私は、日本共産党を代表して、二〇二四年度補正予算案に反対の討論を行います。
そもそも、補正予算は、財政法第二十九条で、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費に限って編成すると定められています。
ところが、本補正予算案は、軍事費を過去最大の八千二百六十八億円も計上しています。しかも、その四分の三は次年度以降の歳出化経費の前倒しです。イージスシステム搭載艦、最新鋭の「もがみ」型護衛艦、哨戒ヘリ、一二式地対艦誘導弾などの取得経費は、まさに財政法第二十九条に真っ向から反するものです。憲法、平和、暮らしを破壊する安保三文書に基づく大軍拡の一環であり、断じて認められません。
沖縄県民の民意を踏みにじる辺野古新基地建設、種子島住民の住環境を悪化させる米軍艦載機の夜間発着訓練のための馬毛島基地建設費、陸上自衛隊オスプレイ移駐、配備のための佐賀駐屯地の整備などの基地強化予算は削減すべきです。
また、AI・半導体産業基盤強化フレームに一兆三千億円もの巨額の資金をつぎ込んでいます。半導体企業ラピダス等への支援など、特定の大企業を支援するために国民の税金を使うことは許されません。
国民が求めている補正予算は、能登半島災害の被災者支援であり、物価高騰対策の抜本的強化です。
能登半島地震からもうすぐ一年、地震と九月の記録的豪雨という二重災害によって、被災者は物理的にも精神的にも大きなダメージを受けています。本補正予算案は、被災した公営住宅、医療、介護基盤の再建などの経費を盛り込んでいますが、不十分です。豪雨を含む災害により被災された方々に対する医療費や保険料等の減免措置を始め、被災された方々に負担が生じない十分な支援が必要です。能登に住み続けたいという切実な願いを持ち、先の見えない生活を何とか打開しようと苦しんでいる被災者が希望を持てるよう、国の支援を抜本的に強めることを求めます。
物価高騰から暮らしを守る支援策も極めて不十分です。所得が低い現役世代の方々、ケア労働者などに対する思い切った支援が必要です。生計費原則非課税を貫いて、全国民に物価引下げ効果が表れる消費税率の五%への減税を求めます。
加えて、何よりも賃上げが必要です。日本経済を支える中小企業に対して、社会保険料減免等の直接支援を行いながら、最低賃金を速やかに千五百円以上に引き上げるべきです。
また、国立大学、私立大学、専門学校等の授業料値上げが相次いでいます。学費値上げをやめるために、緊急助成を求めます。
なお、各党から提出されている修正案及び組替え動議は、我が党と考え方を異にしますので、反対します。
以上で討論を終わります。