の必要性についても触れ、政治は国民のものと強調した。
- 憲法改正に関しては、自民党内で議論を加速させ、国民的な議論を期待していると述べた。
松山政司自由民主党参議院幹事長の御質問にお答えを申し上げます。
国づくりの指針についてであります。
私はかねてから、国づくりの在り方というのは、独立した持続する日本でありたいということを申し上げてまいりました。何だそれはと言われますが、横文字にするとかえって分かりにくいのかもしれませんが、要は、インディペンデントでサステナブルな日本でありたいというふうに思っております。つまり、この国は本当にインディペンデントな国ですかと、本当にサステナブルな国ですかということであります。日本国はインディペンデントでサステナブルであるべきだと、私はこのように考えております。
全ての人に安全と安心をということを十月の所信表明で申し上げました。これを基盤として、国民お一人お一人が将来への希望を持ち、多様な幸せを実現していただける、そのような豊かな国づくりというものを進めたいと考えております。
国の在り方というのは、それはかつて強い日本であったかもしれない、あるいは豊かな日本であったかもしれない。しかし、今度はどうなのだろうと。強い日本、豊かな日本、それもまた大事なことでしょうが、日本国いかにあるべきかという松山幹事長の御指摘をよく踏まえて、今後取り組んでまいりたいと考えております。
この実現のためには、現在我が国を取り巻く三つの重要政策課題に立ち向かうことが重要であります。第一は、最も厳しく複雑な安全保障環境において、我が国の独立と平和、国民の命と暮らしを守ることであります。第二に、極めて深刻な人口減少の中にあっても、地域や経済全体の活力を取り戻すことであります。
御指摘の国際的な大きな流れを十分に踏まえつつ、地方創生二・〇を起動し、デジタルを活用した地域の課題解決やAIなどの戦略分野への投資に官民連携で取り組み、稼ぐ力を向上させてまいります。
激甚化する自然災害や頻発化する犯罪から国民を守り抜いていかねばなりません。こうした課題を乗り越えた先に、私どもが掲げております日本創生、この実現ができると考えております。
先般の選挙で示されました国民の皆様方のお声を踏まえ、自由民主党、公明党の連立を基盤に、他党にも丁寧に御意見を承り、可能な限り幅広い合意形成が図られますよう、真摯に、謙虚に、国民の皆様方の安全と安心を守るべく取り組みたいと考えております。
政治改革についてであります。
言うまでもなく、政治は国民のものであります。謙虚に、真摯に、誠実に国民の皆様方と向き合いながら、国民全般の利益と幸福のために奉仕をすることが政治のあるべき姿であり、国民政党としての自由民主党が目指すべき姿であります。
幹事長御指摘のとおり、政治改革に終わりはございません。政治資金規正法の第一条が、その目的として、政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにすると規定していることを踏まえ、政治資金の高い透明性を確保する取組が必要であり、それが政治に対する国民の皆様方の御判断に資することになると考えております。
政党の在り方や政治資金の在り方など、議会政治の根幹に関わります問題につきましては、各党各会派で御議論いただくべきものではありますが、総裁としてあえて申し上げれば、我が党としても、国民政党としての責任を果たすべく、御指摘のありました政策活動費の廃止、収支報告書の内容を誰でも簡単に確認できるデータベースの構築など、政治資金に関する諸課題の改革のための議論を率先して進め、政治資金規正法の再改正も含めた必要な法整備に尽力をいたしてまいります。
成長と分配の好循環についてお尋ねをいただきました。
我が国経済は、成長と分配の好循環が動き始めておりますが、デフレに後戻りせず、賃上げと投資が牽引する成長型経済に移行できるかどうかの分岐点にあります。こうした局面において、賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る経済を実現し、豊かさを実感できる成長型経済への移行を確実にするため、今般、経済対策を取りまとめたところであります。
全ての世代の現在及び将来にわたる賃金、所得を増やすため、まず、現下の賃上げに向けた価格転嫁や省力化・デジタル投資の促進等に取り組みます。
将来も継続的に所得が増加する手だてとして、資産運用立国及び投資立国を実現いたしますとともに、今後二〇三〇年度までにAI、半導体分野に十兆円以上の公的支援を行い、十年間で五十兆円を超える官民投資を引き出すことなどに取り組みます。こうしたことにより、日本経済、地方経済の成長力を強化いたしてまいります。
百三万円の壁についてであります。
今般の経済対策におきましては、自由民主党、公明党、国民民主党の三党間での合意を踏まえ、いわゆる百三万円の壁につきましては、令和七年度税制改正の中で議論し引き上げる、これらに伴う諸課題に関しては、今後、検討を進め、その解決策について結論を得るとの記述を盛り込んだところであります。経済や地方税等の税収への影響など、専門的な観点も含めて様々考えなければならない論点があるものと認識はいたしております。
そうしたことも踏まえまして、今後、各党の税制調査会長の間で更に議論を深めていただきたいと考えております。特に地方の首長の皆様方の御心配は十分理解できるところであり、丁寧にこれに応えてまいりたいと考えております。
防災・減災、国土強靱化についてであります。
令和六年度補正予算案につきましては、令和七年度までの五か年加速化対象分に、対策分に加えて、資材価格の高騰などを踏まえた別枠の緊急対応枠等や、防災・減災、国土強靱化以外の社会資本整備を含め、合計約二・四兆円の公共事業費を盛り込むことといたしております。
現場を支える事業者が安心して設備投資や人材育成を行えるよう、安定的、持続的な公共投資を推進することが重要であります。この観点から七年度予算編成に当たるとともに、五か年加速化対策後も切れ目なくこれまで以上に必要な事業が着実に進められますよう、実施中期計画の早急な策定に向けて検討を最大限加速いたしてまいります。
レアメタルや獲得競争が激化している銅などの確保のための戦略についてであります。
御指摘のとおり、レアメタルや銅などは我が国の産業活動に必要不可欠であり、その多くを国外に依存する中、経済安全保障の観点からも安定供給確保に向けた取組を進めていくことが重要であります。
政府といたしましては、厳しく複雑な国際情勢における資源外交を通じた同志国や資源国との関係強化、出資や助成金による日本企業の権益確保、鉱山開発、製錬事業の支援、資源量調査や技術開発を通じた国産海洋資源の開発など、政策を総動員しながら重要鉱物の安定供給確保に取り組んでまいります。
政府関係機関の地方移転、国際機関の地方誘致等についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
政府関係機関の地方移転につきましては、私が初代大臣を地方創生で務めておりました平成二十八年に決定いたしました政府関係機関移転基本方針に基づき、文化庁を始めとした中央省庁七機関、研究・研修機関二十三機関五十件を対象として進めてまいりました。
政府関係機関の地方移転につきましては、移転を求める地域の関係者も含めて、どこに置かれることが日本のためになるかを十分に議論することが重要であると考えております。この点、松山幹事長が御指摘になりました、文化庁を京都に移転をいたしました際の成果あるいは反省、この検証は極めて重要であるというふうに認識をいたしております。
また、先般の全国知事会で申し上げたことでございますが、今申し上げましたことと重複したら恐縮ですが、北海道から九州、沖縄まで、それぞれの都道府県がといいますか、道府県がと申し上げた方がよろしいかもしれません、我が県に、我が府に、我が道に、この機関が来ることが、我が地域のためになるのみならず、日本全体のためにもなるということで御提案をいただきたいと思っております。そういう観点から、これから先、更に議論を深めてまいりたいと考えております。
国際機関の地方への誘致につきましても同様でありまして、どこに誘致することが外交課題へのより効果的な対応につながるのか、地方創生に資するのかを議論する必要がございます。地方の要請等も踏まえ、各機関や地域の個別具体の状況等に応じて検討いたしてまいります。
アジア新興・人獣共通感染症センターの九州設置に関しましては、来年四月に発足いたします国立健康危機管理研究機構が人獣共通感染症対策を進めていく中で、関係自治体などの御意見も十分に承ってまいることにいたしております。
自由貿易体制の重要性についてであります。
ルールに基づく自由で開かれた多角的貿易体制は我が国経済外交の柱であり、日本経済を含む世界経済の成長に貢献いたしてまいりました。
次期政権発足後の合衆国政府の貿易政策について政府として予断を持ってコメントすることは差し控えますが、先ほど申し上げた認識の下、次期政権とも緊密に意思疎通をいたしてまいります。
我が国による防衛力強化に関するトランプ次期大統領への説明についてであります。
我が国として、力による一方的な現状変更の試みの深刻化や、北朝鮮による度重なる弾道ミサイル発射など、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、防衛力の抜本的強化に努めておるところでございます。
また、日米間では、指揮統制、防衛装備・技術協力、同志国との連携に加え、南西諸島におけるプレゼンス、領域横断作戦等、幅広い分野での協力を進め、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化するための取組を着実に実施をいたしてまいります。
トランプ次期大統領に対しましても、こうした我が国自身の努力としての防衛力の強化、また、日米両国が共に協力していくことが相乗的に日本の国益にも合衆国の国益にもなり、インド太平洋地域の平和と安定にも資するものであると、このようなことを説明してまいりたいと考えております。トランプ次期大統領とも率直に議論を行い、同盟を更なる高みに引き上げてまいります。
気候変動問題は世界全体で取り組むべき喫緊の課題であり、エネルギー起源CO2の排出量で見れば全世界の約三%を排出しております我が国は、世界全体での一・五度目標の実現に向け、これまでも着実に排出量を削減してまいりました。
現在、次期削減目標の策定とその実現策について国の審議会で検討を深めており、年内に案を取りまとめ、我が国のネットゼロへの道筋をお示ししたいと考えております。
御指摘のとおり、実効ある地球温暖化対策のためには、我が国に比べて排出量の多い国々の取組が必要であり、その取組強化に向け対話を進めるとともに、AZECの枠組みなども活用しながら、我が国の技術と資金を生かし、アジアを始め世界の排出削減に貢献をいたしてまいります。
SNSにおきます偽情報、誤情報の対策についてでありますが、幹事長御指摘のとおり、SNS等のインターネット上の偽・誤情報は短時間で広範に流通、拡散し、国民生活や社会経済活動に重大な影響を及ぼし得る深刻な課題であると認識をいたしております。
公職の選挙につきましても、民主主義の根幹を成すものであり、正しい情報が流通し、有権者の自由な意思による公正な選挙が確保されることが重要であると考えております。
多様な関係者と連携協力を行いながら、ネット上の情報には偽情報、誤情報も含まれ得ることなどの認識を幅広い世代に広めていくとともに、大規模なプラットフォーム事業者に対して情報の削除を求められた場合に迅速に対応すること、こうした取組の状況の透明化を進めること等を求める法改正に取り組んできたところであります。
引き続き、国際的な動向も踏まえつつ、表現の自由に十分配慮しながら総合的な対策を積極的に進めてまいります。
憲法改正について内閣総理大臣からその進め方について直接申し上げることは差し控えますが、自民党の取組についてあえて申し上げれば、憲法改正について議論を加速すべく、本年七月以降、衆参の実務担当者等から成るワーキングチームで議論を重ね、衆参所属議員双方における共通認識の確認や論点整理を進めてきたところであります。
議員御指摘の自由闊達な議論によってこれまで積み重ねた共通認識の下、引き続き自民党の憲法改正実現本部における党内の議論が加速されるというふうに承知をいたしております。その上で、国会による発議の実現に向け、憲法審査会において建設的な議論が行われ、国民的な議論を深めていただくことを期待いたしております。
残余の質問については、関係大臣が答弁を申し上げます。
〔国務大臣浅尾慶一郎君登壇、拍手〕
2024-12-03
第216回国会(臨時会) 参議院 本会議 第3号 発言No.3会議全体を見る- 内閣総理大臣(石破茂)は、選挙結果を受けて他党とも意見交換を行い、国民の安心を守るべく合意形成に努めると述べた。
- 能登地域の復旧に関して、予備費と補正予算を組み合わせて支援を行い、長期的な施策も実施する意向を示した。
- 政党の内部運営と選挙公認方針についての質問に対して、自民党の方針を尊重して判断の透明性を図る必要性を強調した。
- 政治資金の透明性確保に向けて、政策活動費の廃止と公表制度の導入を考えていると述べた。
- 悪質な偽情報の存在を認識し、選挙におけるSNSの利用に関しては表現の自由を尊重しつつ、各党で議論すべきとした。
辻元清美議員からいろいろと御示唆、御配慮に富んだ御質問を頂戴をいたしました。恐縮であります。
基本姿勢についてでございます。
先般の選挙で示されました国民の皆様方のお声を踏まえ、衆参両院において、自由民主党と公明党との連立を基盤に、他党にも丁寧にオープンに御意見を聞き、可能な限り幅広い合意形成が図られるよう、真摯に、そして謙虚に、国民の皆様の安心と安全を守るべく取り組んでまいるのは当然のことだと思っております。
能登地域の復旧復興のための補正予算でありますが、これは、補正予算と予備費はどちらか一方でないと本格的な支援が行えないというものではございません。状況に応じて、必要なのは、切れ目のない対応を行うために、この補正予算と予備費の二つを組み合わせて一刻も早い復旧と創造的復興に取り組むということであります。
今回は、デフレマインドを払拭をして賃上げと投資が牽引する成長型経済に移行するために、経済対策の策定が必要でありました。この経済対策は、指示から補正予算の成立まで通例二か月掛かるということでございます。これは過去の例からも明らかであります。
このため、能登地域の皆様方が受けた地震、豪雨の度重なる被害に対しましては、合計七千百五十億円の予備費を活用して、避難所の開設、インフラの応急対応、仮設住宅の建設など、復旧復興のフェーズに応じた機動的かつ効果的な支援を切れ間なく行ってきたものであります。
