開催日: 2024-12-06
発言No.1
ただいまから予算委員会を開会いたします。
理事の補欠選任についてお諮りいたします。済みません、着席してください。
去る十一月十四日の本委員会におきまして、三名の理事につきましては、後日、委員長が指名することとなっておりました。
また、委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
「異議なし」と呼ぶ者あり
「異議なし」と呼ぶ者あり
「異議なし」と呼ぶ者あり
発言No.10
おはようございます。立憲民主・社民・無所属、北海道の徳永エリでございます。
私、十四年国会で仕事をさせていただいておりますけれども、機会がなくて石破総理と一度もお話ししたことがないんですよ。今日、初めてお話しさせていただきます。
閣僚の皆様も、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
まずは、能登半島です。
震災から一年になろうとしております。また、九月には豪雨による甚大な被害、奥能登で発生をいたしました。これまで、インフラの復旧あるいは公費解体など、国の支援の遅れが何度か指摘されてまいりました。いよいよ来週から補正予算の審議が始まるわけでございますけれども、この支援の加速化、それから支援体制の強化、補正予算に相当現地では期待をされているところでございます。
石破総理も被災地に入られまして、できることは何でもやるとおっしゃったそうでございますけれども、期待してよろしいですか。
発言No.13
私も同じ日本海側の育ちでございますので、冬の日本海側、特に海岸沿いがどんなにきついかということは実感として承知をしておるつもりでございます。
ですので、特に一月、二月、三月、このときの積雪が多いと、また高齢者の方が多うございますので、そうすると、その雪に対するいろんな対処が高齢者の方ではやりにくいなということもたくさんございます。また、まだ体育館で避難しておる方々もおられるわけで、そうすると、非常に寒いと、夜、用を足しに行きたいと、そういうときにヒートショックみたいなことも起こりかねないのでございまして、何が起こるかということを、積雪の多い日本海側の感覚、きちんと理解をしながらやってまいりたいと思っております。
発言No.14
気象庁によりますと、今年の冬は平年よりも雪が多い可能性が高いということでございますので、しっかり対策、お願い申し上げたいというふうに思います。
それから、立憲民主党では、昨年の夏から農林水産キャラバンを展開をいたしまして、二十を超える都道府県に入らせていただきまして、特に中山間地などに行きまして、現場の皆さんの声を聞いて、委員会で質問をし、課題解決のために活動させていただいているところでございますが、十一月の二十一日ですが、同僚の田名部匡代議員と一緒にこの農林水産キャラバンで奥能登地域に入ってまいりました。まあ正直驚きました。
農林水産大臣も能登半島に訪問されたということでございますので、現状を御覧になってどのようにお感じになったのか、またどのような支援をされていくのか、お伺いしたいと思います。
発言No.15
お答えいたします。
改めて、またよろしくお願いいたします。
五日後のですね、大臣になって五日後の十六日に行ってまいりました。空港降りて車に乗って、いまだにブルーシートがいっぱい張ってあるこの町並みを見て、十か月以上たってまだこういう状況なのかと、本当にちょっとショックを受けました。そして、もう余りにも生々しい現場の状況に、本当に、本当に大変だなという思いを深くしました。
そして、視察地の一つであります輪島市の南志見地区に行ってまいりました。ここは、基盤整備をやるんだと、圃場の整備をやるんだということで、担い手も見付けて、それから地域計画も作って、そして三割ぐらいはもうでき上がっていた。それで非常に見込みが立っていた。それが全部やられて、農地の原形もない。もう本当に絶望されていました、どうしたらいいんだと。せっかく、担い手も見付けて、農地の集約も進めて、圃場の整備もやる予定だったのに、どうしたらいいんだというようなことを聞いて、何とかしなきゃいけないと思います。先生が言われるように早く復旧しなきゃなりませんが、ここはすぐはなかなか難しいです。
その後、意見交換も行いました。その中では、十か月たったんだよ、江藤さんと、十か月。だけども、私のところには建設業者が来た形跡は全くないと、全くほったらかされているじゃないかとかなり厳しく叱責もされました。そして、今お話がありましたように、もうすぐ雪が降ると。雪が降ったら人手を確保したってもう仕事はできないんだよと、もう来年、もう営農できないんじゃないかと。大変、当初の予定よりもかなり長い時間、意見交換をさせていただいたということであります。
