経済再生担当大臣、新しい資本主義担当大臣、賃金向上担当大臣、スタートアップ担当大臣、全世代型社会保障改革担当大臣、感染症危機管理担当大臣、経済財政政策を担当する内閣府特命担当大臣として、一言御挨拶を申し上げます。
我が国経済は、現在、名目六百兆円超のGDP、名目百兆円超の設備投資、三十三年ぶりの高い賃上げ率を実現するなど、成長と分配の好循環が動き始めています。こうした前向きの動きを、国民一人一人が実際の賃金、所得の増加という形で、豊かさとして実感できるよう、更に政策を前進させなければなりません。
このため、去る十一月二十二日、日本経済、地方経済の成長、物価高の克服、国民の安心、安全の確保を三つの柱とする、国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策を取りまとめました。対策の裏づけとなる令和六年度補正予算案の早期成立を図り、成立後には、関連する施策を速やかに実行し、国民の皆様に対し早急に支援をお届けします。
具体的には、第一に、全ての世代の現在及び将来の賃金、所得を増やすため、人への投資、中堅・中小企業の稼ぐ力を高める国内投資を促進するとともに、地方経済の潜在力を引き出す地方創生二・〇を展開します。新しい資本主義の実行計画も踏まえ、投資立国及び資産運用立国の取組を進め、イノベーションやDX、GX、スタートアップなどの分野において、官民連携投資を推進します。物価上昇を上回る賃金上昇を普及、定着させるため、価格転嫁等の取引適正化、省力化、デジタル化投資の促進等に取り組みます。最低賃金の引上げを後押しし、二〇二〇年代に全国平均千五百円という高い目標の達成に向け、たゆまぬ努力を継続します。このため、最低賃金の今後の中期的引上げ方針について、政労使の意見交換において議論を始めています。
第二に、誰一人取り残されない形で、成長型経済への移行に道筋をつけるため、足下で特に物価高の影響を受ける家計や事業者の負担軽減など、きめ細かい支援を行います。
第三に、成長型経済への移行の礎を築くため、東日本大震災、令和六年能登半島地震などの自然災害からの復旧復興、避難所環境の整備等の防災・減災及び国土強靱化等の取組を進めるほか、防犯対策の強化、女性、高齢者の活躍、参画の推進等、誰一人取り残されない社会の実現に取り組み、国民の安心、安全を確保してまいります。
経済対策を含め、経済財政運営を推進していくに当たっては、経済あっての財政との考え方に立ち、賃上げと投資が牽引する成長型経済を実現しつつ、財政状況の改善を進め、力強く発展する、危機に強靱な経済、財政をつくってまいります。
CPTPP等の経済連携を通じ、ルールに基づく自由で開かれ、予見可能な貿易・投資を更に促進するため、主導的な役割を果たすとともに、関連政策大綱に基づく施策を着実に実施します。また、コスタリカのCPTPP加入手続が協定の高いレベルを維持しつつ進むよう、他の締約国とともに取り組みます。
全世代型社会保障の構築に向けては、現役世代の負担を軽減し、社会保障制度の支え手を増やすため、昨年末に閣議決定した改革工程に掲げられた具体的な改革項目について、実現できるものから着実に実施をし、人口減少時代に合った、全世代が活躍できる社会保障への転換に向けた取組を着実に進めてまいります。
次の感染症危機への対応に万全を期すため、本年七月に改定された新型インフルエンザ等対策政府行動計画を踏まえ、取組状況の確実なフォローアップ、より実効性のある訓練の実施など、平時からの備えの充実に努めてまいります。
大岡委員長を始め理事、委員各位の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。