他方、今般、補正予算では、二千六百八十四億円の施策を盛り込むことといたしております。これは、予備費のようにその時点で必要となる施策に対応することに加えて、より長い目で見て必要となる事業量にも包括的に対応したものでありまして、災害公営住宅の整備への支援拡充、なりわい支援、災害廃棄物の処理の加速化、公共インフラの復旧復興などの施策、こういうものが該当するものでございます。
来年夏に予定されております参議院通常選挙における公認の方針等についてでありますが、政党の公認の方針等について政府としてお答えをいたすことは差し控えますが、自民党総裁としてあえて申し上げれば、さきの衆議院議員総選挙におきましては、自民党党則における選挙における非公認よりも重い処分を受けた者などについては非公認としたところでございます。来年夏に予定されております参議院通常選挙における公認、非公認の判断について、違う対応を行うということは現時点では考えておりません。
党の内部運営に係ることにつきまして、これ以上の詳細についてお答えをすることは差し控えますが、さきの選挙結果も踏まえつつ、国民の皆様方に納得していただけるような対応の在り方を考えてまいります。
政策活動費についてのお尋ねをいただきました。
政治資金に関するルールにつきましては各党各会派で御議論いただくべきものでありますが、党総裁としてあえて申し上げれば、政党から地方議員を含む各級議員に支出され、その先の最終的な使途が公開されていない政策活動費は廃止する、廃止することとし、我が党として所要の法案を提出をいたしてまいります。
この結果、政党における最終的な支出先等につきましては基本的に全て公開することになり、もはや従来の政策活動費ではなくなります。なくなりますが、外交上の秘密、支出先のプライバシー、あるいは営業秘密を害するおそれに配慮すべき場合など一部の限定された支出につきましては、相手方との信頼関係等にも関わることから、公開を行いつつも、公開の方法には工夫が必要であると考えております。
今後どのような公開の仕方があり得るかにつきましては、我が党といたしましても、各党各会派と真摯に議論を行いたいと考えております。
いわゆる年収百三万円の壁についてであります。
どのような目的、位置付けなのかにより、参照すべき指標や、これをどのように用いて引上げ幅を確定するのかは異なるものと考えております。
現在、三党の税調会長の間におきまして、税調会長間におきまして、政策的な目的を含めて議論されている、協議されているものと承知をいたしております。参照すべき指標や引上げ幅などについて、お答えをすることは差し控えます。
国民民主党からは、最後に基礎控除の引上げが行われた平成七年以降の最低賃金の上昇率一・七三を基礎控除四十八万円と給与所得控除の最低額五十五万円の合計額百三万円に乗じ、その結果の百七十八万円まで基礎控除を七十五万円引き上げること、これを提案されているものと承知をいたしております。この場合の国、地方合わせた減収額は、七兆円から八兆円程度と試算をいたしております。
御指摘の消費者物価指数の食料品、基礎的支出項目、総合につきましては、これらをどのような考えに基づいて参照し、どのように税制に反映させるのかによって引上げ幅等も異なりますとともに、三党においてまさに協議が行われている最中でございますので、政府からお答えすることは差し控えます。
いわゆる百三十万円の壁の対応についてであります。
社会保険の適用に関するいわゆる百三十万円の壁につきましては、当面の対応として、被扶養者認定を円滑化するなどの年収の壁・支援強化パッケージの活用にまずは取り組んでまいります。その上で、就業調整を行っている労働者が希望に応じて働くことができるよう、制度的な対応を図ることも重要であると考えております。
政府におきましては、現在、次期年金制度改正に向けて議論を行っているところであり、働き方に中立的な制度を構築する観点から、被用者保険の更なる適用拡大など、関係者間で丁寧に議論を進め、成案を得るべく努力をいたしてまいります。
いわゆる闇バイトへの対策についてであります。
政府におきましては、これまでも、犯罪対策閣僚会議において、闇バイトによる強盗、詐欺への諸対策を取りまとめ、取締りの徹底、犯罪に加担する可能性がある者に対する呼びかけ等の対策を強化してきたところであります。
私自身、SNSなどで闇バイトは犯罪であることを動画により周知したほか、先般取りまとめた経済対策におきましても、防犯カメラの設置、青パトの整備など、町ぐるみの防犯対策の支援を行うことといたしております。
また、闇バイトが行われない社会をつくる必要があるということは、まさしく御指摘のとおりだと私も考えております。
貧困や若者の不安定な就労といった問題につきましては、経済的に困窮する方に対する自立に向けた包括的な支援、ハローワークにおけるきめ細かな就職支援、正社員への転換に取り組む事業主の支援などを行っておるところでございます。
国民を守る、全ての方々が安心して暮らせる世界一安全な日本を実現する。それらのためにも、引き続き、治安対策や経済的に困窮する方への支援などに積極的に着実に取り組んでまいります。
スポットワークについてであります。
数時間又は一日単位で仕事をするいわゆるスポットワークで働く労働者は、賃金や安全衛生などの取扱いについて通常の雇用と異なるところはございません。事業主は適正に対応する必要があり、違反があれば労働基準監督署が監督指導することになります。
また、スポットワークのあっせんを行う事業者につきましては、求職者への労働条件明示、労働条件を明示することや苦情処理に関する体制の整備等を課しておりまして、求職者保護について都道府県労働局が監督指導等を行っておるところでございます。
今後とも、労働者からの相談に丁寧に対応すること等を通じ、スポットワークの実態を適切に把握しつつ、労働関係法令違反の疑いのあるケースについて都道府県労働局等において監督指導等を行い、スポットワークで働く方々や求職者の保護を図ってまいりたいと存じます。
非正規雇用と同一労働同一賃金についてであります。
非正規雇用労働者につきましては、正規雇用労働者に比べて相対的に賃金水準が低いこと、有期雇用の場合には雇用が不安定になりやすい傾向にあるほか、いわゆる不本意非正規の割合は減っているものの若年層では割合が高い等の課題があると認識をいたしております。
このため、希望する方々の正社員への転換を支援するとともに、同一労働同一賃金の遵守徹底を図ることが必要であると考えております。このため、短時間正社員など、多様な正社員制度の普及促進を図ることも重要と考えております。
同一労働同一賃金につきましては、令和二年度の法施行以降、取組が進んできているものと認識をしておりますが、これに係る規定につきましては、施行五年後の見直し検討規定に基づき、状況を把握、分析した上で検討をいたしてまいります。
最低賃金の引上げにつきましては、先日、私の政権で初回となります政労使の意見交換を開催し、最低賃金を引き上げていくための対応策を来春までに取りまとめるよう関係閣僚に指示をいたしました。今後も、政労使の意見交換を開催し、官民挙げて問題の深掘りや環境の整備を図ってまいります。
このため、あらかじめ来春の何月までにまとめると申し上げる段階にはありませんが、当政権として、二〇二〇年代に全国平均千五百円という高い目標に向かって、たゆまぬ努力を続けてまいります。
単身世帯の増加と非正規雇用の問題についてお尋ねをいただきました。
国立社会保障・人口問題研究所が先月公表した都道府県別世帯数の将来推計では、二〇五〇年には全世帯に占める単独世帯の割合は全ての都道府県で上昇が続き、全国平均で四四・三%になると見通しが示されましたのは御指摘のとおりでございます。単身高齢者の方も含め、誰もが住み慣れた地域で孤立せず安心して暮らせるような社会づくりが今後ますます必要になってまいります。
特に男性につきましては、非正規雇用労働者の方が正規雇用労働者より有配偶率が低い傾向があります。配偶者がいる率が低いということですね。他方で、非正規雇用労働者の増加は主に高齢者で生じておりますことから、単純に非正規雇用労働者の増加が原因で単身者が増えていると評価することには留意が必要でございます。
希望する方々の正社員への転換を支援するとともに、同一労働同一賃金の遵守徹底を図ることは必要であります。短時間正社員制度など、多様な正社員制度の普及促進を図ることも重要と考えており、これらに総合的に取り組んでまいります。
アベノミクスについてのお尋ねを頂戴をいたしました。
アベノミクスは、デフレではない状況をつくり出し、GDPを高め、雇用を拡大し、企業収益の増加傾向にもつながりました。他方、一人当たり平均の実質賃金が伸び悩むとともに、個人消費も力強さを欠いていたと認識をいたしております。
アベノミクスの成果を基に岸田内閣が進めてきた取組を引き継ぎ、更に加速、発展させることで、賃上げと投資が牽引する成長型経済を実現してまいりたいと考えております。
企業・団体献金についてであります。
政治資金に関するルールの在り方につきましては、既に政治改革に関する各党協議会において御議論をいただいており、政府としてお答えをすることは差し控えますが、まず事実関係について申し上げれば、昭和四十五年の最高裁判決におきましては、原告側が、大企業による巨額の寄附は金権政治の弊を産む、弊害の弊ですね、弊を産む、豊富潤沢な政治資金は政治の腐敗を醸成すると主張したのに対して、最高裁は、そのような弊害に対処する方途は、差し当たり、立法政策にまつべきことであって、憲法上は、公共の福祉に反しない限り、会社といえども政治資金の寄附の自由を有すると述べております。
また、こうした判決も踏まえ、八〇年代以降、各党各会派による議論が行われ、企業・団体献金について一定の量的制限、質的制限が設けられたほか、寄附の相手方についても政党等に対するもののみが認められる形になったところであり、一定の改革が行われてきたところであります。
その上で、更なる規制の強化につきましては、最高裁判決でも認められている企業の政治活動の自由に関わることでもあることから、必要性、相当性をよく議論する必要があるものと考えております。
政党として避けなければならないのは、献金によって政策がゆがめられることであります。これには個人献金も企業・団体献金も違いはなく、我が党としては企業・団体献金自体が不適切とは考えておりません。
他方で、企業・団体献金を含む政治資金について高い透明性を確保することは、政治資金規正法の目的及び基本理念に照らしても重要であります。
政治資金規正法第一条は、政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治資金の公開などを行うと規定しています。また、同法第二条は、企業・団体献金を含む政治資金を民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であるとした上で、その収支の状況に関する判断は国民に委ね、いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないようにしなければならないとしております。
我が党といたしましては、収支報告書の内容を誰でも簡単に確認できるデータベースの構築に取り組む方針であり、これにより、企業・団体献金を含む政治資金の透明性が飛躍的に高まり、国民の皆様方の御判断に資するものになると考えております。
防衛力強化に係る財源確保のための税制措置についてであります。
激変する安全保障環境において日本を守り抜くため、国家安全保障戦略等に基づき、我が国自身の防衛力を抜本的に強化すべきことは論をまちません。
そのための財源確保に当たっては、行財政改革の努力を最大限に行った上で、それでも足りない約四分の一について、今を生きる我々の将来世代への責任として税制措置での御協力をお願いしていると、このように認識をしておるところでございます。
そうした枠組みの下、これまでも五年度、六年度税制改正において与党の税制調査会等の場で議論が行われてきましたが、現在、まさに税制調査会等の場で議論が行われているものと承知をいたしており、与党における議論の途中の段階での政府として何らかの仮定を置いて答弁することは差し控えます。
防衛費の引上げについてであります。
国家安全保障戦略では、二〇二七年度において防衛力の抜本的強化とそれを補完する取組を合わせ、そのための予算水準がGDPの二%に達するよう所要の措置を講ずることといたしております。
これは、我が国自身の判断として必要な防衛力の内容を積み上げた上で決定した結果であり、数字ありきではございません。今後の予算措置の水準につきましても、我が国自身の判断で決定していくことは言うまでもありません。
防衛費についてのお尋ねでございます。
防衛費全体のうち、例年八割から九割を占めております人件費や国内生産、調達、基地対策費などは為替の影響を直接受けるわけではございません。為替の変動に直接影響する有償軍事援助、FMSや一般輸入などは約一割から二割というふうな割合になっておるところでございます。
防衛力整備計画の四十三兆円という規模は防衛力の抜本的強化に必要な水準として積み上げたものであり、円安を伴う為替レートの変動や国内外の全般的な物価上昇が生じている状況にありましても、一層の効率化、合理化を徹底し、防衛力整備計画に基づいて防衛力の抜本的強化を達成すべく努めてまいります。
学校給食費につきまして、今回の経済対策において、現在の物価高などの状況を踏まえ、地域の実情に応じた保護者負担の軽減の観点から、学校給食費の支援も行えるよう、重点支援地方交付金を追加しております。
学校給食費の無償化につきましては、学校給食の実態調査の結果を踏まえつつ、給食未実施校や実施校でも喫食しない児童生徒には恩恵が及ばないといった児童生徒間の公平性、低所得世帯の児童生徒は既に無償化されていることに伴う支援対象の妥当性、給食費に係る就学援助について、いわゆる三位一体改革により税源移譲、一般財源化を図った経緯を踏まえた国と地方との役割分担、少子化対策としての政策効果、給食に係る経費の負担を定めた学校給食法の在り方などの法制面等、考えられる課題を整理してまいります。
その際、こども・子育て加速プランにおいて児童手当の抜本的拡充や高等教育費の負担軽減を進めているところであるなど、家計を支援する様々な施策を総合的に考慮する必要もあると考えております。