ですから、できるところもあります。すぐに来年の作付けに間に合うところもあります。そういうところは、何としても一枚でも多く復旧をさせていきたいと思っております。
そして、建設業者が足りないんだという声をたくさん伺ったんで、先生が御視察されたところも手が付いていなかったと思いますが、あの後いろいろ手を尽くしまして、県内外で十六の業者を確保いたしました。そして、先生が御視察いただいたところにも業者に入っていただいておりますので、何とか、十一月十八日から工事を進めております、先生が行ったところですね。何とか早く現場の御期待に応えられるように、農林水産省としても全力を尽くしてまいります。
発言No.16
よろしくお願い申し上げたいと思います。
震災で圃場に亀裂が入って、そして水路も破壊されてしまったという状況の中で、何とか農家の皆さんが頑張って、奥能登地域の八割方で作付けができていたと。で、米も豪雨までの間は収穫できていたというんですね。ところが、今度、豪雨被害でもって圃場に流木が入り、土砂が入り、今四百ヘクタールはもう作付けが絶望的という状況なんです。
大臣に是非お願いしたいのは、十一人で運営している農業生産法人にお邪魔してきたんですけれども、従業員若いですよね、それから地域の農地を引き受けて、そして百四十ヘクタールぐらいでしたっけ、耕作をしてたんですね。それがもう全部駄目というような状況になっております。これ、早く復旧していかないと、まず会社が守れない、それから従業員の雇用が確保できない、暮らしが守れないという状況で、この地域の中心的な担い手だった農業生産法人が駄目になってしまったら、もう広大な面積のもう農地が荒れ地になってしまうわけですよね。
この地域は高齢化率が五三%ということで相当高いので、復旧復興が遅れれば遅れるほど離農が増えていくということで、これは奥能登だけの問題ではなくて、石川県、ひいては日本農業全体の問題にもつながりかねませんので、是非、この農業生産法人の会社、雇用、暮らしを守る、しっかりやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
発言No.17
おっしゃるとおりだと思います。
今、農政の中で平均年齢がもう六十八歳を超えてしまった。そして、二十年後には三十万人にまで基幹的農業従事者が減ってしまう。このような状況の中で、今頑張っているその若手の意欲のある農業者がもしここでへたり込んでしまったら、後に続く者はいないですよ。ですから、今頑張ろうという意欲を持っている人をいかに守っていくかということが大事だと思います。
農業生産法人ですから中小企業庁とも連携する必要があります。様々な省と横の連絡を取りながら、縦割りを排除して、できる限り早く雇用が守られ、営農が継続され、再開されることを全力で応援してまいりたいと考えております。
発言No.18
二百人を超える地権者の農地を預かっているということでございますので、スピード感を持って対応していただきますようにお願い申し上げたいと思います。
それでは、次に参りたいと思います。
これも立憲民主党の農林水産キャラバンなんですが、全国の農業者の皆さんとお話をする中で必ず一番最初に言われるのは、有害鳥獣被害対策、これを何とかしてくれと。一生懸命丹精込めて作った農作物が野生鳥獣に食われてしまって、もう心が折れるという声をたくさん聞いております。
財務省が六月に行われた予算執行調査の結果、柵が適切に設置されていない、鳥獣の捕獲頭数と農業被害の減少に明確なつながりはないと、取組の効果を検証しない市町村への交付金を見直すなど、鳥獣被害防止総合対策交付金の予算の削減や現場への締め付けとも取れる方針を示していましたけれども、この財務省の調査そして方針について、現場の声をよく聞いておられる農林水産大臣、どうお感じになりますでしょうか。
発言No.19
予算執行調査において今先生が御指摘にあったようなことを言われたことは重々承知をしております。
しかし、これは私としてはなかなか受け止められない内容であります。鳥獣被害によって耕作放棄地になったところもあります。作っても作っても食べられてしまうので、これ以上やっても仕方がないからやめてしまったという場所もあるんですよ。そこに柵が設置されていないと言われても、なかなかそれは理解ができない。ですから、定量的に予算の執行状況だけを見て、これは駄目な、だからお金は要らないんだろうという評価は、私はちょっと違うんだろうと思います。
