一生懸命やっているつもりなんですけれどもね、正直なところを申しますと。
食料自給率は高めたいと思っています。それには戦略作物を作らなければなりません。水活が今国会でも、この委員会でも随分話題になりました。水田を活用して麦、大豆を作る、これはまさに食料自給率の向上に真っすぐつながるものであります。国内で作れるのに海外に依存をしている、こういったことは、委員のおっしゃるように、一刻も早く解消すべきだと思いますよ。
ホワイトパウダー、いわゆるオーストラリアの小麦は、日本の小麦よりもはるかに品質的に勝っているということが通説でしたけれども、今、もう北海道でも、それから佐賀県でも、極めて質の高い小麦ができるようになりました。品種改良の努力もあるし、生産現場の努力もあります。ですから、決して輸出に重きを置いたということではなくて、内政にもしっかりお金は使っているつもりです。
今回、補正予算について御指摘をいただきましたが、先ほども申し上げましたように、輸出向けの予算をつけるということは、輸出によって、例を挙げさせていただこうと思いますが、例えば、台湾とか香港に贈答用にリンゴとかを出しています。国内でリンゴを売ると、例えば農家手取りはキロ当たり百九十五円なんですよ。ところが、輸出だと三百二円になるんです。輸出することによって百円以上農家の手取りが、まさに所得が増えるということであれば、農家がこれによって経営が安定して、それによって営農が継続されて食料安全保障が確立されるということであります。
ですから、輸出向けの予算をつけるということは、日本の農政の基盤を守るということにも実は直接つながっている。やはり所得に着目することが大事だということが今国会でも、今委員会でも最近議論されていますから、決してあべこべの予算をつけているということではないと思います。
ただ、委員がおっしゃるように、日本人は日本のものを食べてほしいです。
この間、予算委員会で披露したんですけれども、今日持ってきておりませんが、スイスが世論調査をしました。そうしたら、スイスの国民は、たとえ値段が高くても国産のものを買うんだ、国産の農産物を買うんだという国民が八九%という世論調査でした。
ただ、今の実質賃金が物価上昇を上回っていない状況の下にあっては、輸入の、例えば長ネギがありますよね、日本の国産の長ネギがあります。中国の長ネギは太いです。家族が多ければ、やはり、安くて量が取れる長ネギをどうしても手に取ってしまうという傾向はあると思うんですよ。ですから、やはり、景気回復をさせることによって、国民所得を上げていくことによって、購買力を上げていただいて、国産のものについて、国民の皆様方が選択していただける、そういう経済状況をつくっていくことが根本的には大事かなというふうに思っております。