地域交通は、人口減少等による長期的な需要減に直面しておりますが、地方創生の基盤であり、ローカル鉄道の再構築に向けた地域の関係者の合意形成に国が積極的に関与する仕組みを設けるとともに、デジタル技術を活用した省力化などを図りつつ、複数の事業者間や他分野との連携、協働によって生産性向上等を図り、地域交通を再構築するため、法改正と予算の大幅拡充を行ったところでございます。
令和六年度当初予算に交通空白解消の取組を含めた今般の補正予算案を合わせて、六百億円近い額を計上しておるところであります。
今後も、制度、予算等、あらゆる政策ツールを総動員して地域の移動の足を確保をいたしてまいります。
米軍関係者による性犯罪及び日米地位協定の改正についてであります。
米軍関係者による性犯罪はあってはならないものであります。これが現在も発生していることについて、政府といたしまして極めて深刻に受け止めております。
本年十月には、女子差別撤廃委員会において御指摘のような見解が示されたことも承知をいたしております。
本年七月、米側は、在日米軍施設・区域からの外出等についてのルールを定めましたリバティー制度の見直しや在日米軍人に対する研修、教育の強化を含む一連の再発防止策を発表し、実施をいたしておりますが、これが再発防止につながるかどうかが重要なのであります。在日米軍の綱紀粛正と再発防止の徹底を引き続き働きかけてまいることといたします。
その上で、日米地位協定については、私は防衛大臣退任後も議員として議論を続けてまいりました。この問題意識を含め、先般、自民党の中で検討するように指示をいたし、これを受け、十一月二十八日には自民党でアジアにおける安全保障のあり方特命委員会の初回会合が開始され、議論が行われるようになったところでございます。
引き続き自民党において議論を重ねていくものと承知をいたしておりますが、党における議論も踏まえつつ、日米同盟の抑止力、対処力を強化するとともに、在日米軍の信頼性、同盟の強靱性、持続性を高めていくという観点から検討し、適切に判断をいたしてまいります。
核共有と非核三原則、また核兵器禁止条約についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
政府といたしまして、一般に、いわゆる核共有は、平素から自国の領土に米国の核兵器を置き、有事には自国の戦闘機等に核兵器を搭載、運用可能な態勢を保持することによって、自国等の防衛のために米国の核抑止を共有するといった枠組みと考えられていると承知をいたしております。
一般論として、国の安全保障の在り方については、それぞれの時代状況、国際情勢等を踏まえた様々な国民的議論があり得ると考えておりますが、核共有につきましては、仮に先ほど申し上げたような枠組みを指すのでありますれば、政府としては、非核三原則や原子力基本法を始めとする法体系との関係から認められないものと考えております。
その上で申し上げれば、私が従来、核共有の文脈で申し上げてまいりましたのは、非核三原則を堅持した上で、米国の拡大抑止に係る意思決定のプロセスについて米国との意思疎通を行うことの重要性を申し上げたものでございます。これは、先ほど申し上げた核共有には当たらないものの、現下の厳しい安全保障上の喫緊の課題に現実的に対応していく観点から、我が国の安全保障を強化する上でも重要な取組であると考えており、米国の拡大抑止の信頼性をこれまで以上に強化させるよう事務方に指示をいたしておるところでございます。
政府としては、今後とも、我が国自身の防衛力を強化していくとともに、日米安保体制の下、核抑止力を含む米国の拡大抑止の信頼性をこれまで以上に強化していくための方策を不断に検討いたしてまいります。
また、核兵器禁止条約についてお尋ねをいただきました。
我が国周辺では核・ミサイル戦力を含む軍備増強が急速に進展するなど、我が国は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しております。加えて、核兵器禁止条約は核兵器のない世界への出口とも言える重要な条約でありますが、同条約に核兵器国は一か国も参加しておらず、また、その出口に至る道筋は立っていないのが現状であります。
こうした中で、我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器国を関与させるよう努力していかねばなりません。NPT体制は、核兵器国、非核兵器国が広く参加する唯一の核兵器のない世界に向けた普遍的な枠組みであります。我が国は、NPT運用検討会議においてリーダーシップを発揮することを含め、NPT体制の下で現実的かつ実践的な取組が一歩一歩進められるよう取り組んでおります。
政府といたしましては、抑止力を維持強化し、安全保障上の脅威に適切に対処していくとの大前提に立ちつつ、NPT体制を維持強化し、核軍縮に向けた国際社会の機運を改めて高め、核兵器のない世界に向けた現実的で実践的な取組を実践、強化いたしてまいります。
憲法改正についてお尋ねをいただきました。
内閣総理大臣の立場からは憲法改正についての内容等について直接申し上げることは差し控えますが、自民党総裁としてあえて申し上げれば、我が党においては、憲法改正の条文案の起草に向けた議論が行われており、本年九月には自衛隊の明記について論点整理が行われたところであります。党総裁としてこれを私も引き継いでまいります。
合衆国次期政権の気候変動対策と我が国の温室効果ガスの排出量削減の取組方針についてであります。
次期削減目標の策定とその実現策について国の審議会で検討を深めております。脱炭素とエネルギー安定供給、経済成長の同時実現を目指すとの考えの下、世界全体での一・五度C目標の実現に向け、科学的知見やこれまでの削減実績等を踏まえつつ年内に案を取りまとめ、我が国のネットゼロへの道筋をお示ししたいと考えております。実効ある地球温暖化対策のためには我が国に比べても排出量の多い国々の取組が必要であり、その取組強化に向け対話を進めてまいります。
次期政権発足後の合衆国政府による政策につきまして政府として予断を持ってコメントをすることは差し控えますが、我が国としては、引き続き各国と連携し、気候変動問題に取り組んでまいります。
PFASに関する飲物の安全確保についてであります。
有機フッ素化合物であるPFASのうちPFOS、PFOA等につきましては、飲み水を経由した健康リスクの低減を図ることが重要であります。
先日、国において全国の水道事業及び水道用水供給事業におけるPFOS、PFOAについての調査結果を取りまとめ、公表したところです。
今後、専門家の御意見も伺いながら、水道事業者等に遵守や検査及び公表を新たに義務付ける水道法に基づく水質基準への引上げを含め、来春を目途に対応の方向性を取りまとめてまいります。
田中角栄元総理の発言と私の外交姿勢についてであります。
御指摘のような田中角栄元総理の様々な発言や心構えにつきましては、そこから学び、それをどう継承し未来につなげていくか試行錯誤しておるという意味におきまして、私自身、大きな影響を受けておるところでございます。
その中でも、角栄先生が言っておられたのは、あの戦争に行ったやつがこの国の中心にいる間は日本は大丈夫だと、それがいなくなったときが怖いんだと、だからよく勉強してもらわなければならないのだと言っておられました。これは、私自身、常に反すうし、そして自戒をしておるところでございます。この言葉は、今の日本にとって極めて重要な言葉だというふうに認識をしております。
私自身、昭和三十二年の生まれで、もちろんあの戦争に行ったこともありません。行かれた方々、まだ御存命でお元気な方も大勢いらっしゃると思いますが、この国の中心からはその多くがリタイアをされたものだと承知をいたしております。さればこそ、今の時期に我々が、非戦、あるいは日中国交の在り方、世界の在り方、平和の在り方について、角栄先生のお言葉を借りれば、だからよく勉強してもらわねばならぬのだということをかみしめねばならないと、反省しながら思っておるところでございます。
我が国は、平和国家として戦後一貫して国際社会の平和や繁栄に努めてまいりました。現在の厳しく複雑な国際環境におきましても、こうした姿勢を貫き、日米同盟を軸に友好国、同志国の輪を広げるとともに、中国を含む各国との対話を重ね、法の支配に基づく国際秩序を堅持していくことが大事だと考えておるところでございます。
選択的夫婦別氏制度についてであります。
令和三年に実施いたしました夫婦の氏に関する世論調査におきましては、夫婦同姓制度を維持した方がよい、夫婦同姓制度を維持しつつ旧姓使用についての法制度を設けた方がいい、選択的夫婦別姓制度を導入した方がいいという三つの選択肢について、回答された方の御意見は分かれております。
子供の氏をどうするかといった論点を含め、しっかりと議論し、より幅広い国民の理解を得る必要があると考えております。
また、夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方については、各党、各議員において様々なお考えがあるものと承知しております。
自民党内の議論の進め方について政府としてお答えをすることは差し控えますが、御指摘の選択的夫婦別氏制度につきましては、国民各層の御意見、国会における議論の動向等を踏まえ、まさしくオープンな熟議という考えの下に必要な検討を行うことが必要であるということだと承知をいたしております。
SNS上の偽情報についてであります。
私に関しましても、それはそれは数多くの情報がありまして、その全てを確認したわけではございませんが、私の言動を曲解したような情報もあると感じたことは多々ございます。私といたしましては、様々な機会を捉えて正しい情報を発信し、国民の皆様方に広く伝わるよう努めてきたところでございます。
選挙におけるSNSの利用の在り方についてのお尋ねを頂戴いたしました。
SNS等のインターネット上の偽情報や誤情報は、短時間で広範に流通、拡散し、国民生活や社会経済活動に重大な影響を及ぼし得る深刻な問題であると認識をいたしております。
選挙においても、インターネットの特徴である伝播性や速報性の高さから、候補者等に対する悪質な誹謗中傷が行われるおそれが指摘をされております。こうした課題や指摘は認識をしております。
他方、選挙におけるSNSの利用の在り方については、表現の自由や選挙運動、政治活動の自由に関わる重大な問題でもあります。各党各会派で御議論いただく事柄であると考えておるところでございます。
政治家としての姿勢についてであります。
委員の御指摘はよくよく私としても受け止め、反省をし、改めていかねばならないと思っております。かねてから申し上げておりますように、議員になることも、あるいは閣僚になることも全てそうでございますが、それらは全て手段であって、目的ではございません。そこを混同し、ひっくり返して考えてはならないということはよく承知をいたしております。湛山先生がおっしゃいますところのつまらない政治家とならないように、よく自重自戒をいたしてまいります。
残余の質問については、関係大臣から答弁をいたさせます。
〔国務大臣村上誠一郎君登壇、拍手〕
2024-11-29
第216回国会(臨時会) 参議院 本会議 第2号 発言No.2会議全体を見る- 内閣総理大臣は、国政における意見交換の重要性を述べ、多党協力による政策協議を推進すべきと強調した。
- 外交・安全保障、地方創生、経済成長、治安・防災を含む三つの重要政策課題に取り組む意向を表明した。
- 特に、日本の防衛力強化や国際関係の構築を進め、地域経済の活性化や社会保障制度の充実にも注力することを約束した。
- 政治資金問題や政治改革の必要性を認識し、信頼回復に向けた取り組みも進めていくと述べた。
- 国民との対話を通じて、全世代が幸せを感じられる社会の実現を目指すと締めくくった。
「国政の大本について、常時率直に意見をかわす慣行を作り、おのおのの立場を明らかにしつつ、力を合せるべきことについては相互に協力を惜しまず、世界の進運に伍していくようにしなければならない」。
これは、昭和三十二年二月の石橋湛山内閣施政方針演説の一節です。
この言葉に示されているとおり、民主主義のあるべき姿とは、多様な国民の声を反映した各党派が、真摯に政策を協議し、よりよい成案を得ることだと考えます。
先般の選挙で示された国民の皆様方の声を踏まえ、比較第一党として、自由民主党と公明党の連立を基盤に、他党にも丁寧に意見を聞き、可能な限り幅広い合意形成が図られるよう、真摯に、そして謙虚に、国民の皆様の安心と安全を守るべく、取り組んでまいります。
全ての国民の幸せを実現するため、三つの重要政策課題への対応を進めます。
まず第一は、外交・安全保障上の課題への対応です。国際秩序に大きな挑戦がもたらされています。ロシアによるウクライナ侵略は今も続き、北朝鮮の兵士がウクライナに対する戦闘に参加しています。中東地域で続く報復の応酬は未だに終わりが見えません。
我が国周辺に目を転ずれば、今年後半だけを見ても、中国、ロシアの軍用機が我が国領空を相次いで侵犯したほか、中国空母が我が国領海に近接する海域を航行しました。戦闘機を含む中国空母二隻の艦載機は約千二百回に及ぶ発着艦を太平洋で行いました。ロシアの哨戒機は我が国を周回する飛行を行いました。北朝鮮は、ICBM級を含め、近年かつてない高い頻度で弾道ミサイルの発射を繰り返しています。
こうした厳しく複雑な国際社会においても、国家のかじ取りを行うにあたっての基本は変わりません。すなわち、我が国としての、そして同盟に基づく抑止力・対処力を維持・強化しつつ、各国との対話を重ね、我が国にとって望ましい安全保障環境を作り出すことです。これにより、分断と対立を乗り越え、法の支配に基づく国際秩序を断固として堅持してまいります。
私は、先般、ブラジルでのAPEC、ペルーでのAPEC、ブラジルでのG20に出席し、自由貿易体制の維持・強化、飢餓・貧困の撲滅といった国際社会の諸課題につき、我が国の理念、施策を発信するとともに、各国首脳との間で個別に意見交換を行いました。
アメリカ合衆国のバイデン大統領とは、今後も、揺るぎない日米同盟を更に発展させていくことで一致しました。
合衆国では、来年一月に第二期トランプ政権が発足します。日米安保体制は、我が国の外交・安全保障政策の基軸です。しかし、同時に、合衆国も、在日米軍施設・区域の存在から、戦略上大きな利益を得ています。
当然のことながら、合衆国には合衆国の国益があり、我が国には我が国の国益があります。だからこそ、率直に意見を交わし、両国の国益を相乗的に高めあうことで、自由で開かれたインド太平洋の実現に資することができると考えます。トランプ次期大統領とも率直に議論を行い、同盟を更なる高みに引き上げていきたいと考えております。
韓国の尹錫悦大統領とも、来年、国交正常化六十周年を迎える中、首脳会談も頻繁に行い、日韓関係を大いに飛躍させる年にしようということで一致いたしました。日米韓三か国の首脳会談も行いました。