やはり、その市町村のそれぞれの事情がありますから、そして全国的に見ても有害鳥獣被害は増えているんですよ。ただ数字だけを見ると、これは環境省の報告だったと思いますが、金額は下がっているんですよね。それだけ見ると有害鳥獣被害は減ったように見えますが、実はそうじゃなくて、作らなくなったから減っているように見えるという現場もありますので、私は、これから先は、四百三十三万ヘクタールの今、日本が持っている農地、これを守っていく上でも、しっかり柵を引いたり、電柵を引いたりですね、そういう対策をすることはより一層大事になってくると思っておりますので、必要な予算はしっかり配分をした上で、そして、そういうことがなかなか難しい市町村に対しては、農林水産省から指導なり助言なり、そういったものを丁寧にしてまいりたいと思っております。
発言No.20
力強いお考えをありがとうございました。
これまでは鹿とかイノシシの被害が多かったんですけど、最近は、農業被害、熊による被害も、家畜を食べるということもありますから非常に増えているんですね。私の地元北海道では昨年のヒグマの捕殺頭数が千八百七頭、そして秋田は二千百八十三頭、全国では九千九十七頭の熊が捕殺されているんです。鹿やイノシシなども多く捕殺されておりますけれども、この捕殺頭数が被害の減少に明確につながっていないかもしれませんけれども、新たな被害の防止には絶対つながっていると思うんですよね。ですから、是非とも予算の拡充、そして実効性のある対策、進めていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
さらには、農作物への被害だけではありません。先日も、秋田のスーパーに熊が入りまして、従業員を襲った、そして居座ったという問題がありました。それから、北海道ではニセコ町でわなに掛かった雄の鹿の角に刺されたと思われる農家の方が亡くなったということもありましたし、十月には京都の福知山で、水田で農家の方が倒れていた、穴が空いていたということで鹿に刺されたのではないかということであります。それから、鹿による交通事故も北海道で増えています。もう大きな雄鹿に当たったら車全損ですから、本当、命の問題なんですね。
ですから、しっかりとこの有害鳥獣被害対策、予算の拡充、対策の強化、行っていただきたいと思いますが、総理、いかがでしょうか。
発言No.21
おっしゃるとおりであります。
これ、幾つかやり方はあるんですが、まずハンターの数が足りなくなってきている、高齢化も進んでおりますし。じゃ、その報奨金というんですかね、それが十分じゃない。で、ハンターの数が減っている。これも日本はやっぱりそういうのはスポーツとしていまだ定着していないというところもあるのかもしれません。
私、防衛大臣やっておりましたときに自衛隊出せないのかと言われたことがありましてね。自衛隊は、妙な話、その自衛隊が見ているのは地形図なんです。警察が見ているのは住居地図なんです。ですから、自衛隊はどこにどんな地形があってということはよく知悉をいたしておりますので、どうなんだろうかという御提案をいただいたこともございます。そうであれば、災害派遣なのか訓練なのかとか、いろいろ法制上の根拠も検討してみたことがあるんですが、しかしながら、それもやっぱり銃の管理とかそういう点でかなり難しいところもある。これをどうするかは、また警察あるいは農水省とも御相談をいたしますし、環境省とも御相談をいたしますが、やっぱりハンターの数どうしますかということがあります。
あとは、私、ジビエ議連の会長って随分長いんですが、そうしますと、じゃ、どうやってジビエとしてそれを消費をするか。やっぱり我々にとってみれば害獣ということになるわけですが、やっぱりそういう命をいただくわけですから、それなりに感謝の気持ちは持たねばならぬと。
ただ、このジビエもなかなか普及しないというところがございまして、長くなって恐縮ですが、例えばジビエカーという車がございましてね、まあ最近はスーパーにも出たりするんですが、大体鳥獣というのは山にいることが多いので、二時間以内に処理をしないと味が落ちるんですね。処理場まで運ぶと、かなりその間に品質が劣化するということがございますので、トラックを改造したジビエカーがそこへ行って、下処理はそこでできると。で、処理場に行ったときはもうかなりいい状態になっているということがございます。これをもう少し普及しやすくできないだろうか、あるいは、もう埋却しちゃうよりも、もう少し報奨金が出るような体系ができないだろうかといろいろ考えております。
そういうことで鳥獣対策ってやっていかねばなりませんが、基本は、山が荒れて食べ物がなくなりましたと、そして人里にも人がいなくなったので、そういう熊とか鹿が出没しやすくなりましたということは根底にはございます。やっぱり、鳥獣が山に帰ってこれる、いけるような山をつくる、そして里山にも人が戻ってくるような、迂遠なようですけれども、昭和三十年代、四十年代ももちろん鳥獣被害はあったんですが、山はもっと豊かだっただろう、里山はもっとにぎやかだっただろう、やっぱりそこも根本には問題として原因があるような気が私はいたしております。
また御指摘いただければ対応いたします。
発言No.22
ハンターの高齢化が進んでいるので、撃ってもなかなかその現場から鹿を運び出せないということもあって、放置してくるとか、本当は掘って埋めてこなきゃいけないんですけれども、埋めないでおいてその上にちょっと土掛けるぐらいにしてくるので、適度に腐敗して、それが熊の餌になって、熊が食べて肉に執着をすると、こういうことも起きておりますから、ジビエカーも予算さえ付けば増やせるんですよ。問題は予算なんです。財務大臣、しっかり予算付けていただきたいというふうにお願いしたいと思います。
それから、ハンターの育成もそうですけど、全然ハンター足りませんね。あと、警察というお話もございましたけれども、もうハンターの謝礼も自治体によって違いますし、それからその報奨金も、猿と鹿が、あっ、猿と熊が一緒なんですよ、八千円ですよ。熊は命懸けで捕獲するんですよ。やっぱり熊の基本単価をもっと上げなきゃ駄目ですよね。幾ら自治体が上乗せするといったって限界がありますから、こういうところもしっかり検討していただきたいと思いますし、やっぱり専門的で広域的に活動できる、もう公的機関でもってこの有害鳥獣被害対策やらないと駄目だと思いますよ。
ハンターの報酬も安定的にしっかりと得られるような、そういう形にしていかないと、せっかく狩猟免許を取ってもらってもなかなか続かないということになりますので、本当に真剣にこの有害鳥獣被害対策は政府には考えていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
環境大臣にお伺いいたします。
これまで何度も熊の問題で国会で質問させていただいて、熊類を指定管理鳥獣に追加していただいたり、それから通常国会での銃刀法の改正、これもハーフライフル銃の規制、これ特例措置をしていただきました。本当にありがとうございます。
残りは鳥獣保護管理法なんですけれども、来年通常国会の改正に向けて今準備中ということですが、これ、なぜこの鳥獣保護管理法を改正しなければいけないのか、資料を付けさせていただきましたので、できれば資料を見ながら御説明していただきたいと思います。(資料提示)
発言No.23
資料も御用意いただきましてありがとうございます。
私自身も、先日、秋田県を訪問し、熊の市街地での出没対応についてお話を伺いました。その際に、鳥獣被害対策の重要性について改めて認識をしたところであります。
御提出いただいた資料の一枚目の多分上の方が、現在の鳥獣保護管理法第三十八条で禁止していないところでは銃が撃てると。しかし、禁止されている場所では、ここに書いてあるとおりでありますけれども、いずれかですね、警察官職務執行法に基づく警察官の命令に基づく場合か、あるいは刑法第三十七条の緊急避難に該当してハンターの判断で発射が可能というふうになっております。
具体的に申し上げますと、住居集合地域等における猟銃は、銃猟は禁止されており、緊急に銃猟による対応が必要な場合には、今申し上げた警察官職務執行法、警察官の命令などが必要だということであります。ただ、警察官職務執行法の命令は、現実かつ具体的に危険が生じ、特に急を要する場合に発令されるものであり、近年、熊が人の日常生活圏に出没し、生活環境の保全上の支障が生じる事例が増加している状況においては、従来よりも予防的かつ迅速に対応できる必要が、仕組みが必要になっているということであります。
ということで、今お話がありましたように、熊が市街地に出没した際に安全かつ円滑に銃猟が実施できるよう、鳥獣保護管理法の改正を検討しておるということでございます。
発言No.24
皆さんも御案内だと思いますけれども、北海道の砂川というところで、行政の要請による駆除でハンターが発砲した弾が建物に当たる可能性があったと、危険な発砲があったとして鳥獣保護管理法違反で猟銃所持の許可を取り消されたベテランハンターが処分の取消しを求めた控訴審で十月に敗訴したということがありました。
平成二十四年に警察から各所轄に出されている通知を、通達を見ますと、ハンターが職務法第四条第一項に基づく警察官による命令に忠実に従い、危害防止のため通常必要と認められる措置として猟銃により当該熊等を駆除することについては、当該ハンターが刑事責任を問われることはないと、そう書いてあるんですね。ところが、問われてしまったと。