中国の習近平国家主席とも、かみ合った議論を行うことができたと感じております。日中間には様々な懸案、意見の相違があります。首脳会談の際、私からは、中国軍の活動の活発化や深センでの児童殺害事件など、我が国の有する懸念について率直に提起をいたしました。また、日本産水産物の輸入解禁の早期実現、日本産牛肉の輸入再開、精米の輸入拡大も求めました。私が指摘した短期滞在の日本人への査証免除再開については、既に中国側から明日三十日に開始するとの発表がありました。
このように、諸課題について、主張すべきことは主張する。しかし、その上で、協力できる分野では協力していく。それが私の考える国益に基づく現実的外交です。中国の安定的発展が地域全体の利益となるよう、習主席とも確認した、戦略的互恵関係の包括的推進、建設的かつ安定的な関係の構築という大きな方向性に基づき、今後も首脳間を含むあらゆるレベルで中国との意思疎通を図ってまいります。
日露関係は厳しい状況にありますが、我が国としては、領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持いたします。
外交と防衛は車の両輪です。
私は、厳しい安全保障上の現実を直視し、国家安全保障戦略等に基づき、我が国の防衛力の抜本的強化を着実に進めるとともに、同盟国・同志国との連携を更に深めることで、我が国の独立と平和、国民の命と平和な暮らしを守り抜きます。
防衛力の最大の基盤である自衛官の充足が約九〇%にとどまっていることは、極めて深刻な課題と認識しております。自衛隊の人的基盤の強化に向け、私を議長とする関係閣僚会議を既に三回開催し、議論を重ねております。隊員の生活・勤務環境の改善等、早急に実現可能な方策は経済対策に盛り込み、併せて、若くして定年退職を迎える自衛官の新たな生涯設計を確立し、退職後も社会で活躍するための施策の方向性についても、年内に結論を得て、可能なものから令和七年度予算に盛り込みます。
沖縄県を含む基地負担の軽減に取り組みます。普天間飛行場の一日も早い返還を実現するため、辺野古移設が唯一の解決策であるとの方針に基づき、着実に工事を進めてまいります。沖縄振興の経済効果を十分に域内に波及させ、それを実感していただけるよう、沖縄経済の強化に向けて支援を継続いたします。
加えて、在日米軍施設・区域の自衛隊による共同使用を進めるとともに、駐留に伴う諸問題のカイセツにも、失礼、諸問題の解決にも取り組みます。
サイバー攻撃の脅威は差し迫った課題であり、有識者会議の提言も踏まえ、サイバー安全保障分野での対応能力を向上させるための法案を、可能な限り早期に国会に提出すべく、検討をさらに加速いたします。
拉致問題は、単なる誘拐事件であるにとどまらず、その本質は国家主権の侵害であります。拉致被害者やその御家族が御高齢となられる中、時間的制約のある、ひとときもゆるがせにできない人道問題であり、政権の最重要課題であります。国家として、また、私自身の断固たる決意の下、その解決に取り組んでまいります。先に述べました日米、日韓の首脳会談におきましても、引き続きの連携を確認いたしました。
重要政策課題の第二は、日本全体の活力を取り戻すことです。人口減少によって、地域の活力、そして経済の活力が低下をしています。こうした状況は、我が国の経済・社会システムの持続可能性への不安を生み出し、更なる人口減少につながりかねません。
この流れを反転させるため、地域の活力を取り戻す地方創生の再起動、経済の活力を取り戻す賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行、全世代型社会保障の構築等の三つの取組を強力に進めてまいります。
地方創生は、日本の活力を取り戻す経済政策であり、そして多様性の時代の国民の、多様な幸せを実現するための社会政策です。元気な地方から元気な日本を作る試みは、多くの点となって息づいておりますが、未だ全国的な広がりには欠けております。これを集めて面にして、やがては日本中の皆様に、面白い、楽しいという思いを広げていかなければなりません。
宮崎県小林市では、フランス語かと思わせるような地元の方言を使うなど、ユニークな我がまち紹介動画を作成し、話題となりました。これは、市の職員が学生とともにアイデアを出したものでした。故郷を離れてしまう前に、故郷に誇りを持って欲しい、そして故郷のために活躍して欲しいとの当時の市長の願いからでした。
鹿児島県伊仙町では、町長が集落を回り、町の財政状況を丁寧に説明した結果、高齢者から、子供たちのためにもっとお金を使って欲しいとの意見がでました。出産や子育て環境を充実させ、平成十五年から平成二十四年までの間、合計特殊出生率日本一となる、二・四二、二・八一を実現しました。
これらを決して、一つのまちの物語にとどめてはなりません。日本中の同じ課題を抱えている皆様と、これまでの地方創生の成功事例から学び、産官学金労言で英知を集め、我がまちを輝かせるため、共に取り組んでいく所存であります。デジタル技術の活用や、地方の課題を起点とする規制・制度改革を大胆に進めてまいります。
地方創生二・〇を起動し、我が国の社会や経済の起爆剤とするため、地方創生の交付金を当初予算ベースで倍増します。新しいICT技術もフル活用しながら、持てるポテンシャルがまだまだ眠っている地方の農林水産業、製造業、サービス業の高付加価値化を進めるとともに、新たな重点として文化芸術・スポーツの振興にも取り組みます。来年四月に開幕する大阪・関西万博の機会も最大限に活用いたします。
この夏、店頭から米が一時消えたことは記憶に新しいところです。人口減少下においても、農林水産業・食品産業の生産基盤を強化し、安定的な輸入と備蓄を確保することなどを通じて、食料安全保障を確保します。農林水産業に携わる方々が安心して再生産でき、食料システム全体が持続的に発展し、活力ある農山漁村を後世に引き継げるよう、施策を充実・強化いたします。
地方の取組が花開くためには、国としての環境整備も必要です。GXの例では、洋上風力、地熱や原子力などの脱炭素電源を目指して、工場やデータセンターの進出が進み、教育機関との連携などによって、新たな地域の活力に繋がる動きが始まりつつあります。投資の予見可能性を高めるため、温室効果ガスの排出削減を求めつつ、国として二十兆円規模の先行投資支援を行い、官民で百五十兆円を超えるGX投資を実現いたします。GXによる産業構造や産業立地の将来像について、二〇四〇年に向けたビジョンを年内にお示しし、核となる拠点を広げてまいります。エネルギー基本計画、地球温暖化対策計画もまとめてまいります。
地方創生二・〇には、魅力ある働き方・職場づくりも重要です。男女間の賃金格差が地域によって異なる中、若者や女性が安心して暮らせる働き方とは何か。非正規雇用の方の正規化をどのように進めるか。時間に余裕を持ちながら正社員としての待遇を得る短時間正社員という働き方も大いに活用すべきであります。女性の雇用におけるL字カーブの解消、男性の育児休業の推進にも取り組み、社会の構造・意識の変化につなげてまいります。
人づくりこそ国づくり。教職員の働き方改革や給与面を含む処遇改善などを通じて、公教育の再生を進めます。
三十年前、日本のGDPは世界全体の一八%を占めていましたが、直近の二〇二三年では四%であります。一位だった国際競争力は、今や、三十八位に落ちました。配当は増え、海外投資も増えた一方で、国内投資と賃金は伸び悩んできました。デフレ経済の中、雇用は安定してきたが、給料は上がらない、安い商品はあるが、革新的な商品・サービスはあまり生まれてこないといった状況だったのではないでしょうか。しかし、ようやく約三十年ぶりの高い水準の賃上げと、過去最大規模の投資が実現し、明るい兆しが現れています。コストカットではなく、付加価値の創出に力点を置いた経営・経済への転換を進めなければなりません。ドイツや韓国と比較すると、GDPに占める輸出の割合が低い我が国においては、経済安全保障の観点からも、付加価値の高いサプライチェーンを国内に回帰・立地させていくことも重要であります。
先般の政労使の意見交換において、約三十年ぶりの高い水準となった今年の勢いで、来年の春季労使交渉においても大幅な賃上げを行うことへの協力を私から要請いたしました。また、最低賃金を引き上げていくための対応策の策定を関係閣僚に指示いたしました。
DXを切り口として、日本の潜在的な強みであるAI、量子、バイオ、宇宙、フュージョン、GX等の戦略分野のイノベーションとスタートアップの支援、スキル向上などの人への投資を進めてまいります。
今こそ、賃上げと投資が牽引する成長型経済を実現し、我が国を、世界をリードするイノベーションが常に生み出される豊かな国としてまいります。
これらの取組とあわせて、子育て支援を強力に推進するとともに、国民の皆様に安心していただける社会保障制度を構築します。本格的な人口減少の中にあっても、現役世代の負担を軽減し、意欲のある高齢者を始め女性、障害者などの就労を促進し、誰もが年齢に関わらず能力や個性を生かして支え合う、全世代型の社会保障を構築してまいります。今月、関係大臣には、改革工程に掲げられた事項の具体化を指示いたしました。丁寧な議論を行って、実現できる項目から着実に実施いたしてまいります。
来月二日には健康保険証の新規発行が終了します。マイナ保険証の利用を促進しつつ、お持ちでない方には資格確認書を速やかにお届けすることで、これまでどおり診療を受けられるようにしております。国民の皆様の不安に迅速にお応えし、丁寧に対応するというのが私の考えであります。
経済あっての財政との考え方の下、財政状況の改善を進め、力強く発展する、危機に強靱な経済・財政を作ってまいります。
重要政策課題の第三は、治安・防災への更なる対応です。国民お一人お一人に、生き生きと、充実した日々を送っていただくための基盤となるのは、安心・安全な社会であります。
地理的な条件が不利であり、財政的にも厳しい地域で災害が発生したとしても、被災者の方々を苦難の中に置き続けるということは、国家としてあるべき姿ではありません。避難所での生活環境を改善し、災害関連死を防ぐためにも、避難所の満たすべき基準を定めたスフィア基準を発災後早急に全ての避難所で満たすことができるよう、事前防災を進めてまいります。また、避難所となる全国の学校体育館の空調整備のペースを二倍に加速いたします。
能登半島地震・豪雨での教訓も踏まえ、キッチンカー、トレーラーハウス、トイレカーなどの迅速な派遣のための官民連携による登録制度の創設、温かい食事の迅速な提供などを可能とするための資機材・物資の分散備蓄、災害ボランティアとしての活動する、ボランティアとして活動する支援団体の事前登録制度の創設など、避難者の皆様の生活環境の向上のため、最大限の対応をいたしてまいります。被災者が災害関連の各種申請を容易に行うことができるよう、更なる改善に取り組みます。
被災地では、自身も被災者である自治体職員の負担を軽減しつつ、災害対応に万全を期する必要があります。ほかの自治体に派遣する、自治体に派遣する職員に対する訓練や、職員派遣による経験の蓄積を促進するとともに、特に大規模な災害については、あらかじめ支援自治体を定めるなどの準備も進めてまいります。
政府における体制を着実に強化いたします。内閣府防災担当の機能を予算・人員の両面において抜本的に強化することに加え、被災者の方々の声を必ず施策に反映させるとの強い思いから、十一月一日に立ち上げた防災庁設置準備室において、令和八年度中の防災庁の設置に向け着実に準備を進めてまいります。
福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なし。
全閣僚が、こうした決意の下、被災者の生活や産業・生業の再建、福島イノベーション・コースト構想の推進に全力で取り組んでまいります。
最近、いわゆる闇バイトによる強盗・詐欺の報道を見ない日はほとんどありません。他者への慈しみや堅実な努力といった、日本社会の中で大切にされてきた価値観・道徳観を揺るがしかねないものであり、こうした犯罪を断じて許してはなりません。
悪質な事件の主体となっている、いわゆる匿名・流動型犯罪グループの検挙を徹底するための取組を一層推進してまいります。学校での啓発活動、若者に向けたSNSによる情報発信等を強化するとともに、闇バイトを募集する情報のインターネット上からの削除にも一層努めてまいります。防犯カメラの整備、青パトによる活動などを国としても支援し、町ぐるみの防犯対策を更に促進してまいります。性暴力、DV、虐待等を防ぎ、被害者支援を推進します。
国民の皆様の暮らしが豊かになったと感じていただくためには、現在や将来の賃金・所得が増えていくことが必要です。そのことを最重要課題として、国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策を策定しました。
第一に、日本経済・地方経済の成長です。
家計を温めるためにも物価上昇を上回る賃金上昇を実現していく必要があります。まず、最低賃金の引上げに取り組むほか、中小企業をはじめとした事業者の皆様方が確かに儲かり、物価上昇に負けない賃上げをしていただけるよう、円滑かつ迅速な価格転嫁を進めるとともに、省力化・デジタル化投資の促進や、経営基盤の強化・成長のための支援を充実いたします。
地方の皆様方が希望と幸せを感じていただくことも重要です。地方創生の基本的な考え方を年末までにとりまとめますが、地域活性化とあわせて、この国の在り方、文化、教育、社会を変革する大きなムーブメントを作り出していくため、いち早く地方の皆様方が動き出せるよう、地方創生の交付金を倍増しつつ、前倒しで措置いたします。
将来も継続的に所得が増加する手立てを講じていくことが必要です。資産運用立国及び投資立国を実現します。今後二〇三〇年度までにAI・半導体分野に十兆円以上の公的支援を行い、十年間で五十兆円を超える官民投資を引き出します。経済安全保障の強化や、リスキリングを含む人への投資も促してまいります。
第二に、成長型経済への移行にあたり誰一人取り残されないようにすることが重要です。
賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る経済の実現までの間、賃上げの恩恵を受けにくい方々への支援が必要です。低所得者世帯の方々に対し給付金の支援を行います。地域の実情に応じて、エネルギーや食料品価格の高騰に苦しむ方々への支援、価格転嫁が困難な中小企業への支援、学校給食費への支援のほか、新たに、厳冬期の灯油支援も行えるようにいたします。
家庭の電力使用量の最も大きい一月から三月までの冬季の電気・ガス代を支援します。