これが問題になって、ハンターの皆さんは、この警察官の職務執行法四条とか刑法の三十七条で撃てることにはなっているけれども、責任を問われたんじゃたまらないと、もう命懸けで捕獲、駆除しているのにということで、今いろんな問題が起きているわけですが、この鳥獣保護管理法の改正に当たって、万が一器物を損壊したり人に当たってしまったときに誰が責任を取るのかと、ここが一番の肝だと思うんですが、この点、いかがでしょうか。
発言No.26
是非とも改正のときにはこの砂川の問題をしっかり分析、検証していただいて、同じようなことが絶対起きないようにしていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。国家公安委員長もよろしくお願い申し上げたいと思います。
それでは、次に行きます。
総理、SNSで総理のおにぎりの召し上がり方が話題になっていることを御存じですよね。おにぎりは、一口で食べずに、今年の新米は特においしいですから、味わって召し上がっていただきたいというふうに思います。
さて、その米の話でありますけれども、この夏、スーパーの棚から米が消えるという、今年の流行語大賞のノミネートもされました令和の米騒動が起きました。
備蓄米を政府が放出しないことに国民からの批判も高まりましたけれども、米は不足していたんでしょうか。この令和の米騒動とは一体何だったのか、農水大臣、御説明いただきたいと思います。
発言No.27
まず、事実関係から少し御説明をさせていただきたいと思います。
令和四年、一年前ですけれども、このときの生産量は六百七十万トンでした。そして、令和五年の作況は一〇一で生産量は六百六十一万トンですから、まず供給量が減ったと。まあ九万トンは減っていますが、大体統計的には毎年十万トンずつ消費が減ると。まあ最近減っていない傾向もありますけれども、インバウンド等があってですね。しかし、そんなにその供給量が減ったという事実はまずない。それから、民間の在庫も五年の六月末現在で百九十七万トンありましたから、民間在庫と供給量、生産量も合わせても米が足りなかったという状況にはまずなかったんですよ。
ところが、先生もよく御存じのように、ちょうど八月の端境期のときに南海トラフ地震の臨時情報が流れました。これは大変な、私、宮崎ですから大変びびりましたけれども、これが出て、消費者の方々は、やはり生活を守らなきゃいけない、これは大変だと、主食である米をやっぱり手元に置いておきたいという気持ちが働いて、購買量がその週から一気に店頭で一・五倍に伸びました。急にですね、一・五倍というとんでもない数ですけれども、そして店頭から米が消えてしまいました。それが報道されて、それを見て、ますます消費者の方々がこれはまた大変だということで買われたということであります。
しかし、スーパーの方々は基本的にスポットで米を買っています。中食とか外食の方々は通年契約で米を買う契約をしていますから、こんなに供給不足には陥りませんでした。しかし、スーパーの方々はスポットですから、卸の方々にもっと米を持ってきてくれと言っても、米は、御存じのように、現場にあるわけじゃなくて玄米で遠くにありますから、これ持ってこなきゃいけない。で、精米するにしても、その精米所を確保しなきゃいけない、そのコストも掛かる。急に運べば、陸運、いわゆるフードマイレージも余計に掛かるということで店頭価格も上がってしまったというのが今回の一つのことでありまして、そして、新米が出た後も非常にやっぱり集荷競争が大変激しくなりまして、店頭価格が高いのであれば、やっぱり問屋の方々も、ああ、やっぱり今買っておけばもうかるかなという気持ちもあったのかもしれません。
そういうことで、今回このような騒動が起きたことは、全く責任がないとは私言いません、農林省にですね。消費者が悪いと言っているんじゃありません、農林水産省は消費者の方々に安定的に食料を供給する責任も負っておりますので。
しかし一方では、生産者の方々から見れば、ずっとこの三年間、生産コストは上がり続けてきました。今の米価であれば営農を続けられると、やっと一息ついたという声もあるんですよ。
ですから、私は、両方のバランスを取らなきゃいけないので、生産者と消費者の方々が納得のいける価格形成がより必要になったなと思っています。ですから、来年の通常国会に合理的な価格形成ができるような法律を出していきたいと思っています。