エネルギーコスト上昇に強い経済社会の実現のため、クリーンエネルギー自動車の購入支援や省エネ性能の高い住宅へのリフォームを支援します。
第三に、国民の安心・安全の確保であります。
国民の皆様方が豊かさを感じられるのは、安心と安全があればこそです。
能登地域の皆様方が受けた地震・豪雨の度重なる被害からの一刻も早い復旧と創造的復興を一層加速します。災害廃棄物処理の加速化、公営住宅の建設などの生活再建を進め、被災事業者の生業の再建を後押しします。防災・減災、国土強靱化を着実に推進します。シェルターの確保等により国民保護の取組を強化します。
以上申し上げてきた経済対策のとりまとめに当たりましては、党派を超えて、優れた方策を取り入れるべく、最大限の工夫を行ってまいりました。いわゆる百三万円の壁については、令和七年度税制改正の中で議論し引き上げます。いわゆる暫定税率の廃止を含むガソリン減税については、自動車関係諸税全体の見直しに向けて検討し、結論を得ます。これらに伴う諸課題に関しては、今後、検討を進め、その解決策について結論を得ます。
政府としては、この経済対策をできるだけ早くお届けできるよう、速やかに補正予算を国会に提出いたします。そして、国会での御審議をいただき、早期の成立を目指してまいります。
先の選挙結果は、主権者である国民の皆様からの政治資金問題や改革姿勢に対する叱責であったと受け止めております。政治は国民のものとの原点に立ち返り、謙虚に、真摯に、誠実に国民と向き合いながら、政治改革に取り組んでまいります。
政党から議員に支出され、その先の具体的な使途が公開されていない政策活動費の廃止、政治資金に関する必要な監査を行う第三者機関の設置、収支報告書の内容を誰でも簡単に確認できるデータベースの構築など、政治資金に関する諸課題の改革のための議論を進めてまいります。
調査研究広報滞在費、いわゆる旧文通費の使途公開及び残金返納に向けて、既に国会で御議論いただいておるところであります。
国民の政治に対する信頼を取り戻すため、これらの様々な課題について、党派を超えて議論し、年内に、必要な法整備も含めて、結論をお示しする必要があると考えており、誠心誠意、尽力をしてまいります。
憲法改正については、私自身、これまで長らく衆議院憲法審査会の委員を務め、議論に参画してまいりました。国会による発議の実現に向け、今後、衆議院及び参議院に設置された憲法審査会において建設的な議論を行い、国民的な議論を積極的に深めていただくことを期待いたします。
石橋湛山内閣の施政方針演説では、常に国家の永遠の運命に思いをいたし、地方的利害や国民の一部の思惑に偏することなく、国民全体の福祉をのみ念じて国政の方向を定め、論議を尽くしていくよう努めたいとあります。
外交においても、内政においても、国民の後押しほど大きな力はありません。国民の皆様に御信頼を頂けるよう、誠心誠意取り組んでまいります。
国民の皆様、並びに、この場に集う全国民を代表される国会議員の皆様の御理解と御協力を切にお願いを申し上げます。
2024-10-07
第214回国会(臨時会) 衆議院 本会議 第3号 発言No.37会議全体を見る- 内閣総理大臣(石破茂君)は、政治改革に対する取組みや物価高対策などについての質問に答え、透明性の確保や支援策を強調しました。
- また、教育費負担の軽減や若者の政治参画、女性の活躍を進める方針を述べ、備蓄や避難環境の改善にも取り組むとしました。
- 最後に、国際社会との平和な外交政策や地域協力の強化についても言及しました。
石井啓一議員の御質問にお答えをいたします。
政治改革の取組についてお尋ねがありました。
政策活動費の透明性確保や、政治資金に関する独立性が確保された機関の設置、調査研究広報滞在費の使途の明確化、公開、残金返納につきましては、いずれも政治活動の透明性を高めるものとして大変重要であると認識をしており、我が党と御党との連立政権合意書におきましても、これらの課題に取り組むことが明記をされております。特に、政策活動費につきましては、将来的な廃止も念頭に、その在り方の検討や透明性の確保に取り組んでまいります。
これらの議論を加速するため、自民党におきましても、総裁直轄の政治改革本部を設置することといたしました。国民の皆様方にもう一度政治を信頼していただくためには、早期に結論を得られるよう、党内での検討、各党各会派との真摯な協議を進めてまいります。
物価高対策についてお尋ねがございました。
物価上昇を上回って賃金が上昇するといった成長と分配の好循環が確実に回り出すまでの間、足下で物価高に苦しむ方々への支援が必要であります。
そのため、経済対策を早急に策定し、当面の対応として、物価高の影響を特に受ける低所得者世帯向けの給付金や、地域の実情に応じたきめ細かい対応のための重点支援地方交付金を始め、総合的な対応を図ります。
エネルギーコストを含めた物価高対策につきましては、状況を丁寧に見極めながら、これらの給付金や地方交付金を含め、今後、経済対策について議論していく中で、総合的に検討いたしてまいります。
下請法の改正及び中小企業の持続的な賃上げに向けた取組についてお尋ねをいただきました。
中小企業の持続的な賃上げに向けましては、事業者が賃上げの原資を確保できるよう、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させていくための取引環境を整備していくことが必要であります。
政府といたしましては、現在、下請法の改正も含めた検討に取り組んでおり、石井代表の御指摘も踏まえ、引き続き、このような価格転嫁の取組や生産性向上支援など、中小企業の持続的な賃上げを実現するための施策を推進いたしてまいります。
教育費負担の軽減についてお尋ねを頂戴いたしました。
教育費につきましては、特に高等教育費について、本年度から、授業料の減額等の対象を多子世帯の中間層等に拡充、令和七年度から、無償化の対象となる多子世帯の所得制限をなくすことといたしており、まずはこうした拡充を着実に実施に移してまいります。その上で、教育の機会均等や少子化対策の観点から、その効果を見極めつつ取り組んでまいります。
また、学校給食費の無償化につきましては、学校給食の実態調査を受け、石井代表の御指摘も踏まえ、関係省庁が連携し、児童生徒間の公平性、国と地方との役割分担、政策効果、法制面等の課題を整理した上で検討いたしてまいります。
若者の政治参画及び可処分所得の向上についてのお尋ねをいただきました。
若者が政策形成過程に参画することにより、若者の状況やニーズをより的確に踏まえることができ、様々な施策がより実効性のあるものとなることが期待できます。若者議会を始め、若者の政治参画を促進する各地の先進的な取組について、事例、動画集の活用等により、周知、普及に取り組んでまいります。
その上で、御指摘の被選挙権年齢や供託金の在り方につきましては、選挙制度の根幹に関わる事柄でありますことから、各党各会派で十分御議論いただくべき問題であると考えております。
若者の所得向上に向けては、公的職業訓練の実施や教育訓練給付の拡充などのリスキリング支援、正社員への転換に取り組む事業主への支援やハローワークにおけるきめ細かな就職支援に取り組んでまいります。
女性活躍についてお尋ねを頂戴いたしました。
女性活躍、男女共同参画は、全ての人が生きがいを感じられる、多様性が尊重される社会を実現するとともに、我が国の経済社会の持続的な発展に不可欠な要素であると考えております。
意思決定の在り方を劇的に変えていくため、社会のあらゆる組織の意思決定に女性が参画することを官民の目標とし、達成への指針を定め、計画的に取り組みます。
また、情報公表、分析の拡大による男女間賃金格差の是正や、柔軟な働き方の推進による仕事と育児、介護の両立など、多くの女性に社会活動を長く続けていただけるにはどうすればよいか、国民的議論を主導し、制度改革を実現いたしてまいります。
能登半島地震の復興加速に向けた決意と、防災・減災、国土強靱化の取組などについてのお尋ねを頂戴いたしました。
大地震と豪雨により度重なる被害を受けた能登半島について、不安を抱える被災者の方々の生活を支援しつつ、一日も早く被災前の活気ある町並みを取り戻すため、激甚災害の指定のほか、災害廃棄物処理における地震と豪雨の一体的取扱いなどの取組を推進し、復旧と創造的復興を一層加速いたしてまいります。
また、人命最優先の防災立国を構築するため、現在の内閣府防災担当の機能を予算、人員の両面において抜本的に強化いたしますとともに、代表の御指摘を踏まえ、平時から不断に万全の備えを行う防災庁の設置に向けた準備を進めてまいります。
防災・減災、国土強靱化につきましては、予算を確保して五か年加速化対策を着実に実施するとともに、実施中期計画の策定にも早期に取りかかっており、万全を期してまいります。
避難所の環境改善についてお尋ねをいただきました。
発災後、速やかに、避難所にトイレ、キッチンカー、ベッド、風呂等を配備し、被災者に安心していただける居住環境を提供することは極めて重要であると考えております。
御指摘いただきましたスフィア基準を十分に踏まえながら避難所の在り方を見直しますとともに、避難所で使用するベッド、トイレ等の資機材の備蓄に関し、有効な取組を支援する仕組みを構築するなど、避難所の環境改善のための取組を着実に進めてまいります。
農林水産業の支援についてお尋ねをいただきました。
新たな食料・農業・農村基本法の下、最初の五年間に計画的かつ集中した施策を講じる中で、担い手不足に対応したスマート技術の導入、気候変動に対応した高温耐性のある新品種の開発導入などを進めてまいります。循環型林業など強い林業づくりや、海洋環境の変化を踏まえた操業形態や養殖業への転換、海業の全国的展開など、漁業、水産業の活性化にも取り組んでまいります。
人件費、資材費などの恒常的なコストを考慮した合理的な価格形成の仕組みについて、法制化に向けた検討を進めてまいります。
これらによる所得の向上等を通じ、魅力ある農林水産業の実現を図ってまいります。
我が国と国際社会の平和に向けた外交政策についてお尋ねがありました。
国際社会の分断と対立が進む中、私は、現実的な国益を踏まえつつ、対話と協力を通じて、国際社会の平和と繁栄のため取り組んでまいります。
御指摘のカンボジアとの協力によるウクライナの地雷除去支援を含め、対ウクライナ支援を今後とも強力に推し進めてまいります。
アジアにおける対話外交につきましては、ASEANが地域協力の中心として重要な役割を担っており、米中ロも参加する多層的な枠組みがございます。
我が国としては、引き続き、こうした枠組みへの積極的な参画及びその強化に取り組んでいく考えであります。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をいたさせます。
〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇〕
2024-10-07
第214回国会(臨時会) 衆議院 本会議 第3号 発言No.34会議全体を見る- 石破茂君は、解散の判断が国民の意思を確かめるためのもので、憲法の趣旨に則ったものであると述べた。
- 政治資金の透明性向上、議員定数、社会保障制度、物価高対策、そして憲法改正に関する議論を深める必要性を強調した。
- 地方創生や防衛増税、台湾問題に対する認識を示しつつ、政府の一貫した立場を説明した。
馬場伸幸議員の御質問にお答えをいたします。
今般の解散等についてお尋ねがありました。
内閣は、国政上の重大な局面等において主権者たる国民の意思を確かめる必要があるような場合には、衆議院の解散権を行使することができると考えております。
今回、新内閣の発足に当たり、国民の皆様の意思を確かめる必要があると判断し、解散を行うとの判断をいたしました。この判断は憲法の趣旨にも沿うものだと考えており、変節したとの御指摘は当たりません。
国民の皆様に対して勇気と真心を持って真実を語る姿勢を大切にしつつ、政治の信頼を回復し、能登半島地震、大雨からの復旧復興、緊迫する国際情勢における外交のかじ取りなど、政府として諸課題の解決に全力を尽くしてまいることで、国民の皆様方の納得と共感を得てまいります。
政治資金収支報告書に不記載があった議員の政治倫理審査会への出席、公認の方針等についてお尋ねをいただきました。
政治倫理審査会への出席につきましては、両院の政治倫理審査会規程に基づき判断されるべきものではありますが、国民の皆様の納得を得るための努力がなされているかという観点から、公認の是非を判断するための一要素としたものであります。
公認につきましては、選挙対策本部において、各選挙区の事情、当選の可能性などを踏まえ適切に判断していくこととなりますが、最終的な公認権者は総裁であり、不記載があった議員については、引き続き適切な方法で、地元の理解が得られているかなどを判断してまいります。
政策活動費の廃止についてお尋ねをいただきました。
政策活動費につきましては、将来的な廃止も念頭に、その在り方の検討や透明性の確保に取り組みます。政策活動費の在り方は、我が党のみならず、各党の政治活動の在り方にも関係し得る事柄であることから、共通のルールにのっとって透明性を高めていくことが必要と考えており、今後、各党各会派との真摯な議論も経て、最終的な結論を得てまいる所存であります。
企業・団体献金の禁止についてお尋ねをいただきました。
企業・団体献金につきましては、さきの通常国会において、各党各会派による様々な議論がなされた結果、見直しは行われなかったものと承知をしております。
また、政治団体の収入につきましては、多様な考え方の多くの出し手による様々な収入を確保することが政策立案における中立性やバランスの確保において重要と認識をいたしており、企業・団体献金のみを禁止することによる影響につきましても十分に議論する必要があると考えております。
議員定数についてのお尋ねをいただきました。
議員定数の削減につきましては、議員立法により、平成二十五年に衆議院の定数五議席、平成二十八年に衆議院の定数十議席の削減が実現をいたしたところであります。
その上で、議員定数の在り方につきましては、民主主義の根幹に関わる重要な問題であり、各党各会派で御議論いただくべき事柄であると考えております。
調査研究広報滞在費についてお尋ねをいただきました。
調査研究広報滞在費、いわゆる旧文通費については、我が党の岸田前総裁と議員との間において、衆参議長の下に置かれる協議の場において前向きに議論を行い、使途公開と残金返納を義務づける立法措置を講ずることについて文書で合意が交わされたものと認識をいたしております。私も自民党総裁として、その合意を引き継いでまいります。
なお、旧文通費の使途公開や残金返納につきましては、現在、衆参両院の議院運営委員会による有識者へのヒアリングが進められておるところと承知をしておることから、領収書の自主的な公開の要否については、当該議論の状況も踏まえて判断をいたしてまいります。
子育て支援財源及び防衛増税についてお尋ねをいただきました。
少子化とその結果生ずる人口減少は、国の根幹に関わる課題、いわば静かな有事であります。このため、こども未来戦略を着実に実施し、子育て支援に全力を挙げます。
支援金制度は今月から拡充されております児童手当などの加速化プランの実施に必要なものであり、これを導入しても、歳出改革等により、社会保険料の上昇を確実に抑制いたします。あわせて、物価上昇を上回る賃金上昇の定着に向けた取組を進め、現役世代の所得を増やしてまいります。
他方、激変する安全保障環境において日本を守り抜くためには、国家安全保障戦略等に基づき、我が国自身の防衛力を抜本的に強化すべきことは論をまちません。
そのための財源確保に当たっては、行財政改革の努力を最大限に行った上で、それでも足りない約四分の一につきまして、今を生きる我々の将来世代への責任として、税制措置での御協力をお願いすることといたしております。
今後、与党の税制調査会等の場で議論が行われていくものと承知をいたしておりますが、政府・与党で緊密に連携し、適切に対応いたしてまいります。
社会保障制度についてのお尋ねをいただきました。
社会保障制度は、様々な境遇にある国民の方々に安心を提供するセーフティーネットです。
政府としては、高齢者を含め全ての世代の方がその状況に応じて支え合い、必要な給付が受けられる全世代型社会保障の構築に取り組んでまいります。
その際、高齢化などにより社会保障の給付が増加する中、多様な関係者を含めた国民的な議論の場を設けることを念頭に、昨年末に策定した改革工程に基づき、医療DXによる効率化、質の向上や医療の提供体制の改革などを進め、歳出改革を含む歳出の最適化により、社会保険料の上昇を抑制してまいります。
マイナ保険証及び電子カルテについてのお尋ねをいただきました。
現行の健康保険証の新規発行終了につきましては、法に定められたスケジュールにより進めていきますが、マイナ保険証が利用できない方も確実に保険診療が受けられるよう、資格確認書の活用も図ってまいります。さらに、資格確認書でも保険診療が受けられることなど、高齢者の方にも伝わるよう周知を徹底し、不安の払拭に向け、丁寧に進めてまいります。
また、国が小規模な医療機関でも導入しやすい電子カルテを開発し普及させるなど、医療の質の向上と医療機関の負担軽減につながる医療DXを推進してまいります。
年金制度の在り方についてお尋ねをいただきました。
本年七月に公表した令和六年財政検証では、近年の女性や高齢者の労働参加の進展等により、前回の検証に比べ、将来の給付水準の改善が確認をされました。加えて、今回は新たに個人単位でも推計を行い、若年世代において年金額が増加する傾向にあることが確認されました。
今後は、こうした結果も踏まえ、さらに、被用者保険の適用拡大などを通じた働き方に中立な制度の構築や、所得保障、再分配機能の強化を図る観点からの基礎年金水準の確保といった観点から、年末に向けて制度見直しの議論を進めてまいります。
年金の財政検証についてお尋ねがありました。
公的年金の財政検証におきましては、出生率等の前提について、これまでの実績に基づきながら専門家による検討を経た上で幅広い複数のケースを設定しており、適切なものと考えております。
今後、今回の財政検証の結果も踏まえ、次期年金制度改正に向け、丁寧に議論を進めてまいります。
地方創生についてお尋ねがありました。
私が十年前に初代地方創生担当大臣として地方創生推進交付金の創設などに取り組んで以降、交付金などを活用し、住民の方々が気持ちを一つにして地方創生の取組に頑張っておられる姿が全国各地で見られるようになったことは、大きな成果であると考えております。
一方、東京一極集中の流れは止まっておらず、地方において産官学金労言の地域の多様な関係者の知恵が十分に引き出されてきたか、国においてこれを十分に後押ししてこられたかにつきましては、改善の余地が多分にあると考えております。
これまでの成果と反省を生かし、地方創生二・〇を再起動させるべく、新しい地方経済・生活環境創生本部を創設し、今後十年間集中的に取り組む基本構想を策定します。
御指摘の多極分散も含め、地方六団体と更に連携を密にし、例えば、地方創生の交付金を当初予算ベースで倍増することを目指し、好事例の普遍化、地方の成長の根幹である農林水産業の活性化、観光産業や文化芸術分野の更なる振興策、半導体等のサプライチェーンの国内立地策などについて検討を行い、成案を得ます。
国から地方への税源移譲についてのお尋ねを頂戴いたしました。
地方創生を推進するためには、その基盤となる地方税の充実確保は不可欠であり、これまでも、個人住民税における三兆円の税源移譲、消費税率引上げに際しての地方消費税の拡充等に着実に取り組んできたところであります。
今後も、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築に取り組むとともに、地方税の充実確保に努めてまいります。
物価高対策と消費税減税、社会保険料の軽減についてのお尋ねをいただきました。
物価上昇を上回って賃金が上昇するといった成長と分配の好循環が確実に回り出すまでの間、足下で物価高に苦しむ方々への支援が必要です。当面の対応として、物価高の影響を特に受ける低所得者世帯向けの給付金や、地域の実情に応じたきめ細かい対応のための重点支援地方交付金を始め、総合的な対応を図ります。
消費税につきましては、急速な高齢化等に伴い社会保障給付費が大きく増加する中で、全ての世代が広く公平に分かち合う観点から、社会保障の財源として位置づけられており、その税率を引き下げることは考えておりません。
社会保険制度につきましては、相互扶助の考え方を基盤としつつ、所得に応じた保険料負担としています。可処分所得向上のために幅広く保険料の減免を行うことは、給付と負担の関係が不明確となり、財源をどうするのかという観点からも、慎重な検討が必要なものと考えております。
規制改革に対するお尋ねをいただきました。
人口減少、少子高齢化等の課題を克服して地方の活性化につなげるため、また、賃上げと投資が牽引する成長型経済を実現するため、利用者目線を徹底し、必要となる規制・制度改革に取り組んでまいります。
地域交通は地方創生の基盤です。全国での交通空白の解消に向け、骨太方針に従い、日本版ライドシェア等の施策の実施効果を検証しつつ、地域交通の担い手や移動の足の確保の取組を強力に進めてまいります。
北陸新幹線の延伸についてのお尋ねを頂戴いたしました。
北陸新幹線敦賀―新大阪間につきましては、平成二十八年度に与党のプロジェクトチームにおいて小浜・京都ルートとすることが決定されており、まずは、詳細な駅位置、ルートを絞り込んだ上で、着工五条件の検討を深め、一日も早い全線開業を目指してまいります。
いわゆる台湾有事に関する私の認識についてお尋ねをいただきました。
台湾有事という仮定の御質問に関し、私の認識を含め、政府としてお答えをすることは差し控えますが、その上で申し上げれば、台湾海峡の平和と安定は、我が国の安全保障はもとより、国際社会全体の安定にとっても重要であり、台湾をめぐる問題が対話により平和的に解決することを期待するというのが、我が方の従来からの一貫した立場であります。この点、これまでも日米やG7で台湾海峡の平和と安定の重要性について一致をしております。
また、あくまで一般論として申し上げれば、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、我が国及び我が国国民の安全と繁栄を確保するため、政府として、いかなる事態に対しても対応できるよう、平素からの体制の整備を進め、万全を期していくことは当然のことであります。
今後の自衛隊の運用及び我が国周辺の安全保障環境を踏まえた措置についてお尋ねを頂戴いたしました。
最近、我が国周辺海空域におきまして、ロシアや中国により短期間に領空侵犯等が立て続けに起きておることについて、政府として強い危機感を有しておるところであります。
自衛隊の運用に関するお尋ねにつきましてはお答えを差し控えますが、我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、我が国の領土、領海、領空を守り抜くため、冷静かつ毅然と対応いたしてまいります。
憲法改正についてお尋ねをいただきました。
内閣総理大臣の立場からは、憲法改正についての国会における具体的な議論の進め方等について直接申し上げることは差し控えますが、自民党総裁としてあえて申し上げれば、憲法改正は立党以来の自民党の党是であります。
発議は自民党総裁の一存で決することができるものではございませんが、総裁在任中に国会への発議を実現していただくべく、今後、憲法審査会において、与野党の枠を超え、建設的な議論を行い、国民的な議論を積極的に深めていただくことを期待いたしております。
以上であります。
2024-10-07
第214回国会(臨時会) 衆議院 本会議 第3号 発言No.28会議全体を見る- 石破茂君は最低賃金の引上げに向けた中小企業支援を続ける意向を表明し、適切な価格転嫁やデジタル環境整備を進めると述べた。
- 年収の壁に対しては支援パッケージを活用し、就業調整を行う労働者の働く環境を整備する方針を示した。
- 自民党と旧統一教会との関係については、組織的なつながりはないとの見解を持ち、引き続き関係遮断に努める考えを示した。
吉田はるみ議員の御質問にお答えをいたします。
最低賃金の引上げに伴う中小企業支援についてお尋ねを頂戴いたしました。
最低賃金につきましては、二〇二〇年代に全国平均千五百円という高い目標に向かって、たゆまぬ努力を続けてまいります。
これまで、価格転嫁の状況の公表、下請Gメンの体制充実などの価格転嫁対策に取り組んできたところでありますが、引き続き、適切な価格転嫁と生産性向上を支援してまいります。また、事業者のデジタル環境整備や省力化投資を促進し、中小企業が賃上げができる環境を整備いたしてまいります。
いわゆる年収の壁についてのお尋ねがございました。
年収によって社会保険の適用が変更され、社会保険料の発生により手取り収入が減少する、いわゆる年収の壁に対しましては、当面の対応策として取りまとめました年収の壁・支援強化パッケージの活用の拡大にまずは取り組んでまいります。
その上で、就業調整を行っている労働者が希望に応じて働くことができるよう、制度的な対応として、被用者保険の更なる適用拡大などに取り組むことといたしております。
現在、次期年金制度改正に向けて議論を行っておるところでございますが、働き方に中立的な制度の構築に向け、今後とも関係者の御意見を伺いながら、引き続き丁寧に議論をいたしてまいります。
インボイス制度についてでありますが、インボイス制度は複数税率の下で課税の適正性を確保するために必要な制度であり、これを廃止することは考えておりません。
インボイス制度に対する御不安、御懸念、これを抱かれておられる方はおられます。そのような不安等に対しましては、税負担や事務負担を軽減する二割特例等を周知するとともに、事業者の方からの御相談には引き続き丁寧に対応いたしてまいります。
介護職員等の処遇改善についてであります。
介護、障害、保育等の現場におきましては、人材の確保が極めて重要であり、そのため、処遇改善を図ることは重要な課題であると認識をいたしております。
介護及び障害福祉につきましては、令和六年度の報酬改定において、また、保育等については、こども未来戦略に基づき、処遇改善を進めております。
ベースアップを含め、施策の効果について確認、点検を行いながら、福祉等の現場で働く方々の処遇改善に誠実かつ着実に取り組み、国民の皆様方に安心していただける社会保障制度を整備してまいります。
エネルギー負担軽減策についてのお尋ねをいただきました。
電気・ガス料金支援につきましては、物価高に直撃され苦しい状況にある国民を守り、酷暑の夏を乗り切るため、即効性が高い対策として、酷暑乗り切り緊急支援として、八月から十月の使用分について支援を実施いたしてまいりました。
エネルギーコストを含めた物価高対策につきましては、状況を丁寧に見極めながら、物価高の影響を特に受ける低所得者世帯向けの給付金や、地域の実情に応じたきめ細かい対応のための重点支援地方交付金を含め、今後、経済対策について議論していく中で、総合的に検討いたします。
金融所得課税と法人税についてのお尋ねをいただきました。
金融所得課税につきましては、貯蓄から投資への流れを引き続き推進していくことが重要であり、現時点でその強化について具体的に検討することは考えておりません。
法人税の在り方につきましては、与党税制調査会でかねてから議論されており、賃上げと投資が牽引する成長型経済を実現していくために何が効果的なのかという観点を踏まえて議論されるものと考えております。
防衛力に係る財源確保のための税制措置についてのお尋ねを頂戴いたしました。
激変する安全保障環境において日本を守り抜くために、国家安全保障戦略等に基づき、我が国自身の防衛力を抜本的に強化すべきことは論をまちません。
そのための財源確保に当たりましては、行財政改革の努力を最大限に行った上で、それでもなお足りない四分の一について、今を生きる我々の将来世代への責任として、税制措置での御協力をお願いすることといたしております。
今後、与党の税制調査会等の場で議論が行われていくものと承知をいたしておりますが、政府・与党で緊密に連携し、対応いたしてまいりたいと存じます。
子育て支援金制度についてのお尋ねであります。
少子化とその結果生ずる人口減少は、国の根幹に関わる課題、いわば静かな有事であります。このため、こども未来戦略を着実に実施し、子育て支援に全力を挙げます。
支援金制度は、子育て世代を全世代、全経済主体が支える仕組みであり、子育て支援のための加速化プランの実施に必要なものです。これを導入しても、歳出改革等により社会保険料の上昇を確実に抑制します。今月から拡充されている児童手当などは、物価上昇を上回る賃金上昇の定着に向けた取組と相まって、若い世代の所得を増やしていくこととなります。
政府といたしましては、支援金制度の令和八年度の施行に向け、こうした制度の趣旨について国民の皆様方に説明を尽くしてまいります。
学校給食費の無償化についてもお尋ねを頂戴いたしました。
学校給食費の無償化につきましては、学校給食の実態を踏まえつつ、関係省庁が連携をし、児童生徒間の公平性や国と地方との役割分担、政策効果、法制面等の課題を整理した上で検討いたしてまいります。