そして、この機会にちょっと余計なことを申しますが、米はですね、消費者の方々に聞いてほしいんですけれども、大体、買って、精米している米は、おいしく食べられるのは一か月ですから、食品庫に山のようにお米を積んでおいても三か月もすると傷んでしまいますので、是非、米は、生産量も在庫も、今も百五十四万トンぐらい在庫はありますから心配要りませんので、このような事態がまた起こったとしても、慌てて買わないようにしていただけると農林水産省としては大変有り難いなと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
発言No.28
ありがとうございます。
やっぱり、米が足りないとか棚から米が消えたとか、やっぱりマスコミ報道って物すごく影響力大きいと思うんですよ。ですから、農水省としても、マスコミに正しい情報を早く伝える、間違った情報が流れないようにしていただきたいと思います。
それから、ちょっとこちらを御覧いただきたいんですけれども、今米の価格が高騰しているとまたマスコミが報道していますが、私、この高騰というのがすごく気になるんですよ。果たして本当に今米の値段が高いのか。
そりゃ、これまでと比較すれば高くなっていますよ。確かに、十月は二万三千八百二十円、過去最高の引上げ率ということでありますから、例えばコロナのときなんかは一万二千八百四円ですか、この頃と比べれば相当上がっている感じはありますけれども、この食管法の時代の米の価格を見ていただくと二万三千六百円とかですね、このくらいが米の価格だったわけですよ。ましてや今、生産コストが物すごく高くなっているんですね。
もう一枚資料を替えていただきたいんですけれども、これが米の生産コストです。農水省から資料出してもらいましたけれども、ここに全て入っているわけではないんですよね。
私の地元の北海道のJAに調べていただきましたところ、集荷・流通コストは、令和元年と比較すると令和六年一九・八%上昇、それから農業者コストは二一・四%も上昇していると。肥料価格は四割ぐらい上がっているわけですよね。あとはもう、物流費から光熱費から水道料から何から全部上がっているわけですよ。
それで、このコストを見てみると、入っていないものもありながら、農水省の資料でも、平地で六十キロ当たりの生産費が一万四千三百二十四円、中山間地の生産費が一万八千五百六十四円ということでありますから、今米の値段が上がっても、決して高騰しているんではないんだと。お茶わん一杯四十円から五十円ですからね。パンやカップラーメンと比べてください、全然お米安いんですから。
まずはそのことをしっかりと消費者の皆さんに理解していただく、その努力を農林水産省にはしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
発言No.29
私もこの職にまたしていただいてから、随時にわたりまして記者会見等では、大体今の五キロ三千五百円、四百円の値段で考えても四十円から四十四円ぐらいです、先生がおっしゃったとおりですよ。これが安いと言うと多分怒られるんです。うちは子供がいっぱいいる、育ち盛りだ、たくさんお米を食べるんだ、主食じゃないかと言われますから、安いとは申し上げません。安いとは申し上げませんが、ただ、米は安くなければならないんだということが国民の中で固定観念として根付いているというのは、私はちょっと問題だと思うんですよ。
やはり、物の値段は市場において需給と供給のバランスの下で決まるものでありまして、ですから、食料安全保障を確立しなきゃいけない、農業後継者をつくらなきゃいけない、米を作る人がいなくなったら確実に供給量が減って、昔のように、もしかしたら、だって戦前は米は自給できていなかったんですから。米が自給できるようになったのは昭和四十二年ですよ、昭和三十八年か。四十二年で大体均衡するようになったわけですよ。
ですから、それからは米は自給できる国になりましたけれども、それがいつまでも続くとは限らないわけであって、消費者の方々には申し訳ないんですが、現場の方々の御苦労もしっかり時々は考えていただきたいなと思います。
発言No.30
米の消費は私が生まれた昭和三十七年がピークで、大体日本人一人二俵お米を食べていたということであります。とはいえですね、高騰しているんじゃないんだと、適正価格なんだと、とはいえ、やっぱり消費者の皆さんにとって今物価高なので非常に負担が大きいということで、立憲民主党の緊急総合対策の中でこの米の価格上昇の支援ということを今回提案させていただいております。小売とか外食産業を一定期間支援して、まずこれが適正な価格なんだということを消費者の方々に理解していただく機会が必要なんじゃないかというふうに思っております。ここも是非とも検討していただきたいなと思います。
もう一つ、適正価格、そしてこの消費者理解という部分に関して、総理、どのようにお考えになるか、お伺いしたいというふうに思います。