国公立大学の授業料についてのお尋ねであります。
国立大学の授業料につきましては、国が標準額を示しつつ、その一・二倍を上限として各法人が個別に設定する仕組みとなっております。
経済的な理由により進学を諦めることがないよう、給付型奨学金や授業料等減免制度を拡充してきております。引き続き、高等教育費の負担軽減に取り組んでまいります。
学校の仕事量軽減と指導、運営体制、いじめ、不登校等の対策についてのお尋ねがございました。
学校の仕事量削減につきましては、働き方改革やデジタル技術の活用により、学校、教師が担う業務を適正化し、教師の時間外在校等時間を削減します。
指導、運営体制につきましては、様々な教育課題に対応するための、各自治体の権限と責任の下で任用される支援スタッフと教職員との連携、協働を進めます。
いじめ、不登校等につきましては、教師のみに負担させるのではなく、専門スタッフによる教育相談や、学校内における多様な学びの場の活用等による対策を進めてまいります。
女性閣僚の数についてであります。
大臣、副大臣、大臣政務官の人事につきましては、所管分野の状況や本人の手腕、経験などを踏まえて行ったところであります。
女性活躍と女性参画は重要な課題であり、社会のあらゆる組織の意思決定に女性が参画することを官民の目標とし、達成への指針を定め、計画的に取り組んでまいります。
選択的夫婦別氏制度についてのお尋ねがございました。
選択的夫婦別氏制度の導入を求める声があることは承知をいたしております。夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方につきましては、国民の間に様々な意見があり、政府としては、国民各層の意見や国会における議論の動向等を踏まえ、更なる検討をする必要があると考えているところです。
そのため、当該制度の導入の是非や導入時の家族への影響等について、私の立場から個人的な見解を申し上げることは差し控えます。
マイナ保険証についてのお尋ねをいただきました。
マイナ保険証は、本人の健康医療情報を活用した適切な医療の提供に大きく寄与するものです。一方で、マイナ保険証が使えないといった様々な不安の声に丁寧に対応する必要がございます。
現行の健康保険証の新規発行終了につきましては、法に定められたスケジュールにより進めていきますが、マイナ保険証が利用できない方も確実に保険診療が受けられますように、資格確認書の活用も図ってまいります。さらに、資格確認書でも保険診療が受けられることなど、高齢者の方にも伝わるよう周知を徹底し、不安の払拭に向け、丁寧に進めてまいります。
食料供給困難事態対策法についてお尋ねをいただきました。
この法律が事業者に生産等の計画の届出を求めておりますのは、食料供給が大幅に不足し、買占めや価格の高騰など国民生活等に支障が生ずるような場合に、政府として、確保可能な食料供給量を把握し、必要な対策を講ずるためであります。
計画の届出をしない事業者に対する罰金は、その実効性を担保するためのものであり、引き続き、丁寧な説明に努めてまいります。
就農者の確保についてのお尋ねを頂戴いたしました。
我が国の農業が持続的に発展していくためには、御指摘のように、就農者を確保することが極めて重要であります。
このため、就農に向けた研修資金、経営を開始するための資金及び就農者の雇用を促進するための資金の交付、経営発展のための機械、施設の導入支援、就農後の技術面のサポートなど、総合的な支援を進めてまいります。
エネルギー基本計画における原発の位置づけについてであります。
AI時代の電力需要の激増が見込まれる中、脱炭素化を進めながらエネルギー自給率を抜本的に高めることが重要であります。
そのため、省エネルギーを徹底し、再生可能エネルギーを拡大するとともに、安全性の確保を大前提とした原子力発電を利活用することも必要です。
再生可能エネルギーか原子力かという議論ではなく、利用可能な脱炭素電源は適切に活用していくという考え方であります。
こうした足下の情勢も踏まえ、次期エネルギー基本計画について国の審議会で検討いたしてまいります。
憲法改正についてであります。
内閣総理大臣の立場からは、憲法改正についての具体的な内容等について直接申し上げることは差し控えますが、自由民主党総裁としてあえて申し上げれば、我が党では、緊急事態条項の在り方、憲法における自衛隊の明記等について活発な議論が行われ、論点整理等が進められてきたところであります。私も、自民党総裁として、これらの議論の積み重ねを引き継ぎ、後戻りさせることなく前に進めてまいります。
調査研究広報滞在費についてお尋ねを頂戴いたしました。
調査研究広報滞在費、いわゆる旧文通費につきましては、我が党の岸田前総裁と維新の会馬場代表との間において、衆参議長の下に置かれる協議の場において前向きに議論を行い、使途公開と残金返還を義務づける立法措置を講ずることについて文書で合意が交わされたものと認識をいたしております。私も、自民党総裁として、その合意を引き継いでまいります。
現在、衆参両院の議院運営委員会による有識者へのヒアリングが進められているところと承知をいたしておりますが、今後、制度の詳細等について各党各会派間での合意を早期に得て、必要な立法措置が講じられるよう、自民党としても誠心誠意対応いたしてまいります。
自民党と旧統一教会との関係等についてお尋ねをいただきました。
御指摘の写真に係る報道については承知をいたしておりますが、当該報道のみでは、自民党と旧統一教会との間に組織的関係はなかったというこれまでの党の説明を覆さなければならないような事情があるとは考えておりません。
また、私と旧統一教会及びその関連団体との関係について、御指摘の講演や献金の受取は事実でありますが、それ以外の事実は把握をいたしておらず、既に旧統一教会とは一切関係を持たないことといたしておるところでございます。
自民党と旧統一教会との関係についての調査についてお尋ねがありました。
自民党におきましては、一昨年に各議員が旧統一教会との過去の関係を詳細に点検、報告するとともに、それ以降に新たな接点が明らかとなった場合には、その都度、追加的に報告、説明を行うよう求めてきたところであります。
当該団体は長年にわたり多様な組織形態や名称の下で様々な活動を展開しており、個々の議員が全ての接点を網羅的に把握し切れない場合があることも事実であります。新たな接点が判明いたしました場合には、速やかに報告、説明するとともに、未来に向かって当該団体と関係を持たないことを徹底することが大切であると考えており、引き続きこの方針を堅持いたしてまいります。
自民党と旧統一教会との関係遮断についてお尋ねをいただきましたが、先ほども申し上げましたとおり、自民党におきましては、一昨年、各議員が旧統一教会との過去の関係を詳細に点検、報告したところであり、それ以降は当該団体と一切関係を持たないこと、新たな接点が明らかとなった場合には、その都度、追加的に報告、説明を行うことを方針としておるところであり、現時点において、お尋ねのような対応が必要な状況であるとは考えておりません。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をいたさせます。
〔国務大臣牧原秀樹君登壇〕
2024-10-07
第214回国会(臨時会) 衆議院 本会議 第3号 発言No.19会議全体を見る- 内閣総理大臣(石破茂君)は、安倍政権の対ロシア外交や自衛官の処遇改善、能登半島の災害復旧対応について触れ、自衛官の人員確保が重要と訴えた。
- 衆議院解散の法的根拠を説明し、自民党の政治資金報告書不記載問題や世襲制限についても明確な対応を示した。
- 中東情勢や北朝鮮問題に関しては、外交努力を続ける意向を表明し、拉致問題への取り組みを強調した。
野田代表から、冒頭、大変ありがたいお言葉をいただきました。厚く御礼を申し上げます。
野田佳彦議員の御質問にお答えをいたします。
安倍政権下の対ロシア外交についてお尋ねがございました。
安倍政権におきましては、幅広い分野で日ロ関係全体を国益に資するよう発展させるべく、平和条約交渉を粘り強く進めたものと承知をいたしております。
その後、ロシアによるウクライナ侵略を受け、我が国は、従来の対ロ外交を大きく転換をいたしました。引き続き、何が我が国の国益に資するかという観点から、適切に対応をいたします。
自衛官の処遇改善についてお尋ねをいただきました。
防衛力の最大の基盤は自衛官であります。防衛力を発揮するためには、装備だけではなく、人的基盤を強化することが不可欠であります。自衛官が定員割れとなっている状態を放置することは大きな問題であります。
この待ったなしの課題に対し、私を長とする関係閣僚会議を早期に立ち上げ、早急に検討し、成果を得てまいります。
能登半島の災害への予算面での対応についてお尋ねをいただきました。
今般策定することといたしております経済対策の裏づけとなる補正予算においては、能登地域の災害からの復旧復興にも対応することといたしております。その一方で、予備費であれば更に迅速な対応ができること、一般予備費に十分な残額があることを踏まえ、予備費を活用して切れ目なく被災地の支援を行うことにより、能登地域の早期の復旧復興に向けた対応に万全を期してまいります。
二重災害で苦しむ能登半島、その被災地における選挙準備についてのお尋ねをいただきました。
被災地におきましては、総務省から必要な助言を行いながら、既に、投票所の確保など選挙の執行に向けた準備を進めていただいております。
先般も、選挙事務に精通したアドバイザーを被災地に派遣をし、被災地の状況把握及び選挙の執行に向けた助言等を実施したところであり、引き続き、県選挙管理委員会とも緊密に連携し、被災地における選挙の実施に万全を期してまいります。
衆議院の解散についてお尋ねをいただきました。
内閣は、憲法第六十九条の場合に典型的に表れておりますように、国政上の重大な局面等において主権者たる国民の意思を確かめる必要があるような場合には、衆議院の解散権を行使することができると考えております。その法的根拠といたしましては、憲法第七条の規定であり、今般表明した衆議院の解散についても、同様に考えております。
衆議院解散権の行使について、その濫用を慎むべきことは言うまでもありませんが、今回、新しい内閣が発足したことに伴い、国民の意思を確かめる必要があるとの観点から、衆議院の解散を行うとの判断をいたしました。
今般の解散についてのお尋ねがありました。
九月三十日の私の発言は、あくまで、内閣総理大臣に選出されれば、諸条件が整えばという二つの前提を置いた上で総選挙の日程について申し上げたものであり、天皇の国事行為に踏み込んだとの御指摘は当たりません。
自民党における旧派閥の政治資金収支報告書の不記載の問題に関する再調査についてお尋ねをいただきました。
自民党における旧派閥の政治資金収支報告書の不記載に関する一連の問題につきましては、第三者である検察による厳正な捜査が行われ、法と証拠に基づき、刑事事件として取り上げるべきものは立件されてきたものと承知をいたしております。また、自民党における外部の弁護士を交えた聞き取り調査や当事者自身による会見等での説明など、様々な関係者による事実関係の把握、解明の努力が進められてきたところであります。国民の信頼を回復するために今後更に行うべきことにつきましては、これまでの取組の経緯等を踏まえつつ、適切に判断をいたします。
私が代表を務めておりました水月会の政治資金収支報告書についてのお尋ねをいただきました。
お尋ねにつきましては、政治資金パーティーのパーティー券を複数の議員から購入いただき、支払い額の合計が二十万円を超えていた政治団体について、水月会の事務局側での確認漏れがあり、当該団体のパーティー券の支払い総額の記載に誤りが生じたものであります。
なお、収支報告書には、政治資金パーティーの収入総額に加えて、その内訳としてパーティー券の支払い額が二十万円を超えたものの支払い額も記載することとされているところ、この度の記載の誤りがあったのは内訳の金額であり、収入総額の誤りは確認されておりません。
水月会自体は既に解散をしておりますが、訂正可能な過去の収支報告書につきましては、既に訂正手続を行ったところであります。
政治資金収支報告書に不記載があった議員の公認の方針等についてお尋ねがありました。
お尋ねにつきましては、昨日自民党総裁として公表した方針に基づき公認に向けた手続を進めているところであり、現時点において公認となる方が誰かは具体的に確定はいたしておりません。
自民党による処分についてお尋ねをいただきました。
今般の一連の収支報告書の不記載の問題に係る自民党の処分については、外部の有識者を含めた党紀委員会において議論を行い、公平に判断されたものと認識しており、また、処分の後も、党として政治資金規正法の改正を含む再発防止策に取り組んできたところであり、御指摘のように甘い処分で幕引きを図ろうとしたものとは認識をいたしておりません。
政治資金規正法の改正についてのお尋ねであります。
さきの通常国会におきまして、政治資金収支報告書の記載に係る政治家の責任の強化、政治資金パーティーのパーティー券の購入者に係る公開基準の引下げ等を内容とする政治資金規正法の一部改正が行われ、収支報告書の不記載の再発防止や政治資金の透明性向上が図られたところであります。
まずは、改正政治資金規正法を徹底的に遵守しますとともに、政治資金に関する独立性の担保された機関の在り方など残された課題の検討を着実に進め、その課題についての結論を得ていくことが重要と考えております。
自民党と公明党との連立合意文書における政策活動費の取扱いについてお尋ねをいただきました。
さきの通常国会において成立した改正政治資金規正法の一部を改正する法律の附則では、政策活動費の使途を十年後に明らかにする、政策活動費を監査する独立性の担保された機関を設置するといった方向性とともに、その具体的な在り方について今後検討を行うことが規定されました。
今回の我が党と公明党との間における連立政権合意書におきましては、このような法律の規定が既にあることを踏まえ、まずは、政策活動費の透明性の確保や、政治資金に関する独立性が確保された機関の設置等に取り組んでいくことを記載することとしたものであります。
国会議員の世襲制限についてのお尋ねがありました。
お尋ねにつきましては、議員の政治活動の在り方と密接に関わる問題であることから、まずは国会において御議論いただくべきものと考えております。
国会議員の世襲に関する問題は、基本的には、政治家として有能かつふさわしい人を国民が広く選べるような仕組みをどのようにつくるかという問題であり、自民党におきましても、公募、予備選挙等の積極的な活用を通じて、有為な人材を広く募集、発掘するよう努めているところであります。
アベノミクスの清算と共同声明の見直しについてお尋ねをいただきました。
アベノミクスは、デフレではない状況をつくり出し、GDPを高め、雇用を拡大し、企業収益の増加傾向にもつながりました。こうした成果の上で、岸田内閣の新しい資本主義の取組が、最低賃金の過去最大の引上げ、名目百兆円超の設備投資などにつながったものと認識をいたしております。私は、デフレからの脱却を確実なものとするべく、こうした岸田内閣の経済政策を引き継ぎ、更に加速をさせ、賃上げと投資が牽引する成長型経済の実現を図ってまいります。
平成二十五年一月の共同声明につきましては、先日、植田日銀総裁と意見交換を行い、政府と日銀は共同声明に沿って引き続き連携を続けていくことを確認いたしており、現時点において共同声明を見直すことは考えておりません。
アジア版NATO及び日米安保条約の改正の実現可能性についてであります。
アジア版NATOを含む日本の安全保障の在り方につきましては、これまで私自身の一国会議員としての考えを累次述べてまいりましたが、一朝一夕で実現するとは当然思っておりません。一国の総理大臣として、まずは喫緊の外交、安全保障上の課題に取り組んでいく必要があると考えております。
日米同盟の抑止力、対処力を強化するとともに、その強靱性、持続性を高めていくとの観点から、また、同盟国、同志国間のネットワークを有機的、重層的に構築し、抑止力を強化する観点から、検討し対応いたしてまいります。
具体的な検討についてお尋ねがありました。
繰り返しになりますが、アジア版NATOについては、一朝一夕で実現するとは考えておりません。一国の総理大臣として、まずは喫緊の外交、安全保障上の課題に取り組んでいく必要があると考えております。
外務大臣や防衛大臣に対し現時点で具体的な指示を出しているわけではありませんが、同盟国、同志国間のネットワークを有機的、重層的に構築し、抑止力を強化する観点から、検討、対応をいたしてまいります。
自由民主党の選挙公約に盛り込むか否かにつきましては、現時点では決まっておりません。
中東情勢が緊迫する中についての対応について、中東外交につきましてのお尋ねを頂戴いたしました。
現下の中東情勢の緊張の高まりは、私自身、深刻に懸念しておるところであります。
我が国は、独自の取組を通じて、これまで中東各国と良好な関係を築いてまいりました。こうした外交資産の土台の上で、関係国とも緊密に連携しつつ、中東の緊張緩和と情勢の安定化に向け、積極的な外交努力を行ってまいります。
東京と平壌における連絡事務所につきましてであります。
我が国の北朝鮮に対する基本方針は、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化を実現するというものです。
とりわけ、拉致被害者やその御家族も御高齢となられる中で、時間的制約のある拉致問題は、ひとときもゆるがせにできない人道問題であるとともに、その本質は国家主権の侵害であり、政権の最重要課題であります。
御質問の点も含め、今後の対応について具体的にお答えをすることは差し控えますが、政府の責任において、最も有効な手だてを講じてまいります。
家族会の方々に電話で就任の御挨拶をした際の具体的な個別の発言につきましては、対外的には言及しないことになっておりますが、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現するとともに、北朝鮮との諸問題を解決するため、私自身の強い決意の下、総力を挙げて取り組んでまいります。
残余の御質問につきましては、関係大臣から答弁をいたさせます。
〔国務大臣武藤容治君登壇〕
2024-10-07
第214回国会(臨時会) 衆議院 本会議 第3号 発言No.44会議全体を見る- 石破茂君は、能登地域の復旧支援に補正予算と予備費の活用を表明した。
- 衆議院解散権の行使について、国民の意思確認の必要性を強調し、早期の選挙を目指すと述べた。
- 自民党の政治資金問題に関する再調査と公認方針を説明し、信頼回復のための取り組みを進める意向を示した。
玉木雄一郎議員の御質問にお答えを申し上げます。
能登地域の災害への予算面での対応についてお尋ねをいただきました。
今般策定することといたしております経済対策の裏づけとなる補正予算においては、能登地域の災害からの復旧復興にも対応することといたしております。一方で、予備費であれば更に迅速な対応ができること、一般予備費に十分な残額があることを踏まえ、予備費も活用して切れ目なく被災地の支援を行うことにより、能登地域の早期の復旧復興に向けた対応に万全を期してまいる所存であります。
解散についてのお尋ねをいただきました。
内閣は、憲法第六十九条の場合に典型的に表れておりますように、国政上の重大な局面等において主権者たる国民の意思を確かめる必要があるような場合には、衆議院の解散権を行使することができると考えております。その法的根拠としては憲法第七条の規定であり、今般表明した衆議院の解散につきましても、同様に考えております。
衆議院解散権の行使につきましては、その濫用を慎むべきことは言うまでもありませんが、今回、新しい内閣が発足したことに伴い、国民の御意思を確かめる必要があるとの観点から、衆議院の解散を行うとの判断をいたしました。
今般の解散についてのお尋ねであります。
この度、新内閣が発足したため、できる限り早期に国民の皆様方の御判断をいただくことが重要だと考えております。
一方で、総選挙に向けては、国民の皆様方に御判断をいただける材料を真摯に提供することも重要です。引き続き、自分自身の言葉で語り、誠心誠意、国民の皆様方に御判断いただくための材料を提供いたしてまいります。
自民党における旧派閥の政治資金収支報告書の不記載の問題等に関する認識と再調査についてのお尋ねをいただきました。
自民党における旧派閥の政治資金収支報告書の不記載に関する一連の問題につきましては、御指摘があった公職選挙法違反の件も含め、第三者である検察による厳正な捜査が行われ、法と証拠に基づき、刑事事件として取り上げるべきものは立件されてきたものと承知をいたしております。
また、様々な報道等があることを承知しておりますが、自民党における外部の弁護士を交えた聞き取り調査などでは、捜査権がなかったり、書類の保存期間を経過していたりという制約の中でも、可能な限りの事実関係の把握、解明の努力が進められてきたものと認識をしております。
国民の信頼を回復するために今後更に行うべきことにつきましては、これまでの取組の経緯等を踏まえつつ、適切に判断をいたしてまいります。
政治資金収支報告書に不記載があった議員の公認の方針等についてのお尋ねをいただきました。
公認につきましては、昨日、自民党総裁として公表したところでありますが、自民党党則における選挙における非公認よりも重い処分を受けた者などは非公認とし、その他の不記載があった議員についても、比例名簿には登載しないこととするとの方針を示したところであります。
具体的に誰を公認するかにつきましては、選挙対策本部において、各選挙区の事情、当選の可能性などを踏まえ、適切に判断をいたしていくことになります。
このような厳しい姿勢で臨むことにより、ルールを守る自民党を確立いたしてまいります。
アジア版NATOについてのお尋ねをいただきました。
アジア版NATOにつきましては、これまで、私自身、一国会議員としての考え方を累次申し述べてまいりました。これは、一朝一夕で実現するとは思っておりません。一国の総理大臣として、まずは喫緊の外交、安全保障の課題等に取り組んでいく必要があると考えております。
同盟国、同志国間のネットワークを有機的、重層的に構築し、抑止力を強化する観点から検討し、対応いたしてまいりますが、具体的な態様につきまして予断を持ってお答えすることは差し控えてまいります。
日米地位協定改正及び国外犯処罰規定の整備についてのお尋ねをいただきました。
日米地位協定に関しましても、これまで、私自身の一国会議員としての考えを累次述べてまいりましたが、これも一朝一夕で実現するとは思っておりません。一国の総理大臣として、まずは喫緊の安全保障上の課題に取り組んでいく必要があると考えております。
日米同盟の抑止力、対処力を強化するとともに、その強靱性、持続性を高めていくとの観点から、検討し対応いたしてまいります。
自衛隊の国外犯処罰規定につきましては、海外における自衛隊の活動が一層増加、多様化していることを踏まえ、その過失行為に係る処罰規定の在り方について検討を進め、成果を得たいと考えております。
東京と平壌における連絡事務所についてお尋ねがございました。
我が国の北朝鮮に対する基本方針は、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化を実現するというものであります。
とりわけ、拉致被害者やその御家族も御高齢となる中で、時間的制約のある拉致問題は、ひとときもゆるがせにできない人道問題であるとともに、その本質は国家主権の侵害であり、政権の最重要課題であります。
御質問の点も含め、今後の対応について具体的にお答えをすることは差し控えますが、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現するとともに、北朝鮮との諸問題を解決するため、私自身の強い決意の下、総力を挙げて取り組んでまいります。
基礎控除等の引上げ及び年少扶養控除の復活についてお尋ねをいただきました。
基礎控除等の引上げは、何年も物価上昇や構造的賃上げが継続的に持続する局面においては検討課題となり得るものでありますが、我が国経済は、現時点では、デフレを脱却できるかどうかの瀬戸際にいるものと認識をいたしております。物価高の影響を特に受ける低所得者世帯向け給付金などにより、足下で物価高に苦しむ方々への支援をきめ細かく行うとともに、物価上昇を上回って賃金が上昇するといった成長と分配の好循環を実現していくことが重要であると考えております。
年少扶養控除の復活につきましては、児童手当の抜本的拡充など、主として歳出面で前例のない規模で子供、子育て政策の強化を図っておるところであり、検討課題とはいたしておりません。
教育、科学技術予算と奨学金の返済免除についてお尋ねを頂戴いたしました。
人的資源への最大限の投資を行い、あらゆる人が最適な教育を受けられる社会を実現するとともに、科学技術、イノベーションを推進し、日本経済の活性化と成長を加速させるため、必要な教育、科学技術予算を措置してまいります。
一方で、教育国債につきましては、安定財源の確保や財政の信認確保の観点から、慎重に検討する必要があると考えております。
奨学金の返還免除につきましては、教職の高度化を図る観点から、教師について、令和七年度より教職大学院修了者等に限り免除することといたしておりますが、他の分野については、返還を完了した方との公平性や職業間の公平性等の観点から、慎重な検討が必要であると考えております。
燃料油及び電気・ガス料金に係る補助等についてお尋ねをいただきました。
燃料油の激変緩和対策につきましては、年内に限って支援を継続することとされ、岸田前総理は、経済対策の策定と併せて、骨太二〇二四を踏まえ、早期の段階的終了に着手すべく取り組むと表明しております。
電気・ガス料金につきましては、酷暑乗り切り緊急支援として、八月から十月の使用分に限って支援を実施しており、十月末で終了することといたしております。
エネルギーコストを含めた物価高対策につきましては、状況を丁寧に見極めながら、低所得世帯向けの給付金や重点支援地方交付金を含め、今後、経済対策について議論していく中で、総合的に検討いたしてまいります。
御指摘の揮発油税の減税につきましては、ガソリン等の流通現場や国民生活に混乱を与えないようにするといった実務面の課題、地球温暖化対策の観点や厳しい財政事情等を踏まえる必要があり、税率を引き下げることは考えておりません。
また、再エネ賦課金につきましては、カーボンニュートラルを実現する観点から、国民負担を抑制しつつ、再エネの最大限の導入を図ることが政府の基本方針として重要であります。引き続き、この方針に沿って、制度を着実に運用してまいります。
原子力発電所の利用に対する私の考え方についてお尋ねをいただきました。
AI時代の電力需要増加が見込まれる中、脱炭素化を進めながらエネルギー自給率を抜本的に高めるため、省エネルギーの徹底、再生可能エネルギーの拡大とともに、安全性の確保を大前提とした原子力発電の利活用も必要であります。
省エネや再エネの最大限の追求により、将来、結果として起こり得るとしても、原発のウェートを減らすことが目的ではなく、使える技術は全てを使い、可能性を最大限に引き出しながら、日本経済をエネルギー制約から守り抜くという私の考えは、一貫しておるものでございます。
消費税率の引下げについてのお尋ねをいただきました。
消費税につきましては、急速な高齢化等に伴い社会保障給付費が大きく増加する中で、全ての世代が広く公平に分かち合う観点から、社会保障の財源として位置づけられており、その税率を引き下げることは考えておりません。
一方で、今後、経済対策を早急に策定し、足下で物価高に苦しむ方々に対しての支援を行うとともに、成長分野に官民挙げての思い切った投資を行い、賃上げと投資が牽引する成長型経済の実現を図ってまいります。
尊厳死の法制化についてお尋ねを頂戴いたしました。
いわゆる尊厳死につきましては、国民の生命観や倫理観に関わる問題であり、法律に定めるかどうかも含めて、幅広く国民の間で議論がなされるべきものであると考えております。
政府としては、これまで尊厳死を定める法律案の検討は行ってはおりませんが、人生の最終段階の医療、ケアについて、本人が家族等や医療、ケア関係者と繰り返し話し合うプロセスが重要であると考えており、その普及啓発に取り組んでまいります。
水田活用の直接支払交付金と米に対する直接支払い制度等についてお尋ねを頂戴いたしました。
議員御指摘の交付金要件の見直しは、本交付金が水張りの機能を有する水田を活用した生産を支援するものであることを明確にするものであり、適切なものであると考えております。
輸入に依存する麦、大豆等の生産支援につきましては、主食用米の需要が減少を続ける中、必要なものと考えております。
また、所得を補償する政策は、農業者の創意工夫や日々の努力にブレーキをかけ、また、農地の集積、集約化が進まなくなるおそれがある等の指摘もございます。
新たな食料・農業・農村基本計画を今年度中に策定することといたしており、米政策につきましても、関係者の御意見をよく伺いながら、方向性を示してまいります。
以上であります。